スポーツ
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スポーツ 2017年09月18日 17時20分
優勝でトラブル浮上 ソフトと広島は美酒に酔えない?
福岡ソフトバンクホークスが2年ぶりの優勝を決めた(9月16日)。56年ぶりのセパ同時優勝とはいかなかったが、広島のマジックナンバーは「1」(同時点)。胴上げは時間の問題である。そんな両優勝チームが新たな難題に直面していた。「ホークスは優勝を決めても、翌日はベストメンバーで臨みました。柳田は一塁まで全力疾走でしたし、他選手も全く手を抜きません」(スポーツ紙記者) 17日の試合開始は、午後1時。前夜は『ビールかけ』や祝勝会で盛り上がっていたはずだが、普段通り、試合に臨んだ。一般論として、何人かの主力選手を外し、若手に出場機会を与えることもできた。ホークスが手抜きをしなかった理由が“厄介”なのだ。「クライマックスシリーズ(以下=CS)ですよ。優勝した翌日くらいは休ませてやりたいところですが、選手は実戦感覚がなくなるのを恐れ、ビールかけも自重していました。ビールをかけても、飲まないようにして」(前出・同) ホークスはCSに苦手意識も持っている。同制度が始まったのは2004年。ペナントレースの優勝チームはダイエーホークスだったが、日本シリーズ進出を果たしたのは、2位・西武。翌05年もソフトバンクホークスがペナント覇者となったが、千葉ロッテに敗れ、10年も3位だった千葉ロッテの下克上に見舞われた。下克上はCSの醍醐味でもあるが、この苦い経験が「ペナントレースの優勝がゴールではない」と、ホークスナインに思わせている。首脳陣、球団スタッフもそう捉えているそうだ。「工藤(公康=54)監督は警戒心を強めています。投打ともに12球団最強の戦力を与えられており、昨季は『この戦力で負けたのか?』との酷評も受けました。CSで2位以下のチームにひっくり返されるようなことになれば、一大事です」(球界関係者) 全日程が終了するまで“手抜きナシ”は、ファンも歓迎だろう。しかし、こんな見方もある。「シーズン最多セーブ記録を更新中のサフエテは、明らかに登板過多。現在の51セーブの記録にばかり目が行ってしまうが(同時点)、彼は3年連続セーブ王で、ホークスに移籍してきた14年以降、毎年60試合以上に登板しています。今年もすでに63試合に登板している。優勝しても休めないとなれば、万全でCS、日本シリーズに臨めないかも」(プロ野球解説者) 今季、正捕手の座を掴んだ甲斐拓也(24)も、1年を通じて一軍登録されたのは初めてとなる。救援陣の岩嵜、モイネロ、森、嘉弥真らも疲れていないといえば嘘になるだろう。 広島についても、CSに関する問題を抱えていた。 マツダスタジアムで開催されるCS・ファイナルステージのチケットの販売方法が“変則”となる。9月12日、広島は球団HPで「抽選販売をさせていただく予定です」と発表した。広島人気は全国区となった。混乱が予想されており、同時に、一部の心ないファンによる買い占めも指摘されている。「対戦チームの主催ゲームでも、広島戦のチケットは完売です。広島ファンはカープ側の席が取れず、対戦チーム側のチケットを買っています。でも、席には座らず、広島側に移動して立ち見をしているとの“苦情”も出ています」(前出・球界関係者) CS・ファイナルステージは本拠地・マツダスタジアムで行われる。対戦チームのファンがチケットを購入できる可能性は極めて低い。しかし、「両チームのファンに平等に購入のチャンスを」の声は正論であり、“球場におけるエチケット違反”に関する苦情も、他球団から寄せられている。広島球団が異例の抽選販売を決めたのはその影響だが、今も詳細は「後日改めて発表」のままなのは、改善策が見つからないからだろう。 これでは、広島も勝利の美酒には酔えない。 ちなみに、ビールかけにはそれ相応のおカネが掛かる。30分以上やるとなれば、2000本以上を用意しなければならない。「20本1ケース」で6000円以上だから、単純計算で60万円強。本拠地球場であれば会場の確保も簡単だが、遠征中の優勝となれば、ホテルや同駐車場などを借りる「会場代」が掛かり、ここに「ビールをこぼす条件」として、特設シートを敷くための代金や人件費も掛かる。また、終了後にベタつくこともあるので、清掃代も請求されるそうだ。数年前、某在京球団が遠征先でビールかけを行った際、「150万円以上が一瞬で“泡”になった。本拠地での優勝なら3分の2以下で済んだのに」と愚痴っていたが…。 地元優勝を強く願っていたのは、広島のファンだけではないようだ。
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スポーツ 2017年09月17日 15時00分
プロレス解体新書 ROUND63 〈新日と極真の全面戦争〉 猪木に挑んだ“熊殺し”のド迫力
ボクシングと総合格闘技、互いの看板を懸けて行われたフロイド・メイウェザーとコナー・マクレガーの試合は、各方面で大きな話題を呼んだが、かつては日本でも歴史的な闘いが行われていた。プロレスと空手、どちらが強いのか!? アントニオ猪木とウィリー・ウィリアムスの異種格闘技戦である。 昭和プロレスの立役者の1人として、忘れてはならないのが漫画原作者の梶原一騎だ。アブドーラ・ザ・ブッチャー引き抜きでの暗躍や猪木監禁事件などから、悪印象を持たれることも多い梶原だが、プロレスブームに多大な貢献をしたことは決して否定できない。 梶原がいなければ『タイガーマスク』や『プロレススーパースター列伝』もなかったわけで、事実、これらの作品は新たな少年ファン層を開拓し、実際のマット界にも大きな影響を及ぼしている。 「レスラーの出自や必殺技の完成秘話など、『列伝』で描かれたエピソードの多くが、実際は梶原の創作であったことは、のちにモデルのレスラーたちも証言していることです。しかし、劇画化されたことでレスラー像が具体的になり、それがさらなるプロレス人気につながりました」(プロレスライター) 虚実を織り交ぜながらドラマチックに演出するという梶原の手法は、プロレスの世界観にピッタリとマッチしたのだ。 そんな“梶原劇場”のプロレス界における最高傑作とも言えそうなのが、1980年2月27日、蔵前国技館で行われたアントニオ猪木vsウィリー・ウィリアムスの一戦だ。 “現実のマット界との同時進行ドキュメント”として、'78年から少年マガジン誌上で連載された梶原原作の劇画『四角いジャングル』は、最初こそアメリカの新格闘技「マーシャルアーツ」を取り上げ、WKA(世界キックボクシング協会)ライト級王者のベニー・ユキーデを主役扱いしていたものの、徐々に猪木の格闘技世界一決定戦を軸にしたストーリーへと変更されていった。 「当初はユキーデと、黒崎健時門下でムエタイ史上初の外国人王者となった藤原敏男との試合をクライマックスに仕立てようとの心積もりだったが、ユキーデ側が固辞したために頓挫。そこで改めて主役に抜擢されたのが極真会館のウィリーでした」(同) やはり梶原原作の劇画『空手バカ一代』において“地上最強のカラテ”と盛り立ててきた極真のウィリーと、モハメド・アリ戦を境に格闘技世界一を名乗ってきた猪木。空手とプロレスという互いの看板を懸けた、まさに世紀の一戦である。 しかし、その実現には問題も多々あった。 「梶原にしてみれば、どちらが勝とうが劇画のネタになります。猪木にしてもアリ戦実現の際に抱えた借金返済のため、テレビ放映権料と興行収入で稼ぐことが最優先で、勝ち負けは二の次というところはあったでしょう。しかし、難しいのは極真側で、代表選手として送り出したウィリーがまさか惨敗ということにもなれば、それまで築き上げてきた“最強”のイメージダウンは甚だしく、各支部道場の経営にまで支障を来すことにもなりかねない」(新日関係者) 極真会館の大山倍達総裁が、門下生の他流試合禁止を理由として猪木戦の前にウィリーを破門にしたのも、そうした裏事情があってのことだったのか…。 「また、いくら梶原と極真との間に深い関係があったとはいえ、その看板を我が物顔で使うことを面白く思わない関係者はたくさんいました。さらには新日の興行として開催され、極真本部には金銭的な見返りがなかったことも不満材料となったでしょう」(同) そのため、大山総裁自らが「試合までに猪木を手始めに関係者たちを殺してしまえ」と、殺害指令を飛ばしたとの物騒な噂まで流れた。 プロレスと空手、それぞれのプライドを懸けた一戦は、双方のファンのみならずリングサイドのセコンド陣までもが殺気立ち、怒号が飛び交う中でゴングが鳴らされた。 「試合については後年になって『2R両者リングアウトからの延長も、4R引き分けも事前に決まっていた』などと言われましたが、当時はそんなことなど微塵も感じさせない緊張感に満ちていました」(プロレス記者) たとえ仕組まれた筋書きがあったとしても、一つ間違いが起きれば命の保障はない。実際、取り決めなど知らぬセコンドの極真勢は、場外でウィリーに腕ひしぎ逆十字固めを決める猪木に殺到し、新日側も応戦したことで大乱闘にまで発展することとなった。 おおよその筋書きがありながらも、どんな結末が待ち受けるかは誰も分からない――。そんなある意味、真剣勝負以上に危険な試合を実現させたのは、猪木と梶原、それぞれの覚悟と胆力があってのことだったに違いない。 ちなみにこの試合はテレビ中継の関係上、メインイベントではなく、大乱闘後の騒然とした会場を締めくくったのは、山本小鉄&星野勘太郎のヤマハブラザースであった。
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スポーツ 2017年09月16日 17時00分
高橋監督の来季続投決定に「本当ですか」の声
9月13日、オーナー会議が開かれた。その帰り際、巨人の老川祥一オーナーは記者団に囲まれ、高橋由伸監督(42)の続投を明言した。「すでに決まっている話」。同オーナーは強い口調で言い切った。さらに記者団を振り払うように「何か変更があるとか、そういうことは全くない!」とまで言い放った。 就任2年目の今季は球団ワーストの13連敗も喫した。その後反撃に転じ、クライマックスシリーズ進出を争うまで持ち直している。3年契約の途中であり、普通に考えれば『続投』だろう。また、ドロ沼の連敗中も複数の球団幹部が「辞めさせない」と言っていた。記者団が執拗に続投を確認した理由は、いくつかある。まず、来季のチーム構想だ。「広島、DeNAは生え抜きの野手がチームの主軸に成長しましたが、巨人は阿部、村田、長野、マギー。年齢的に上積みは期待できません。坂本もこの12月で29歳になります」(スポーツ紙記者) 一軍戦力となったニューフェイスは、捕手の宇佐見真吾と新人投手・畠世周くらい。期待の岡本和真は一軍定着すら果たしていない。ドラフト会議で即戦力投手の指名に失敗すれば、また外部補強ということになるだろう。昨年オフの大型補強にファンは否定的だった。それでも優勝できなかったのだから、来季は深刻なファン離れ(観客動員数の減少)も起こるかもしれない。『高橋体制』では未来が見えて来ないのだ。 プロ野球解説者が監督の契約任期について、こう指摘する。「監督の契約年数なんて、あってないようなもの。事実、楽天の梨田監督も来年まで契約が残っているのに、三木谷オーナー、星野副会長が『まだ決める時期ではない』と“含みのある言い方”をするようになりました。独走態勢だった前半戦は名将と褒め称えられていたのに…。オリックスの福良監督、DeNAのラミレス監督は続投の確約をもらっていません」「契約任期の途中」でも、成績が悪ければ解任。勝負の世界である以上、仕方ないことでもあるが、老川オーナーが執拗に囲まれたのは、前例があるからだという。近年の巨人には“途中解任”となったケースも少なくない。 前任の原辰徳監督も「途中解任」の屈辱を経験している。 第一次政権でのことだ。就任1年目で優勝、日本一を果たしたが、翌年は3位。3年契約でありながら、「人事異動」のひと言で、事実上のクビとなった。そのあとを引き継いだ堀内恒夫監督も3年契約だったが、2年目のオフでユニフォームを脱いだ。第一次・原−堀内−第二次・原、前任者2人が途中解任の憂き目にあったため、「高橋監督も例外ではない」という見方もされていたのだ。「20代で主軸となる野手がまず出て来ないことには、来季も厳しい戦いになるでしょう。若手を我慢してでも起用するとなればいいんですが、巨人は優勝を義務づけられたチームですからね。勝敗にこだわれば、当然、安定感のあるベテランを使いたくなる。若手を使って活躍すればチームの起爆剤になりますが、失敗したときのリスクは計り知れない」(前出・同) 高橋監督の人柄を物語るエピソードが聞かれた。元選手によれば、現役当時は若手を食事に誘い出すことも多かったという。「飲食店に入って、メニューを見ますよね。必ず口にするのは、『あっ、ちょっと待って』のセリフ。2、3分、メニューとにらめっこをして、最後は『みんなに任せるから』と言うんです。優しい先輩でしたが、優柔不断なところもあって…」 また、自主トレ期間中、大学の後輩にあたる阪神・伊藤隼太も『選手・高橋』を慕って帯同してきた。シーズン中はライバル同士になるのだが、『選手・高橋』は他の巨人選手が心配するくらい、アドバイスを送っていた。 こうした人柄に惹かれた巨人選手も多いという。巨人は2014年以降、優勝から遠ざかっている。同年はクライマックスシリーズで阪神に敗れる屈辱にも見舞われており、読売グループは「12年のシリーズ制覇」をチーム再建のゴールと捉えているそうだ。 優柔不断な高橋監督の背中を押せる参謀も必要だ。フロントも若手育成のための猶予期間を保証してやるべきだろう。
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スポーツ 2017年09月14日 15時00分
阪神・金本監督が清宮、安田、中村のドラ1指名で球団と対立
清宮、中村、安田の指名から下りる? アニキはささやかな“反逆”に出た。 9月1日の中日戦、金本知憲監督(49)は新人の大山悠輔(22)を『4番・一塁』でスタメン起用した。トラ史上、新人が4番を務めるのは53年ぶり。翌2日は試合を決める一発を放ち、「新人4番の本塁打」は'92年7月の元広島・町田公二郎以来、25年ぶり。阪神では2リーグ制以降初の快挙だ。期待に応えた大山は凄いが、ポイントは、ロジャースがスタメンから外されたこと。フロントが陣頭指揮を執って途中獲得した“助っ人”だ。 「大山が金本監督たってのお願いで1位指名された経緯は繰り返すまでもありません。素材としては一級品でも、1位指名しなくてもよかった大山の指名を繰り上げたことで、即戦力投手の補強ができなくなりました。その大山は、春先は変化球に対応できなかったのが、今は全然違う。4番で結果を出したことは、金本監督からすれば、『オレの眼に狂いはなかった』という自己主張そのものです」(球団関係者) 要するに、昨秋のドラフト会議では即戦力投手の獲得論を推すフロントが折れた。7月のジェイソン・ロジャースの緊急補強では「若手のチャンスが減ってしまう」とこぼしていた金本監督のほうが、持論を引っ込めたというわけだ。 ロジャースの勢いが止まり、大山がチームを勝利に導いた。この“金本采配”が、若き怪物たちの運命を決める今秋のドラフト会議にも影響してきそうだ。 「早実・清宮幸太郎、広陵・中村奨成、履正社・安田尚憲、横浜・増田珠…。清宮がプロ入りを正式に表明すれば、中村、安田を合わせた3人とも競合・抽選になるのは必至です。今年は社会人野球に好投手が多いので、あえて清宮たちを見送り、即戦力投手を一本釣りする方法もあります。阪神がピッチャーに切り換えたとの情報も錯綜しています」(同) 特に、JR東日本の好左腕・田嶋大樹(20)は高い評価を受けている。阪神フロントにすれば、藤浪晋太郎、岩貞祐太が不振に陥っただけに、「堅実に即戦力投手を!」と思うのは当然のこと。 「'05年以降、リーグ優勝から遠ざかっています。これ以上は、営業的に危険との声も出ている」(在阪記者) 金本監督は甲子園のライトスタンドからブーイングが起こる危機意識は常に持っているものの、「即戦力投手の獲得」には難色を示している。ロジャース獲得の時は折れた。今度は、フロントと金本監督のどちらが折れるのか…。去る8月25日深夜、宿敵巨人との3連戦初戦を終えた金本監督は、四藤慶一郎球団社長に呼び出されている。 「高野栄一球団本部長も同席していました。宿舎ホテルでの緊急会合で、名目は拡大編成会議でした」(同) フロント側が切り出したのは、ウェーバー公示が確実となった日本ハムのルイス・メンドーサを獲るか否かだった。8月10日の巨人戦で、勝ち頭のメッセンジャーを骨折で欠いている。 トレード、補強は7月末までだが、在籍球団が支配権を放棄するウェーバー公示なら、話は別。クライマックスシリーズを勝ち上がるため、獲得で合致したが、同日に金本監督はスカウト会議でまとめられた中間報告も聞かされている。 直近のスカウト会議は14日だった。 「U-18大会(カナダ)は複数体制でスカウトが現地入りすることが確認されました。進路不透明な清宮は1位候補のまま継続調査。あと、広陵の中村を大絶賛していました」(在阪記者) 昨年最後の東京遠征で、金本監督はやはり四藤社長らと“会食”している。その席で、田中正義(現ソフトバンク)、佐々木千隼(現ロッテ)の即戦力投手獲得論を聞かされていた。ドラフト前夜、金本監督の希望で大山指名に一変した経緯、ロジャース獲得で意見が衝突したことも考えると、両者は“大人の関係”をギリギリ維持している。 「去年8月の拡大会議で、金本監督から糸井嘉男獲得をお願いされました。この時期の拡大会議で現場とフロントが会うことは非常に重要な意味を持ちます。今年、国内FA権を取得した日ハムの中田翔がどうなるのかも確認されました」(同) 中田のFA宣言が現実となれば、ロジャース、大山、原口文仁が一塁の守備位置で重複。ここに清宮が入れば“玉突き事故”は他ポジションにも飛び火する。 「広陵の中村はメジャースカウトも認めていました。あれだけ打てる捕手はアメリカにもいない、と。高卒捕手はプロで覚えることが多いので時間が掛かります。一昨年は金本監督の就任、昨年は糸井獲得。オフの話題をそのままシーズンに持ち込み営業収支を上げた阪神にすれば、オフの話題作りは必須です」(取材記者) スター性を秘めた高校生野手がこれだけ揃う年は滅多にない。12年以上優勝から遠ざかるのは確かに危険だが、金本監督は就任時、生え抜きの長距離砲を育てるとファンに約束した。 これ以上フロントと衝突してでも、「清宮、安田、中村が欲しい」の意見を押し通せるか。ちなみに、清宮は阪神ファンだ。
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スポーツ 2017年09月13日 15時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times レジェンド・イチローに引退の可能性が…
今季はマーリンズの外野レギュラー・トリオ(スタントン、イェリッチ、オスーナ)が揃って故障もせず好調なため、4人目の外野手であるイチローは先発出場の機会がほとんどない。にもかかわらず、シーズン後半に入ってイチローはコンスタントにヒットを放っており、後半戦の打率は3割2分6厘という見事な数字をマークしている。 そんな中、所属するマイアミ・マーリンズが12億ドル(1330億円)で元ヤンキースの看板選手デレク・ジーター率いる投資家グループに売却されることが決まった。球団の売却にはオーナー会議の承認が必要になるため、実際に球団運営が新経営陣に移行するのは10月第1週になるが、すでに球団のCEO(経営最高責任者)にジーター自身の就任が決まっており、低迷するチームをどう作り変えるか注目されている。★イチローとジーターの絆を過大評価するのは禁物 日本のスポーツメディアは、昨年、イチローがメジャー3000本安打を達成した際、最大級の祝福をしたことなどを引き合いに出して、2人は特別な関係なのだから、ジーターのCEO就任はイチローのマーリンズ残留にプラスに作用すると報じている。しかし、筆者は逆に、ジーターのCEO就任でイチローがマーリンズに残留できる可能性は低くなったと見ている。 なぜならジーターは、マ軍がこれまで堅持してきた「若手のレギュラー陣に、彼らのお手本になる質の高いベテランを1人加えてレベルアップを図る」というポリシーを、継承しない可能性が高いからだ。 2014年オフにヤンキースがイチローとの契約更新を見送った時、米国のスポーツメディアはイチローと契約する球団は現れない可能性が高いと見ていた。だが、唯一、予想外のマ軍が手を挙げて、イチローを4人目の外野手として獲得した。マ軍はメジャーで最も優秀な若い野手が揃ったチームなので、ゲームに臨む準備が完璧なイチローを加えれば、格好のお手本になり、大きな効果を生むと判断したのだ。 イチローの入団は、期待した以上の効果をもたらしたため、マ軍はオフに入ると真っ先にイチローと契約を更新して高く評価していることをアピールした。しかし、ジーター新CEOは、そのようなことはしないだろう。チームを根本から変える気でいるからだ。 ジーターはファンに不人気でも、中規模の予算で地区優勝できるチームを作るため、大掛かりな選手の入れ替えを断行する構えだ。★ジーター新CEOが真っ先に手掛ける巨大トレード 米国のスポーツメディアの多くは、10月にジーターがCEOに就任した後、真っ先に手掛けるのは、主砲ジャンカルロ・スタントンのトレードだと予測している。 スタントンはメジャーを代表するホームランバッターで、シーズン後半に入ってアーチを量産。8月28日に本塁打を50本の大台に乗せたため、シーズン終了までに62本塁打をマークする可能性が出てきた。実現すれば、筋肉増強剤の力を借りずに打った本塁打のシーズン最多記録となる。 そんなメジャー最強打者のトレードをジーター新CEOが真っ先にやると見られているのは、旧経営陣が'14年11月にスタントンと交わした総額3億2500万ドル(358億円)の13年契約が、補強予算を圧迫し、球団を生まれ変わらせる上で大きな足かせになっていると考えているからだ。 スタントンの年俸は'18年が2500万ドル、'19年と'20年が2600万ドル、20年以降は2900万ドルに設定されている。本塁打を量産している年は問題にならないが、故障の多い選手なので、半分しか稼働しない年は莫大な金が無駄になる。そのためジーターは、スタントンの商品価値がピークになった今が、トレードで放出する時期だと考えている。 マーリンズは3Aに有望な外野手がいないので、スタントンが抜けた穴は、2割8分、15本塁打を期待できるレベルの外野手をFA市場、ないしはトレードで2人獲得する。もしくは右投手に強い左打者と、左投手にめっぽう強い右打者を獲得し、この2人をプラトーンで使うというやり方で、埋めることになるだろう。その場合は、得点力アップにどれだけ貢献できるかという点だけが重視されるため、OPS(出塁率+長打率)が評価基準になる。それが低いイチローを4人目の外野手として残す可能性は低くなる。 イチローとジーターが、レジェンド選手としてお互いに尊敬し合う関係を築いているのは事実だ。しかし、ジーターはレジェンド選手ではなく、球団のCEOとしてマーリンズに乗り込んでくる。課せられた任務は、私情を捨てて、低迷するチームを地区優勝できるチームに変えることだ。CEO就任早々、スタントン放出に踏み切ると見られているように、効率よく勝てるチームにするためには、ファンに不人気なトレードも断行する構えだ。イチローにだけ、特別な配慮を見せるようなことはしない可能性が高い。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年09月13日 12時20分
【オリックス】ルーキー山本力投も、シーソーゲームを競り落とす!最下位ロッテに負け越し
▽12日 オリックス 5-7 千葉ロッテ(ZOZOマリン)オリックス10勝13敗 観衆 14,857人 オリックスの先発はドラフト4位の高卒ルーキー山本由伸が3度目の登板。過去2試合もロッテ戦に先発している。前回登板した先月31日(ZOZOマリン)にはプロ初勝利を挙げた。 山本は初回、ロッテ打線に捕まり、先頭打者の加藤、続く荻野貴司に連打を浴びると、ペーニャのタイムリー、福浦の犠牲フライで2点を先制されてしまう。しかしオリックスは4回、今季0勝3敗と苦手にしているロッテ先発の唐川から、吉田正尚が第11号2ラン、5回にはロメロのタイムリーで勝ち越しに成功する。 勝利投手の権利がかかった5回のマウンドに上がった山本だが、二死満塁から福浦に逆転タイムリーを打たれて降板。90球の力投も実らなかった。山本の後を継いだ金田は6回に無死1、3塁の大ピンチを招くが無失点で切り抜けると、7回にロメロの犠牲フライでまたまた同点に追いつく。その裏、3番手ヘルメンが福浦にこの日4打点目となるセンターオーバーの勝ち越しタイムリーツーベースを打たれて4-5。 しかしドラマはまだ終わらない。8回、大城に代わる代打の安達が第3号ソロで、オリックスが三たび同点。その裏、ロッテは4番手近藤を攻めて荻野貴が勝ち越しタイムリーツーベースで再度突き放す。さらにペーニャの打球をセカンド西野の送球エラーで2点差に。9回はクリーンナップからの打順だったオリックスだが、ロッテのクローザー内に抑えられシーソーゲームを取れなかった。 負けは近藤がプロ2年目で初黒星(1勝)。2連敗のオリックスは最下位ロッテに今季負け越しが決まった。チームの借金も9。オリックスが5割でシーズンを終えるには残り20試合を14勝6敗となった。■福良淳一監督 一問一答−−最後は追いついたが?「うん。よく粘ったですね。粘ったと思いますよ」−−唐川を攻略しようというのが全員から見えたが?「前半あまり見れなかったかな。言ってることが出来なかったかなというのはあったんですけどね」−−改善された部分は?「対唐川に関して?唐川に関してはバッティングコーチが話してくれたんじゃないですかね」−−山本は5回、フォアボールからというのは珍しい?「珍しいですね。先頭のフォアボールというのはらしくなかったですね」−−全体的には?「良かったんじゃないですか。ボールも良かったし。全然問題ないと思いますけどね。4点は取られましたけど。最後のあそこはT(-岡田)が捕ってあげないとね。ファーストゴロですからね」−−きょうは守備が…「うーん。守備で4、5点はやったんじゃないですか。そういうところだと思うんですけどね」■選手談話山本由伸投手※先発4回2/3、7安打、4失点の内容「打線が逆転した直後でしたし、5回はなんとか0で粘りたかったです。立ち上がりはボールが真ん中に集まってしまいましたし、5回は先頭バッターへのフォアボール。しっかり反省しなければいけません」吉田正尚選手※4回無死1塁からライトスタンドへ飛び込む一時は同点となる11号2ランホームラン「打ったのはカットボールだと思います。打球が少し上がりすぎましたけど、芯でしっかり振り抜けました!なんとか追いつくことができましたので、とにかく勝ち越せるようにがんばります!」安達了一選手※8回、1死からセンターへ一時は同点となる第3号ソロホームラン「打ったのはカットボールです。代打だったので、しっかりと自分のスイングをすること、そしてなんとか塁に出ることを考えていました。いい感じで打てたんですが、風もありましたし、どうかなと思ったんですが、いい仕事ができてよかったです!」取材・文・写真/どら増田(オリックス番ライター)
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スポーツ 2017年09月13日 12時15分
日本ハムが清宮説得の切り札投入! “大谷ロス”から始まる新ボールパーク構想
12球団は「待つ」だけなのか…。U−18野球ワールドカップの全日程を終了し(9月10日/現地時間)、清宮幸太郎(早実=3年)が『進路』について口を開いた。進学、プロ入りかは明言しなかった。また、決断の時期についてもはぐらかしている。「両親が進学を強く勧めていて、本人がまだ決断できないでいるようです。ということは、清宮本人は『プロ志望』なんです」(在京球団スカウト) 清宮は10月26日のドラフト会議において、“禁じ手”を使う。「それでも、1位入札する」と言い切れる球団も限られてきたようだ。「清宮の両親はプロ野球界の有力者にも相談しているようですね。早稲田大学、東京六大学リーグにすれば是が非でも進学してもらいたい選手ですし、禁じ手はその折衷案とも言えます」(前出・同) 禁じ手とは、進路未定のままプロ志願届を出すことだ。そして、指名球団との直接交渉に臨み、両親のお眼鏡に適わなかった場合、進学――。ルール上は問題ない。清宮家が懸念しているのは、起用法などの条件面ではなく、「野球を通じての人間形成」であって、ここに、将来のメジャーリーグ挑戦も絡んでくる。指名しても入団しないリスクも高い。それを承知で指名できる球団は自ずと限られてきた。「父・克幸氏はプロアマを問わず、スポーツ界に精通した人物です。進路未定でのプロ志願届提出は妙案ですが、プロ野球内部の関係者でなければ助言できません。克幸氏のネットワークから考えると、楽天の星野仙一副会長、日本ハムの栗山英樹監督ですかね」(ベテラン記者) 日本ハム球団は、栗山監督を続投させる方向で固まっている。昨季の優勝、日本一から一転。今季は最下位争いに転じてしまったが、球団は「故障者続出」を敗因と分析しており、栗山監督に責任を負わせるつもりはないという。手腕を変われての続投要請だが、清宮指名後の交渉において、同監督の出馬は大きな武器になる。「日本ハムは大谷(翔平=23)のメジャー流出を念頭に入れたチーム作りとなれば、清宮は是が非でも欲しい逸材です。日本ハムは20代半ばでピークを迎える独自の選手構成で、FA権を行使した選手は見送ってきました。4番の中田翔も28歳。先輩選手がチームを出て行った経緯を見てきたので…」(前出・同) 2024年前後の新球場移転も考えれば、清宮の人気は必要だ。一時期、広陵・中村奨成捕手に乗り換えたとの情報も流れたが、今夏の甲子園を沸かせた18歳が“ピーク”を迎える時期が新球場移転年と重なる。「大谷が今オフにメジャー挑戦を正式に表明するとしたら、入札制度となります。その入札制度のルール見直しが米球界側から出ていますが、具体的な内容はいまだ示されておりません。9月4日のプロ野球・実行委員会で『進展ナシ』の報告がされ、ほとんどの球団が慌てていたのに、日本ハムは淡々としていました」(球界関係者) 大谷ロスがすでに折り込み済みで、清宮獲得に関心が移っているからだろうか。 U−18野球ワールドカップで現地入りした取材陣の一人がこう言う。「清宮は高校生活最後の試合となったカナダとの3位決定戦後、優勝したアメリカチームのもとを独りで訪ね、記念写真を撮っていました。英会話の勉強はかなりやっているようですね」「メジャーリーグの本塁打王」なる夢があるからだろう。 阪神、ヤクルト、巨人、ソフトバンクも清宮の1位指名を検討しているという。09年ドラフト会議に逆上れば、メジャー志望の強い菊池雄星(現・埼玉西武)を巡り、異例のドラフト前面談が設けられた。この面談を経て、「脈ナシ」と踏んだ球団は指名から下りている。清宮に対しても、同様の措置が行われるとしたら、日本ハムはその席にも栗山監督を帯同させるのだろうか。
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スポーツ 2017年09月12日 15時00分
ハリル代表監督続投でも ロシアW杯本番の指揮官にアギーレ前監督浮上
サッカー日本代表を6大会連続のワールドカップ出場に導いたハリルホジッチ監督が辞任し、来年6月のロシア本大会では別の監督が指揮する公算が高まった。本命は、八百長疑惑で契約を解除された前日本代表監督のアギーレ氏。だが、そう簡単に問屋は卸さない。禅譲するのはあの男――。 これまでW杯本大会と予選で8戦未勝利だった宿敵オーストラリアに2対0で勝ち、W杯ロシア大会の切符を手にしたハリル・ジャパン。最終予選のホーム初戦を落とし、「W杯出場確率0%」からの苦しいスタートとなったが、土壇場で本田圭佑(パチューカ)、香川真司(ドルトムント)の二枚看板をスタメンから外す大ナタを振るい、過去のデータを打ち破った。 そのオーストラリア戦翌日の9月1日、さいたま市で日本サッカー協会の田嶋幸三会長とハリルホジッチ監督が会見を開いたが、取材陣の質問は監督の進退問題に集中した。オーストラリア戦の試合後、ハリルホジッチ監督がゲーム内容には一切触れず、「実はプライベートで大きな問題がある。この試合の前に帰ろうかなと思ったくらいだ。もしかしたら、(日本に)残らない」と爆弾発言。質問を一切受け付けず、一方的に会見を切り上げたことで、波紋を広げていた。 一夜明けた会見では、「一部の方は残念に思うかもしれないが、仕事を続ける」と取り繕ったものの、これは5日に最終戦、アウエーのサウジアラビア戦を残していたから。日本代表の番記者によれば、辞任発言は「親族が末期がんで闘病中のため」とのことだが、これは表向き。真の理由は別にあるという。 「北朝鮮が8月29日に弾道ミサイルを発射し、北海道上空を通過して太平洋に落下しました。世界中に衝撃を与えた中、ハリル監督の家族が気にしているのは、北朝鮮が『有事の際には米国よりも先に日本の領土が焦土と化すことを知るべきだ』と警告していることです。それを暗示するように、3日には水爆実験。日本にいるのは危険で、代表監督を辞めて帰国するよう求めているのです。ボスニア生まれのハリルホジッチ監督はユーゴスラビア紛争に巻き込まれ、資産を失った過去を持ちます。その後、せっかく監督業で財を成したのに、再び失いたくない。そんな家族の思いを察して、辞任を考えていたのです」(前出・番記者) だからだろうか。オーストラリア戦では、大一番にもかかわらず、本田、香川を最後まで封印。右サイドに先発させた22歳の浅野拓磨が先制ゴールを決め、21歳のボランチ井手口陽介がダメ押しのミドルシュート。W杯切符を手にしたこの試合こそ、ハリル・ジャパンの集大成となった。 この動きを受け、日本サッカー協会は、何人かの次期監督候補に接触しているという。本命はメキシコ人のハビエル・アギーレ前日本代表監督だ。 就任後の'15年2月、スペインのクラブ監督時代の八百長疑惑で同国の検察から告発されると報道され、これに慌てた当時の日本サッカー協会は契約を解除。しかし訴追には至らず、協会内では同情論と共に復帰を望む声が強まっていた。 「今年6月にACミランとの契約が切れ、移籍先を模索していた本田は、メキシコの名門パチューカと契約。これに尽力したのが、現役時代パチューカでプレーし、メキシコのサッカー界に大きな影響力を持つアギーレ氏です。日本のエースの就職を世話することで協会に恩を売り、代表監督復帰を狙ったのでしょうが、それがハリル監督の知るところとなり、日本サッカー協会との間に軋轢が生じました。今回のオーストラリア戦で本田をベンチに封じた理由の一つはそこにあります。この先もハリルホジッチ監督が指揮を執る限り、本田の出番は少ない。しかし、テレビ局やスポンサー筋は、人気の高い本田の出場を欲しています」(大手広告代理店) 現在はフランス国籍も持つハリルホジッチ監督は、後任指揮官にフランス人のポール・ルグエン前オマーン代表監督を推薦したという。同氏は'10年南アフリカW杯でカメルーン代表監督を務めたこともあるが、日本サッカーには精通していない弱点がある。 そこで折衷案として、世界的な名選手で、元名古屋グランパスエイト監督でもある“ピクシー”ことドラガン・ストイコビッチ氏が急浮上している。同氏は現在、中国のクラブチーム広州富力の監督を務めているが、今年末で契約が切れる。それまで手倉森誠日本代表コーチで繋ぐ案も検討され始めた。 3年後に迫る東京五輪・パラリンピックで建設する新国立競技場は、その後、サッカースタジアムに姿を変える。その視線の先にあるのが、2度目のW杯開催。 そのためにも世界的名将アーセン・ベンゲル氏を日本代表監督に迎えたいところだが、同氏は英プレミアリーグ、アーセナルとの契約を2年延長したばかり。 その日に備え、一番弟子の“ピクシー”を獲得しておく狙いもある。
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スポーツ 2017年09月11日 21時30分
掛布二軍監督が退任 若手育成の手腕にアノ球団が獲得交渉へ
阪神が掛布雅之二軍監督(62)の今シーズン限りでの退任を発表した(9月10日)。これがきっかけで、他球団を巻き込んだ“大移動”が起きるかもしれない。「8日夕方、掛布二軍監督は神戸市内のホテルにくるよう、球団から伝えられていました。掛布二軍監督の任期は『今季終了まで』となっており、解任を察していたようですね」(在阪記者) 多くの若手を一軍戦力に引き上げた。また、二軍戦でありながら甲子園球場に1万人強の観客を集め、鳴尾浜の球場にも「企業広告の看板」が出るなど、球団は『掛布人気』を再認識させられていた。しかし、今季の阪神二軍は48勝55敗8分けで最下位(同時点)。指導者の世代交代であり、四藤慶一郎球団社長自らが慰労の言葉を伝えたということで、掛布二軍監督も受け入れるしかなかった。 掛布二軍監督は「オーナー付アドバイザー」としてのフロント入りも同時に打診されたが、こちらは返事を保留。定評のある打撃指導力、根強い人気…。他球団が放っておくはずがない。「千葉ロッテの次期監督に予想する声も聞かれました。“井口次期監督”に繋ぐ前に、若手育成に長けた掛布氏にチームを再建してもらおう、と。郷里・千葉県の球団ですし、可能性はゼロではない」(前出・同) ロッテ関係者によれば、解説者時代に監督就任の打診をしたことがあったという。御破算になった理由は「掛布氏が阪神への愛着を捨てきれなかったため」とのことだが、一方で、数年前に露呈した個人会社の経営難を知り、ロッテ側から打診を取り消したとの話も聞かれた。これは過去の話であって、掛布氏も身辺整理を終えているそうだが…。「楽天のほうが(監督就任の)可能性がある」 関西方面で活躍する複数のプロ野球解説者が、そう予想している。掛布氏は東北楽天ゴールデンイーグルスの“初代監督”候補だった。「球界参入が適ったら」の前提のもとでの交渉だったが、掛布氏は「嬉しい!」とコメント。阪神ファンだった三木谷浩オーナーも自ら大阪入りして交渉にあったが、“破談”に終わっている。 当時を知る元球団スタッフがこう言う。「破談とはいえば破談ですが、楽天側は『保留にしましょう』と掛布氏に伝えています。球団として提示した年俸が安すぎて、掛布氏も決心できなかったんです。当時の楽天スタッフは、監督に1億近い年俸を払う経営スタイルに疑問を持っていたので」 その後、楽天も考え方を変えている。 後半戦の失速で、梨田昌孝監督の去就が騒がれている。一部メディアは元ヤクルトの宮本慎也氏を有力候補として伝えていた。ヤクルトにしても、そうだ。高津臣吾二軍監督の昇格はまだ正式発表されていない。快進撃を続けるDeNAにしても、ラミレス監督の続投を決めかねている。 掛布氏はこうした他球団の動向を見据え、フロント入りの結論を出すのではないだろうか。「千葉ロッテの涌井秀章が2度目のFA権を取得しましたが、ロッテは慰留に積極的ではありません。2億5000万円の年俸(推定)がネックになっているとされ、涌井のマネジメント会社には中日の森繁和監督、ヤクルトの高津二軍監督も在籍しています。西武・牧田和久も作ないFA権を取得しました。昨年オフの契約更改の時点で複数年契約を辞退しているのが気になります」(ベテラン記者) 涌井自身もロッテ残留を明言していない。退任の決まった伊東勤監督が熱心に誘ってくれたことが、13年オフのFA移籍に繋がったという。こういう移籍にまつわる師弟関係や、グラウンド以外でのネットワークを聞かされると、将来、一軍戦力を何人も育て上げた掛布氏を慕って“FA移籍する”選手も現れるのではないだろうか。ユニフォームに未練のある掛布氏が虎の宿敵に転じるかもしれない。
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スポーツ 2017年09月11日 14時00分
「プロレス解体新書」特別編3 キラー・カーンが語る 俺の名勝負!
夏の特別編第3弾はキラー・カーンの登場。モンゴリアン・チョップで知られる“蒙古の怪人”が、アンドレ・ザ・ジャイアントとの抗争をはじめ、リング外での交流も含めてじっくりと語った! 名勝負を一つ選べといっても難しいなあ。自分で言うのも何だけど、アメリカではWWF(現WWE)でボブ・バックランドやアンドレ・ザ・ジャイアント、ハルク・ホーガンらとやった試合もよかったし、他にもテッド・デビアスやダイナマイト・キッドとの抗争は連日満員で、プロモーターから「ファンタスティック!」とベタ褒めされたよ。 日本だと、猪木さんや辰っつぁん(藤波辰爾)との試合もよかったけど、それでもあえて選ぶなら、やっぱり蔵前国技館のアンドレ戦かな(1982年4月1日、第5回MSGシリーズ決勝戦)。 実はアンドレが初めて新日本プロレスに来た頃、俺は外国人係として身の周りの世話をしたこともあってね。だからアンドレは俺のことを1回たりともキラー・カーンと呼んだことはなくて、いつも「オザワ、オザワ」って呼んでくれました(本名は小沢正志)。 俺もアンドレの人間性は知っていたし、お互いに気心が知れていた。そういう者同士がやると、自然といい試合になるんです。もちろんアンドレ自身が試合巧者だったし、プロレスがどういうものかをよく心得ていた天才ですから、俺も闘いやすかったしね。 プロレスラーというのは、第一にお客さんを動員できなきゃいけない。中でもメインイベンターは一番責任があるわけで、そこでお客さんを呼べなければやっぱり二流なんですね。 その点で言っても、アンドレはどこでもお客さんを呼べた超一流です。ワシントンかどこかの大会場に、当時、人気上昇中だったロード・ウォリアーズが来て8割ぐらい埋まったらしいんだけど、その2週間後に俺とアンドレでメインイベントをやったら、お客さんが入りきらなかったことがありました。そのときはうれしかったですよ。 いわゆる“足折り事件”については、俺が喉元を狙ってニードロップを放ったときに、アンドレが急に立ち上がって足首に当たっちゃった事故です。 アンドレがリングで足をひねって、そこを俺が臨機応変に攻めたというのは、高橋さん(ミスター高橋)が本を書いたとき、面白おかしく話を盛っただけで、真実とは違うんですよ。 まあ、それで日本でもアンドレと闘うことになりました。蔵前での試合はアメリカとは逆で、アンドレがヒール(悪玉)で俺はベビーフェース(善玉)のような感じでしたけど、ファンの半分はアンドレの応援だったんじゃないですか。 もともとは猪木さんとアンドレが決勝で闘う予定だったのに、猪木さんが負傷欠場して俺はその代役でした。だから正直に言えば、最初は“とにかく長い時間リングに立って、できる限りの試合をしよう”と思っていたんです。だけど試合が進むうちに、俺がアンドレに対抗できたのもあって、お客さんから「小沢、小沢」ってコールが起きてね。それで闘志が湧いたのを覚えていますよ。 同年のMSGシリーズは全14選手による総当たり戦で、リーグ戦のトップ通過がアンドレ、2位が猪木だった。しかし、猪木はシリーズ中のアンドレ戦で左ひざを痛め、さらに決勝前日、テキサス・アウトローズの攻撃により状態が悪化。当日棄権となり、3位のカーンが繰り上がりで決勝に臨んだ。アンドレの足狙いで攻勢に出たカーンは、チョップの連打でぐらつかせるなど見せ場をつくったが、最後はアンドレがヒップドロップで勝利を収めた。 アンドレとの対戦で、俺がピンフォール勝ちしたことは結局1回もないですね。今だから言うけど、一度だけアンドレが試合前に人を介して、俺に「今日はボディスラムで投げろ」と言ってきたことがありました。だけど俺は、「いや、そんなことできるわけがない」と断ったんです。そしたらアンドレは、「オザワは人がいいなあ」と言ってくれたけどね。 ボディスラムで投げること自体は、お互いにタイミングを合わせればできるんです。でも、箔付けのために頼み込んで投げさせてもらうんじゃなく、アンドレ自身がそうやって俺のことを認めてくれたことだけで十分ですよ。 そんなこんなでアンドレは、最後まで俺のことを気に掛けてくれました。アンドレが亡くなった後に人づてに聞いたんだけど、「オザワが店をやっているんだったら、日本に行ったときにそっと訪れて驚かしてやるから、そのことは黙っておけ」なんてことも言っていたそうです。 それを知ったときは、もう本当に涙が出ちゃった。アンドレってそういう心の温かい人間だったよね。
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