「ネット裏では『大谷は5億円に到達する』と予想する声も出ていました。投手として3年連続2桁勝利、打者としてキャリアハイの打率3割2分2厘、22本塁打。規定回数には届きませんでしたが、投打とも一流選手の成績です」(スポーツライター・飯山満氏)
しかし、日ハム球団には『格安更改』せざるを得ない理由があったのだ。
「大谷の契約更改と前後して始まったのが米メジャーのウインターミーティング。今年はFA選手が少なく、各球団の代理人にも余裕が感じられた。フリートークとして、大谷のことも話題になりました」(在米記者)
格安更改せざるを得ない理由の一つが国外にあった。このウインターミーティングに先駆け、米選手会と大リーグ機構(MLB)が「新たに合意した労使協定」として、大谷の米挑戦にも影響する新ルールを発表した。
〈国外の25歳未満の選手と契約する場合、契約金の上限は600万ドル(約6億8000万円)まで〉
大谷は来オフ23歳。ポスティングシステムによる米挑戦が決まったとしても、'15年オフにドジャースと契約した前田健太の8年総額1億620万ドル(約128億円)、田中将大の7年1億5500万ドル(約161億円)には届かない可能性が出てきた。
「マエケンの契約金は100万ドルで、その分、年俸や出来高を厚くしている。ヤンキースが田中獲得に注いだ総額は、彼に提示した約161億円だけでなく、楽天球団に払う落札金や贅沢税などを含め275億円近くになる。契約金を抑える新ルールができれば、米30球団は日本人選手を始め、海外の有望な若手を獲得しやすい。一見、無関係に思える米選手会が新ルールを承諾したのは国外選手の獲得資金に対する嫉妬。国外選手の獲得資金が安くなれば、自分たちの年俸の上がり幅が大きくなると思ったからでしょう」(前出・在米記者)
また、これもFA選手が少ない影響だろう。今回のウインターミーティングではポスティングシステムの落札金に設けられている上限金についても『見直し』の意見が出ていたという。
「日ハムはパドレスと業務提携しており、契約金の新ルールと入札制度の上限金見直しの動きを事前に聞かされていたようです。大谷の米挑戦の時期には最終的にもう一度話し合う予定ですが、双方は'17年オフを一つの目安にしています。米球界が対象選手、当該球団に支払う金額を大幅に抑えるのなら、先送りする可能性もある」(球界関係者)