同級生のおじいちゃんの話によると、この中学のあった一帯は戦災による被害が酷く、戦時中には防空壕もあったんですが、多数の方の命が失われたと聞いています。近くを通るJRのB駅でも、爆弾の被害により多くの方が亡くなったそうです。
この学校には不思議な事がよくありました。たまたま、雨の日の真夜中、学校の近くを通ったとき、奇妙なシーンを目撃しました。
「うわっ!!なんや、あれは…」
私は我が目を疑いました。雨が降っているのですが、何故か運動場の丁度、真ん中だけは雨が降ってないんです。あの場所には、何か言われがあるのでしょうか。私は見てはいけないものを見てしまったように気持ちになり、その場を立ち去りました。
校舎とは、別棟に図書館があったんですが、この校舎を建てる時に多くの人骨が出たって噂があったんです。
「ほんまやって、人骨の話は…」
「嘘やろ、よくある怪談話やないか」
「いや、やばいから慰霊碑を建てたって噂もあるんやて」
私もこの話を聞いた時、正直信じられませんでした。あまりにもベタな学校怪談ではないですか。しかし、ある日、図書館の近くで奇妙な物を発見してしまいました。
「なんやこれ、慰霊碑とちゃうか」
私は驚きました。普段立ち入れないところに慰霊碑があったのです。人目を避けるようにひっそりと建つ慰霊碑。単なる学校の怪談だと思っていたのに、まさか本当に慰霊碑があるとは…。
「あの人骨が出た噂ってほんまやったんや」
他にもトイレの怪談もありました。
「あのトイレなぁ、夜になると、赤ん坊の泣き声がするらしいで」
「他にもなぁ。紫便所、赤便所、緑便所ってのがあって、紫便所では紫の水、赤便所では赤の水、緑便所では緑の水が流れるらしいで」
中学入学の直前にこんな話を聞きまして、正直かなりびびりましたね。
監修:山口敏太郎事務所