スポーツ
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スポーツ 2016年12月26日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND32 〈“両者KO”極限の死闘〉 名勝負を生んだ藤波の頑張り
次代のエースを争う藤波辰巳(現・辰爾)と前田日明のシングル対決。直前の新日本プロレスvsUWFの5対5勝ち抜き戦では、藤波が藤原喜明の場外パイルドライバーで大流血し、ハンデを抱えての対戦に前田が勝利を収めたが、シングル対決でもまた、藤波は大流血のアクシデントに見舞われた。 日本人トップレスラーの中で、藤波ほど評価の分かれる選手もいないのではないか。 「ジュニア時代のドラゴンブームを知るファンなら、華やかなスター選手のイメージを強く持つでしょうが、ヘビー転向後しか知らないと、長州力らの影に隠れた“地味な存在”と感じるかもしれません」(プロレスライター) 人格についてもそうだ。 「新日社長となってからの藤波は、周囲やマスコミから“コンニャク”と揶揄されるほど、その優柔不断さを指摘されたものですが、しかし、それは深謀遠慮の故でもある。藤波ほど多くの岐路に立たされた選手はいないですから」(同) アントニオ猪木の後継をにらんだジュニアからヘビーへの転向、長州人気に押されて敵役となった“名勝負数え唄”時代、全日本プロレスのジャイアント馬場からの移籍話、さらに自身の度重なる故障…。 「今ではネタ扱いされることの多いドラゴンボンバーズの結成や無我の設立、社長時代に橋本真也の独立問題で揉めたZERO-1も、本来は興行やアングルを考えてのもの。ドラゴン・スープレックスからドラゴン・スリーパーへと至るフィニッシュホールドの変遷も、自身のパフォーマンスとリング上での説得力を考え合わせた上のことで、その時々に思い悩んでいたことがうかがえます。結果として移籍も引退もしなかったことで、低迷期の新日が完全崩壊に至らなかった事実もあるわけで、その点での藤波の功績は多大だと言わざるを得ません」(同) 藤波は“強さ”の点でも意見が分かれる。 「藤波を弱いとするのは、主にミスター高橋が著書の中で〈格闘家としてはお世辞にも強いと言えない〉と断言したことの影響でしょう。確かに五輪代表の長州と比べれば、レスリング技術でこそ劣るかもしれないが、いわゆる“極めっこ”など、新日流のグラウンド技術で劣っていたわけではない」(新日関係者) UWF軍として新日参戦していた前田日明が、藤波との対戦後に「無人島だと思ったら仲間がいた」と、賛辞を送ったのもここに由来する。 「この言葉を“藤波がUWF勢のキックや関節技を正面から受け止めた”という、受け身の部分に対する評価と理解しているファンは多いようだが、それだけではない。前田の真意は、新日道場で練習を重ねてゴッチの下で学んだ藤波に、UWF勢と同じバックグラウンドを見つけたということだったと思いますよ」(同) さて、その両雄が対戦した試合は、1986年6月12日、大阪城ホールでIWGP予選として行われた。猪木らのAグループと、藤波や前田のBグループに分かれてリーグ戦が争われ、それぞれのトップが決勝進出するという方式である。 藤波と前田は、ディック・マードックとともにトップを競っており、この試合に勝利すれば決勝進出に向けて大きく前進するという、大事な一戦であった。 猪木vs藤波の師弟対決となるのか、それともついにファン待望の猪木vs前田が実現するのか。大きな注目の中で試合は始まった。 終盤に前田が放ったフライング・ニールキックにより、藤波が目尻を切って大流血したことで知られるこの試合だが、加えて注目したいのが序盤戦だ。 藤波は前田と互角以上のグラウンドの攻防を見せ、スムーズな入りからのクルック・ヘッドシザース…U系の代名詞的な技を披露している。さらにはローキックも繰り出すなど、格闘プロレスにしっかり対応してみせたのだった。 5分を過ぎた頃からは、攻めの前田に受けの藤波と、それぞれの特色が際立つ好勝負となる。 藤波の流血アクシデントを招いた前田のニールキックが、通常の体を横に倒しながら飛び上がる形ではなく、タテ回転の大車輪キックのような形になったのは、前田いわく「藤波さんならこのくらいは大丈夫」との信頼感からのことだった。 ちなみに後年、前田は藤波との対談の中で、その出血について「(レフェリーのミスター)高橋さんがまたいらんことをしたのかと思った」と話している。 “いらんこと”とは、つまりレフェリーが故意にカットしたという意味。前田が“流血の魔術”など不要と感じるほどに、藤波との闘いに対して手応えを感じていた証左であろう。 結果は藤波のレッグラリアットと前田のニールキックが、相打ちとなっての両者KO。恐らくは事前の予定通り、共に“決勝進出しない”ための引き分けとなった。 「前田が頭から落ちて立ち上がれないというのは、やや無理やり気味でしたが、それでも観客から不満の声が上がらなかったのは、大流血を押して闘い続けた藤波の頑張りがあってのことでした」(スポーツ紙記者) なお、同年の決勝は猪木とマードックの間で争われ、猪木の勝利に終わっている。
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スポーツ 2016年12月26日 11時05分
金本監督と矢野コーチがぶつかる? 「2017年の正捕手争い」
失策97にこだわるか、それとも、将来のクリーンアップ構想を進めるか…。 金本知憲監督(48)は糸井嘉男外野手(35)の獲得に成功すると、「中堅・糸井、右翼・福留」の構想を明かした。2016年シーズンは中堅手と捕手が日替わり状態、これに遊撃手・鳥谷の不振も重なって、金本監督は守備陣営の基本ともいえるセンターラインを構築できなかった。俊足の糸井を中堅で固定したい気持ちは分かる。しかし、そのセンターラインの生命線は「捕手」である。正捕手不在は金本監督も急務の課題とし、秋季キャンプで改めて「横一線の競争」と訴え、捕手陣にハッパをかけていた。一人の捕手がシーズンを通してスタメンマスクを被るのは、チームの理想像だが、来シーズンも「日替わり」になりそうだ。 「金本監督は就任以来、コーチスタッフの反論は歓迎すると話していました。でも、実際はコーチ陣も遠慮していたようです。その反省が秋季キャンプでも話し合われ、来季こそ、忌憚なく意見をぶつけ合おう、と」(球界関係者) その通りだとすれば、金本監督はリーグワーストの失策97をカウントした守備難の弱点と、将来のクリーンアップ構想を天秤に掛けることになる。 金本監督と打撃担当コーチ、掛布雅之二軍監督(61)が抱く近未来のクリーンアップ候補は、高山俊、原口文仁、新人の大山悠輔。3人ともまだ20代前半だ。「生え抜きの大砲が育つまでまだ時間が掛かる。その間、糸井に助けてもらって」の金本発言にも筋は通っている。しかし、原口は捕手である。捕手としての守備能力だが、秋季キャンプでは坂本誠志郎、梅野隆太郎らとの正捕手争いで苦しんでいた。実際に走者をつけて二塁盗塁を防ぐバッテリーの守備練習がとくにそうで、坂本が7回やって全て刺したのに対し、原口は1、2回。梅野も4、5回刺していた。原口には右肩を故障した過去もあり、シーズン中、盗塁阻止率が2割を切った時期もあった。一塁手転向が囁かれたのはそのためだ。 守備力、肩の強さを考えると、正捕手争いは坂本か梅野ということになる。関西で活動しているプロ野球解説者がこう言う。 「原口は肩、腰の故障歴があり、二軍戦でも捕手での出場機会が少なかった。捕手としての実戦感覚が戻ってくるのはこれからだし、今季はボールを受け取ることも少なかった一軍投手とバッテリーを組んだので、この時点で評価を下すのはかわいそう」 金本監督が一塁手コンバート案を撤回したのもこのへんに理由がありそうだ。 原口の打撃力は群を抜いている。梅野の打撃練習を見ると、鋭い打球を連発していた。リーグ5位に沈んだチーム打率2割4分5厘を考えると、原口はスタメンから外せないが、矢野燿大作戦兼バッテリーコーチは正捕手争いについて必ずしも金本監督と意見が一致していないという。 「配球と肩の良さがポイント。矢野コーチは『そつなく、守備のできる捕手』を理想としています」(関係者) この「そつなく」の言葉にあてはまるのは、やはり坂本だ。この考えは編成スタッフにも浸透している。今秋のドラフト会議でまた一人、捕手を指名している。7位の長坂拳弥(22=東北福祉大)だ。彼の特徴は二塁送球のスローイングモーションが小さく、鋭いボールを投げる。他球団だが、東北地区担当のスカウトの言葉を借りると、「(対戦打者の)見送り三振が多い。裏をかくというか、対戦打者が何を狙っているのかを瞬時に見極める力がある」とのこと。坂本と同じ強肩好リードの捕手というわけだ。この矢野コーチ好みの「そつなく」の捕手がまた一人増えたことを考えると、原口は守備面で“脱落した”とも解釈できるが…。また、矢野コーチは「1年目は金本監督に遠慮していた。これからはどんどん意見を言う」とも宣言しており、原口の打撃力を買う金本監督と正捕手論でぶつかる可能性は高い。繰り返しになるが、原口の打撃力は惜しい。失策97の改善を急ぐのなら、守備力の高い捕手をスタメンに送らなければならない。だが、チーム打率2割4分5厘の底上げを優先するならば、原口は外せない。 正捕手争いは2017年も終わらず、何人かの捕手を併用することになるのではないだろうか。原口と「そつなく」の坂本の両方を生かすとしたら、コンバート案の再燃か?
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スポーツ 2016年12月25日 16時00分
トランプ次期大統領に直談判! 孫社長が目論む日米ワールドシリーズ
侍ジャパンが世界一奪回を目指す第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が来年3月に開催される。しかし、同大会は今回限りで終了、日米王者による「リアル・ワールドシリーズ」に一新する可能性が高まっている。 12月6日(日本時間7日)、ニューヨークの「トランプタワー」でトランプ次期米大統領と会談したソフトバンクの孫正義社長。2人は約45分に渡って意見交換し、孫氏は「米国でIT(情報技術)分野を中心にした新興企業に約5.7兆円投資することと5万人の新規雇用」を申し出た。見返りの一つが念願の「日米リアル・ワールドシリーズ」の創設だという。 「ソフトバンクは2013年に約1兆8000億円で買収した米携帯電話3位のスプリントと4位のTモバイルUSとを合併させ、AT&T、ベライゾンの2強に対抗する第三勢力を作る意向でした。しかし、米連邦通信委員会が寡占を警戒し断念した経緯があります。今回の会談でトランプ氏が『積極的に規制緩和する』と応じたことで、統合を仕掛ける環境が整ったのです。合わせて、長年の夢だった日米の王者同士が対戦するリアル・ワールドシリーズ創設を直談判したとみられている。携帯電話事業で日本のソフトバンクの名を知らしめるには格好のアドバルーンですからね」(経済誌アナリスト) 会談終了直後、両氏は揃って登場。トランプ氏は「業界で最も素晴らしい男の1人」と孫氏を絶賛。孫氏も「(トランプ氏が大統領になったら)もう一度(米国の)成長が加速する」と述べ、会談が大成功に終わったことをうかがわせた。 この動きと呼応するように、「WBCが来年3月の第4回大会限りで終了する可能性が高まった」と米国の各メディアは報じている。 WBCは、大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が共同運営するWBCIが主催する大会。'06年の第1回大会から日本が連覇し、'13年の第3回大会はドミニカ共和国が初優勝。一方、主催国ともいえる米国は過去3大会で優勝は一度もなく、前回は2次ラウンドで敗退。日本や韓国、中南米諸国の引き立て役に甘んじ、人気もいまひとつだ。 「開幕前の3月に開催されるため、大物大リーガーは出場せず、米国は勝てません。しかも、前回大会の総収入は約80億円で、諸経費を差し引いた純利益は10億円程度。1兆円ビジネスを展開するMLBにとっては魅力がなく、出場各国との調整や会場確保などデメリットの方がはるかに大きい。今大会でも大きな収益が得られなければ、発展的解消は避けられません」(大手広告代理店幹部) そこに割って入ってきたのが、日米両国のチャンピオンが戦うリアル・ワールドシリーズ構想だ。開幕前ではなく、日米のシリーズ終了直後に開催すれば、一流大リーガーも出場できる。 これまでMLB側は日本プロ野球を見下し実現しなかったが、トランプ氏の後押しが加わった。WBCは来春で見納めになりそうだ。
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スポーツ 2016年12月25日 12時00分
新日本1・4ドームを前に棚橋調子上がらず! 内藤の勢いを止められるのか?
「ドームの直前になれば、自然に棚橋のコンディションも上がってくるだろうっていう、希望的な観測がダメだったね。結局、調子上がらず。ただ、内藤は元気良いし、生き生きしてて、嬉しそうだけど、“棚橋にならなかった男”。やっぱり、俺の代わりは、いないからさ」 16日の後楽園ホール大会でKUSHIDAとのタッグで、内藤哲也&高橋ヒロムとのダブル前哨戦に臨んだ棚橋弘至は、試合後声を振り絞りながら、何とか強がりを見せるのが精一杯だった。 棚橋は来年の1・4東京ドーム大会で、内藤が保持するIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦することが決まっているが、カード決定発表の記者会見から内藤にペースを握られたまま年内最終戦(16&17後楽園2連戦)を迎えてしまう。16日はタッグマッチということもあり、何とか一矢報いたかったが、高橋ヒロムをロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(L・I・J)に加入させた内藤の勢いは凄まじく、棚橋らしさのすべてを封じられてしまったのだ。あの前哨戦を見て1・4ドームでの棚橋勝利を頭に描いたファンは少ないだろう。ここまで差が開いた前哨戦も珍しい。また棚橋も話しているように、ここ数年は年内最終戦にピークを持ってきて1・4ドームへの期待を感じさせてきただけに、棚橋自身が一番戸惑っているのかもしれない。 翌17日は、天山広吉、小島聡、デビッド・フィンレーを加えてL・I・Jとの10人タッグマッチ。試合は小島がBUSHIを捉えて、新日本の本隊チームが勝利を収めたが、棚橋が内藤にインパクトを与えることはできなかった。しかし、この日は長年愛用してきた棚橋の入場テーマ曲「HIGH ENERGY」が最後(1・4ドーム大会より新曲で入場)ということで、棚橋が場を締めることができた。 「“HIGH ENERGY”(入場テーマ曲)がさっきで、試合で使うのは、ラストでしたね。一つの時代が終わって、また新たなステージに進むという気持ちなんでね、新しい入場曲、そして新しい2017年の棚橋は、大いに期待してください。いよいよ、1・4東京ドーム、トランキーロの下に隠された、内藤哲也を引き出して、倒して、俺がチャンピオンになります」 前日とは違って晴れやかな表情を見せた棚橋。こうした切り替えの早さは棚橋の強みでもある。 「俺は棚橋を追いかけてきたよ。ずっと、棚橋の背中を見てきたよ。あの、輝いている棚橋に憧れ、彼をいつか超えたいと思ってたよ。でもさ、いつの間にか、輝きを失い、そして、いつの間にか、俺より後ろの存在になってしまった棚橋だけどさ。まぁ、最後の晴れ舞台だよ。東京ドーム。今流れてる『HIGH ENERGY』、今日で最後なんでしょ? やっぱり、輝いてた時の棚橋、イコール、この『HIGH ENERGY』がイメージであるからね。この『HIGH ENERGY』の終了とともに、棚橋時代も完全に終わりでしょ。きっと彼も望んでるはずだよ。最後のとどめを、俺がきっちり刺してやるぜ」と内藤。 1・4ドーム大会でL・I・Jは、SANADA&EVIL&BUSHIがNEVER無差別級6人タッグ王座に、高橋ヒロムがIWGPジュニアヘビー級にそれぞれ挑戦が決定しており、内藤も含めてメンバー全員がタイトルに絡むことになる。一夜にして、メンバー全員がタイトルホルダーになる可能性も秘めているのだ。今年の新日本プロレスを席巻してきたL・I・Jにとっても1・4ドーム大会は来年に向けた大切な大会となる。 そんな内藤やL・I・Jを「力で」止められるのは棚橋しかいない。まさに背水の陣で内藤戦に臨む棚橋の巻き返しに期待したい。(どら増田)写真:広瀬ゼンイチ【新日Times Vol.49】
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スポーツ 2016年12月24日 16時00分
大誤算! 日本ハム・大谷翔平の来季オフ激安メジャー挑戦(2)
島田利正球団代表は、米挑戦の時期について記者団に「大谷の成長スピードは我々の想像以上。彼が一番と思うときに行かせてあげたい」と答え、時期の明言は避けたが、早期挑戦は間違いない。また、球団内にも2億7000万円以上は支払えない事情があった。 「主砲の中田翔(27)は2億8000万円。今季不振だった時期も長く、チームとして精一杯の額。大谷の年俸を抑えることで、中田はチーム一の年俸額を維持できた」(スポーツ紙記者) 中田にも先輩として、主砲としてチームを支えてきた自負・メンツがある。大谷の成績は素晴らしいが、どちらも規定回数に到達していない。5億円が支払われていたら、チームを支えたレギュラー陣の機嫌を損ねる危険性もあったのだ。 「大谷が来オフの挑戦を見送れば、さらなる昇給は必至。『規定打席、規定投球回数に足らない』という、二刀流の弱点を突いて、球団が残留に備えたとも考えられます」(前出・関係者) 日ハム球団の総年俸は約25億円とされている。かつてダルビッシュ有がその5分の1強を占めた時期があり、一選手が「特別視されている」との外部の声に懲りたともいう。だが、大谷が海外FA権を獲得する前に売る方針に変わりはない。 「順調に行けば、大谷の国内FA権取得は2020年オフ。『東京五輪で活躍してメジャーへ』という期待も聞こえてきますが、日ハムがダルを手放したのは在籍7年目、田中も7年でした」(前出・飯山氏) 日ハムは今春のキャンプを、提携先のパドレスのキャンプ地である米アリゾナ州ピオリアで行った。その大谷が登板した練習試合には50人強の米スカウトが集まったが、周囲は「パドレス有利」の見方をする。 「パ軍は斎藤隆氏に次いで、野茂英雄氏もフロントスタッフとして迎えました。野茂氏の長男は'14年オフから日ハムの球団通訳を務めています。スタッフ間の人間関係もそうですが、パ軍は二刀流のテストも行っています」(前出・関係者) パ軍は今季、控え捕手のベタンコートを救援で登板させた。敗戦処理投手を惜しんでの登板だったが、155キロの速球とナックルを織り交ぜ、首脳陣を唸らせた。日ハムを参考にした選手起用だ。 「規定打席、規定回数に届かないことが大幅昇給を抑える要素になるのなら、大谷を獲得する米球団はその査定法を踏襲する」(同) 二刀流は野球人の夢。米球界挑戦によって大谷は「夢でカネは稼げない現実」を知るかもしれない。
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スポーツ 2016年12月23日 16時00分
大誤算! 日本ハム・大谷翔平の来季オフ激安メジャー挑戦(1)
大谷が契約更改を終えたのは12月5日。前年比7000万円アップの2億7000万円(推定)だが、その金額に各方面から「安すぎる!」と批判が殺到した。 「ネット裏では『大谷は5億円に到達する』と予想する声も出ていました。投手として3年連続2桁勝利、打者としてキャリアハイの打率3割2分2厘、22本塁打。規定回数には届きませんでしたが、投打とも一流選手の成績です」(スポーツライター・飯山満氏) しかし、日ハム球団には『格安更改』せざるを得ない理由があったのだ。 「大谷の契約更改と前後して始まったのが米メジャーのウインターミーティング。今年はFA選手が少なく、各球団の代理人にも余裕が感じられた。フリートークとして、大谷のことも話題になりました」(在米記者) 格安更改せざるを得ない理由の一つが国外にあった。このウインターミーティングに先駆け、米選手会と大リーグ機構(MLB)が「新たに合意した労使協定」として、大谷の米挑戦にも影響する新ルールを発表した。 〈国外の25歳未満の選手と契約する場合、契約金の上限は600万ドル(約6億8000万円)まで〉 大谷は来オフ23歳。ポスティングシステムによる米挑戦が決まったとしても、'15年オフにドジャースと契約した前田健太の8年総額1億620万ドル(約128億円)、田中将大の7年1億5500万ドル(約161億円)には届かない可能性が出てきた。 「マエケンの契約金は100万ドルで、その分、年俸や出来高を厚くしている。ヤンキースが田中獲得に注いだ総額は、彼に提示した約161億円だけでなく、楽天球団に払う落札金や贅沢税などを含め275億円近くになる。契約金を抑える新ルールができれば、米30球団は日本人選手を始め、海外の有望な若手を獲得しやすい。一見、無関係に思える米選手会が新ルールを承諾したのは国外選手の獲得資金に対する嫉妬。国外選手の獲得資金が安くなれば、自分たちの年俸の上がり幅が大きくなると思ったからでしょう」(前出・在米記者) また、これもFA選手が少ない影響だろう。今回のウインターミーティングではポスティングシステムの落札金に設けられている上限金についても『見直し』の意見が出ていたという。 「日ハムはパドレスと業務提携しており、契約金の新ルールと入札制度の上限金見直しの動きを事前に聞かされていたようです。大谷の米挑戦の時期には最終的にもう一度話し合う予定ですが、双方は'17年オフを一つの目安にしています。米球界が対象選手、当該球団に支払う金額を大幅に抑えるのなら、先送りする可能性もある」(球界関係者)
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スポーツ 2016年12月23日 15時15分
斎藤佑樹の背番号昇格は本当に「期待のメッセージ」か?
斎藤佑樹(28=北海道日本ハムファイターズ)の背番号が「18」から「1」に変わる。栗山英樹監督(55)は「球団からのメッセージになる」と説明していたが、これで日本ハムの背番号の1ケタに「空き」はなくなった。背番号1への変更は、本当に激励のメッセージだろうか。 「巨人の王さんと長嶋さんのように、強いチームには軸がある。中田ともう一人、軸が欲しい」 これは去る12月17日、優勝旅行先のハワイから帰国した際、栗山監督が語ったもの。来年のドラフト戦略について触れ、競合覚悟で早実・清宮幸太郎を獲りに行くと話したのだ。清宮指名を本気で進めるのなら、陽岱鋼のFA移籍で空き番号となった「1」を残しておくべきだが…。 「来季、斎藤が一軍戦力として活躍できるかと聞かれれば、悲観的にならざるを得ません。そのことは栗山監督がいちばんよく分かっているはず。斎藤の背番号変更は『球団の意向』と見るべきです」(ベテラン記者) 一部報道によれば、田中将大(28=ヤンキース)と投げ合った2006年夏の甲子園と同じ背番号と“前向き”に伝えていた。 しかし、プロ野球では基本的に1ケタ台の背番号は「野手番号」である。このことを指して、こんな見方もできる。斎藤は4年連続のダウン提示で契約を更新した。昨年選手会が発表した一軍平均年俸額は約2300万円。斎藤は平均以下の2000万円であり、これは他球団に向けた「トレード放出OK」のシグナルともされていた。これには、斎藤に対する同情的な声も寄せられていたという。背番号を昇格させることで、球団は「彼を見放していない、まだ期待しているんだ」と、ファンに向けメッセージを送ったのかもしれない。 「今オフの契約更改で、日本ハムは大谷(翔平=22)とメジャー挑戦の時期を話し合ったことを認めています。中田(翔=27)もメジャー志望が強いとされ、同時に好不調の波が激しいため、FA権を行使した場合、球団は引き止めないとの見方がされています。順調に行けば、中田は来季、国内FA権を取得します」(プロ野球解説者) 来年オフ、大谷のポスティングシステムでのメジャー挑戦が確実視されている。中田の今後も考えると、17年オフは日本ハムに激震が走るかもしれない。そう考えると、栗山監督の「清宮指名宣言」にも合点が行く。 「根強い斎藤ファンがいることも事実です。もし本当に、中田と大谷を同時に喪失することになれば、斎藤の知名度は無視できなくなります」(前出・ベテラン記者) 斎藤は契約更改の席上で自らエース背番号「18」の返上を申し出たともいう。穿った見方かもしれないが、背番号「1」を与えた今なら、仮にどこかの球団が「斎藤をくれ!」と正式にトレードを申し込んできたとしても、日本ハムは彼の復活を信じていたという図式は保てる。
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スポーツ 2016年12月22日 16時00分
阪神 来季もダメ虎確定 金本監督VS鳥谷チーム内紛
これは愛のムチか、それとも、非情の通達か…。 金本知憲監督(48)がホンネを語れる同年代のプロ野球解説者に「やっぱ、北條(史也=22)はいい!」と、称賛していたという。秋季キャンプ中のこと、取材に訪れた複数の解説者が「北條絶賛」を耳にした。 「ショートは、チームの骨格です。今季、金本阪神はショートを含むセンターラインを確立できず苦戦しました。センターは糸井嘉男の獲得が決まり、正捕手は矢野燿大コーチが原口文仁と坂本誠志郎を競わせています」(プロ野球解説者) このセンターラインに、あるべき選手の名前がない。前キャプテンの鳥谷敬(35)だ。 金本監督は11月22日の球団納会で鳥谷本人と今後のことを直接話し合っている。そこで出た結論は、再びショートでレギュラーを目指すというもの。本人の意向を尊重したことになっているが、『ショート・北條』は、よほどのことがない限り動かない。二塁、もしくは三塁のコンバートを勧めなかったとすれば、来季開幕戦オーダーに鳥谷の名前はない。事実上の肩叩きである。 「北條のどこを褒めていたかというと、教えれば教えるほど巧くなっていく、成長していくのが分かる点。実戦の中で成長していくタイプとし、多少の不振があったとしても試合に使っていく、と」(関係者) さらに追い打ちを掛ける人事が鳥谷を襲った。 阪神選手会は会長など人事刷新を行った。新会長に選出されたのは、来季17年目を迎える狩野恵輔。野手では生え抜きの最年長で、人望もある。しかし、副会長以下の人事こそ“超変革”だった。副会長に選ばれたのは25歳の梅野隆太郎、3人の役員には中谷将大、藤浪晋太郎、高山俊。ルーキーまで入閣となったのだ。 「狩野は福留孝介とも相談し、梅野たちを選びました。藤川球児など何人かのベテランとも話をし、将来のため、若手にチーム全体のことを考えさせる機会を与えるべきとの意見で一致しました」(前出・関係者) その選手会人事では鳥谷も相談を受けたが、これではチーム内における影響力まで喪失しかねない。 「ベンチスタートとなってからの鳥谷は、さらに無口になってしまいました。試合中、どう声を出していくべきか分からず、不振であれば、なおさら若手に声を掛けにくくなった。連日、独りで早出特打です」(同) 気持ちは分かる。しかし、金本監督には「物足りない」と映ったのだろう。 「糸井獲得により、阪神は28人のプロテクト名簿を提出しました。阪神側は鳥谷を出さないと異例の明言をしましたが、『外で勉強させるのも本人のため。将来、阪神の指導者になるときにプラスになる。環境を変えてやるべき』との意見もあったんです」(同) 金本監督が北條をスタメンから外すことは考えにくい。鳥谷も分かっているはずだ。それでもショートにこだわったのは、金本監督への“反発”もあるかもしれない。
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スポーツ 2016年12月21日 16時00分
石川遼が“日の丸ヘッドカバー”で空しい米ツアー参戦アピール
ゴルフの今季最終戦、日本シリーズJTカップ(12月4日決勝)は、朴相賢(韓国)がツアー初勝利を収めた。注目は池田勇太と谷原秀人の賞金王争いだったが、前年の同大会覇者・石川遼(25)は朴、池田、谷原らの優勝争いに割って入ることもできなかった。 「石川は腰の故障で今季前半を完全に棒に振りました。今大会は6位。上位争いに食い込んだということで、及第点を与えてもいいかと思います」(専門誌記者) 確かに今後に期待できる成績ではあるものの、今季は国内の賞金ランキング19位。それでも石川からは、「1月からアメリカツアーがあるので」と“ビッグな夢”が語られた。 来季は再びアメリカを主戦場にしたいという。しかし、世界ランキングは、ライバルの松山英樹(6位)はおろか、池田(37位)や谷原(56位)にも遠く及ばない98位(11月29日現在)だ。出場できるアメリカツアーも限られており、そこを主戦場にしたいというのであれば、まず国内でやり直すしかない。 「そんな状況の石川ですが、日の丸デザインのヘッドカバーを使っていました。これは『国・地域別対抗戦ISPSハンダW杯』(11月27日最終日)で松山とペアを組んで出場した際に、おそろいで作ったもので、その後のJTカップでも使い続けていたのです」(ツアー関係者) 石川の周囲には「地力を養ってから」の意味で、米ツアー参戦は時期尚早と諫める声もないわけではない。石川が日の丸デザインのヘッドカバーを使い続けたのは、批判的な声に対する反発心もあったようだ。 「松山はアメリカを主戦場にして久しいですが、国内で賞金王争いをしていた池田と谷原を指して、『2人の邪魔ができれば』と言い、その通りに三井住友VISA太平洋マスターズ(11月13日最終日)で優勝しました。松山と同じ組で回った谷原は翻弄され、予選落ちでした」(前出・専門誌記者) 石川が松山のように賞金王争いの邪魔ができなければ、米ツアーで恥をかくのは必至だ。ヘッドカバーの日の丸が泣いている?
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スポーツ 2016年12月18日 16時00分
本当!? 35歳糸井の阪神入りで加速するセ・リーグの「あのウワサ」
糸井嘉男35歳、福留孝介39歳、鳥谷敬35歳、西岡剛32歳。金本知憲監督(48)は超変革のチームスローガンのもと、世代交代を進めていた。その方針は秋季キャンプでも再確認され、「(実力、調子が)同じだったら、(年齢の)若いほうを使うよ」と言い切った。伸び悩む中堅選手たちへの檄も含まれていたが、「中堅・糸井、右翼・福留」の構想では、スタメン選手の平均年齢は今季よりも確実に高くなる。走攻守3拍子の揃った糸井はたしかに魅力的な選手だ。しかし、『4年契約』というのはあまりにも長すぎはしないか…。 その糸井の4年契約が明らかにされた後、セ・リーグのライバル球団から「あのウワサ」が囁かれるようになった。 「やっぱり、本当かも…」セ・リーグが指名打者制へのルール変更を検討しているという。 何人かのプロ野球解説者にも聞いてみたが、第一声は「まさか!?」だった。しかし、まんざらでもないらしいのだ。 「セ・リーグは交流戦での負け越しが続いており、日本シリーズも4季連続で敗れています。指名打者制に変えれば、投手に打席が回って来ないので救援投手を送る際、次イニングの打順を確認する必要はないし、攻撃的な打順も編成できます」(球界関係者) 指名打者制になれば、守備面で衰えたベテランも現役生活を延ばせるかもしれない。また、ドラフト候補を絞り込む際も「守るところがない」と消極的にならなくて済む。実際、「打撃力は一流だが、守るところがない」として指名を見送ったケースもあった。いくつかの例を上げれば、1996年、セ・リーグ全球団は松中信彦の指名を見送った。のちに三冠王に輝いた際、「無理をしてでも獲っておくべきだった」と後悔したところもあり、13年ドラフト会議でも、埼玉西武に1位指名された森友哉に対しても、「キャッチャーでなければ…。せめて三塁が守れるのなら」と地団駄を踏んでいた。今季、頭角を表した山川穂高(埼玉西武)にしても、セ・リーグ各球団は守備難で指名リストから外している。 「近年のドラフト候補生は、12球団OKの姿勢ですが、大学生、社会人の投手はセ・リーグ球団に指名されると、ちょっと驚くんですよ。大学、社会人は基本的に指名打者制なので、高校を卒業して以来、バットを振っていないとかで」(アマチュア指導者) もっとも、セ・リーグには「バントをする」と分かっていても、それを成功させなければならない『投手バッター』の技術や、守備陣営のきめ細やかさがある。ピッチャーも9人目の打者として攻撃に加わること、次イニングの打順を加味しながらの投手継投は心理戦としての魅了になっている。しかし、阪神が糸井に4年の長期契約を提示したのを受けて、「セ・リーグの指名打者制への変更の話は本当かもしれない」と勘繰る声も出始めた。 現時点での「本気度」は分からない。仮に来年、議案提議されて本格検討が始まるとしたら、実現するのは2、3年後だろう。そのとき、糸井や鳥谷が指名打者としてスタメンに名を連ねていることも十分に考えられる。阪神は水面下でのこうしたルール変更を見据えて、35歳の糸井に4年契約を提示したのだろうか。 主力バッターが30代半ばに差しかかった巨人、外国人選手の発掘が巧い中日も交渉の幅が広がるとし、賛同するかもしれない。本拠地球場が広くない東京ヤクルト、DeNAもさらに攻撃的な打順を編成できるが…。 糸井獲得は“セ・リーグ超変革”の前触れだろうか。(一部敬称略)
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