スポーツ
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スポーツ 2017年11月09日 16時00分
日本ハム 清宮幸太郎「入団」切り札へ 指導者・イチロー獲得
7球団競合の末、高校通算で歴代最多111本塁打を放った清宮幸太郎は日本ハムが交渉権を獲得。翌10月27日には、栗山英樹監督らが東京・国分寺市の早稲田実業高を訪れ、1位指名の挨拶をするとともに、育成プランを説明した。 日ハムは豪邸育ちで名門校出の清宮を気遣い、すでに野球に集中できる環境づくりに着手した。千葉・鎌ケ谷の二軍施設や札幌には多数の報道陣やファンが詰めかけることが予想されることから、専属広報を配備。さらに早実の先輩・荒木大輔氏を二軍監督に招き、これまた早実の先輩・斎藤佑樹投手を相談役に就ける。 それだけではない。チーム内の人間関係を忖度し、大幅なチームの若返り策にもゴーサインを出したのだ。FA権を持つ中田翔、増井浩俊、宮西尚生、大野奨太たちは、原則引き留めない。野手では急成長した松本剛、横尾俊建、投手では今季10勝の有原航平を中心に、加藤貴之、高梨裕稔、上沢直之などに期待する――。清宮入団の相乗効果で新ファイターズを構築し、売り出そうという企業戦略だ。 そして今オフ、大谷翔平がポスティング・システムでメジャーへ移籍する。どこのMLB球団が指名権を得るにせよ、約23億円の入札金が入り、FAで4選手を日本球界に放出すれば金銭補償や人的補償も得られる。これだけの軍資金と将来有望な若手を獲得できれば、思い切ったチーム改革が可能となる。清宮が「日本ハムはすごくいいチーム。(指名されて)本当に嬉しく思っています」と笑顔で応じたのはそのためだ。 そんな清宮に、日本ハムが用意した究極のプレゼントが「イチロー」だという。スポーツ紙デスクが明かす。 「清宮が師と仰ぐのがイチローです。イチローとは、清宮がリトルリーグ世界選手権で世界一になった2012年、決勝戦の後にニューヨークで会っています。優勝チームはヤンキースタジアムに招待されるのが恒例で、清宮はイチローと一緒に記念の写真を撮り、激励を受けました。そのとき、『イチロー選手のようにメジャーで活躍できる選手になる』と胸に誓ったのです。球団は現役メジャーリーガーのイチローを獲得し、清宮の教育係を期待している。“大谷ロス”は“清宮&イチロー”で解消ということでしょう」 日本ハムは、清宮側が行った個別面接に参加せず、「指名回避」とみる向きもあったが、それ以上の絆があった。栗山監督はスポーツキャスター時代、清宮の父親でラグビー現ヤマハ発動機監督の克幸氏を何度も取材しており、親交が深い。清宮の思い描く進路は面談せずとも察知できたのだ。 3年後には東京五輪が控え、まずは侍ジャパンで活躍。そして、NPBで5年すごした後、大谷のようにメジャー転身。最短距離で渡米するにはイチローの存在は欠かせない。それが栗山監督と清宮家の結論だ。 イチローの去就はオリックス、中日も注目している。しかし、日本ハムが清宮を引き当てたことで、この男を取り巻く状況も一変した。
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スポーツ 2017年11月08日 22時03分
大谷が米挑戦を明言!ダルビッシュ、青木、イチローも去就問題でトバッチリ
北海道日本ハムファイターズの大谷翔平(23)がメジャーリーグ挑戦の意向を初めて明らかにした。11月7日、千葉県鎌ヶ谷市の二軍施設で汗を流していた大谷は、一部報道に出た「代理人決定」の真偽を質問され、「現段階で言えるのは、メジャーに行くために代理人を決めたということ」と言い切った。今オフ、ポスティングシステムを使っての米挑戦が決定的となった。「他の日本人メジャーリーガー、国内のFA取得選手にも影響が出そうです」(在京球団スタッフ) 大谷の代理人を務めるのは、大手代理人グループ・CAAに所属するネズ・バレロ氏。米球界でも敏腕で知られており、青木宣親、田澤純一の日本人選手も担当している。「青木はメッツと再契約できなかった。バレロ氏は大谷との抱き合わせのような交渉も仕掛けてくるのではないか」(米国人ライター) また、バレロ氏の登場と前後して、MLB公式サイトは今オフの去就が注目される上位選手25人を発表。1位はドジャースからFAになったダルビッシュ有だが、2位に大谷がランキングされていた。<メジャーに在籍していない選手では世界最高だろう>との寸評も見られたが、ダルビッシュ獲得には大金が掛かる。入札金、25歳以下の海外選手との契約における年俸等の上限制度が設けられたため、大谷のほうが“お得感”がある。「ダルビッシュとの交渉は『6年1億4000万ドル(約160億円)』からスタートするようです」(前出・同) 「ダルビッシュと交渉できる米球団は、一部の金持ち球団だけ」の図式をさらに加速させるだろう。こんな見方もある。「イチロー、岩隈も契約先を探しています。大谷との日本人コンビでジャパンマネーを引っ張り出そうと企てる米球団も現れるのではないか」(スポーツ紙記者) 日本国内ではオリックスの守護神・平野佳寿(33)が海外FA権を行使した。千葉ロッテ・涌井秀章(31)も「メジャー挑戦、叶わなければロッテ残留」を伝えており、埼玉西武・牧田和久(32)もポスティングシステムでの米球界挑戦となりそうだ。「牧田はメジャー志望が強い。国内FA権しか持っていないが、球団はそれを行使された場合、対戦チームに牧田を奪われる危険性も察し、本人の意思を尊重する形でポスティングを認めてやろう、と」(前出・在京球団スタッフ) アンダースロー・牧田の実力はWBCで証明済み。大谷獲得には米10球団以上が参戦すると見られるが、投手力を確実に補強したいとする米球団は、牧田との“堅実な交渉”に切り替えてくるかもしれない。「WBCで好投した平野を評価する米スカウトは少なくありません。でも、大谷と牧田と同時期の米挑戦となったため、平野は3人のなかでいちばん最後になりそう」(選出・米国人ライター) 日本ハムも大谷という金看板を失う。怪物・清宮幸太郎の指名には成功したが、一軍戦力になるのは2、3年先の話。したがって、二刀流・大谷を喪失するため、投打ともに補強が必要となる。「斎藤佑樹がクビを免れたのは、大谷のおかげ」(前出・スポーツ紙記者) そんな皮肉も聞かれた。“大谷ロス”の影響はチーム内にも及んでいたわけだ。国内FA市場に目を移せば、急展開で阪神・大和の動向が注目されてきた。内外野のどこを守らせても一流の守備力を持ち、ゴールデングラブ賞にも選ばれているが、チーム内ではレギュラーと見なされない現実に「移籍」を考え始めたという。阪神はこれまで残留条件を大幅に見直すとしている。 大谷の米挑戦が正式表明された同日、NPBの新コミッショナーに米投資ファンド『コールバーグ・クラビス・ロバーツ』の日本法人会長などを歴任した斎藤惇氏(78)が推されることも明らかになった。バブル崩壊期、産業再生機構社長も務めており、ダイエーのソフトバンクへの売却にも関わったマネーのスペシャリストだ。 その斎藤氏は財界にこんな格言を残しているそうだ。「謙虚な企業ほど生き残る。逆に自慢するようなところは落ちこぼれる」――。新コミッショナーの眼に、オフのマネー戦争はどう映っていくのだろうか。
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スポーツ 2017年11月08日 16時00分
阪神が断行するFA涌井、中田翔、助っ人の大補強
清宮幸太郎(早稲田実業)の交渉権を獲得できなかったツケは、やはり大きい? 先に公言した「補強は最小限」なる言葉のもと、トラは千葉ロッテ・涌井秀章(31)と北海道日本ハム・中田翔(28)の獲得を目指す。 「清宮で決めている」と明言してきた阪神だったが、本番のドラフト会議では、3度目の入札でようやく1位指名選手が決定。会議後、金本知憲監督(49)は3人の社会人・大学生投手を指名できたことに一定の評価をしたが、本心は違う。今オフの補強ポイントは『4番・一塁』だったのだ。 「阪神の補強は『ドラフト待ち』でした。清宮が獲得できれば、育成の名目で1年目からある程度は実戦で使うつもりでした。将来の4番候補なので、打てなくてもファンは許してくれたはずです」(球界関係者) 清宮だけでなく、お膝元である履正社・安田尚憲の抽選にも外れると、阪神は即戦力投手の指名に切り換えた。この戦略も予定通り。1位の馬場皐輔(仙台大)、2位・高橋遥人(亜大)、5位・谷川昌希(九州三菱自動車)は他球団も高く評価していた逸材だ。しかし、本当に補強しなければならなかったのは先発タイプで、ある野球ジャーナリストによると「馬場、谷川は完全な救援タイプ」と見られていた。 「それでも、金本監督、編成部は『全部を1回のドラフトで補えるはずもない』とし、今年の指名に及第点を出しています。ドラフトが投手中心なら、バッターは外部から補強する二段構えでしたから」(同) こうして中田の獲得論が再浮上した。理由は清宮を射止められなかっただけではない。最重要の補強ポイントである「4番・一塁」で、確実な計算が立つのは中田だけなのだ。 「目下、中日のアレックス・ゲレーロ、韓国・ハンファのウィリン・ロザリオ、米ドジャースのロブ・セゲディンなどの調査も進めています。ゲレーロは年俸5億円、複数年契約を譲らず、ロザリオの獲得にも3億円以上が必要です」(在阪記者) 近年、「高くても1億円前後」という新助っ人獲得の基準はあるにはある。しかも、カネもある。だが、「神のお告げ」を理由に勝手に帰国してしまったグリーンウェル('96年)が3億5000万円で、それがトラウマになっているという。他球団もそうだが、「高額助っ人=ワガママ」と身構えてしまうのだ。 「どれだけ掛かるかではなく、どれだけ打ってくれるかを考えるべき」(関係者) 5億円のゲレーロは論外として、韓国球界で2年連続30本塁打以上を打ったロザリオを本気で口説く覚悟もあるようだが、韓国と日本ではそもそも投手の力量が違う。 ロザリオは'11年、ロッキーズでデビュー。MLB5年で通算71本塁打という実績を持つが、不安要素は尽きない。それで、2億8000万円の中田が“割安”にも見えてきたわけだ。 「中田は今季、打率2割1分台に沈みましたが、侍ジャパンの4番を託されるなど、実績は十分。日ハムは費用対効果で放出トレードするなんて情報もあるし、中田も意地っ張り。FA宣言しても、買い手は付かないと分かっていても、『(他球団の)話を聞いてみたい』なんて言い方をするのはそのためです。阪神も3年以内に自前の大砲を育てるといえば、中田獲得をファンも我慢するでしょう。金本監督が一番悩むのは、来季41歳の福留孝介と37歳の糸井嘉男に頼りきった現状です」(同) 一方、「ダメもと」で、調査を続けているのが、先発も中継ぎもできる埼玉西武の牧田和久。国内FA権を取得したが、本人はメジャー挑戦の気持ちを強く持っている。同じく、日ハム・増井浩俊は今季、栗山英樹監督に志願してクローザーに戻してもらったが、昨年は先発で2ケタ勝利を挙げている好投手。交渉で「先発をやってくれ」と言われれば、どうか。 そこで、「可能性はまだ高い」と、チェックが始まったのが涌井だ。 「涌井をロッテに呼んだ伊東勤監督が退任し、球団幹部からは『(FAは)本人の権利だ』なんて言われたら、『出ていけ』と受け取るのが普通です。残念ながら、涌井の海外での評価は高くない。20代半ばまではメジャー志向を匂わせていましたが、結婚し、海外でキツイ思いをしながらやるんだったら、勝手知ったる国内でと考えるでしょう。涌井は残留も視野に入れ、悩んでいます」(ベテラン記者) 中田もそうだが、涌井獲得となれば、人的補償で“身を切る覚悟”もしなければならない。昨年、糸井獲得の代償で鳥谷敬流出が囁かれた事は忘れていないはず。 だが、優勝するには補強は欠かせない。生え抜きである大和がFA退団に傾きつつあるのも気になる。 清宮の指名に成功していれば、確実に「補強は最小限」で済んだ。逸材を逃したダメージは計り知れない。
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スポーツ 2017年11月06日 22時02分
日本一奪回の日に退団 松坂大輔を追い込んだ「下半身」の話
福岡ソフトバンクホークスが2年ぶりの日本一に輝いた11月4日、“元怪物”が退団を決意した。松坂大輔(37)は球団から勧められていた「コーチの肩書で復帰を目指すリハビリ専念案」を辞退、フリーとなって、復活を目指すことになった。「球団は松坂の復帰をサポートするつもりだったのは間違いありません。ただ、支配下登録からいったん外れてほしい、と」(スポーツ紙記者) 前例はある。2011年から3年間、斉藤和巳が支配下登録を外れ、「リハビリ担当コーチ」の肩書で復活を目指していた。同様の手順が松坂に提示され、それを受け入れられなかったというわけだ。「松坂が『復活』を目指しているのは本当です。リハビリをいつも続けているのはそのためで、でなければ、とっくの昔に心が折れてますよ」(前出・同) 工藤公康監督や一軍ナインがシリーズ第6戦に臨む前の午前中、松坂は筑後のファーム施設を訪ね、ロッカーなど荷物を整理した。他選手に退団を報告したかどうかは不明、チーム関係者が施設に到着した正午ころには、荷物は完全になくなっていたそうだ。「松坂は3年12億円の破格契約でソフトバンクに迎えられました。4億円の年俸(推定)は球団トップ、12球団全体で見ても3位。在籍した3年間でたった1イニングしか投げていません。今季は右肩の故障で二軍戦にも投げていません。後ろめたさもあったのでしょう」(プロ野球解説者) 獲得に動く球団がなければ、記録上では現役引退となる。いったん引退して復帰した例は過去にもあるが、来季は38歳、3年間未勝利ともなれば、獲得に動く球団はまず現れないだろう。こんな声も聞かれた。「松坂は球団トップの年俸。二軍戦にも投げていない投手がこれだけもらっているとなれば、日本一を奪回した今オフ、選手の契約更改は本当に青天井となってしまいます。昇給幅に不満を抱く選手が出たら、球団は反論できないでしょう」(球界関係者) おそらく、こうした動きを球団側も察していたのだろう。3年契約が切れる今オフ、王貞治球団会長は一部メディアの取材に応じ、「若手のお手本」と松坂を称賛していた。不満分子への牽制もかねての発言だったと思われる。だが、先の関係者によれば、松坂は退団した今日まで、「ずっとお客さんだった」という。「ホークスのユニフォームを着て以来、そのほとんどをリハビリに費やしていました。二軍でも通常選手と離れての別メニューでの練習ばかりでしたし、最後までチームに馴染むことができなかった」(同) 残酷な言い方になるが、松坂が右肩を故障させた遠因は“才能”との見方もされている。メジャーリーグに渡ったあと、アメリカ独特の硬いマウンドが合わず、投球フォームを崩してしまった。マウンドの土が硬いため、スパイクの歯が刺さらず、踏み出したほうの左足が滑る。その影響で投球フォームを崩し、右肩への負荷となった。練習にも投球数制限のある当時のレッドソックスのやり方も合わなかったという。「松坂は高校時代から投球練習をたくさんやって、肩の調整をしてきました」(前出・プロ野球解説者) だが、こうも考えられる。米球場のマウンドが硬いのは、今に始まった話ではない。ダルビッシュ、田中将大、前田健太らはそのことをボヤいたことはあるか? 松坂の翌年の08年に渡米した黒田博樹氏は黙々と投げ続け、広島帰還後もチームを牽引してみせた。「高校時代からその才能を高く評価されていましたが、弱点が2つありました。一つは食生活に関する節制ができない精神的な弱さ、もう一つは股関節が固いこと。下半身を作り直す前にプロで結果が出てしまったので、2つ目の弱点克服につとめようとしなかったんです。そのツケが出たんです」(関係者) 股関節の固さを克服していれば、メジャーリーグの硬いマウンドにも適応できたはず。若手時代に自身の弱点を見直す時間がなかったとすれば、それは「才能」が邪魔をしたのだろう。 天才、怪物、超高校級。ポジションは違うが、松坂の失敗は清宮幸太郎にも聞かせておきたい話である。
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スポーツ 2017年11月06日 22時01分
【新日本】1.4ドームにWWEの超大物“Y2J”クリス・ジェリコが電撃参戦!ケニー・オメガに挑戦へ
新日本プロレス11.5ボディーメーカーコロシアム大会に衝撃が走った。 バレッタを相手にIWGP USヘビー級王座の3度目の防衛に成功した初代王者ケニー・オメガが、珍しく流ちょうな日本語で、次期挑戦者を募るも、対戦相手は現れず、リングから降りようとしたその時だった。 場内が暗転し、会場が騒つく中、場内ビジョンにカウントダウンの数字が現れる。そして、0になるとそこには、つい最近まで世界最大のプロレス団体WWEのトップ選手として活躍していた世界的なスーパースター、Y2Jことクリス・ジェリコの姿が映し出された。ジェリコはニヤリと笑い、ケニーの写真を手に掲げると「ケニー・オメガ。オマエはダイナミックなレスラーだ。そして、すばらしいレスラーだ。だが、世界最高はオマエじゃない」と語り、その写真を引き裂く。そして「この俺だ。ショーン・マイケルズ、エッジ、CMパンク、アイツらは過去の人間になった。だが、俺はいまも現役だ。世界で1番のレスラーだからな。俺こそが史上最高のレスラーで、この業界の“アルファ”(頂点)だ。それを証明してみせよう。俺はオマエに挑戦する。ジェリコvsケニー、アルファvsオメガ。どっちがベストなのかを見せつけてやる。俺はオマエに会いたいぜ。1月4日、レッスルキングダム12 in 東京ドーム。どっちが最高のレスラーか確かめようぜ」と、1.4東京ドーム大会への参戦と、ケニーが防衛したIWGP USヘビー級王座への挑戦を表明したのだ。 これは、メジャーリーグで例えるとするなら、かつて日本で活躍した選手が、契約が絡まない期間を利用して日本の球団に移籍するようなものに近いかもしれない。数年前からジェリコとWWEはジェリコのミュージシャン活動との兼ね合いもあり、大会やシリーズ毎という、他のWWEスーパースターとは違って、契約が緩かったと言われている。 新日本とWWEは80年代に業務提携を結んでいたが、解消後は1990年に全日本プロレスが主導する形で開催された『日米レスリングサミット』にWWEと新日本が合同興行を開催した他、1993年から2年間は、WWF世界ヘビー級王座だったハルク・ホーガンが数マッチの契約をWWEを介さずに、新日本と直接交わすことで、古巣への参戦が実現し、IWGPヘビー級王者だったグレート・ムタとのドリームマッチや、ムタとのタッグでヘルレイザーズと対戦。武藤敬司とのシングルや、藤波辰爾との再会もあったが、ホーガンが希望していた師匠アントニオ猪木との対戦は実現しなかった。WWE離脱後は蝶野正洋とのシングルも実現している。 ジェリコの場合も、2015年に獣神サンダーライガーがWWEのブランドであるNXTに新日本の選手としてゲスト参戦しているが、新日本がWWEの配信サイト『WWEネットワーク』に対抗する形で、『新日本プロレスワールド』を開始したことで、WWEを離脱した選手や、アメリカやヨーロッパで知名度が高く、試合巧者な選手を積極的に起用するようになった。これがWWEに刺激を与えてしまったのか、翌2016年1月に中邑真輔、AJスタイルズら主力選手を新日本から事実上引き抜いたことにより、両団体間には緊張が走っていると言われている。ジェリコのTwitterアカウントやプロフィールを見るとWWEの文字はひと言も掲載されてないことからも、これは、旧知の仲でもある邪道、外道の個人ルートを中心に、WWEを介さず参戦が決まったと考えるのが妥当である。 ただ、興味深いのは、ジェリコが5月までWWE US王座を保持していたこと。そして、今夏のWWE日本公演では、イタミ・ヒデオ(元ノアのKENTA)相手に横綱相撲で圧勝していた。バックステージでケニーが「これは『レッスルキングダム』と『レッスルマニア』の闘いだ」とコメントしていたが、言い換えれば新日本プロレスとWWEの対抗戦としての意味合いも持っている。 ジェリコにとっては、1998年以来となる新日本マット参戦。ワンマッチになるのか、その続きがあるのかは知る由もないが、新日本は、来年3月15日にアメリカ・ロサンゼルス大会の開催を発表している。もし、この大会までジェリコが出場するようなことがあれば、WWEの視界に入るのは確実で、新日本のアメリカ進出計画において、ジェリコが果たす役割は大きいものになるだろう。ジェリコは日本マットで育ったという気持ちが強く、WWEの日本公演に自身がリストに入っていないと「行かなくていいの?」とアピールして来るほどの親日家。現在の新日本には邪道、外道、海野宏之レフェリーなどジェリコがライオン・ハートやライオン道のリングネームでWARマットで活躍していた頃の仲間もいるだけに、今回の参戦は恩返しの意味も込められているのかもしれない。 クリス・ジェリコとしての東京ドーム大会参戦は初めてになるので、WWE同様、カウントダウンから始まる入場に期待したい。そして、このレジェンドを挑戦者として迎えるケニーには、新日本代表として90年代のジャパニーズスタイルと現代のジャパニーズスタイルの違いをしっかりと見せつけてもらいたいと思う。 ジェリコの参戦、そして、ケニーとのドリームマッチ実現により、来年の1.4東京ドーム大会は例年以上に世界中が注目する大会となった。ジェリコのTwitterのフォロワー数は334万人! 対するケニーは19万人。WWE入りを拒み続けていると言われているケニーにとっては、ザ・ロックを筆頭に数々の大物スーパースターを相手に勝利を収め、主力タイトルを総ナメにしてきたジェリコと対戦できるのは、自身の選択が正しかったということを証明するチャンス。ベルトもかかっているので、絶対に負けられない試合である。 日本のプロレスファンには、世界が注目するドリームマッチを東京ドームで味わえることに幸せを感じながら、ワクワク感を持って東京ドームに足を運んでもらいたい。文・どら増田カメラマン・広瀬ゼンイチ
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スポーツ 2017年11月06日 16時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 日本人大リーガー 今季のMVPはダルビッシュ有
今週は2017年度の日本人大リーガーの総括を行い、その上で、最優秀選手(MVP)と最も期待を裏切った選手(LVP)を選出したい。 表(※本誌参照)を見ていただければ分かる通り、今年度の日本人大リーガーで年俸以上の働きをしたのはダルビッシュ有だけである。これまで日本人選手の働きが最も悪かったのは故障者が続出した'15年シーズンだが、この年はダルビッシュがトミージョン手術でフルシーズンDL入りしたことが響き、日本人選手全体の年俸総額が6075万ドル(66.8億円)であるのに対し、実働評価額(実際の働きを金額換算した数字)はその半分の3160万ドル(34.8億円)にとどまった。 今年はこれよりさらにひどく、日本人選手全体の年俸総額7415万ドル(81.6億円)に対し、実働評価額は2760万ドル(30.4億円)しかなく、年俸総額の36.5%の働きしかできなかった。 このような惨状を呈した主な原因は、 (1)田中将大が深刻な一発病に陥った。 (2)毎年安定した成績を出していた岩隈久志が肩の故障で5月上旬から長期欠場。 (3)イチローと上原浩治の年齢的な衰えが顕著になった。 などが挙げられる。■MVP=ダルビッシュ有(レンジャーズ→ドジャース) 例年通りなら候補者を3人ほど挙げて、比較検討してから受賞者を決めるところだが、今季は評価基準である「年俸以上の働き」をした日本人選手はダルビッシュしかいない。超高額年俸の選手はかなりいい成績を出しても年俸を上回ることが困難なので、これまでは実働評価額が多少年俸を下回る選手でも、印象に残る活躍をした選手を候補に挙げることもあったが、今季はそれすらもいない。 ダルビッシュ以外で一番まともな働きをした前田健太でさえ、実働評価額は年俸(出来高部分を含む)の55%程度だ。これでは候補に挙げるわけにはいかない。 ダルビッシュは勝ち星が10しか付かなかったが、これは今季7月末まで在籍したレンジャーズで極端に勝ち運に恵まれなかったからだ。レ軍ではQS(クオリティー・スタート=6回以上を自責点3以内)が14回あったので、平均レベルの得点援護があれば7月末までに10勝くらいしていたはずだ。しかし、好投しても打線が沈黙して勝ちが付かなかったり、リリーフ陣が弱体で勝ち星を消されたりしたため、勝ち星がなかなか付かなかったのだ。■敢闘賞=青木宣親(アストロズ→ブルージェイズ→メッツ) 青木宣親は守備面での評価が低いため実働評価額が年俸の4割程度になってしまった。しかし、打撃面、走塁面だけ見れば年俸レベルの働きをしていた。 何よりも立派なのは、35歳というメジャーリーグの「リストラ年齢」になりながら、人材ひしめく強豪アストロズで準レギュラー級の出場機会を確保し、日米通算2000本安打を達成したことだ。 アストロズでは若手が台頭していたため8月以降はブルージェイズ、メッツと渡り歩いたが、移籍先でもしっかり数字を出してスタメン出場していたことも大いに評価されるべきだ。松井秀喜、松井稼頭央、井口資仁、岩村明憲、福留孝介といったメジャーでレギュラーを張った野手たちも、メジャー最終年は低レベルの数字しか出せなくなり、途中でクビになったり、出場機会がほとんどなくなったりした。 青木のように、最後までスタメンで出場したケースはこれまでなかったことで、その踏ん張りは、もっと称賛されてしかるべきだ。■LVP=田中将大(ヤンキース)(他候補=岩隈久志・マリナーズ、田澤純一・マーリンズ) 今シーズン、もっとも年俸に見合った働きができなかった選手を挙げるとすれば、田中将大と岩隈久志を挙げねばならない。 表にあるように、田中は年俸2200万ドル(24.2億円)なのに、実働評価額は740万ドル(8.1億円)で、1480万ドル(16.3億円)が死に金になった。同様に岩隈も年俸1400万ドル(15.4億円)に対し実働評価額は20万ドルにとどまった。 一方、貢献ポイントであるWARが最も低かったのは田澤純一で、年俸500万ドル(5.5億円)をとる身でありながら、チームの足を引っ張ってしまった。 この3人のうち、岩隈と田澤の不振の原因は、肩の故障である。それに対し、田中はどこも悪くないのに深刻な一発病になり、エースでありながらチームの足を引っ張り続けた。今季、ヤンキースはア・リーグ東地区2位で、ワイルドカードで何とかポストシーズン進出を果たしたが、田中がまともに機能していれば、楽々東地区で優勝していたはずだ。それだけ田中の不甲斐なさは際立っていた。 以上の理由で、今季、最も期待を裏切った選手の汚名は、田中将大が負うべきである。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年11月05日 14時00分
プロレス解体新書 ROUND70 〈高田vs橋本と猪木イズム〉 格闘技的な強さとプロレス的表現力
1996年4月29日の東京ドーム、UWFインターナショナルのトップにして“最強”の称号を掲げる高田延彦に、橋本真也が挑むIWGPヘビー級タイトルマッチ。 橋本はプロレス流の技である“垂直落下式DDT”でUWFスタイルに勝利することを宣言し、背中に“闘魂伝承”の4文字を刻んだガウンを背負ってリングに臨んだ。 アントニオ猪木に憧れてプロレス界入りした橋本真也は、やがて“闘魂伝承”を公言するようになる。そのプロレス的な表現力の高さにおいては、まさしく猪木の正統的な後継者であった。 「猪木が格闘技戦を通じて身に付けた技術をアリキックや延髄斬り、魔性のスリーパーとしてプロレス技に転化してきたように、橋本も当時、もてはやされた格闘技的な打撃技を重爆キックや袈裟斬りチョップなど、ダイナミックでプロレス的に見栄えのするものへと昇華させた。より過激に強さをアピールする猪木のスタイルを、橋本ははっきりと踏襲していました」(プロレスライター) 橋本の志向が“より激しく分かりやすく”という部分にあったことは、その代表技である垂直落下式DDTにも明らかだ。 「もともとのDDTは一瞬で終わる技なので、フィニッシュホールドとしては物足りないし、ダイナミックさに欠ける。だから相手を体ごと持ち上げて、滞空時間をかけて落とすことで一つの見せ場にした。技の形だけ見れば垂直落下式ブレーンバスターと同じであっても、橋本にしてみればあくまでもDDTをさらにプロレス的に進化させた技なんです」(同) 重爆キックにしても、指導を受けるにあたって「実戦的な蹴りと見栄えのいい蹴りのどちらがいいか」と問われると、橋本は迷うことなく後者を選んだという。K-1への参戦について問われた際に、あっけらかんと「俺の蹴りなんか通用しない」と語ったのは、自身の目指すプロレススタイルに自信があったからこそであろう。 一方、猪木の道場論をもとに、格闘技的な強さを追求してきたのがUWFである。つまり、'96年4月29日、IWGP王者の高田延彦に橋本が挑んだ一戦は、UWFインターナショナルと新日本プロレスの対抗戦であると同時に、格闘技的な強さを求めた猪木とプロレス的な表現者である猪木、それぞれの遺伝子のぶつかり合いという側面もあったわけだ。 この試合の前に「垂直落下式DDTを決める」という橋本に、高田が「そんな技にはかからない」と応じたあたりにも、そうした色合いが見て取れよう。 東京ドームに詰めかけた新日ファンからの橋本コールが渦巻く中、序盤は高田が軽快なキックと関節技で攻勢に出る。しかし、これを受けきった橋本も、ローキックや袈裟斬りチョップで反撃していく。 「橋本の重い蹴りに、高田が不快な表情を浮かべたのが印象的でした。U系の選手は脚にレガースを着けていますが、橋本はリングシューズのままで、しかも溜めをつくって目いっぱいの力で蹴ってくる。キックボクサーから本式の蹴りを習っていた高田にしてみれば、格闘技的なセオリー無視でいながら痛さだけは人一倍の橋本の蹴りは、相当に腹立たしいものだったでしょう」(プロレス記者) そうなれば高田も黙ってはいられない。蹴りの重さでは橋本に軍配が上がるも、速さと回転数では高田が勝る。ローにミドル、ローリングソバットで追い込んで、とどめの一発とばかりにハイキックを繰り出すと、そこにカウンターで橋本の水面蹴りがさく裂する。 「高田がハイキックの直前に橋本の胸をポーンと押していて、それが『水面蹴りを出すタイミングを知らせるためだった』とする声もありますが、本当に合図を送るとしたら、そんな観客からも分かるようなことはしないでしょう。単にハイキックを当てやすいように、距離を取るためだったと思いますよ」(同) とにかく、そこから一気に攻勢に転じた橋本は、ノーマルタイプのDDTから垂直落下式へとつなぎ、最後は三角絞めでギブアップを奪ってみせたのだった。 だが、高田側にとって敗戦以上に誤算だったのは、この試合を最後に新日が本格的な対抗戦から手を引いたことだった。 「新日のリングで高田が橋本に負けるのは、ある意味で仕方のないことです。だから、Uインターとしては当然、そのお返しがあるものと考えていたんですね。例えば、Uルールでの高田と橋本の再戦のような流れです」(同) ところが、新日は橋本の勝利をもって“勝ち逃げ”を決め込んだ。 IWGP戦に限れば高田の2勝2敗(武藤敬司と1勝1敗のほか、Uインター興行で越中詩朗に勝利)。それでチャラだという理屈なのだが、高田にすれば橋本戦の負けと越中戦の勝ちでは帳尻が合わない。そう思うのも仕方のないところだろう。 結局、対抗戦の再開はならず、猪木流プロレスの権化ともいえる橋本に高田が敗れたことは、結果としてUWFの価値を下げ、それがUインター崩壊の大きな要因の一つとなったことは否めない。
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スポーツ 2017年11月04日 16時00分
元若嶋津「闘病長期化」で臨む一門・稀勢の里の九州場所「吉凶」
大相撲界に激震が走ったのは、10月19日。審判部長としてテレビ画面に登場することも多い、二所ノ関親方(元大関・若嶋津=60歳)が、冷たい雨が降りしきる午後4時20分過ぎ、二所ノ関部屋から750メートルほど離れた千葉県船橋市行田の路上で倒れているところを、通行人に発見された。 「自転車に乗って走行中、転倒して頭部を強打した模様で、発見された直後は意識もあったが、間もなく意識不明の重体に陥ったという。船橋市内の病院に搬送され、午後5時20分ごろから4時間半におよぶ開頭手術を受けたのです。手術内容は側頭部を強く打ちつけて陥没骨折したため、溜まった血を抜くというものでした」(スポーツ紙記者) 二所ノ関親方が発見されたのは住宅街。千葉県警によれば、体の右側を下にした状態で車道側に横向きに倒れていたという。 手術後、記者会見した部屋付きの湊川親方(元小結大徹)は「手術は無事に終わりICU(集中治療室)に入っている」「意識は一度戻った。今は昏睡状態というか、眠っている」と状況を説明。21日の段階では眠らせるために行っていた投薬の量を減らし、「体がちょっと反応し、少しずつ体を伸ばそうという気持ちが見える」と話し、危機的な状況は脱した。 二所ノ関親方は、鹿児島県熊毛群中種子町出身。二子山部屋に入門し、1975年春場所で初土俵を踏んだ。精悍な顔立ちと浅黒い体で“南海の黒豹”と呼ばれ、'82年九州場所後に大関に昇進。綱取りの夢は叶わなかったが、2度幕内で優勝している。 相撲ジャーナリストの中澤潔氏はこう語る。 「入門当時、“土俵の鬼”とまで呼ばれた親方の初代若乃花から受けた稽古の厳しさは、ハンパなものではなかった。だからこそ二横綱、二大関を輩出したんです。二所ノ関親方も、あの細い体でそれに耐え大関に昇進して2度も優勝しているのですから、今もそのことは相当本人の自信になっているはずです。しかし一方で、自分の体を過信したところもあったのではないか」 '85年には元アイドル歌手の高田(旧姓)みづえさんと結婚。同年9月にホテルニューオータニで行われた披露宴の模様はテレビ中継され、話題を呼んだ。 「'80年代はまだ力士が芸能人と結婚することは珍しかったが、力士の社会的な地位も高く、それこそ女性にとって大関、横綱の嫁になることは憧れでもあったと思う。あれは、みづえちゃんが若嶋津の男っぷりに惚れ込んだんですよ」(同) そのみづえさんは二所ノ関親方の手術後、気丈に報道陣に対応する姿が見られた。 それにしてもなぜ今回、このようなアクシデントに見舞われたのか。二所ノ関親方は19日朝も部屋の朝稽古に参加し、その後、いつも通っているサウナに自転車で向かったという。 「力士は稽古が終わると風呂に入る習慣があり、その流れでサウナ好きな親方や力士は多い。2年前に亡くなった北の湖前理事長もサウナ好きでした。手っ取り早く減量できるメリットもあるからじゃないでしょうか。二所ノ関親方も健康には人一倍気を使っていたので、愛用者だったのでしょう。ただ、熱いサウナや冷たい水風呂に出たり入ったりするので、体への負担も大きい。脳か心臓に重大な異常が起こったのかもしれません」(担当記者) この体調異変説を裏付けるかのように、サウナで具合が悪そうに手すりに寄り掛かっていたり、浴槽から出るときに転倒したという目撃情報もある。さらに着ていた服が泥だらけだったことから、発見される前にも転んでいた可能性も出てきている。そこで懸念されているのが、引退前から患っていた糖尿病の影響だ。 世田谷井上病院の井上毅一理事長が言う。 「糖尿病の人は、元気そうに見えても血管がもろくなりがちで、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を起こしやすい。親方はサウナで倒れ少し出血し、帰りに転倒してさらに出血した可能性がある。脳出血は早く治療すれば後遺症が残らない可能性もありますが、当分、リハビリが続くと思われます」 湊川親方は会見で「親方も頑張っている。早く目が覚めて自分で立てるぐらいに頑張ってほしい」と語っているが、11月12日に初日を迎える九州場所(福岡国際センター)は休場となる可能性が高い。 「二所ノ関親方が理事として引っ張る二所ノ関一門はいま、正念場です。今年の初場所後、念願の横綱になった稀勢の里は九州場所に復活を懸けているし、夏場所後に大関になった高安は早くもかど番。リーダーの不慮のケガが影響しないか、心配される。また、八角理事長にとっても体制を支える大事なブレーンの1人。20日午前、さっそくお見舞いに訪れていましたが、入院が長期化すれば、協会運営にも支障をきたしそうです」(協会関係者) 前出の中澤氏は、こう声援を送る。 「体力に自信があっても、とにかく病気を甘く見てはダメ。定年まであと5年でしょう。夫婦でこの危機を乗り越えて、しかるべき人に後を託さないと。残った弟子がミジメですよ」 二所ノ関親方の復活を後押しする意味でも、九州場所では稀勢の里をはじめ一門の活躍が期待される。
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スポーツ 2017年11月03日 16時00分
巨人 またも30億円補強で「超ドリームチーム」着手へ
クライマックスシリーズの激戦をよそに、巨人は来季に向けたチーム作りを進めていた。 昨オフは総額30億円ともいわれる大補強を敢行。陽岱綱、森福充彦、山口俊をFAで獲得。その結果、選手がだぶつき、球団初の13連敗を喫するなど11年ぶりのBクラスに沈んだ。 しかし、これでぶれる渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆ではない。「30億円でダメなら、あと30億円」とばかり、今オフも積極果敢なFA補強に乗り出す。それも2年連続の“3選手の大人買い”。 「巨人の人気が下降している今こそ、『圧倒的なドリームチームを作って球界を盛り上げろ』という指令が下ったようです。主筆の持論は一貫して“巨艦大砲主義”、グループ内に異を唱えられる人はいません。圧倒的な戦力で勝利してこそテレビ視聴率も上昇し、プロ野球人気の隆盛に繋がるとの考えです。せっかく補強に30億円費やしたのだから、さらにつぎ込め、ということなのでしょう」(スポーツ紙デスク) ターゲットは日本ハムの中継ぎ左腕・宮西尚生、先発も抑えもできる増井浩俊。そして、西武の牧田和久というFA3投手だ。巨人は今季、最多勝・最優秀防御率を獲得した菅野智之を軸にマイコラス、田口麗斗というリーグ屈指の3本柱を抱え、暴行事件で処分を受けた山口俊も、来季は巻き返す意味で期待できる。 問題はその後ろだ。マシソン・カミネロの外国人投手に繋ぐリリーフ投手に安定感を欠き、落とした試合がいくつもあった。しかし、ここに最速150キロ超の増井とアンダースローの牧田が加われば12球団屈指の投手陣が完成するという腹案だ。 「問題は、金銭より人的補償。もしこれらの選手をFAで獲得すれば、人的補償として有望な若手を持って行かれる公算が大きい。要するに“育成の巨人”はもうやめた、ということ。二軍や三軍にお金を使うより、常に旬な選手を獲得して最強チームを作る。これが球界の盟主・巨人の在り方だと。来季の二軍、三軍の首脳陣は決まっておらず、一軍も吉村禎章氏のコーチ復帰以外は、今季と大きく変わらないのはこの表れだ」(巨人OBの野球解説者) 外国人補強にも出費は惜しまない。今季本塁打王の中日・アレックス・ゲレーロと、シーズン60本塁打の日本プロ野球記録を持つヤクルトのウラディミール・バレンティンの2人を調査中。FAと合わせると、昨年同様30億円程度は必要だが、結果もおのずとついてくるという判断だ。 今年5月、DH制導入に向けた動きをキャッチされたのも、外国人バッターのだぶつきを抑えるためか…。今ドラフトの目玉である清宮幸太郎の受け入れだけが目的ではなかったのだ。 これだけのメンバーが揃えば、広島だろうがソフトバンクだろうが、敵ではない。高橋由伸監督は感情を表に出さない分、大物選手を操ることができるという評価もある。 巨人のはじき出した「ベストな戦略」、どう出るか。
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スポーツ 2017年11月02日 22時00分
若手が育たないヨシノブ巨人に「阪神を見習え!」の声
高橋由伸監督(42)に求められるのは、「我慢」の二文字のようだ。 11年ぶりのBクラスに低迷した今年、高橋監督に課せられたのは「若手の育成」だった。今さらだが、急務である。終盤戦のスタメンオーダーを見てみれば、20代野手は坂本勇人(28)と小林誠司(28)の2人だけ。陽岱鋼、村田修一、マギーなどの「外部補強組」がクリーンアップや1番などの要所に入っている状態でもあり、現在行われている秋季キャンプで、どれだけの底上げができるかが注目されている。 しかし、高橋監督はスポーツニュース番組の取材を受け、こう答えている。「開幕は比較的に年齢層の低いオーダーを組めたと思う。こちらとしてはチャンスを与えたつもりの若手が持ち堪えられなかったというか…」 たしかに、3月31日のスタメンオーダーでは、1番・中井大介(27=当時)、2番・立岡宗一郎(26=同)、7番・岡本和真(20=同)と、3人の若手が名を連ねている。だが、期待の岡本は1か月と持たずに二軍落ちし、3年目の今季も厳しいシーズンとなってしまった。彼らがスタメンを守れなかったのは「不振」に尽きるが、こんな指摘もある。「指揮官に覚悟があるかどうか、です。経験値の少ない若手を使えば、打撃不振に陥るのは当然だし、守備面でもミスが出るでしょう。それを乗り越えて一人前になるわけで、指揮官がその間を我慢できるかどうかが問題なんです」(プロ野球解説者) 若手育成、底上げといえば、ライバル阪神も同様の悩みを抱えている。ただ、金本知憲監督(49)の言葉はちょっと違う。「ベテランがしっかりしないと、若手を使えない」 要するに、高橋監督は、若手であろうがなかろうが、スタメンオーダーに入ったら、容赦はしない。きちんと結果を出すのがレギュラー選手の責務と捉えているようだ。金本監督のほうは、若手に多少のミス、打撃不振は付き物。彼らを使い続けるには、ベテランに奮起してもらわなければ困ると考えているわけだ。 巨人の若手が伸び悩んでいるのは、ハイレベルな結果を求められているからか…。一時期、プロ野球解説者に転じた中畑清・前DeNA監督は「来季は負けるくらいの覚悟で」と、ヨシノブ巨人にエールを送っていた。しかし、巨人は優勝を義務づけられており、「負ける覚悟」で試合に臨むことは許されない。そう考えると、巨人はやはり若手が育ちにくい環境ともいえる。 先のプロ野球解説者がこう言う。「岡田彰布氏が阪神監督だった時代、『レギュラー野手を作るのに1年は必要』と言い、新人だった鳥谷を我慢して使い続けました。その我慢が今日につながっています」 レギュラーポジションは「与えられるもの」ではなく、「奪うもの」だ。鳥谷以外の新人にも同じチャンスを与えたかといえば、岡田氏もそうではなかった。「高橋監督は、善くも悪くも野球エリートです。レギュラーを獲る苦しみは学生時代も経験していないはず。厳しいことを言いすぎると、若手が精神的にまいってしまう」(ベテラン記者) かつて、阪神にはこんな「裏・格言」があったそうだ。チャンスはピンチ、ピンチは大ピンチ――。どういう意味かと言うと、得点の好機で代打起用された選手は「打って、結果を出さなければ」の重圧を負い、それに負けてしまう。得点圏に走者を背負ったピンチで登板させられた投手は、その重圧にやはり負けてしまうから、ピンチは大ピンチなのだ、と。この「裏・格言」は今の巨人にもあてはまる。高橋監督は、控え選手の気持ちになって、若手と話し合うべきだろう。日本シリーズ終了後、FA権を取得した他球団の看板選手がその権利を行使する。巨人は、若手育成を繰り返し語るようになったが、補強は止めるとはひと言も言っていない。一発の期待できる外国人選手も狙っている。「巨人若手はたしかにキャンプで練習していますが、外国人選手を獲得するフロントの意向を知ってか、イマイチ、必死さが伝わって来ない」(前出・ベテラン記者) 鳥谷を一人前に育てた岡田時代の阪神を見習って、せめて岡本だけでも…。清宮の指名に失敗した今、高橋監督に「脱・エリート」の発想を求める声も聞こえてきた。
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