スポーツ
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スポーツ 2017年11月05日 14時00分
プロレス解体新書 ROUND70 〈高田vs橋本と猪木イズム〉 格闘技的な強さとプロレス的表現力
1996年4月29日の東京ドーム、UWFインターナショナルのトップにして“最強”の称号を掲げる高田延彦に、橋本真也が挑むIWGPヘビー級タイトルマッチ。 橋本はプロレス流の技である“垂直落下式DDT”でUWFスタイルに勝利することを宣言し、背中に“闘魂伝承”の4文字を刻んだガウンを背負ってリングに臨んだ。 アントニオ猪木に憧れてプロレス界入りした橋本真也は、やがて“闘魂伝承”を公言するようになる。そのプロレス的な表現力の高さにおいては、まさしく猪木の正統的な後継者であった。 「猪木が格闘技戦を通じて身に付けた技術をアリキックや延髄斬り、魔性のスリーパーとしてプロレス技に転化してきたように、橋本も当時、もてはやされた格闘技的な打撃技を重爆キックや袈裟斬りチョップなど、ダイナミックでプロレス的に見栄えのするものへと昇華させた。より過激に強さをアピールする猪木のスタイルを、橋本ははっきりと踏襲していました」(プロレスライター) 橋本の志向が“より激しく分かりやすく”という部分にあったことは、その代表技である垂直落下式DDTにも明らかだ。 「もともとのDDTは一瞬で終わる技なので、フィニッシュホールドとしては物足りないし、ダイナミックさに欠ける。だから相手を体ごと持ち上げて、滞空時間をかけて落とすことで一つの見せ場にした。技の形だけ見れば垂直落下式ブレーンバスターと同じであっても、橋本にしてみればあくまでもDDTをさらにプロレス的に進化させた技なんです」(同) 重爆キックにしても、指導を受けるにあたって「実戦的な蹴りと見栄えのいい蹴りのどちらがいいか」と問われると、橋本は迷うことなく後者を選んだという。K-1への参戦について問われた際に、あっけらかんと「俺の蹴りなんか通用しない」と語ったのは、自身の目指すプロレススタイルに自信があったからこそであろう。 一方、猪木の道場論をもとに、格闘技的な強さを追求してきたのがUWFである。つまり、'96年4月29日、IWGP王者の高田延彦に橋本が挑んだ一戦は、UWFインターナショナルと新日本プロレスの対抗戦であると同時に、格闘技的な強さを求めた猪木とプロレス的な表現者である猪木、それぞれの遺伝子のぶつかり合いという側面もあったわけだ。 この試合の前に「垂直落下式DDTを決める」という橋本に、高田が「そんな技にはかからない」と応じたあたりにも、そうした色合いが見て取れよう。 東京ドームに詰めかけた新日ファンからの橋本コールが渦巻く中、序盤は高田が軽快なキックと関節技で攻勢に出る。しかし、これを受けきった橋本も、ローキックや袈裟斬りチョップで反撃していく。 「橋本の重い蹴りに、高田が不快な表情を浮かべたのが印象的でした。U系の選手は脚にレガースを着けていますが、橋本はリングシューズのままで、しかも溜めをつくって目いっぱいの力で蹴ってくる。キックボクサーから本式の蹴りを習っていた高田にしてみれば、格闘技的なセオリー無視でいながら痛さだけは人一倍の橋本の蹴りは、相当に腹立たしいものだったでしょう」(プロレス記者) そうなれば高田も黙ってはいられない。蹴りの重さでは橋本に軍配が上がるも、速さと回転数では高田が勝る。ローにミドル、ローリングソバットで追い込んで、とどめの一発とばかりにハイキックを繰り出すと、そこにカウンターで橋本の水面蹴りがさく裂する。 「高田がハイキックの直前に橋本の胸をポーンと押していて、それが『水面蹴りを出すタイミングを知らせるためだった』とする声もありますが、本当に合図を送るとしたら、そんな観客からも分かるようなことはしないでしょう。単にハイキックを当てやすいように、距離を取るためだったと思いますよ」(同) とにかく、そこから一気に攻勢に転じた橋本は、ノーマルタイプのDDTから垂直落下式へとつなぎ、最後は三角絞めでギブアップを奪ってみせたのだった。 だが、高田側にとって敗戦以上に誤算だったのは、この試合を最後に新日が本格的な対抗戦から手を引いたことだった。 「新日のリングで高田が橋本に負けるのは、ある意味で仕方のないことです。だから、Uインターとしては当然、そのお返しがあるものと考えていたんですね。例えば、Uルールでの高田と橋本の再戦のような流れです」(同) ところが、新日は橋本の勝利をもって“勝ち逃げ”を決め込んだ。 IWGP戦に限れば高田の2勝2敗(武藤敬司と1勝1敗のほか、Uインター興行で越中詩朗に勝利)。それでチャラだという理屈なのだが、高田にすれば橋本戦の負けと越中戦の勝ちでは帳尻が合わない。そう思うのも仕方のないところだろう。 結局、対抗戦の再開はならず、猪木流プロレスの権化ともいえる橋本に高田が敗れたことは、結果としてUWFの価値を下げ、それがUインター崩壊の大きな要因の一つとなったことは否めない。
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スポーツ 2017年11月04日 16時00分
元若嶋津「闘病長期化」で臨む一門・稀勢の里の九州場所「吉凶」
大相撲界に激震が走ったのは、10月19日。審判部長としてテレビ画面に登場することも多い、二所ノ関親方(元大関・若嶋津=60歳)が、冷たい雨が降りしきる午後4時20分過ぎ、二所ノ関部屋から750メートルほど離れた千葉県船橋市行田の路上で倒れているところを、通行人に発見された。 「自転車に乗って走行中、転倒して頭部を強打した模様で、発見された直後は意識もあったが、間もなく意識不明の重体に陥ったという。船橋市内の病院に搬送され、午後5時20分ごろから4時間半におよぶ開頭手術を受けたのです。手術内容は側頭部を強く打ちつけて陥没骨折したため、溜まった血を抜くというものでした」(スポーツ紙記者) 二所ノ関親方が発見されたのは住宅街。千葉県警によれば、体の右側を下にした状態で車道側に横向きに倒れていたという。 手術後、記者会見した部屋付きの湊川親方(元小結大徹)は「手術は無事に終わりICU(集中治療室)に入っている」「意識は一度戻った。今は昏睡状態というか、眠っている」と状況を説明。21日の段階では眠らせるために行っていた投薬の量を減らし、「体がちょっと反応し、少しずつ体を伸ばそうという気持ちが見える」と話し、危機的な状況は脱した。 二所ノ関親方は、鹿児島県熊毛群中種子町出身。二子山部屋に入門し、1975年春場所で初土俵を踏んだ。精悍な顔立ちと浅黒い体で“南海の黒豹”と呼ばれ、'82年九州場所後に大関に昇進。綱取りの夢は叶わなかったが、2度幕内で優勝している。 相撲ジャーナリストの中澤潔氏はこう語る。 「入門当時、“土俵の鬼”とまで呼ばれた親方の初代若乃花から受けた稽古の厳しさは、ハンパなものではなかった。だからこそ二横綱、二大関を輩出したんです。二所ノ関親方も、あの細い体でそれに耐え大関に昇進して2度も優勝しているのですから、今もそのことは相当本人の自信になっているはずです。しかし一方で、自分の体を過信したところもあったのではないか」 '85年には元アイドル歌手の高田(旧姓)みづえさんと結婚。同年9月にホテルニューオータニで行われた披露宴の模様はテレビ中継され、話題を呼んだ。 「'80年代はまだ力士が芸能人と結婚することは珍しかったが、力士の社会的な地位も高く、それこそ女性にとって大関、横綱の嫁になることは憧れでもあったと思う。あれは、みづえちゃんが若嶋津の男っぷりに惚れ込んだんですよ」(同) そのみづえさんは二所ノ関親方の手術後、気丈に報道陣に対応する姿が見られた。 それにしてもなぜ今回、このようなアクシデントに見舞われたのか。二所ノ関親方は19日朝も部屋の朝稽古に参加し、その後、いつも通っているサウナに自転車で向かったという。 「力士は稽古が終わると風呂に入る習慣があり、その流れでサウナ好きな親方や力士は多い。2年前に亡くなった北の湖前理事長もサウナ好きでした。手っ取り早く減量できるメリットもあるからじゃないでしょうか。二所ノ関親方も健康には人一倍気を使っていたので、愛用者だったのでしょう。ただ、熱いサウナや冷たい水風呂に出たり入ったりするので、体への負担も大きい。脳か心臓に重大な異常が起こったのかもしれません」(担当記者) この体調異変説を裏付けるかのように、サウナで具合が悪そうに手すりに寄り掛かっていたり、浴槽から出るときに転倒したという目撃情報もある。さらに着ていた服が泥だらけだったことから、発見される前にも転んでいた可能性も出てきている。そこで懸念されているのが、引退前から患っていた糖尿病の影響だ。 世田谷井上病院の井上毅一理事長が言う。 「糖尿病の人は、元気そうに見えても血管がもろくなりがちで、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞を起こしやすい。親方はサウナで倒れ少し出血し、帰りに転倒してさらに出血した可能性がある。脳出血は早く治療すれば後遺症が残らない可能性もありますが、当分、リハビリが続くと思われます」 湊川親方は会見で「親方も頑張っている。早く目が覚めて自分で立てるぐらいに頑張ってほしい」と語っているが、11月12日に初日を迎える九州場所(福岡国際センター)は休場となる可能性が高い。 「二所ノ関親方が理事として引っ張る二所ノ関一門はいま、正念場です。今年の初場所後、念願の横綱になった稀勢の里は九州場所に復活を懸けているし、夏場所後に大関になった高安は早くもかど番。リーダーの不慮のケガが影響しないか、心配される。また、八角理事長にとっても体制を支える大事なブレーンの1人。20日午前、さっそくお見舞いに訪れていましたが、入院が長期化すれば、協会運営にも支障をきたしそうです」(協会関係者) 前出の中澤氏は、こう声援を送る。 「体力に自信があっても、とにかく病気を甘く見てはダメ。定年まであと5年でしょう。夫婦でこの危機を乗り越えて、しかるべき人に後を託さないと。残った弟子がミジメですよ」 二所ノ関親方の復活を後押しする意味でも、九州場所では稀勢の里をはじめ一門の活躍が期待される。
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スポーツ 2017年11月03日 16時00分
巨人 またも30億円補強で「超ドリームチーム」着手へ
クライマックスシリーズの激戦をよそに、巨人は来季に向けたチーム作りを進めていた。 昨オフは総額30億円ともいわれる大補強を敢行。陽岱綱、森福充彦、山口俊をFAで獲得。その結果、選手がだぶつき、球団初の13連敗を喫するなど11年ぶりのBクラスに沈んだ。 しかし、これでぶれる渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆ではない。「30億円でダメなら、あと30億円」とばかり、今オフも積極果敢なFA補強に乗り出す。それも2年連続の“3選手の大人買い”。 「巨人の人気が下降している今こそ、『圧倒的なドリームチームを作って球界を盛り上げろ』という指令が下ったようです。主筆の持論は一貫して“巨艦大砲主義”、グループ内に異を唱えられる人はいません。圧倒的な戦力で勝利してこそテレビ視聴率も上昇し、プロ野球人気の隆盛に繋がるとの考えです。せっかく補強に30億円費やしたのだから、さらにつぎ込め、ということなのでしょう」(スポーツ紙デスク) ターゲットは日本ハムの中継ぎ左腕・宮西尚生、先発も抑えもできる増井浩俊。そして、西武の牧田和久というFA3投手だ。巨人は今季、最多勝・最優秀防御率を獲得した菅野智之を軸にマイコラス、田口麗斗というリーグ屈指の3本柱を抱え、暴行事件で処分を受けた山口俊も、来季は巻き返す意味で期待できる。 問題はその後ろだ。マシソン・カミネロの外国人投手に繋ぐリリーフ投手に安定感を欠き、落とした試合がいくつもあった。しかし、ここに最速150キロ超の増井とアンダースローの牧田が加われば12球団屈指の投手陣が完成するという腹案だ。 「問題は、金銭より人的補償。もしこれらの選手をFAで獲得すれば、人的補償として有望な若手を持って行かれる公算が大きい。要するに“育成の巨人”はもうやめた、ということ。二軍や三軍にお金を使うより、常に旬な選手を獲得して最強チームを作る。これが球界の盟主・巨人の在り方だと。来季の二軍、三軍の首脳陣は決まっておらず、一軍も吉村禎章氏のコーチ復帰以外は、今季と大きく変わらないのはこの表れだ」(巨人OBの野球解説者) 外国人補強にも出費は惜しまない。今季本塁打王の中日・アレックス・ゲレーロと、シーズン60本塁打の日本プロ野球記録を持つヤクルトのウラディミール・バレンティンの2人を調査中。FAと合わせると、昨年同様30億円程度は必要だが、結果もおのずとついてくるという判断だ。 今年5月、DH制導入に向けた動きをキャッチされたのも、外国人バッターのだぶつきを抑えるためか…。今ドラフトの目玉である清宮幸太郎の受け入れだけが目的ではなかったのだ。 これだけのメンバーが揃えば、広島だろうがソフトバンクだろうが、敵ではない。高橋由伸監督は感情を表に出さない分、大物選手を操ることができるという評価もある。 巨人のはじき出した「ベストな戦略」、どう出るか。
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スポーツ 2017年11月02日 22時00分
若手が育たないヨシノブ巨人に「阪神を見習え!」の声
高橋由伸監督(42)に求められるのは、「我慢」の二文字のようだ。 11年ぶりのBクラスに低迷した今年、高橋監督に課せられたのは「若手の育成」だった。今さらだが、急務である。終盤戦のスタメンオーダーを見てみれば、20代野手は坂本勇人(28)と小林誠司(28)の2人だけ。陽岱鋼、村田修一、マギーなどの「外部補強組」がクリーンアップや1番などの要所に入っている状態でもあり、現在行われている秋季キャンプで、どれだけの底上げができるかが注目されている。 しかし、高橋監督はスポーツニュース番組の取材を受け、こう答えている。「開幕は比較的に年齢層の低いオーダーを組めたと思う。こちらとしてはチャンスを与えたつもりの若手が持ち堪えられなかったというか…」 たしかに、3月31日のスタメンオーダーでは、1番・中井大介(27=当時)、2番・立岡宗一郎(26=同)、7番・岡本和真(20=同)と、3人の若手が名を連ねている。だが、期待の岡本は1か月と持たずに二軍落ちし、3年目の今季も厳しいシーズンとなってしまった。彼らがスタメンを守れなかったのは「不振」に尽きるが、こんな指摘もある。「指揮官に覚悟があるかどうか、です。経験値の少ない若手を使えば、打撃不振に陥るのは当然だし、守備面でもミスが出るでしょう。それを乗り越えて一人前になるわけで、指揮官がその間を我慢できるかどうかが問題なんです」(プロ野球解説者) 若手育成、底上げといえば、ライバル阪神も同様の悩みを抱えている。ただ、金本知憲監督(49)の言葉はちょっと違う。「ベテランがしっかりしないと、若手を使えない」 要するに、高橋監督は、若手であろうがなかろうが、スタメンオーダーに入ったら、容赦はしない。きちんと結果を出すのがレギュラー選手の責務と捉えているようだ。金本監督のほうは、若手に多少のミス、打撃不振は付き物。彼らを使い続けるには、ベテランに奮起してもらわなければ困ると考えているわけだ。 巨人の若手が伸び悩んでいるのは、ハイレベルな結果を求められているからか…。一時期、プロ野球解説者に転じた中畑清・前DeNA監督は「来季は負けるくらいの覚悟で」と、ヨシノブ巨人にエールを送っていた。しかし、巨人は優勝を義務づけられており、「負ける覚悟」で試合に臨むことは許されない。そう考えると、巨人はやはり若手が育ちにくい環境ともいえる。 先のプロ野球解説者がこう言う。「岡田彰布氏が阪神監督だった時代、『レギュラー野手を作るのに1年は必要』と言い、新人だった鳥谷を我慢して使い続けました。その我慢が今日につながっています」 レギュラーポジションは「与えられるもの」ではなく、「奪うもの」だ。鳥谷以外の新人にも同じチャンスを与えたかといえば、岡田氏もそうではなかった。「高橋監督は、善くも悪くも野球エリートです。レギュラーを獲る苦しみは学生時代も経験していないはず。厳しいことを言いすぎると、若手が精神的にまいってしまう」(ベテラン記者) かつて、阪神にはこんな「裏・格言」があったそうだ。チャンスはピンチ、ピンチは大ピンチ――。どういう意味かと言うと、得点の好機で代打起用された選手は「打って、結果を出さなければ」の重圧を負い、それに負けてしまう。得点圏に走者を背負ったピンチで登板させられた投手は、その重圧にやはり負けてしまうから、ピンチは大ピンチなのだ、と。この「裏・格言」は今の巨人にもあてはまる。高橋監督は、控え選手の気持ちになって、若手と話し合うべきだろう。日本シリーズ終了後、FA権を取得した他球団の看板選手がその権利を行使する。巨人は、若手育成を繰り返し語るようになったが、補強は止めるとはひと言も言っていない。一発の期待できる外国人選手も狙っている。「巨人若手はたしかにキャンプで練習していますが、外国人選手を獲得するフロントの意向を知ってか、イマイチ、必死さが伝わって来ない」(前出・ベテラン記者) 鳥谷を一人前に育てた岡田時代の阪神を見習って、せめて岡本だけでも…。清宮の指名に失敗した今、高橋監督に「脱・エリート」の発想を求める声も聞こえてきた。
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スポーツ 2017年11月01日 18時10分
シリーズ3連敗でも元所属の内川にエール!DeNAファンは村田帰還を許せる?
試合には敗れたが、DeNAベイスターズとそのファンは、福岡ソフトバンクホークスに強い印象を残したようだ。 日本シリーズ第3戦もソフトバンクが勝った。この時点では、DeNAは「力の差を見せつけられた」わけだが、ソフトバンク陣営は違う感想を持ったという。「試合前、打順がアナウンスされたときでした。DeNAのファンは『4番・一塁』で内川(聖一=35)がコールされ、拍手を送っていました。内川はブーイングも覚悟していたようですが」(球界関係者) 内川は2010年オフ、FA権を行使して旧横浜からソフトバンクに移籍した。「裏切られた」と思ったファンもいたのではないだろうか。横浜へ移動する途中、「古巣との対戦は?」の質問も受けたという。内川は「気にしない」と返したそうだが、シリーズ3試合目で初のお立ち台に呼ばれたとき、DeNAファンのいる一塁側スタンドにも一礼していた。敵、味方に別れても、元在籍選手が活躍したのならば、エールを送る。DeNAファンは“大人の対応”を見せたようだ。 セ・リーグ出身のプロ野球解説者がこう続ける。「DeNAが経営母体になった今と、以前とでは、違う球団と解釈してもいい。内川たちの世代が新天地を求めた理由もファンは分かっています」 98年は絶対的守護神・佐々木主浩の活躍でリーグ優勝したが、旧横浜は万年Bクラス候補だった。「勝ちたい、優勝したい」との思いは持っていた。しかし、野球は団体競技であって、個人がどんなに活躍しても「勝てない現状」を痛感させられた。フロントと現場の関係もギクシャクしてしまった。そういった時代をファンも知っていたのだろう。新天地を求めていった選手にもエールを送った。「19年前の日本シリーズでも同じような光景が見られました。対戦チームの西武が救援マウンドに元横浜の友利投手(現中日コーチ)を送ると、拍手とエールが送られました」(前出・同) 横浜時代の友利はその才能を開花できなかった。移籍先の西武で投球フォームも改造し、ようやく一軍に定着できたのだが、横浜ファンはその苦労と努力を素直に称賛した。 対照的な光景も見られた。今季、FAで巨人に移籍した山口俊との対戦ではブーイングを送り続けた。移籍に至った背景も大事にしているとしたら、DeNAベイスターズのファンは単に勝敗だけではなく、選手のプロ野球人生も見ているようだ。「ソフトバンクの工藤(公康=54)監督もベイスターズに在籍していました。試合後、工藤監督がホークスナインを出迎えているのを見て、好意的に話すファンも多かったです」(スポーツ紙記者) 3連敗で、DeNAにはもう後がない。前出のプロ野球解説者によれば、敗因はデータの読み違いだという。第3戦は盗塁、エンドランを積極的に仕掛けたが、失敗した。レギュラーシーズンの盗塁はリーグ最少の39個だが、それでも、あえて走らせたのはソフトバンクのスタメン捕手・高谷にあった。高谷は盗塁阻止率が低い。また、先発投手の武田もクイックモーションがさほど早くない。こうした“データ”をもとに、機動力でソフトバンクバッテリーに揺さぶりを掛けようとしたのだ。しかし、工藤監督はそれを逆手に取り、「エンドランを仕掛けやすいストライクカウントではボール球を」「単独スチール阻止のため、武田はボール球でもいいからクイックを早く」と指示していたという。 “弱点”を逆手に罠を仕掛けたというわけだ。「DeNA側は監督、コーチを含め、日本シリーズの経験が乏しい。短期決戦は、作戦を切り換えるタイミングが明暗を分けるんです。DeNAの若さが敗因」(プロ野球解説者) 元横浜の村田修一(36)が巨人から自由契約を通達されたが、まだ移籍先は決まっていない。一報が伝えられた当初は「すぐに決まる」との声も多く聞かれた。シリーズ中の今は、選手契約の時期ではないが、ちょっと長引きそうである。「どのチームも若手野手の育成を急いでおり、村田の打撃力には一目を置いているものの、獲りにくい状況にあるんです。でも、かつて広島が『若手の手本に』と、FA退団した新井貴浩に救いの手を差し伸べたケースもあります」(ベテラン記者) 古巣に拾われた新井は、連覇に大きく貢献した。若手の指導役という点でも欠かせない存在になっている。DeNAの三塁には首位打者の宮崎敏郎がいて、村田自身も、かつて自ら退団を選択した引け目もあるだろう。しかし、水面下では古巣帰還説も実しやかに囁かれている。日本シリーズは今のところ、経験値の差が出ている。DeNAはベテラン・村田の帰還論をどう受け止めているのだろうか。
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スポーツ 2017年11月01日 16時00分
石川遼が飛躍できないのは「…王子」の呪い? 「ハンカチ王子」もそうじゃない?
近くにいた女子高生が言った。「石川遼って、むかし騒がれた人でしょ。まだいたの?」と。 他にめぼしい選手はいないのか? 10月13日に行われたゴルフ日本オープンの2日目、注目の石川遼(26)は、通算9オーバー97位タイで予選落ちした。出場資格を逃した米ツアーから一時撤退して臨んだ国内復帰戦だったが、グウの音も出ない惨敗だ。しかし、日本のゴルフ界の命運を託せるのは、そんな男しかいないようだ。 「石川が参戦していなかったら、閑古鳥が鳴いていたでしょう。平日で天気もよくなかったのに2000人以上のギャラリーが集まったのは、石川が参戦したからです。決勝まで残っていれば2万人近くが集まっていたと思われます」(スポーツ紙記者) 今さらだが、国内の男子ツアーはジリ貧状態だ。テレビ視聴率は'09年こそ16%台を記録したが、その後は下降するばかり。理由は“スター不在”。好成績を収めた日本人選手はすぐ海外ツアーに参戦するからだ。 “世界の松山英樹”が勝利した昨年でさえ、視聴率は2ケタ台に届かず、おまけに松山のほぼ独走だったため、ツアーそのものの面白味もなかった。 「人気回復の打開策ですが、“腐っても鯛”で主催者は石川に期待していました。米ツアーでは散々でしたが、『日本で復調のきっかけを掴んでくれれば』の声も聞かれた。しかし、予選落ちしたとはいえ、関係者は石川の人気を再認識している。ギャラリーの一番の関心は石川でしたからね」(専門誌記者) また、他の国内ツアーにおいて、石川の弟・航(18)がスポンサー推薦で出場する大会も見られた。まだアマチュアで、将来の有望株。話題作りが先行しているが、それも“石川の弟”というブランドが根底にあっての推薦出場だったわけだ。 「石川は米ツアーにしがみつくような発言もしていますが、国内で予選落ちするようでは、とてもじゃないが海外下部ツアーでも厳しい。日本の主催者が応援してくれるのであれば、国内で出直しするのも悪くないはずです」(同) 石川の双肩に国内ツアーの命運が託される。同年齢のライバルとの実力差は開く一方だが…。 それにしても、その昔、「ハンカチ王子」と呼ばれた日ハム・斎藤佑樹投手もいま一つパッとしない。石川遼も当時「ハニカミ王子」ともてはやされた。その結果が今現在の姿だ。「…王子」と呼ぶことはこれからタブーとされるかも…。2人の共通点が妙に気にかかる。
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スポーツ 2017年10月31日 22時01分
【新日本】松井珠理奈、試合に間に合わずも“タグチジャパン”スーパー69がJr.タッグT決勝進出!
新日本プロレスは、11月5日にエディオンアリーナ大阪で開催されるビッグマッチ『POWER STRUGGLE』に向けたシリーズ『Road to POWER STRUGGLE』の後楽園ホール大会を29日と30日に2日連続で開催した。両大会ではジュニアヘビー級のタッグチームが8チーム参加する「スーパーJr.タッグトーナメント」がメインとなり、田口隆祐&ACH、TAKAみちのく&タイチ、獣神サンダーライガー&タイガーマスク、金丸義信&エル・デスペラード、BUSHI&高橋ヒロム、ドラゴン・リー&ティタン、KUSHIDA&川人拓来、そして12日の両国国技館大会に電撃凱旋帰国を果たしIWGPジュニアタッグ王座の一発獲りに成功した小松洋平&田中翔改めYOH&SHOのロッポンギ3Kが出場。 29日は、田口&ACH、金丸&デスペラード、BUSHI&ヒロム、YOH&SHOの4チームが勝利を収め準決勝に進出。準決勝が行われた30日は、田口&ACHとYOH&SHOがそれぞれ激戦を制し、11.5大阪大会で開催される決勝へ駒を進めた。 注目は、SKE48の松井珠理奈もメンバーとして名を連ねているタグチジャパン監督、田口隆祐だろう。「(1.4ドーム大会で)タグチジャパンとして試合が組まれるかという大きな問題があります。たぶん、第0試合じゃないですかね」 先日行われた珠理奈の1.4東京ドーム大会スペシャルアンバサダー就任会見で司会を務めた際、田口監督はこんな弱気な発言をしていた。しかし、29日の試合では、得意のヒップアタック封じに固執するTAKA&タイチの執拗な尻攻撃に屈することなく、最後は自らタイツを剥ぎ取る暴挙に出て、尻を剥き出しにしながら、タイチにスライディングヒップアタックを放ち、ACHとのチーム名スーパー69の名が付けられた連携技でタイチを沈めている。後楽園は爆笑の嵐だったが、試合後に田口監督は「大変お見苦しい試合をお見せしたことをお詫び申し上げます」とマイクで謝罪するも、際どい田口節を連発。続く30日の準決勝も勢いは止まらず、最後はスーパー69を炸裂させて、2日間連続で鈴木軍のジュニア部隊に連勝した。ACHと勝利のタグダンスを披露すると、バックステージでは「タグチジャパンとしても新商品が出ますから、新商品宣伝のためにもこのトーナメントを優勝します」と話し、監督としてタグチジャパンの宣伝をすることも忘れなかった。 決勝の相手はIWGPジュニアタッグ王者組であるYOH&SHOに決定。凱旋帰国後、女性ファンを中心に爆発的な人気を集めているロッポンギ3Kは連勝街道を走り始めているが、11.5大阪大会で田口監督率いるスーパー69が勝利を収め優勝するようなことになれば、タイトル挑戦の可能性が一気に高まる。来年の1.4ドーム大会でも第0試合ではなく、本編でカードが組まれることになるだろう。30日の後楽園大会には珠理奈も会場へ駆けつけたが、残念ながら試合には間に合わず、タグチジャパンのタオルを身につけながらグッズだけ購入したことが、ツイッターで明らかになっている。 先日の会見では「密かに応援してください」と控えめな田口監督に対して「密かじゃないです。常に想っています。応援してます!私は監督のお尻を見てます!」と見事な切り返しを見せた珠理奈だが、田口監督が1.4ドーム大会の“本戦”でIWGPジュニアタッグ王座に絡むようなことがあれば、アンバサダーの務めを忘れ、タグチジャパンの一員として熱烈な声援を送るのは間違いない。 11.5大阪大会は、ジュニアのタッグ戦線においても1.4ドーム大会へ向けた重要な大会になりそうだ。取材・文・写真/どら増田
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スポーツ 2017年10月30日 22時01分
4人も捕手を指名した真相、巨人の異例ドラフトは「ネクスト高橋」の布石?
クライマックスシリーズを勝ち上がった福岡ソフトバンク、DeNAは日本シリーズの真っ只中だが、他10球団はドラフト指名選手との交渉を始めている。怪物・清宮幸太郎は北海道日本ハムが交渉権を獲得し、超高校級捕手・中村奨成は地元広島へ――。各スカウト、編成スタッフはドラフト指名リストを見て、ライバル球団がどんなチームビジョンを持って指名に臨んだのか、このオフ、どんなトレードを仕掛けてくるのかを予想していたが、巨人に対してだけは「よく分からない」の声が尽きない。 巨人は育成枠を含め、4人の捕手を指名した。侍ジャパンの正捕手でもある小林誠司は今季138試合に出場した。2年目の宇佐見真吾は打撃でアピールした。それでも、捕手をドラフト指名したということは、巨人が現状に満足していなかったからだろう。しかし、問題なのは、同時に4人も指名したこと。しかも、4人とも年齢が近い。育成枠ならともかく、プロ野球界では、1回のドラフトで捕手を2人以上指名することは“タブー”とされている。「2001年、阪神は自由枠で法大の浅井良捕手を指名し、9巡目でも早大捕手を獲ったんです。捕手は一人前に育つまで時間が掛かります。育てるには試合に出さなければなりません。大学生と高校生なら年齢が離れている分、同時期指名でも分からなくはないが、大学生2人、それも同じ東京六大学リーグから獲ったのは驚きでした。今回、巨人が年齢の近い捕手を4人も獲ったのには、何かワケがあるのでは?」(プロ野球解説者) 阪神の同時期指名の目的が解明されたのは、2年後。03年のドラフトの目玉だった早大・鳥谷敬内野手は阪神を逆指名した。浅井と同時期に指名された早大捕手は「学校側が各球団に売り込みをかけていた」とされ、それに応えることで阪神は学校側とも良好な関係を築き、鳥谷獲得を有利に進めたという。 今回の巨人の複数指名にはどんな狙いが隠されているのか。正捕手の小林や宇佐見を発奮させるためだけではなさそうだ。「小林はリーグトップの盗塁阻止率を誇りますが、打撃成績は2年連続でリーグワースト。2割6厘の低打率を、高橋(由伸=42)監督は『弱点』と解釈しています。宇佐見は守備面での不安が多く…」(スポーツ紙記者)※ ※2位 岸田行倫(大阪ガス 21歳)3位 大城卓三(NTT西日本 24歳)育成枠 広畑 塁(立正大 22歳)育成枠 小山翔平(関西大 21歳)※ ※ 高校野球フリークの間では、報徳学園出身の岸田は有名だった。正遊撃手だったが、チーム事情で捕手にコンバートされ、14年センバツ大会ではピッチャーも務めた。野球センスの高さは12球団スカウトが認めていたが、「捕手歴は実質1年」ということで、社会人野球での成長が見守られてきた。大城は東海大学時代、バットマンタイトルも獲得している。一塁手でも試合に出ており、「打撃優先」での指名だろう。育成5位で指名した広畑と重ね、こんな見方もされている。「広畑は東海大五高の出身です。東海大系の選手を2人も獲りました。来季も優勝を逃せば、高橋監督でも安泰とは言えません。東海大学出身の原辰徳氏に3度目の監督登板も噂されており、その布石では」(ベテラン記者) また、今回のドラフトは“問題”になる可能性もある。育成6位の小山は入団テストを受験してのプロ入りだ。小山は「プロ志望届」を出していない。プロ側のルールによれば、「出す必要のない選手」だった。小山は巨人の入団テストを受けるにあたって、関西大学野球部を退部している。大学野球連盟では「大学野球部員のプロ野球団との関係についての規定」なるものがあり、志望届を出さなければ、プロ球団側とは一切接触してはならないと決められている。 プロ野球の入団テストは9月に行われることが多い。プロ野球選手になりたいとする夢に挑戦するには、退部届を出すしかなかったようだ。「9月は秋季リーグ戦があり、野球部に所属する大学生は受験したくてもできません。退部による受験を許していたら、大学側は秋季リーグ戦で4年生を使えなくなってしまいます」(前出・同) 4年秋のリーグ戦に出場する大学生はプロ入りか、社会人野球に進む可能性が残された者で、「最後のアピール機会」とも位置づけられている。しかし、部員数の少ない大学にとって4年生は貴重な戦力である。「退部による入団テスト受験」に関する見直しを、大学野球連盟がプロ側に求めてくるかもしれない。「13年も巨人は育成2位で大阪経済大学野球部の退部者を指名しました」(球界関係者) 退部による入団テストが仕組まれたものだとすれば、規約を改定しなければならない。 巨人が育成枠で指名した2人の捕手だが、ともにレギュラー捕手ではなかった。4年間での出場機会も少なかった。その広畑、小山が支配下登録を勝ち取れば、巨人スカウトには「見る目」があったということになる。このままいけば、来季の巨人捕手は計11人。広畑、小山が巨人スカウトの眼力を証明するのは並大抵のことではなさそうだ。
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スポーツ 2017年10月30日 15時00分
プロレス解体新書 ROUND69 〈夢のハンセンvsブロディ〉 タッグマッチながらド迫力の初対決
1987年に開催された全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ戦において、シリーズの目玉となったのは、新日本プロレスへの参戦から久々の復帰となる“超獣”ブルーザー・ブロディと、その盟友である“不沈艦”スタン・ハンセンの激突であった。 ファン大注目の中、運命のゴングが鳴らされた。 世界最強タッグ決定リーグ戦は、日本のプロレス史に残る数々の名場面を生み出してきた。 その記念すべき第1回大会が開催されたのは1978年。前年に行われた世界オープンタッグ選手権で、決勝戦のザ・ファンクスvsアブドーラ・ザ・ブッチャー&ザ・シークが好評を得たこともあり、より本格的な形で実施された。以後は全日における年末の名物シリーズとして、ファンに定着することになる。 「人気となった要因は、言うまでもなくその出場メンバーの豪華さです。優勝争いの主役を張るファンクスやジャイアント馬場&ジャンボ鶴田の師弟コンビだけでなく、その他の出場チームを見ても、マスカラス・ブラザースやハリー・レイス&ニック・ボックウィンクルの帝王コンビなど、1人で大会場を満員にできるほどのビッグネームが名を連ねてましたからね」(プロレスライター) それら超一流の選手たちを言わば“負け役”として出場させることが可能となったのは、まさしくプロモーターとしての馬場の力量と信頼度によるものだった。 「スタン・ハンセンが新日参戦を決めた際、ブルーノ・サンマルチノが『猪木のことは分からないが、馬場は信用できる』と語ったという有名なエピソードがあるように、海外の大物からの信頼度は抜群。ファイトマネーはもちろん、試合の勝ち負けにおいても変な真似はしないという、安心感があったのでしょう」(同) そんな馬場に対して「裏切ったのは本当に失敗だった」と悔いたのが、ブルーザー・ブロディだった。 全日(馬場)がロード・ウォリアーズや長州力率いる維新軍を次々と招聘したことに不信感を抱いたブロディは、新日(猪木)へと移籍したものの不満は絶えず、結局、全日へとUターンすることになった。 裏切った相手には冷徹な面もある馬場だが、その価値を認めた相手には、しっかり厚遇でもてなすのもまた馬場流である。 「その端的な例が、ブロディの本格復帰となった'87年の最強タッグです。ブロディのパートナーは当初、別の無名選手であったところを、直前になってジミー・スヌーカに変更しました。当時のスヌーカといえばアメリカマット界ではブロディやハンセン以上の大スター。シリーズを通して拘束すること自体がまず困難で、そのためのファイトマネーも参加選手の中でトップクラスだったのでは?」(プロレス専門誌記者) このときファン最大の興味は、久々の全日復帰となるブロディ自身であり、その盟友であるハンセンとの激突であって、実のところパートナーなどは誰でもよかった。 それでもブロディが優勝争いをするのにふさわしく、またベストパフォーマンスを発揮できるようにスヌーカを呼び寄せ、かつての名コンビを再結成させたというわけだ。 「まさしく期待の表れであり、これにはさすがのブロディも意気に感じたことでしょう」(同) さて、注目のブロディとハンセンの対戦は、開幕2戦目の後楽園ホールで行われた。ハンセンのパートナーはテリー・ゴディ。 まずハンセンとスヌーカがリングに入るも、ファンの期待に応えるべくブロディにチェンジ。2人がにらみ合うだけで、会場は一気にヒートアップする。 両者の絡みでは、それぞれ相手の技をすかすような展開が続き、目立った大技はハンセンのバックドロップぐらい。キングコング・ニードロップもウエスタン・ラリアットも不発のまま、試合は両軍入り乱れてのリングアウト引き分けに終わった。 それでも、2人が同じリングの対角に立っただけで大事件であり、次を期待させるには十分であった。 「両者の激突となれば、普通はシリーズ後半のクライマックスに大会場でやりたいところですが、あえてそうしなかったのも、馬場ならではの気遣いです」(同) リーグ戦も佳境に入ったところでの対戦であれば、何かしらの決着がつかないことにはファンも納得しない。しかし、シリーズ序盤の星取に影響の少ないときだからこそ、次につなげるための顔見世の試合で済ますことができた。 ここで決着をつけさせないことこそ、ブロディを今後も主役で扱うという馬場からの“約束手形”でもあったのだ。 この一戦以降、いよいよファンの期待はハンセンvsブロディに集まり、実際、翌年の夏にはシングル対決が予定されていたという。 しかしその直前、ブロディはプエルトリコで凶刃に倒れ、夢の対決は夢のままで終わってしまった。
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スポーツ 2017年10月28日 22時08分
「中田放出論」が再燃!清宮側が条件提示する新・二刀流とは
清宮幸太郎(3年=早実)の独占交渉権は、北海道日本ハムファイターズが獲得した。1回目の入札で「清宮」と書いたのは、阪神、巨人、福岡ソフトバンクなど計7球団。抽選に外れた某球団の関係者は「事前面談(10月2日)に来なかったのは日ハムだけなのに…」と悔やんでいた。 日ハム関係者は「7分の1」を引き当て、満面の笑みを浮かべていたが、身辺が騒がしくなってきた選手もいる。主砲・中田翔(28)である。中田は今季、国内FA権を取得した。昨年オフの時点から「金本阪神に行く」「在阪のオリックスも放っておかない」「いや、巨人が…」と、FA宣言を前提とした移籍のウワサも出ていた。しかし、今季は不振に陥り、打率は2割1分6厘、本塁打も16本とふるわなかった。「この成績では、たとえFA宣言しても買い手はつかない」(スポーツ紙記者)との声がもっぱらだったが、清宮の指名成功で状況が変わってきた。「日ハムは『去る者は追わず』の姿勢。20代半ばでピークを迎えるようなチーム編成をしており、そういった空気を察し、歴代主力選手もFA権獲得と同時に新天地を求めていきました。中田もそういったチームの空気は分かっています」(ベテラン記者) 日ハムは選手を「4つの種類」に分類する。主力、控え、育成、戦力外。戦力外なる露骨な言い方はしていないが、「もう、いらない」と判断される選手には2通りがある。戦力的、技術的に肩たたきされた選手はもちろんだが、年俸の高いベテランに対しても、「費用対効果」を考える。年齢的にこれ以上の上積みは難しく、かといって、大幅減俸できないベテランも「もう、いらない」の分野に分類するのだ。「中田の推定年俸は2億8000万円。ポジションも清宮と同じ一塁でだぶります」(前出・同) しかも、今オフは大谷翔平(23)のポスティングシステムによるメジャーリーグ挑戦も行われるという。大谷の渡米に加えて中田放出となれば、日ハムのオフは激動となる。大谷、中田を同時に失えば、チーム攻撃力のダウンも必至。それでも、中田の放出論が実しやかに囁かれるのは「費用対効果」のチーム方針に尽きるという。 しかし、こんな声も聞かれた。「清宮を1年目から一軍で、それもレギュラーで使うとは考えにくい。でも、トレード、FA宣言のいずれにしても中田が日ハムを出るのは時間の問題だと思う」(プロ野球解説者) ドラフトの指名選手に関しては、最終的にフロント幹部が決める。阪神・金本監督のように「どうしても!」で1位指名が変更されたケースもあるが、それは例外中の例外と言っていい。「栗山(英樹=56)監督は、中田の理解者でもあります。斎藤佑樹に対しても、どんなにファンに非難されても『復活を信じている』との言葉を変えていません。中田の肩たたきはフロントの意思」(前出・ベテラン記者) フロントの意思といえば、先の事前面談もそうだった。栗山監督はキャスター時代に清宮の父・克幸氏との交流もあり、清宮家の様子も聞かされていた。日ハムが事前面談を辞退したのは「他球団への陽動作戦」だった。「指名しないかも?」と思わせ、「だったら、ウチも他選手の一本釣りを…」と迷わせるためだったという。しかし、克幸氏の性格を知る栗山監督に相談していたら、面談に行っていたはずだ。「清宮家はウラでコソコソという言動を嫌います。両親とも大学でスポーツ部のキャプテンを務めていますから」(関係者) 事前面談に来なかったことで不信感を持ったとの情報は、今のところ出ていない。たが、大学関係者によれば、「清宮はプロの世界に飛び込むのと同時に、通信制での早大進学も視野にある」という。学業とプロの二刀流か…。清宮の両親は進学を勧めていたとされる。学業との二刀流が本当なら、日ハムスカウトは曖昧な物言いをせず、認めるのかどうかを回答しなければならない。また、中田放出論などチーム編成の話も清宮家側は聞きたくないと思っているはずだ。いっそのこと、栗山監督にご登場いただければ和やかな交渉ができそうだが、その予定はないそうだ。
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