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若手が育たないヨシノブ巨人に「阪神を見習え!」の声

 高橋由伸監督(42)に求められるのは、「我慢」の二文字のようだ。

 11年ぶりのBクラスに低迷した今年、高橋監督に課せられたのは「若手の育成」だった。今さらだが、急務である。終盤戦のスタメンオーダーを見てみれば、20代野手は坂本勇人(28)と小林誠司(28)の2人だけ。陽岱鋼、村田修一、マギーなどの「外部補強組」がクリーンアップや1番などの要所に入っている状態でもあり、現在行われている秋季キャンプで、どれだけの底上げができるかが注目されている。

 しかし、高橋監督はスポーツニュース番組の取材を受け、こう答えている。

「開幕は比較的に年齢層の低いオーダーを組めたと思う。こちらとしてはチャンスを与えたつもりの若手が持ち堪えられなかったというか…」

 たしかに、3月31日のスタメンオーダーでは、1番・中井大介(27=当時)、2番・立岡宗一郎(26=同)、7番・岡本和真(20=同)と、3人の若手が名を連ねている。だが、期待の岡本は1か月と持たずに二軍落ちし、3年目の今季も厳しいシーズンとなってしまった。彼らがスタメンを守れなかったのは「不振」に尽きるが、こんな指摘もある。

「指揮官に覚悟があるかどうか、です。経験値の少ない若手を使えば、打撃不振に陥るのは当然だし、守備面でもミスが出るでしょう。それを乗り越えて一人前になるわけで、指揮官がその間を我慢できるかどうかが問題なんです」(プロ野球解説者)

 若手育成、底上げといえば、ライバル阪神も同様の悩みを抱えている。ただ、金本知憲監督(49)の言葉はちょっと違う。

「ベテランがしっかりしないと、若手を使えない」

 要するに、高橋監督は、若手であろうがなかろうが、スタメンオーダーに入ったら、容赦はしない。きちんと結果を出すのがレギュラー選手の責務と捉えているようだ。金本監督のほうは、若手に多少のミス、打撃不振は付き物。彼らを使い続けるには、ベテランに奮起してもらわなければ困ると考えているわけだ。

 巨人の若手が伸び悩んでいるのは、ハイレベルな結果を求められているからか…。一時期、プロ野球解説者に転じた中畑清・前DeNA監督は「来季は負けるくらいの覚悟で」と、ヨシノブ巨人にエールを送っていた。しかし、巨人は優勝を義務づけられており、「負ける覚悟」で試合に臨むことは許されない。そう考えると、巨人はやはり若手が育ちにくい環境ともいえる。

 先のプロ野球解説者がこう言う。

「岡田彰布氏が阪神監督だった時代、『レギュラー野手を作るのに1年は必要』と言い、新人だった鳥谷を我慢して使い続けました。その我慢が今日につながっています」

 レギュラーポジションは「与えられるもの」ではなく、「奪うもの」だ。鳥谷以外の新人にも同じチャンスを与えたかといえば、岡田氏もそうではなかった。

「高橋監督は、善くも悪くも野球エリートです。レギュラーを獲る苦しみは学生時代も経験していないはず。厳しいことを言いすぎると、若手が精神的にまいってしまう」(ベテラン記者)

 かつて、阪神にはこんな「裏・格言」があったそうだ。チャンスはピンチ、ピンチは大ピンチ――。どういう意味かと言うと、得点の好機で代打起用された選手は「打って、結果を出さなければ」の重圧を負い、それに負けてしまう。得点圏に走者を背負ったピンチで登板させられた投手は、その重圧にやはり負けてしまうから、ピンチは大ピンチなのだ、と。この「裏・格言」は今の巨人にもあてはまる。高橋監督は、控え選手の気持ちになって、若手と話し合うべきだろう。日本シリーズ終了後、FA権を取得した他球団の看板選手がその権利を行使する。巨人は、若手育成を繰り返し語るようになったが、補強は止めるとはひと言も言っていない。一発の期待できる外国人選手も狙っている。

「巨人若手はたしかにキャンプで練習していますが、外国人選手を獲得するフロントの意向を知ってか、イマイチ、必死さが伝わって来ない」(前出・ベテラン記者)

 鳥谷を一人前に育てた岡田時代の阪神を見習って、せめて岡本だけでも…。清宮の指名に失敗した今、高橋監督に「脱・エリート」の発想を求める声も聞こえてきた。

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