スポーツ
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スポーツ 2017年12月02日 14時00分
羽生結弦 平昌五輪“ぶっつけ本番”は「ラスト演技」になる危険大
羽生結弦(22)が急ピッチでの調整を強いられている。来年2月、平昌冬季五輪の主役は、やっぱり、羽生のようだ。 「日本中が、いや、世界中のが『ナンバー1は羽生』と見ています。羽生の出ない冬季五輪は考えられません」(連盟関係者) GPシリーズ第4戦目のNHK杯。11月9日の公開練習中、その羽生が4回転ルッツの着氷に失敗し、右足関節外側靭帯損傷を負った。「10日間の絶対安静」「全治1カ月」など、平昌五輪出場を危ぶむ情報も聞かれた。しかし、今回のケガで羽生に対する注目度はさらに高まったという。 「五輪ではぶっつけ本番になる可能性が高い。でも、世界中が『着氷に失敗するかもしれない』と羽生に注目するでしょうし、五輪中継する各国テレビ局は絶対に高視聴率が取れると見ています。悲壮感いっぱいの羽生に、世界中が注目することになるでしょう」(同) 12月21日開幕の全日本選手権は、五輪代表最終選考会を兼ねている。同大会の出場を見送れば、「五輪本番まで治らない」と判断しなければならないが、羽生のブレーンたちは秘策も考えていた。 「代表3枠に入る条件は全日本選手権の優勝か、同大会の2、3位。あるいは世界ランク上位3名から選ぶとなっています」(関係者) 11月13日時点で、羽生は世界ランキング1位。NHK杯を棄権したのに、だ。2位は宇野昌麿が僅差で追っているが、3番目の日本選手は14位の田中刑事。つまり、羽生は全日本選手権で大コケしても、「世界ランク上位3名」の五輪出場権は確保できるのだ。また、言ってしまえば同31位・無良崇人、同47位・友野一希とは役者が違う。「羽生が3枠に選ばれる」と見て、間違いないだろう。 「全日本選手権は試運転。4回転ジャンプ、ループは封印し、芸術点のみでの上位を狙うプランです。同大会後、再び治療に専念させ、五輪本番で連続4回転をやることになる」(同) まさに、ぶっつけ本番だ。 男子フィギュアは4回転ジャンプ、ループともに演技後半で連続披露しなければ表彰台が難しい“新次元”に突入している。その牽引者が羽生であり、フツーに出場していれば、3大会連続金メダルは確実だった。 大本命の故障は、かっこうの中継宣伝ともなったわけだ。五輪本番で悲壮感いっぱいの羽生を想像し、「視聴率が稼げるからさあ」の声も聞こえてくる。 羽生は依然として大技の成功にこだわりを見せているというが、4回転ルッツにこだわって、平昌五輪が「ラスト演技」にならなければいいが…。
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スポーツ 2017年12月01日 22時04分
投手二冠王・菅野がチーム最大派閥のドンに!勢力拡大でポスト高橋にも異変が…
オフシーズンの自主トレとは、チームの覇権、派閥の強さを表すものでもある。しかし、それが行き過ぎると、監督交代論を加速させてしまう――。「11月28日は『世代交代』を象徴する一日となりました」(取材記者の一人) 同日、内海哲也(35)と菅野智之(28)が契約を更改した。内海は2勝7敗、防御率5点台、二軍落ちの屈辱も味わったからか、50パーセント減額となる1億円の提示を受け入れ、「不甲斐ない。(来季は)1試合でも多く、1日でも長く一軍にいられるよう…」と神妙な面持ちで語っていた。2017年の推定年俸は2億円、一昨年は4億円だった。半分ずつ減っていく内海に対し、菅野は推定4億5000万円で一発サインとなった。今季は2億3000万円だったので、“倍増”である。「チームは優勝できませんでしたが、菅野にとっては良い一年だったと思います」(前出・同) 開幕前の第4回WBCでは日本代表のエースとして好投し、米スカウトを唸らせた。自己最多の17勝もマークし、防御率は防御率1・59。最多勝、最優秀防御率のリーグ二冠王に輝き、さらに沢村賞も初受賞した。「日本のエース」となりつつある。 そんな菅野に対し、多くの若手が「自主トレに連れて行ってください」と集まり始めているという。これまでも菅野は何人かのチームメイト、他球団の親しい選手と集まって自主トレを行ってきたが、この勢いでいくと、チーム最大の自主トレグループになる。「これまで、投手陣をまとめてきたのは内海です。その内海の自主トレグループと菅野のグループの両方をはしごしていたのが宮國(椋丞)なんですが、宮國は菅野一本に絞り込む予定だと聞いています」(関係者) 内海と菅野は張り合っているわけではない。内海に限らず、野手組のドン・阿部慎之助は常日頃から世代交代を訴えており、菅野が投手の最大派閥になることは、むしろ歓迎しているような節も聞かれた。しかし、世代交代とはそんな単純な話ではない。「来季、高橋監督で本当に優勝できるのかどうか…。チームは4年連続、高橋監督自身、3年続けて勝てないとなれば、当然、フロントも考えなければなりません」(前出・取材記者) “有事”に備えて、急浮上してきた後任候補がいる。原辰徳氏(59)だ。原氏は侍ジャパンの代表監督候補にも挙げられていたが、実現しなかった。NPBに詳しい関係者によれば、「原氏本人が現場復帰に消極的だった」とのことだが、古巣が困っているとなれば、話は別。また、本人にその気がなくても断れないだろう。「原氏に3度目の監督登板の話が出てきた理由は簡単です。監督適齢期のOBのなかに他に相応しい人がいないからです。中畑清氏はDeNAの監督を務めたので巨人指揮官になったら、二番煎じのようで新鮮味がありません」(前出・関係者) また、原氏の再々登板なら高橋監督も傷つかない。「前任者に戻し、チーム再建を果たしたら再登板」の筋書きも作れる。しかも、チーム最大派閥となり、これからチーム全体に睨みを利かす立場となるのは、甥っ子・菅野である。自らがレギュラーに抜てきし、チームの精神的支柱に成長しつつある坂本勇人もいる。菅野の更改した年俸はおそらく、日本人選手のチームトップとなるだろう。これによって、原氏を再々登板させやすい環境も整ったというわけだ。「広島、DeNAは生え抜きの野手が育ち、阪神も遅々としてですが、その方向を目指しています。20代の新しいレギュラーを育てることが急務」(プロ野球解説者) 菅野は自分に厳しく、自主トレでも一切手抜きをしないそうだ。そのストイックな姿勢が、集まり始めた若手に伝われば、高橋監督のままでも十分勝てるのだが…。
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スポーツ 2017年12月01日 19時00分
松井秀喜が全面支援する大谷翔平ヤンキース「3年限定二刀流」
日本プロ野球機構(NPB)と大リーグ機構(MLB)、大リーグ選手会による新ポスティングシステム交渉が合意に達し、12月1日(日本時間2日)にMLBオーナー会議で正式に承認される。日本ハム・大谷翔平(23)は1日に申請を行い、21日間の交渉期間を経て、年内に移籍チームが正式に決まる見通しだ。 これにより、譲渡金2000万ドル(22億円)を日ハムに支払えば、どの球団も大谷との交渉が可能となる。全30球団の約半数が名乗りを上げているが、にわかに大本命に躍り出たのがヤンキース。あの松井秀喜氏(43)が“交渉役”を買って出たからだ。 「各チームの球団首脳が、“投手大谷”に期待を寄せる中で、松井氏はいち早く『本人が望んで、球団が許すのであれば、やらない理由は全然ない』と二刀流を支持した。これは本交渉への布石。2014年に田中将大がポスティングシステムを使って移籍した際は、松井氏は野手と投手の違いもあることから、ビデオメッセージを送るにとどまったが、今回は自ら大谷を口説き落とそうと躍起になっている。ヤンキースは田中も動員して交渉する準備を進めており、力の入れ方がまるで違う。『これは決まったも同然』と見る向きもあるほど」(スポーツ紙デスク) ヤンキースは松井氏の意見を聞いて、「3年間限定」で二刀流を容認する方針を固めたという。 大谷を獲得した球団は6年間の保有権を持つが、メジャーの新労使協定により、最初の3年は年俸54万ドル(約6000万円)に制限される。言葉を換えれば“お試し期間”のようなもので、ヤンキースからすれば、「化けてくれれば儲けもの、うまくいかなければ投手に専念させれば済むこと」と鷹揚にとらえているのだ。 重要なのは、大谷が年俸調停の権利を得る3年後。それまでに二刀流の完成具合を探り、'20年シーズン終了後に、「二刀流」「打者」「投手」の選択を迫るのだというのだ。 松井氏が務めるGM特別アドバイザーの主な任務は、シーズン中にブライアン・キャッシュマンGMとともに、あるいは単独で、傘下のマイナー球団の試合を巡回することだ。若手有望選手を発掘したり、アドバイスを送ることで、ヤ軍全体の底上げを図ることにある。 そのキャリアを活かし、今回、大谷の二刀流プランを実行する。松井氏は1年目からメジャーでフル回転させるのではなく、メジャーと3Aを行き来させるなどして経験を積ませ、3年かけて二刀流を完成させる工程表を描いているという。 背景にあるのが、田中から得た教訓だ。田中は'13年オフに平均年俸およそ25億円の7年契約でヤンキースに入団。大型契約に見合う活躍を見せ、1年目からフル回転。前半戦だけで12勝(4敗)をマークしたが、7月に右肘靭帯の部分分裂が発覚。その後は長期離脱を余儀なくされ、現在も右肘に爆弾を抱えながらマウンドへ上がり続けている。 「大谷の実力からして、1シーズン目から10勝を挙げるのは容易でしょう。しかし、打者出場も加わる大谷の場合、体への負担は田中の比ではありません。そこで松井氏は大谷を預かる形で、酷使をセーブしつつ鍛え上げる考えのようです。あと2年待って渡米すれば100億円超の大型契約で入団できるのに、それをせず、あえてメジャー最低保障の年俸6000万円で海を渡る。遠回りにはなるが、3年かけてじっくり体を鍛え、二刀流を完成させた方が結果として夢を叶えることができ、より稼げる、そうアドバイスするのでしょう。大谷が『自分はまだ足りない部分の方が多い。もっと磨きたいし、そういう環境に自分を置きたい。そこに適している球団に行きたい』と話しているのと、すべてが合致するのです」(大リーグに詳しい野球解説者) 松井氏は'18年度のMLB野球殿堂候補にノミネートされた。殿堂入りには、メジャーで10年以上プレーし、引退して5年が経過した選手が条件。日本人が候補者に入るのは'14年の野茂英雄氏(49)以来となる。ヤンキースなどで通算175本塁打を放ち、オールスターに2度出場、'09年ワールドシリーズでMVPに輝いた松井氏には、その資格が十分にある。 「殿堂入りには、ノミネートされた翌年以降、全米野球記者協会の記者投票で75%以上の得票が必要となる。5%以上の得票で最長10年間候補に残れるが、5%に満たなければ資格を失います。野茂氏は最初の年に1.1%しか得られず、資格を失った。候補者は20数人おり、松井氏も苦戦は必至とみられている。しかし、大谷の“二刀流”を成功させることができれば、メディアの注目が集まる。クーパーズタウンのアメリカ野球殿堂博物館に松井のバットが飾られれば、日本人選手の誇りとなるし、気合いが入るのも当然でしょう」(前出・スポーツ紙デスク) 元々、松井氏がヤ軍のGM特別アドバイザーに就いたのは、将来の巨人監督就任に備え、巨人の若手選手を受け入れる環境作りにあった。自身が長嶋茂雄氏(当時の巨人監督)に教わったように、マンツーマンでの教育プログラムを実施し、次世代の“ゴジラ”を育成する―。その計画が、図らずも大谷の二刀流で本格始動するわけだ。 ミスターのDNAを松井氏が媒介して、大谷が受け継ぐ。「二刀流」への期待は膨らむばかりだ。
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スポーツ 2017年12月01日 14時00分
日本ハム 清宮幸太郎の“かませ犬”となる残留した中田翔
FA権行使は諦めた。中田翔(28)は日本ハムで朽ち果てるしかなくなった。「次」にあの清宮幸太郎(18)が控えているから…。 11月14日、札幌市の日ハム球団事務所は慌ただしかった。立て続けに会見が行われ、まずピッチャーの増井浩俊がFA権を行使すると表明した。先発を務めた昨季は10勝、抑えに再転向した今季は27セーブを上げ通算110セーブを通達。プロ2年目以降、救援なら常に50試合以上を投げてきた。そのタフネス右腕が去就を語った後、トリで中田が雛壇に登場した。 「いろんな人といろんな話をさせていただきました。最終的には家族としっかり話をして、こういう結果になりました」 日ハム残留を決断。というか、獲得に名乗りを挙げる球団がないことを知ったからだろう。 「阪神は一塁か外野で大砲タイプの助っ人を補強します。でも、候補リストに入っていた有望選手は次々と移籍先を見つけ、3億円以上をふっかけてくる者もいて…。だからこそ中田を諦めきれず、動向を注視していた。FA補強するということは、中田に限らず、在籍チームよりも高い年俸を出すということ。ただ、『未知の助っ人に3億円を出すよりは中田』の声もありましたが、『今の中田に2億円以上の価値があるか?』と言われたら、誰も反論はできません」(球界関係者) 今季は打率2割1分6厘、16本塁打、67打点と低迷した。阪神が尻込みした理由は、さらに2つ。得点圏打率が1割9分5厘で、'17年の年俸が「2億8000万円・Aランク」ということだ。獲得しても、金銭補償を要求されたとき、80%の2億2400万円が必要となり、人的補償でも、「選手1人+50%の1億4000万円」の出費が必要となる。さらにFA選手への“メンツ”が加算されて、複数年契約を提示してやらなければならない。最低の2年を提示しても、6億円というところか。 「シーズン後半、中田は『福良さんトコもええかも』と口走ったそうです。オリックスの福良淳一監督は元日ハムコーチです」(同) この「福良さんトコ」発言が本当なら、FA交渉解禁となった同16日、本人は赤っ恥をかくことになる。 「オリックスが阪神からFA宣言した大和を狙っていたのは報道の通り。同時に、水面下では増井との交渉も始めていました。増井の代理人とオリックスが接触しています」(同) オリックスはシーズン中から日ハム戦を視察していた。それも通常のスコアラー派遣ではなく、FA選手の調査。だが、中田の「福良さんトコ」発言は“自分を見ている”わけではなかったのだ。 その中田は残留会見で、清宮のことにも触れた。 「一塁手で、(守備位置が)かぶっている。あれだけ有名な選手。ちょっと必死にならないといけない」 中田は厳しい表情でそう答えた。厳しい表情をそのまま受け止めれば、「定位置争いの好敵手出現に危機意識を高めている」ということになるが、プロの世界で10年もメシを食ってきたベテランが、高卒ルーキーに怖じ気づく理由はない。怖じ気づいているフリをし、場を和ませようとした“ヤンキーギャグ”とも解釈できる。 「中田や他の日ハム選手は、ドラフトの1週間くらい前に、清宮の1位入札を知ったようです。中田にすれば、ポジションが重複する有望新人を獲る真意は察したはずです」(スポーツ紙記者) 周囲に慰留されての残留。会見でその動きをした者として挙げたのは、家族、ファンだった。 「球団からは?」の問いを受け、中田はようやく「お前が必要と言ってもらえた」と答えた。清宮が一人前になるまでは使ってもらえそうだが…。 「話題性ということで、清宮の一軍キャンプ帯同は確実です。その場合、中田は兄貴役を名乗り出ていますが、遠征中に豪遊する中田と、『金の卵』である清宮を一緒にさせるようなことはしないでしょう。打撃指導はコーチがやります。フリー打撃で同じ組になることはあるでしょうが」(同) 清宮はスイングスピードで飛距離を出すタイプ。中田はパワーだ。ともに飛距離には定評はあるものの、フリー打撃で並んで勝負すれば、リラックスできるのは「負けて元々」の清宮だ。 「中田さんと同じくらい打球が飛んでいる。プロでやっていける」と、自信を持つきっかけにもなるだろう。 将来は、栗山英樹監督が「一塁清宮、DH中田」を選択する可能性もある。そのときは'16年本塁打王のレアードと定位置を争うことにもなりかねない。 「大谷の米挑戦で、投打ともに“一枚”が足りません。日ハムはFA取得選手に冷たい。増井には宣言残留を許し、中田を残し、頑張れと言ったのはそのためです。でも、本心は分かりません」(同) かつて球界には、「アニキ」「番長」「キャプテン」と称された牽引役がいた。彼らは自分の調子が悪いときも声を張り上げ、チームに尽くしていた。だが、中田はふて腐れた態度を取る。奮起はもちろん、心も入れ替えなければ、中田は清宮の“かませ犬”にされかねない。
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スポーツ 2017年12月01日 11時00分
角界スクープ! 貴乃花親方が相撲協会「追放」へ
横綱日馬富士(33)の暴行事件で大揺れの大相撲界。問題解決を急ぐ相撲協会の前に立ちはだかり、愛弟子貴ノ岩(27)の事情聴取を拒否し続けている貴乃花親方(45)の特異な行動が注目を集めている。このままいけば大相撲界を追放される恐れも囁かれている。一歩も後に引かない強硬姿勢の胸の内とは――。 平成29年の納めの九州場所(福岡国際センター)は、横綱白鵬が14日目に早々と40回目の優勝を決めた。休場明けにもかかわらず、日馬富士による暴行事件をめぐる大波乱を尻目に、若手顔負けの力強い相撲で締めくくっただけに喜びもひとしおだった。 「(春場所を)休場したとき、後援会の方から、『30回優勝した人は3人いるが、40回は1人もいない』と言われ、体が熱くなった。達成してホッとしている」 こう会心の笑みを浮かべていたが、土俵外でこの白鵬以上に存在感を見せつけたのが、今回の暴行事件の明らかな被害者である、貴ノ岩の師匠の貴乃花親方だ。 しかし、一連の言動はまさに謎だらけで、理解するのは容易ではない。 秋巡業中だった10月25日の夜、鳥取市内のラウンジで日馬富士が貴ノ岩の頭部を滅多打ちして大怪我をさせた、とされるこの事件。巡業の総責任者なのに相撲協会にはいっさい報告せず、4日後には鳥取県警に被害届を提出。その後は固く口を閉ざし、本心を語ろうとしない。連日の報道陣の突撃取材も、見事なまでに無視し続けている。 聞きたいことはいっぱいある。どうして相撲協会の最初の事情聴取に、「知らない」と答えたのか。 「(退院した初日の3日前の時点で)状態は安定しており、相撲を取ることを含めて仕事に支障はない」 場所前、貴ノ岩が入院した福岡市内の病院の医師は、このように話しているのに、なぜ貴ノ岩を初日から休場させたのか。全休すれば、来場所の十両転落は避けられないのだが…。 さらに、3日目に日馬富士の師匠である伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が、「ほかの弟子もいる。場所中なので、(被害届を)取り下げてくれないか」と頭を下げて頼んだときも、「取り下げるつもりはない」と、クビを横に振った。 「このままでは堂々巡りだから、第三者(弁護士)を立てなければいけないかもしれない」 と、貴乃花親方は「法廷闘争も辞さず」の姿勢をのぞかせている。 伊勢ケ浜親方は、去年3月の理事長選挙に際し、貴乃花親方を推した数少ない支援者の1人だ。それを、どうして恩を仇で返すようなことをするのか。貴乃花親方に近い関係者が語る。 「貴乃花親方が怒っているのは確かです。でも、それは可愛い弟子をボコボコにした日馬富士だけじゃない。もっと大きなものと対峙し、この際、『徹底的にやってやる』と腹をくくっているんです」 その怒りの矛先がどこに向けられているのか。ちらりと垣間見せたのが、九州場所11日目のことだった。 「危機管理委員会による貴ノ岩の事情聴取に応じて欲しい」 役員室に呼ばれた貴乃花親方は、協会のトップである八角理事長(元横綱北勝海)からの要請、というよりもお願いに対し、こう言って席を立った。 「お断りします」 この返事を聞いて、同席していた春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「ビックリした」と話している。組織人間であれば、考えられないことだったからだ。 その後も貴乃花親方は、事件解決を急ぐ協会首脳の再三、再四の要請にもことごとく拒否を続けている。何がここまで貴乃花親方を頑なにしているのか。 「理由は二つある」 貴乃花一門の内情に詳しい元力士が証言する。 「一つ目は、現状に対する不満ですね。4横綱時代ですが、実質はモンゴル人横綱の1強時代。彼らにいいようにひっかき回されていることに強い不満を抱いていたところに、日馬富士が横綱らしからぬことをしでかしたので、これは許せないと尻をまくったんです」 貴乃花親方はかつて曙、武蔵丸、小錦ら、巨漢のハワイ勢に真っ向勝負を挑み、日本人力士の地を示したカリスマ横綱だ。横綱に対する思い入れも人一倍強く、それを汚されたと怒る気持ちは分からないではない。 「二つ目は、八角理事長体制に対する大きな不信です。貴乃花親方には、7年前の野球賭博事件の時、相撲協会の一方的な調査で兄弟子の大嶽親方(当時、元関脇貴闘力)を解雇された苦い思い出があります。もし貴ノ岩の事情聴取に応じたら、またあの時の二の舞になりかねない。八角理事長には、理事長選で敗れた恨みもありますから。だから、鳥取県警の捜査を最優先し、相撲協会の要請には、クビを横に振り続けているんですよ」(同) 言ってみれば、上司に真正面から逆らっている貴乃花親方。このままいけば、背信行為でペナルティーを受ける公算は大。しかし、貴乃花親方は周囲に、「自滅覚悟。たとえクビになっても自分の思いを貫く」と漏らしているという。 こうと決めたときの貴乃花親方の一途さ、頑固さは筋金入り。目指すは八角理事長のクビ。果たして、貴乃花親方の孤独な闘いに勝ち目はあるのか。 落としどころはまださっぱり見えない。
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スポーツ 2017年11月30日 22時59分
TBSラジオがプロ野球中継から撤退!巨人OBは戦々恐々か
29日、TBSラジオの入江清彦社長が定例会見を開き、約65年続いたプロ野球ナイター中継を今季限りで終了させると発表。プロ野球ファン・関係者に衝撃が広がっている。 会見で入江社長は、「営業面だけではなく、様々な観点から今回の終了を決断した」とし、「新たな選択をした」とコメント。 具体的な「終了理由」については言及がなかったが、他局と同じ試合を放送していることや、ネットの普及でラジオ中継のニーズが低下していること、レギュラー番組の聴取率が好調であることなどが要因であると見られている。 現在のところ、文化放送とニッポン放送は野球中継を継続する見込みだが、減少傾向にある「野球解説者」の仕事がさらに減ることになるだけに、野球関係者、特に引退間近の選手にとって、TBSラジオの野球中継撤退は大きな痛手だ。 今回のTBSラジオ野球中継終了について、野球関係者のA氏は以下のように分析する。「キー局の解説者は、元巨人の威光を利用した人間が多いものでした。TBSラジオも、現役時代大した選手ではなかったにもかかわらず、元巨人だけで契約している人間が何名かいた。彼らは、今後契約を切られる可能性がある。 TBSが運営するCS放送TBSチャンネルは、ベイスターズ戦が中心ですので、元巨人は正直必要ない。他局の解説者枠は一杯ですし、地上波中継は皆無。TBSラジオの元巨人解説者は戦々恐々でしょう」(野球関係者A氏) さらに、A氏は「元巨人ブランド」が失墜していると語る。「北海道・東北・名古屋・広島・福岡など地元密着型球団については、テレビ・ラジオとも安定した視聴率・聴取率を記録していますが、全国区を謳っていた巨人は、キー局から見放され、中継の需要が極めて低い。 東京ドームの試合に関しては『日テレジータス』が全試合中継していますが、解説者枠は原辰徳氏、山本浩二氏など重鎮で埋まっており、若手の入る余地はない。巨人OBが解説者に転身することは極めて難しい。 その点、日本ハムや楽天、ソフトバンクなどは、地元での人気が高いため、必然的に中継も多くなり、OBが解説者に就職しやすい。当然、球団OBの解説を聞きたいですからね。 昔は、パ・リーグで引退した選手が解説者になることは難しいものでしたが、今は、巨人OBが行き場を失っている」(前出・野球関係者)「全国区」を標榜し、地域密着を軽視したツケが、今後、巨人OBを苦しめるかもしれない。
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スポーツ 2017年11月30日 22時03分
サッカーワールドカップロシア大会抽選会 その見どころは?
サッカーロシアワールドカップの組み合わせ抽選会が、12月1日(日本時間2日)にロシアの首都モスクワで行われる。六度目の出場となる我らが日本代表の組み合わせが注目される中、他にもサッカーファンにとって見どころが多いイベントがこの組み合わせ抽選会だ。■各国、大物スターたちによるドロー ワールドカップ抽選会は、世界中の注目の集まるビッグイベントと言っても過言ではない。出場国の組み合わせはもちろんのこと、イベントの煌びやかさを演出するのは世界各国から参加の大物ゲストたちだ。 今回、ドロー(くじ引き)を行うアシスタントとして登場するゲストとして、ディエゴ・マラドーナ氏やローラン・ブラン氏、ファビオ・カンナバーロ氏、ゴードン・バンクス氏等かつての名プレイヤー8名が決定している。ドローの行方もさることながら、超大物である彼らの現在の姿形・立ち居振る舞いなどを目にすることが出来、ファンにとって非常に興味深い。■日本代表以外の組み合わせも要注目 もちろん、組み合わせ抽選の結果は最重要。そして、日本以外の組み合わせも見どころは多い。 ワールドカップでは様々な因縁・ジンクスなどが存在する。中でもサッカーの母国イングランドには多くのエピソードが伝えられていて、中でも有名なのはアルゼンチンとの戦いの歴史だ。1986年メキシコ大会の「神の手ゴール」に代表される、数多くの激戦を行ってきた二つのサッカー大国、今回も1次リーグより同グループになる可能性があり、その結果が注目される。 また、欧州予選プレーオフでイタリアを破り話題を呼んだスウェーデンもイングランドにとっては厄介な存在となっている。2002年日韓大会、2006年ドイツ大会と二度グループリーグで戦い、何れも引き分けに終わっている。3大会ぶりとなる出場のスウェーデンは第3ポットに振り分けられており、勝ちきれないイメージのイングランドは三たび、グループの同居を恐れているのではないだろうか。 他にも、昨今の各大会で脅威となり続けているアフリカ勢、特にセネガル・ナイジェリアの組み合わせの行方も必見だ。過去の大会での高い実績もあり、今回、第三・四ポットに振り分けられていて、強豪国と同グループになることは確実。これまで、その驚異的な身体能力で優勝候補を破るなど波乱を巻き起こしてきた両国、果たして今回は大会の戦況にどのような影響を及ぼすか。■組み合わせが決まり、様々な情報も そして、組み合わせが決まると、いよいよ本大会に向け、本格的に対戦相手の研究がはじまる。ここから、本大会に向けての練習試合の対戦国も一気に決まっていくパターンも多い。それにより、各国サッカー関係者だけでなく、世界中のファンも含め、具体的な対戦国のイメージが形作られていくのである。 さらには、同居するグループの国々のサッカーだけでなく、その国の文化など多くの情報がもたらされることもあり、様々な面で各国々に対しての関心が深まっていくことは間違いないだろう。サッカーワールドカップには数多くの楽しみが詰まっている。(佐藤文孝)
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スポーツ 2017年11月30日 14時00分
大谷翔平「メジャー二刀流」を可能にした激安年俸6000万円
12月のポスティングシステム発効を待たずに「二刀流が絶対条件」とMLB球団に先制パンチを放った日本ハム・大谷翔平(23)。これも激安年俸での移籍だからこそなせるわざ。2年待てば100億円超と言われる大型契約には目もくれず、海を渡る理由がそこにある。 米大リーグのゼネラルマネージャー(GM)会議が先日、フロリダ州オークランドで開催された。今オフにポスティングシステムを利用して大リーグ挑戦する大谷獲得へ各球団が腹の探り合いを展開する中、大谷の代理人ネズ・バレロ氏が機先を制する発言をし、一気に流れが変わった。 「ショウヘイは二刀流を続けることを希望している」 各球団は165キロの投手力を重視するあまり、「先発ローテーションを用意」「打者は諦めさせる」としていたが、バレロ氏の発言でチーム方針を変更。「打者併用OK」に切り替えたのだ。 現地の報道によれば、ヤンキースは「(従来より1人多い)6人で先発ローテを組み、週に2日DHで出場」と提案。ドジャースは日本ハムを参考に「年間20試合くらい先発(通常の先発ローテーション登板は年間30程度)させ、他の期間は代打とDHで100〜110打席起用」。DHのないダイヤモンドバックスは「先発以外の日は代打とDHで毎日野手起用」。フィリーズに至っては「右翼手として先発出場させ、9回に抑えで起用」というプランをぶち上げたという。 「ワールドシリーズ制覇を目指す強豪球団は、『二刀流選手を実戦で起用しながら育てる余裕がない』としてきたが、大谷サイドの“メジャー二刀流宣言”でそうもいかなくなった。大谷の入札金は上限2000万ドル(約22億円)。この額ならどの球団も出せる。決めるのは大谷の意思次第。大谷の希望に沿う“二刀流プラン”を提示するかが決め手となる」(スポーツ紙デスク) 流れを作ったのは、大谷の勇気ある決断だ。25歳まで、あと2年待てば100億円とも200億円ともいわれる金額が手にできるのだ。 しかし、25歳未満の海外選手と契約する際は、マイナー契約という規則から、来季の大谷の年俸はメジャー最低保証の54万5000ドル(約6000万円)。常識的には考えにくい選択に踏み切ったのは、一にも二にも二刀流を貫くためだ。 「2年待ってMLB入りすれば、夢のような大金は手にできても“投手一刀流”は避けられません。松坂大輔、ダルビッシュ有、前田健太が期待にたがわぬ成績を収め、大谷にもエース級の働きが期待されています。ですが、6000万円程度の年俸なら、二刀流で失敗しても損はない。日本ハムに支払う入札金22億円だって、大谷が投打で出場すれば元は取れるし、負担が大きいようなら、どちらかに専念させればいい。大谷が23歳で渡米する狙いは、そこです。それだけ二刀流に自信があるのでしょう」(大谷と親しい野球解説者) どのMLB球団と契約しようと、メジャー登録が3シーズンに達すれば、大谷には年俸調停権が与えられ、保有権を持つ球団と年俸の交渉を行うことができる。“スーパー2(飛び級)制度”もあり、活躍次第では2シーズンでも可能という。 大谷のロマン溢れる選択は、米国でも好感を持たれている。いよいよ海を渡る“二刀流”は、どんな結果を残すのか。
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スポーツ 2017年11月29日 22時02分
米スカウトが後退でサブマリン牧田が残留しても喜べない球団事情
この一報に、球団上層部は救われた思いがしたのではないだろうか。 米CBSスポーツがメジャーリーグ挑戦を表明した大谷翔平(23)の紹介記事の一環で、「日本から挑戦するピッチャーは彼だけではない」というタイトルで、オリックス・平野佳寿(33)と牧田和久(33)を紹介。とくに、サブマリン・牧田には興味があるらしく、「現在、メジャーではサブマリン投手がほとんど存在せず、思い浮かぶのはブラッド・ジグラーやピーター・モイランぐらいだ」と“希少価値の高さ”を強調していた。 しかし、同メディアは好条件での米移籍には否定的な見解をまとめていた。「ライオンズが設定してくる金額(入札金)が分からない」「大谷のような若い天才ではない。プロデビューは2011年で、26歳だった。最近、先発から救援投手にコンバートされた」 悲観的な理由は上述の通り。米国人ライターがこう続ける。「メジャーリーグでは、サブマリンの需要が少ないんです。理由はいくつかあるが、平たく言えば、どの球団も観客数が落ち始めると、打撃陣を強化して人気回復をはかります。戦力で考えれば、投手強化は大切ですが、打撃重視の傾向があり、技巧派の緩いボールで勝負してくるタイプには、どうしても悲観的な見方をしてしまう」 とはいえ、牧田が今春のWBCでも好成績を残している。「メジャーでも通用するはず」と日本中は見ているが、「牧田に興味を持っている」とされる米球団もまだ現れていない。「ポスティングシステムには落札金が設定されます。大谷に対しては、その上限額の2000万ドル(約22億円)が設定されても、ほしいと思う米球団は参加してきますが、牧田に2000万ドルは払えません。そのへんで、様子見をしているようです」(前出・米国人ライター) 今オフから適用される新ルールでは、25歳以下の海外リーグ所属選手と契約する場合は、マイナー契約となる。マイナー選手としてチームに合流し、その後の活躍をもって、新たにメジャー契約を結び直す。しかし、牧田は33歳のオトナであり、獲得するとなれば、最初から高年俸のメジャー契約を交わさなければならない。西武球団に対し、2000万ドルを支払い、さらに牧田個人に「100万ドル台の年俸で2年以上」という契約になれば、“大谷を獲得する以上の出費”となる。 これが、国際試合での実績があるのに、牧田に関心を示す米球団が現れない理由だろう。 プロ野球解説者がこう言う。「牧田はポスティングシステムによる米球界挑戦を(西武に)認めてもらいましたが、契約できなかった場合はチームに帰還する約束だと聞いています。牧田は国内FA権しか持っていません。今年ダメなら、チームに残留し、落札金の掛からない来年オフに再挑戦する二段構えでは?」 西武球団がポスティングシステムによるメジャー挑戦を許した理由の一つに、「国内他球団に行ってほしくない」というものもあった。また、本人のメジャー志望が変わらないと分かってからは、「海外FA行使=球団に入るカネはゼロ」、「ポスティングシステム=落札金」の見解も持ち始めたという。 この「せめて、落札金くらいは…」の情報が本当なら、西武球団は入札金の金額を上限いっぱいまで設定して来ない可能性も高い。こんな声も聞かれた。「12球団のなかで、もっともFAによる流出選手が多いのが西武なんです。去年までで、15人。FA元年の94年オフに工藤公康、石毛宏典といった金看板が出て行き、昨年は岸孝之を喪失しました。今季唯一ローテーションを守った野上亮磨(30)もFA権を行使し、移籍前提で他球団と交渉しています」(前出・同) 西武首脳陣は牧田に残留の可能性が出てきたことを受け、喜んでいるという。貴重な戦力だからだ。だが、来年オフ、不名誉な流出選手の人数をさらに増やすことになるかもしれない。(一部継承略)
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スポーツ 2017年11月29日 14時00分
日馬富士殴打事件裏に日本相撲協会vsモンゴル力士25年の怨念
大相撲界がまた不祥事に揺れている。横綱日馬富士(伊勢ヶ浜部屋)が酒席で貴乃花部屋の貴ノ岩に暴行(10月25日夜)した事件について、鳥取県警も事態の収拾に乗り出したが、どう決着するか先が見えてこない。しかし、今回の事件の裏には、25年に及ぶ相撲協会とモンゴル人力士の暗闘の歴史が渦巻いていた。 見ず知らずの異国で大成するのは、容易ではない。 「塩を溶かすには、溶かしきるまで混ぜろ」 平成13年に来日し、安治川部屋(現・伊勢ヶ浜部屋)に入門した日馬富士は、このモンゴルのことわざを胸に深く刻み来日したという。「仕事をやるときは最後までやり遂げろ、中途半端なことはやるな」という意味だそうだ。しかし、まったく違う習慣や文化の中で、それを貫くのは大変難しい。 初めて大相撲界にモンゴル人力士が登場したのは、平成4年春場所のことだ。新弟子集めに苦慮していた大島親方(元大関旭国)が知人の紹介でモンゴルに乗り込み、現地で相撲大会を開催。6人の若者を選抜し、日本に連れてきたのだ。その中に元関脇旭天鵬や元小結旭鷲山らがいた。 モンゴルの大草原で育った彼らにとって、日本で見るもの、聞くもの、すべてが初めて。旭天鵬は「喫茶店で出てきた水を飲み、『ここは水を飲むところ』と思い、お金を払って出ようとした」と打ち明けている。 大島親方は、こんなモンゴル人力士たちにさっそく厳しい稽古を課した。それ以外にこの世界で成功する方法がないからだ。 だが、6人中5人の若者はこれに音を上げ、3カ月で部屋から逃げ出し、モンゴルに帰国した。後に旭鷲山と旭天鵬が説得されて部屋に戻ったが、これがモンゴル人力士たちの相撲協会に対する怨念の始まりと言っていいかもしれない。 3年後の平成7年春場所、旭鷲山が十両に昇進し、モンゴル人初の関取になった。この直後のことだ。今回の日馬富士殴打事件の舞台となる、モンゴル人力士の飲み会が始まった。 「みんなで集まってモンゴルの歌を歌い、飲んだり食ったりして楽しい時間をすごした。トラブルが起こることは1回もなかった」 発起人の旭鷲山は、そう話した。日頃のストレスを発散する息抜きの場が、彼らには必要だったのだ。 やがてモンゴル人力士たちの上位進出が相次ぎ、怨念は「モンゴル人同士の対立・衝突」に大きく変質。仲間内の足の引っ張り合いや分裂が始まった。その代表的なものが、平成15年名古屋場所での朝青龍対旭鷲山の激突だろう。 この2場所前に、朝青龍はモンゴル人初の横綱に昇進したばかり。モンゴル人力士No.1の座に就いた新興勢力と、かたや、旭鷲山にもモンゴル人力士のパイオニアとしての意地がある。両者のプライドが、トラブルの背景にあったのだ。 この場所の5日目、朝青龍が旭鷲山のマゲを掴んではたき込み、横綱にあるまじき反則負けを課せられた。このときの旭鷲山の勝ち誇った態度が目についたのか、これが伏線となり、3日後の取組後の風呂場であわや掴み合いの衝突に発展。魁皇が止めに入り事なきを得たものの、怒りが収まらない朝青龍は、駐車場で旭鷲山の車のドアミラーを肘うちして壊してしまった。 このトラブルは、朝青龍の師匠・高砂親方(元大関朝潮)が謝罪し、ドアミラーの修理費も弁済したためになんとか収束したが、朝青龍によるトラブルは、これだけにとどまらなかった。今度は後輩の白鵬ともいさかいを引き起こしたのだ。 平成20年夏場所千秋楽、横綱になって6場所目の白鵬に「オレに勝つのは3年早い」と言わんばかりに引き落として勝った後、上から抑え付けてダメを押したのだ。これに怒った白鵬が右肩をぶつけ、土俵上でにらみ合いに発展。両者は審判部から厳重注意を受けた。 朝青龍は、日本人力士にも怒りの矛先をぶつけた。平成14年初場所には大関栃東に猛烈な張り手で血まみれにして批判を浴び、同年の秋場所には右ひざの怪我を押して8場所ぶりに出場した横綱貴乃花に敗れた後、 「チクショー、あの足を蹴飛ばしてやればよかった」 と発言し猛批判を浴びた。 その後、モンゴル人力士の天下が続き、これまでの怨念を晴らすようにやりたい放題。とりわけ目の敵にされたのが、「日本人力士期待の星」と言われていた稀勢の里だ。徹底的にいじめられ、そのために横綱昇進も大きく遅れた。4年前には二所ノ関一門の連合稽古で日馬富士から顔面に張り手を食らい、土俵を割っているのにまだ攻撃された。 そんなモンゴル人力士たちの好き放題ぶりが頂点に達したのが3年前。白鵬、日馬富士、鶴竜と3人の横綱がすべてモンゴル人になり、入れ替わり立ち代わり優勝する事態になったのだ。 これを誰よりも憂い、怒りを込めて見つめていた人物こそ、現役時代に曙、武蔵丸、小錦らハワイ出身の力士相手に、日本人の意気を示した貴乃花親方だった。 「いつか、彼らにギャフンと言わせたい、と思っていた。だから、弟子の貴ノ岩にもなるべく近づかぬよう指導していました。そんなところに今回の事件が起こったものですから、絶対に許せないとなったんです。この積年の鬱憤が貴乃花親方の不可解な行動を解くカギ。日馬富士のクビを取るまで刀を鞘に収めるつもりはなさそうです」(協会関係者) 怨念にまみれた今回の事件。根が深いだけに、解決は簡単ではない。
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