スポーツ
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スポーツ 2016年12月02日 11時46分
検証3「トラの糸井は甲子園球場に馴染めるのか?」
糸井嘉男外野手(35)との契約合意が発表された11月21日、高野栄一球団本部長が報道陣に囲まれた。オリックスに提出することになる人的補償のプロテクト名簿について質問が及ぶと、ちょっと間を置いてからこう答えたという。 「当然、大きな代償になる可能性もあるから…」 FA権行使後の交渉が解禁(同11日)となるのと同時に阪神はそのテーブルに着いた。糸井は「人的補償」を要するBランク選手。オリックスがその権利を行使した場合、旧年俸40パーセントとプロテクト名簿28人に入れなかった選手(外国人、直近ドラフト指名選手を除く)から自由に選ぶことができる。また、人的補償を求めなかった場合は旧年俸の60パーセントが阪神側から支払われることになる。オリックスは「旧年俸60パーセント」と「人的補償+40パーセント」のいずれかを選ぶことができるが、当然、糸井慰留にも全力を注いでいた。しかし、どういうわけか、オリックスの関係者から出た情報として、「糸井流出の際は人的補償を行使する」の話も同時に広まっていた。 パ・リーグ出身のプロ野球解説者がこう言う。 「2013年1月、寺原隼人がFA権でソフトバンク帰還を決めた後、オリックスは人的補償を求めました。一本釣りしたのは馬原孝浩でした。そういう過去があるので」 オリックスが「戦う集団」であることを印象づけたポイントはいくつかあった。まず、寺原は「九州に帰りたい」と訴えてのFA行使だった。ワガママかもしれないが、望郷の気持ちを訴えて退団する選手の見返りを求めれば、オリックスに移籍する選手を出すことは心情的に辛いものがある。また、馬原は故障で前年12年シーズンは一、二軍ともに一度も実戦登板していない。ソフトバンク側が元最多セーブ王の馬原を名簿から外した理由はそこにあり、「名簿漏れして、実力のある選手なら容赦なく獲る」という、オリックスの戦う集団としての強い姿勢を強く印象づける権利行使ともなった。 「11年1月、阪神が小林宏をFAで獲得した際、旧在籍チームの千葉ロッテが人的補償を求め、キャンプを視察しました。スタンドのロッテ編成スタッフをチラ見する阪神選手、首脳陣は戦意喪失というか、その後の小林の精神的影響も懸念されました」(在阪記者) 鳥谷、西岡、福留、能見…。高額年俸のベテランには手を出さないとの慣例もあるが、オリックスは彼らを獲るとも考えられるチームなのだ。 「鳥谷を外すようなことはしません」 27日、阪神側からそんなコメントが出たのは、チーム功労者に対する敬意と糸井への配慮もあったのだろう。 「ベテランを名簿入りさせれば、その分、若手を外さなければならない。どちらにとっても阪神には頭の痛い話です」(前出・プロ野球解説者) オリックスの補強ポイントは外野だが、二遊間を守れる選手も手薄だ。投手も多すぎても困ることはない。こうしたオリックスの状況を踏まえ、先のプロ野球解説者は「能見をガードすべき」と言う。 「能見は矢野燿大作戦兼バッテリーコーチに育てられた投手です。現役時代の矢野コーチに配球を学びました。その流れで、矢野コーチは今季中盤以降、能見が投げる試合では新人捕手の坂本を使い、『配球』を勉強させています」 捕手が投手を育てるチームにも、年長の好投手が若い捕手を育てる時期がある。正捕手不在は金本政権1年目では解消されなかった。阪神は守備陣営の根幹ともいえるセンターラインを構築している最中だ。ショートのポジションを北條が掴みつつあるが、セカンドはどうするのか。今後も大和を使い続けるとしても、西岡が故障から帰ってきて、中堅の上本も秋季キャンプで必死にアピールしていた。センターは横田でスタートしたが、固定できなかった。「センター糸井」を金本監督が宣言したのはこうしたチーム事情も影響してのことだが、能見に学んでいる捕手は坂本だけではない。『数字』『成績』に表れない部分をプロテクトしなければ、糸井獲得の意味はなくなる。○93年オフ 石嶺和彦32歳 在籍3年 同通算打率2割3分8厘 本塁打28○94年オフ 山沖之彦35歳 在籍1年 一軍登板ナシ○99年オフ 星野伸之33歳 在籍3年 8勝13敗○12年オフ 日高剛35歳 在籍2年 46試合出場 ブルーウェーブ時代に逆上っても、オリックスから阪神に移籍してきた選手はどういうわけか、活躍していない。 「阪神とでは注目度がまったく違う。そういうプレッシャーも影響しているのでは」(前出・同) 糸井にはこのジンクスを払拭してもらいたいものだが…。(了)
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スポーツ 2016年12月01日 16時00分
楽天・三木谷浩史オーナー「外国人枠撤廃」危険な策略
今季、パ・リーグ最下位に沈んだ楽天イーグルス・三木谷浩史オーナー(51)が球界に「外国人枠撤廃」を提案、ビーンボールを投げつけた。ハーバード大学院を修了しMBAの資格を持つ気鋭の経営者は外国人を中心としたチーム編成で来季の名誉挽回に動き出す。 三木谷氏が球界に一石を投じたのは、11月14日に開かれたプロ野球オーナー会議でのこと。2020年東京五輪での野球復活を追い風に、欧州サッカーが外国人枠を撤廃して盛り上がった例をあげ、「プロとして最高のプレーをファンに見せるためには、日本人も外国人もない」と力説した。 援護射撃はなかったものの、水面下ではソフトバンクの孫正義、オリックスの宮内義彦、巨人の老川祥一オーナーらも賛同しているという情報もある。スポーツ紙デスクが解説する。 「孫氏が乗り気なのは、かねてより提唱するMLBワールドチャンピオンと日本シリーズチャンピオンによる真の世界一決定戦を開催する計画が暗礁に乗り上げているから。MLB側は『我々は外国人に門戸を開放しているのに、日本球界は外国人選手を制限している』と反発し、日本に外国人枠撤廃を迫っている。巨人は一連の野球賭博問題がこの先、思わぬ方向に進展する可能性がないと言い切れない。将来的にイチロー監督を目論むオリックスも、思惑は違えど賛成派」 現在、一軍の外国人枠は投手・野手合わせて4人。ベンチ入りは最大3人までと定められている。しかし、FA選手、帰化選手、日本の中高に3年、大学なら4年在籍した選手はここに含まれないことから、さらに外国人枠を拡大することで、スタメンを“外国人選手”で揃えることも可能となる。 大きな障害になっているのが「外国人選手に職を奪われる」ことを危惧する労組・日本プロ野球選手会。現在の会長は皮肉なことに楽天の嶋基宏捕手。三木谷氏と嶋の関係は以前からギクシャクしていると言われ、大久保博元監督時代には現場に介入し、試合途中でバッテリーごと交代させたシーンもしばしばあった。 「嶋はFA権を行使せず“生涯楽天”を宣言して残留したが、それでも不安な三木谷オーナーは、このオフにソフトバンクを戦力外となった細川亨捕手を獲得した。西武から楽天にFA移籍した仙台出身の岸孝之投手同様、細川も青森の出身。興行面も考え、東北の選手を集めたという単純な構図ではなく、外国人枠撤廃の布石だ」(同) Jリーグ・ヴィッセル神戸のオーナーでもある三木谷氏は先日、サッカーの世界的強豪「FCバルセロナ」と4年間のスポンサー契約を結んだと発表した。スポンサー料は1シーズン推定5500万ユーロ(約64億円)で、楽天イーグルスの選手総年俸の3倍。これでバルセロナの控え選手や構想外の選手をレンタル移籍させることも可能になり、Jリーグ王者も視界に入れた。 次は外国人枠を撤廃し、楽天イーグルスを一流メジャーリーガーで埋め尽くす。資金力は十分あるが…。
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スポーツ 2016年12月01日 12時23分
検証2「トラの糸井は華麗な守備を見せてくれるのか?」
去る11月22日、球団納会が行われ、金本知憲監督(48)は「センター糸井、ライト福留」の布陣を明言。来季40歳を迎える福留孝介外野手の一塁転向案が撤回されたわけだが、スポーツ新聞の<堅守の2人が右中間を>の見出しは鵜呑みにしないほうが良さそうだ。 糸井嘉男は今季、通算7回目となるゴールデングラブ賞に選ばれた。強肩、俊足。外野守備も巧いというイメージだが、気になるデータもある。 守備率9割6分7厘。 これは糸井の今年の守備力を表す数値で、パ・リーグ外野手部門の選考対象選手18人のなかで、もっとも低いのだ。オリックス全体での守備率が9割8分4厘だから、“チーム平均値以下”となった。もっとも、今季の糸井の守備機会は184、エラー(失策)は6。プロ野球の世界で失策6は“微妙”で、『守備のスペシャリスト』としては物足りない数字となる。 ちなみに、阪神の守備率は9割8分2厘。糸井以上のチーム平均値ではあるが、リーグワースト。だが、阪神の外野手だけで見てみると、糸井の守備率に対する見方が変わってくる。今季、30試合以上の外野守備に付いた選手は板山、江越、高山、中谷、福留、横田の6人。ゴールデングラブ賞の選考対象選手となりうる「チーム試合数2分の1以上、外野手として出場」の条件を満たしたのは、福留と高山の2人だけで、糸井以上の守備率数値を出したのは、横田(10割)、福留(9割9分5厘)、江越(9割8分)。福留の失策数は1、高山は糸井と同じ9割6分7厘だった(失策6)。 数字で見ると、阪神外野手の“巧い人ランキング”は「横田、福留、江越、糸井&高山」の順。横田と江越は打撃面でしっかりアピールし、シーズンを通して安定した力を発揮できれば、糸井と福留を追い抜ける位置にいることは分かった。 もっとも、横田と江越のレベルアップは来年なのか、それとももう少し先になるのかは彼らの努力次第。打撃力、長いペナントレースを乗り切るスタミナと安定感も加味して考えられる外野のレギュラー候補は、福留、糸井、そして「レフト高山」。来季40歳となる福留の年齢が気になる。しかし、今季シーズン前もその話は出ていた。それでも、レギュラー外野手として、チームでいちばん高い守備率数値を残してくれた。金本構想の「中堅糸井、右翼福留」は、糸井の俊足強肩を生かすというよりも、「福留を外野守備から外せない、一塁転向はもったいない」との判断によるものではないだろうか。糸井をオリックスと同じ右翼に置く布陣は、実はプラスではないという守備率数値も知っていたのだろう。 「足の速い選手は守備率の数字で損をすることもあるんです。普通の選手が追いつけない打球にも追いつくことができる。それはプラスではあるが、不十分な捕球体勢により、エラーをしてしまう…。糸井のファインプレー、強肩に救われた場面も多く、数字に表れない部分がゴールデングラブ賞の選出につながったようです」(プロ野球解説者) いつまでも「中堅糸井、右翼福留」ではいられない。金本監督が急がなければならないのは、江越と横田を育て上げることだ。
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スポーツ 2016年11月30日 16時00分
阪神vsオリックス FA糸井嘉男を巡るナニワ抗争勃発!
「大筋で合意した」−−。 11月18日、阪神内部からFA市場の目玉、オリックス糸井嘉男外野手(35)の事実上の獲得宣言が聞かれた。確かに、糸井の阪神入りは既成路線のように伝えられていた。その場にいた報道陣も「やっぱり」と口走ったそうだが、糸井争奪戦の真の勝者は、本当に金本阪神なのだろうか。 「夏の甲子園大会後の8月27日、阪神はドラフト候補を検討する編成会議を開きました。その席上で金本知憲監督(48)が糸井獲得を自ら申し出て、そこから動き始めました」(関係者) だが、「このままでは引き下がれない」と、オリックス側も人的補償という切り札を使って“報復”に出る。 「糸井がFA宣言の手続き書類を提出したのは11月7日。その3日前、オリックスは阪神が来季の契約を結ばないと発表したゴメスに対し『興味がある』と“宣戦布告”をしています」(同) オリックス側も糸井の背後に阪神の影がチラついていたのは分かっていた。ゴメスは今季こそ打率2割5分台だが、阪神にとって糸井獲得に失敗したときの“保険”だった。その保険を先に潰そうと、金本監督へ宣戦布告したのである。 「23日にオリックスはファン感謝デーを開催しました。過去、退団する選手はファン感謝デーか、球団納会(11月末)までは移籍表明を控えてきました」(ベテラン記者) いよいよ、オリックスの逆襲が始まるようだ。 「人的補償を行使する予定なので、阪神は28人までガードするプロテクト名簿を作成しなければなりません」(同) そのプロテクト名簿の作成が難儀なのだ。一般論として、28人には、まず「同年の一軍ベンチ入りメンバー」が入るという。一軍戦の出場登録メンバーは25人。そこには先発ローテーション投手はほぼ入っていないので、プラス3〜4人。また「前年のドラフト上位指名選手」や「期待の若手」は奪われたくないので、約10人をさらに追加する。この時点で名簿入りメンバーは約40人となり、10人強を振るい落とすことになる。 「相手球団の補強ポイントを考え、守備位置的にその対象外となる選手は外します。『高額年俸のベテランには手を出さないだろう』という通念もあるようです。読み違えたら、一大事ですが」(前出・関係者) オリックスの補強ポイントは外野手と言われている。阪神の主な外野手は、福留孝介、高山俊、大和、横田慎太郎、江越大賀、中谷将大、板山祐太郎、伊藤隼太など。他選手との兼ね合いで外す可能性があるのは、推定年俸2億円と言われる福留孝介(39)だろう。 「他のベテランで高額年俸という同じ発想で、プロテクト名簿から『外す』と考えられるのは、鳥谷、西岡、能見かな」(在阪記者) 鳥谷敬(35)は推定年俸4億円。'14年オフに5年契約を結んでおり、あと3年残している。西岡剛(32)は推定1億800万円、能見篤史(37)は推定1億4000万円。「高額年俸のベテランを外す」の通念は、「現役生活が長くないので、手を出さないだろう」という発想によるもの。ベテランを外せば、その分、若手を名簿入りさせられる。選ぶオリックスにしても、ロートル選手より若手がいいと考えるはず。しかし…。 「オリックスは、糸井を獲られたままでは怒りが収まりません。今回は『やられたら、やり返す』の発想です。鳥谷、福留、能見がリストから漏れていたら獲りますよ」(前出・関係者) 『12球団別総年俸』(外国人選手を除く)を見ると、オリックスはソフトバンク、巨人、阪神に次いで4位。今季は22億円強を払っており、鳥谷の4億円も手が出せない球団ではないのだ。 「オリックスが阪神のベテランに目を付けた理由は、報復だけではありません。仮に鳥谷を獲れば、オフの野球報道の主役になれる。春季キャンプでチームの露出が高まり、観客動員アップにも繋がります。阪神がベテランをプロテクトしてきたら、有望な若手を一本釣りするだけ。くすぶっている今成亮太あたりが危ないという話も聞こえてきます」(同) 鳥谷は今季、高山に抜かれるまでチームトップのグッズ販売数を誇っていた。オリックスでの新グッズが出れば、鳥谷を応援してきた関西のファンが「買い直す」ため、年俸分は簡単に回収できるだろう。まして、糸井にも今季推定2億8000万円を払っている。人的補償を求めても、その40%を阪神から回収できるルールにもなっている。 「'11年1月、阪神はFAで小林宏之を獲りましたが、千葉ロッテに人的補償を行使され、編成員に春季キャンプを物色され、オドオドした苦い経験もある」(同) その経験をまた繰り返すのだろうか。 ちなみに、阪神はオリックスから過去に4人をFAで獲得している。石嶺和彦、山沖之彦、星野伸之、日高剛。だが、その全員が活躍していない。オリックスも他球団のお古の助っ人を何度も獲得してきたが、貢献度は低い。 糸井獲得後に始まるナニワ抗争は“共倒れ”に終わるかもしれない。
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スポーツ 2016年11月30日 11時00分
検証1「トラの糸井はセ・リーグ盗塁王になれるのか?」
糸井嘉男外野手は本当にトラの救世主になってくれるのだろうか。2016年の成績は打率3割6厘、本塁打17、打点70、盗塁53。球界史上最年長となる35歳での盗塁王のタイトル獲得は「素晴らしい」のひと言に尽きる。阪神も年齢を感じさせない脚力を見て、4年の長期契約を提示したのだが、「セ・リーグで盗塁王のタイトルが獲れるのか?」「リーグを跨いでの2年連続タイトル奪取は?」と聞かれれば、厳しいと言わざるを得ない。 2016年、阪神の総盗塁数は59。リーグワーストであり、チーム全体で糸井と同じくらいしか走っていないことになる。「59+糸井の53」という、単純な計算をすれば、計112となって、リーグトップの広島の118とほぼ同数の盗塁数。しかし、そう簡単には走れそうもないのだ。 「甲子園の土のグラウンドですからね」 ライバル球団のスコアラーがそう言う。 甲子園球場のグラウンド整備は日本一とも称されている。土の性質、きめ細やかな整備は説明するまでもないが、盗塁を量産するスピードプレーヤーにとっては「走りにくいグラウンド」ともなるようだ。 セ・リーグとパ・リーグの両方を経験したプロ野球解説者によれば、甲子園の内野フィールドは「柔らかい」と言う。そのため、人工芝の他球場に感覚が慣れてしまうと、地面を蹴る力が伝わらないような違和感を覚えるそうだ。この「違和感」は、今日、交流戦で勝ち越しているパ・リーグ各球団からも出ている。糸井は日本ハム、オリックスを渡り歩いたが、土のグラウンド球場を本拠地とするのは初めて。交流戦で甲子園の感覚は体験しているはずだが、セの対戦チームは「盗塁の量産は難しい」と見ている。 もっとも、野村・星野・岡田時代に逆上れば、阪神には5年連続盗塁王の赤星憲広(現野球評論家)がいた。反論材料としては十分すぎる根拠ではあるが、当時を知る関係者が興味深い話を教えてくれた。 「星野(仙一)監督で優勝した03年は、主に『2番赤星、3番金本』でした。当時の金本監督は赤星に『初球はオマエにやる。でも2球目からは打ちにいくからな』と伝えていました。要するに、初球はホームランボールでも見送る。『走るんだったら初球で』という意味です。1球しかチャンスがない、その緊張感が赤星を成長させたんです」 オリックスでの糸井は「好きに走っていい」と言われていた。来季36歳となる糸井は、成長過程にあった当時の赤星とは異なる。金本監督も「好きに走っていい」と伝えるのなら、糸井の次を打つバッターは“盗塁サポート”でストライクを見送るリスクを背負うことになるが…。 「いや、糸井の盗塁が相手バッテリーへのプレッシャーとなり、次打者に甘いボールが行くはず」(前出・プロ野球解説者) 一部報道によれば、金本監督は『2番センター』で糸井を使うという。阪神の命運は、3番を託されるバッターが糸井とどんな申し合わせをするのかに掛かっているようだ。
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スポーツ 2016年11月29日 17時00分
「トラの糸井は若手の手本になれる」は本当か?
糸井嘉男外野手がタテジマのユニフォームに袖を通した(11月25日)。史上最年長の35歳で盗塁王のタイトルを獲得した“超人”に相応しく、推定年俸は破格の4年総額18億円。金本知憲監督(48)は「若手の手本にもなってくれる」と、交渉中にも語っていた相乗効果論を改めて口にした。 「どちらかといえば、日本ハム時代から『いじられキャラ』。若手を引っ張っていくタイプではない」(プロ野球解説者) 独特の発想、コメントからも「宇宙人」のニックネームも付けられている。「サインを覚えられない」「野球のルールを完全に把握していない」など、「本当かよ!?」と聞き返したくなるような話もある。しかし、若手を引っ張っていく「アニキタイプではない」とする証言は本当のようだ。では、金本監督は何を持って「若手の手本」と言ったのだろうか。 パ・リーグ球団のスコアラーが35歳で獲得した盗塁王のタイトルを指して、こう言う。 「今季の糸井は去年までと明らかに違います。本当は物凄い研究家なのかもしれません」 糸井は今季の盗塁企画数は70。成功率7割5分7厘、53個でタイトルを獲得した。成功率だけでいえば、糸井よりも優れた数字を残した選手はたくさんいる。 「基本的に糸井が出塁すると、オリックスベンチは『好きに走っていい』と伝えていたようです。それは昨年も一昨年も同じですが…」(前出・同) 今季の糸井は違った。「考えてから」、走っていたのだ。同スコアラーによれば、糸井が盗塁を試みたときの約80パーセントが「相手バッテリーが変化球を投げたケース」だったという。相手投手がストレートではなく、変化球を投げたときは捕手のスローイングが遅くなる。左ヒザの故障が癒えたおかげもあるだろうが、糸井は相手バッテリーの配球パターンを研究し、考えてから走っていたのだ。 「糸井は打席に入るとき、そして、一塁ベースに到達した後、三塁コーチャーのほうをチラ見します。オリックスベンチが相手バッテリーの配球を教えていたとしたら、『サインが分からない説』はウソであり、自らが考えていたとすれば、研究熱心な選手だと言えます」(前出・同) 絶不調に終わった昨季、オリックス戦を取材したが、糸井は球場に一番乗りし、早出特打ちを行っていた。スタッフに聞くと、「移籍以来(13年)、ずっと続けていたルーティン」だと教えてくれた。素質と努力…。 35歳で盗塁王を獲得できた要因は、身体能力だけではない。「素質と努力」に「研究」が加わったのだ。 奇しくも、盗塁王のタイトルを分け合った埼玉西武・金子侑司も同企画数、同成功率だった。だが、金子は129試合の出場で、糸井は全試合出場。データを確認したら、金子は残り1試合を残して怪我で登録を抹消され、この9月27日時点で、糸井は「残り3試合」となっていた。糸井の単独タイトルが濃厚と思われたが、どういうわけか、この3試合で糸井は一度も盗塁を試みていない。ライバル不在時の抜き打ちを心苦しく思ったのだろうか。だとすれば、男気のある選手ともいえそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2016年11月29日 12時00分
プロ野球・納会の席で囁かれる『来春衝突』説
『全面衝突』となるのは、来年3月か…。 東北楽天ゴールデンイーグルスの三木谷浩史オーナーが“外国人枠の完全撤廃”論を訴えたのは、11月14日に逆上る。オーナー会議において「私たちがやっているのはアマチュアではなく、プロの興行。最高のプレーを見せるのがミッション。そうであるなら、日本人でなければという理由がない」との持論を展開した。 この会議の様子を知る他球団のスタッフがこう言う。 「前回9月のオーナー会議にも三木谷オーナーは出席しています。氏の出席は約3年ぶりです。ずっと代理出席者を立てていたので、何か訴えたいことがあるとは思っていましたが。他球団の反応? 三木谷オーナーはJリーグ神戸のオーナーでもあるので、サッカーの外国人に関して質問が出ました。Jリーグもその方向に向かっているとし、諸外国のサッカーリーグでは外国人枠を撤廃して盛況だったと回答していました」 この意見に対し、強力に反対した他オーナーはいなかったそうだが、賛同する球団もなかった。議論は盛り上がらず、オーナー会議は終了。“様子見”といったところだろうか。 「元ヤクルトの古田敦也氏が選手会長だった時代、オーナー会議で外国人枠について話し合ったことがありました。当時は人数枠を拡大する意見も複数球団から出て、今日の『外国人選手の支配下登録に制限なし。一軍出場は4人まで』と決まりました。後になって、選手会はこれに反対する意見をオーナー側に届けたはず」(球界関係者) 当時、「野手2人、投手2人の4人まで」だった一軍出場登録を「双方2人ずつ、あるいは一方を3人まで」に改めたのだが、選手会は「日本人選手の出場機会を少なくしてしまう」と訴えた。選手会のホームページでは、この考え方は今も変わっていない。 「選手会会長は楽天の嶋基宏選手ですよ。三木谷オーナーの改定案を否定させるんですかね?」(ベテラン記者) プロ野球チームの納会は11月下旬。納会の席では来シーズンの話も出る。「来年3月のWBCでは頂点奪還を」との声も各方面から聞かれたが、同時にこんな懸念が…。 「WBC決勝戦は3月22日。来季のペナントレース開幕戦は同31日です。日本がWBC決勝戦まで進出すれば、選手たちはハードスケジュールとなり、登板した投手は開幕カードを投げられなくなるかもしれない。選手会は開幕日を4月にしてくれと訴えましたが、NPBはそれを聞き入れませんでした」(前出・関係者) 前回大会では「出る、出ない」で選手会とNPB事務局がモメた。最終的に選手会が折れたが、大リーグ機構と米選手会ばかりが儲かる図式に改善を訴え、その主張もやはり変えていないという。WBCの運営に関する改善論が再提議され、ペナントレースの日程問題に対する不満も同時にぶつけられたら…。 「11月オーナー会議で出た外国人枠撤廃論ですが、『三木谷さんが選手会を逆撫でするようなことを言い出したゾ』と思った関係者も少なくありません」(前出・同) ストーブリーグの話題に、「対選手会」も加わりそうだ。
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スポーツ 2016年11月28日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND28 〈壮絶な遺恨抗争の序章〉 橋本vs小川“初対決への裏事情”
柔道世界選手権を三連覇した小川直也が、フリー格闘家への転向を発表した。東京ドームのメインイベントで、相手はIWGP王者の“破壊王”橋本真也という破格のデビュー戦。後々まで繰り広げられる両者の抗争の幕開けだった。 1997年4月12日、新日本プロレスの東京ドーム大会。最初に発表されたメインカードは、橋本真也vsケン・ウェイン・シャムロックの異種格闘技戦であった。 シャムロックはパンクラスで船木誠勝らを下し、同団体の初代王者にもなった外国人エース。また、この頃はアメリカで勢力拡大中だったUFCにおいて、ホイス・グレイシーと引き分けるなどトップ格闘家の1人として名を馳せていた。 一方、橋本はちょうど1年前の東京ドーム大会で高田延彦を破り、IWGP王座を獲得してからは団体トップに君臨していた。 「もし、この両者が闘っていたなら、新日のリングだけに“橋本の勝ち”とみるのが妥当でしょう。そうして勝った橋本が、以降、異種格闘技路線に進むという道もあり得ました。ただ橋本は、かつてボクシング上がりのトニー・ホームに敗れたように、従来のプロレスと異なる初顔相手だとモロいところがある。そのため、負けたときには新日正規軍vsシャムロック率いる格闘家軍団の抗争勃発という展開もあったかもしれません」(プロレスライター) しかし、この一戦は結果的に幻と終わる。 「シャムロックが格闘技にこだわったため、新日を拒絶したとの観測もありましたが、その後は“世界一危険な男”としてWWFに参戦している。結局はファイトマネーなどの待遇の差で、新日よりもWWFを選んだというだけでした」(同) ともあれメインカードに穴が開き、それを埋めるため急きょ抜擢されたのが、同日に長州力とのタッグでプロレスデビューを予定していた小川直也だった。 「最初に小川の名を挙げたのは、明治大学の先輩にあたる坂口征二(当時の新日社長)です。中継するテレビ朝日も“小川なら高視聴率が期待できる”とこれに同調して、話はトントン拍子に進みました」(新日関係者) 外敵として新日本隊に挑むことになった小川は、長州のもとでプロレス修行を積むわけにいかない。そこで、小川の師匠役を任されたのがアントニオ猪木だった。 先の参院選に落選してからは、プロレス引退までの日を数えるばかりだった猪木も、突如、天から降ってきた“オモチャ”には大喜び。 格闘技の指南役として、修斗を主宰していた初代タイガーマスクこと佐山聡を呼び戻し、練習パートナーにも元レスリング全日本王者の藤田和之を配する豪華布陣で、猪木&小川の全国合宿行脚が始まった。 「ちなみに、このとき練習場として使ったのは、猪木のスポンサーだった佐川急便が各地に所有する保養施設でした。佐川問題が選挙で落選した大きな要因だったのに、本当に懲りない人ですよね」(スポーツ紙記者) だが、こうした流れにただ1人、反発した男がいた。対戦相手となる橋本真也である。 「小川の“柔道世界一”のネームバリューは重々承知しながらも、プロレス界では一枚看板のIWGP王者としてのプライドがある。橋本にしてみればプロレスでは素人の小川と、試合が組まれることだけでも不本意なのに、そんな小川を主役とする流れが描かれていることは、到底承服できるものではありませんでした。何しろ橋本の付き人だった藤田まで小川に付けるという、会社挙げての肩の入れようでしたから」(同) そのため橋本は一時、故郷の岐阜県に“合宿”と称して引きこもってしまった。それでも関係者の懸命の説得により、どうにか試合は実現。橋本はそれまでの不満をぶつけるかのごとく、柔道着をまとった小川に重爆キックを連発した。 のちに“暴走王”スタイルを確立する小川も、まだ当時はもっさりとした体形。腕十字や三角絞めなどで反撃を試みるが、橋本はこれをロープに逃れると、さらに蹴りを畳み掛け、一方的に追い込んでいく。 そうして、ついにバックドロップで小川をとらえると、仕上げのDDTへ。だが、そこにカウンターでSTO(スペース・トルネード・オガワ)が炸裂する。 大外刈りの体勢から相手に全体重をあずけ、そのまま頭部をマットにたたきつけるという、合宿行脚の中で開発された必殺技である。 小川は、前後不覚でヨロヨロと起き上がる橋本の背後に忍び寄ると、スリーパーホールドでがっちりと固め、見事にデビュー戦を白星で飾ったのだった。 それでも、負けたとはいえ橋本は、プロレスの凄味を見せつけて、1カ月後の再戦では小川を失神KOに下す圧勝。自尊心を保ちたい橋本と、鮮烈デビューを飾りたい小川、双方の顔が立つ大団円を迎えた。 このときはまだ、両者の壮絶な抗争が続くとは誰も思っていなかった。
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スポーツ 2016年11月27日 16時00分
福原愛夫婦が収入格差を解消する“共同銀行口座”作成
夫婦初の共同作業はケーキカットではなく、CM共演か。卓球の五輪2大会連続メダリストで新婚の福原愛(28)が、アサヒビールのお歳暮CMに出演。毎年恒例のパターンだが、目新しいのは夫婦共演であることだ。夫で台湾卓球代表の江宏傑とともにビールの詰め合わせを持ってニッコリ微笑む姿が、11月10日からオンエアされている。 「アサヒビールはプロ野球WBCの日本代表を応援するなど、スポーツ界にも食い込んでいる企業です。別バージョンではレスリング吉田沙保里選手が母親と出演しており、今年はリオ五輪で話題になった選手を起用する方向で動いていたようです」(スポーツ紙記者) 欧州リーグに参戦中だった江選手は、CM撮影のために緊急来日したという。「収録は順調だった」(関係者)とのことだが、気になるのはCM出演料。交際発覚当初から約25倍もの年収格差があることは、本誌既報通り。正式な出演料は公表されていないが、「福原クラスなら少なく見積もっても3000万円以下ということはない。夫婦共演の話題性も加味して5000万円では?」(大手広告代理店)と予想されている。 「夫妻はこういった仕事に備えて、夫婦共同名義の口座を開いていたようです。マネジメント会社を通しての支払いとなりますが、最終的にCM出演料はその口座に振り込まれることになりそうです」(関係者) これで2人の年収格差も縮まるのだろうか? 「江は控えめなイケメンで、好感を持つ日本の卓球関係者も多い。今回のCM出演を機に、日本で人気が出るのでは? 彼は合作銀行卓球隊というチームに所属する“銀行マン”で、現在はドイツに生活の拠点を置いている。ヨーロッパ情勢にも詳しいはずだし、コメンテーターも務まりそう」(同) 日本語はまだ勉強中なので、しばらくは“夫婦共演”が条件という。今回のCM共演が年収格差を縮める契機になればいいが、一方で、銀行マンである夫の財テクで愛ちゃんがセレブ生活を目論んでいるという“したたかな噂”も…。
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スポーツ 2016年11月27日 12時00分
仏ってる! IWGPタッグ戦線復帰へテンコジが価値ある公式戦3連勝!
新日本プロレス毎年恒例、タッグの祭典「ワールドタッグリーグ2016」が開幕した。今年は全16チームが参加し、AブロックとBブロックに分かれて激戦を繰り広げている。 スタートダッシュに成功したのは、天山広吉&小島聡のテンコジだった。Aブロックに入っているテンコジは、開幕戦の11・18後楽園大会で、いきなりIWGPタッグ王者組のタマ・トンガ&タンガ・ロアを破ると、続く11・20高崎大会で内藤哲也&ルーシュを、11・23愛知大会で棚橋弘至&ジュース・ロビンソンを破り、開幕から無傷の3連勝を飾っている。 「いまの内藤。“神ってる”っていう言葉。おまえにピッタリな言葉だよ。本当にすべてにおいて神がかってるよ。だけどさ! テンコジは悪いけど、そこをもうちょっと上のほうに行ってるんだ。俺の言葉で言えば、“仏ってる”って言うんだ。な? 神ってるより、もうちょっとだけ上なんだ。25年やってきて、俺と天山はもう悟りを開いちまったんだ。慈悲深い、悟りを開いたこのタッグチーム。デビューして25年。そして、テンコジとして組み始めてたぶん18年ぐらいになるんだ。途中別れても、またくっついて。こうやって腐れ縁みたいに、毎日のように一緒にいる。こんなことがいまの内藤にできるのか?」 11・20高崎大会の試合後、小島は内藤に対して思いの丈を一気にまくし立てた。天山もリング上で「内藤よ! トランキーロやな」と挑発。これに対して内藤は「テンコジに負けたことは素直に悔しい」と珍しく悔しさを露わにした。内藤はパートナーをXと発表し、開幕戦でロス・インゴベルナブレスのオリジナルメンバーである、メキシコCMLLの大物ルーシュをパートナーとして招聘。棚橋&ロビンソン相手に完勝した後だっただけに、2戦目にしてベテランのテンコジに足を引っ張られたのは想定外だったのではないだろうか。 11・23愛知大会で棚橋&ロビンソンを破った後には「何で勝てているのかわからない」と小島がコメントしていたが、今年の参加チームに限らず、新日本プロレスの歴史を振り返っても、テンコジはタッグとして最長のキャリアを誇っている。小島の言葉を借りるなら「仏」の域に達していてもおかしくない。 この記事を執筆している時点で、公式戦はまだ残り4試合残しており、3連勝からの4連敗という可能性も考えられるが、開幕戦で現IWGPタッグ王者組を破った事実は残る。過去、同王座を5回戴冠という最多記録を持っているテンコジだが、2013年11月、K・E・S・(ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.)に王座を明け渡したのを最後にIWGPタッグ戦線からは遠ざかっている。その間、NWA世界タッグ王座は奪取しているが、テンコジの代名詞といえばIWGPタッグ王座である。 「仏ってる」今なら6度目の戴冠も夢ではないはずだ。テンコジにとっては久々に訪れたIWGPタッグ戦線復帰のチャンスを逃さないでほしい。(どら増田)【新日Times VOL.45】
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