スポーツ
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スポーツ 2017年10月24日 16時00分
プロ野球12球団「ドラフト1位指名」最終予想
広島は10月14日に「最後のスカウト会議」を開き、苦渋の決断を下した。同2日の清宮幸太郎(早実)との事前面談を回避した時点で、松田元オーナーは「行かないということは(指名)しないこと」と明言したが、会議では現場が望む左投手か、中村奨成(広陵)のどちらを選ぶかでモメていた。 「このスカウト会議は異例でした。編成部門のスタッフも同席させ、緒方孝市監督らが望む先発タイプの左投手を獲るか、獲らなければ来季の戦況にどれだけ影響を与えるのかが話し合われました。中村が地元出身でなければ、ここまでモメませんでした」(関係者) 広島は戦力の重複を嫌う。昨年指名した高卒捕手の坂倉将吾が打撃面でも急成長しているため、「中村回避」論は早くから伝えられていた。しかし将来のためにと、地元出身選手を選んだ。 「日本ハムも清宮との面談を欠席しましたが、1位は清宮か中村。日ハムが面談を回避したのは『その他大勢』にならないためでしょう」(スポーツ紙記者) 広島を除く11球団が清宮を1位入札するかといえば、そうとは言い切れない。“裏切る可能性”があるとしたら巨人のようだ。 今夏の甲子園大会後、清宮たちはU-18世界大会を戦うため、日本代表チームに招集された。開催地カナダへ渡る前の国内合宿で、千葉工業大学との練習試合を行ったときのことだ。この試合で清宮は新記録(当時)となる高校通算108号アーチを打ったが、安田尚憲内野手(履正社)も2本塁打を放っている。12球団スカウトは「規格外の高さ」を見せた清宮の飛球にその才能を再確認させられたが、巨人スカウト団だけは違う感想を持った。 「井上真二チーフスカウトが安田の立ち居振る舞いに、『松井に似ている』と報告したようです。守備力では『清宮より上』と早くから評されていましたが、『試合中の視野も広い』と。安田に惚れ込んだようです」(球界関係者) 安田の姿に、松井秀喜氏をオーバーラップさせていたのだ。右投左打、身長188センチの大型三塁手。巨人スカウト団もカナダ入りしたが、「清宮か、安田か?」の見方はしなかったそうだ。 「清宮、安田の両方にあてはまるんですが、性格が優しい。フォア・ザ・チームの姿勢、仲間を労う言動、どちらもチームリーダーになれる器です。ただ、今季の観客動員数を落とした巨人は、スカウトだけで1位を決められない。営業が推すのは清宮です」(同) どの球団もそうだが、プロ野球は人気商売でもある。同じような理由で、清宮指名に行かなければならないのが、ヤクルト、西武、楽天、ロッテ。「尊敬する野球人は王貞治さん」と、事実上の逆指名を受けたソフトバンクにしても、指名を回避すれば、バッシングは覚悟しなければならない。 「指名する」と公言したのは、阪神と中日。ただし、「左の先発投手」を欲しているチームは広島だけではない。楽天、オリックスも同様で、JR東日本の好左腕・田嶋大樹、立命館大・東克樹、明治大・齊藤大将が注目されている。 「オリックスは指名での重複を強く嫌います。去年も単独指名狙いで柳裕也(現中日)に切り換えたのに失敗でした」(在阪記者) ヤマハの最速157キロ投手・鈴木博志、抑えも務める日立製鉄所の鈴木康平、技巧派の岡山商大・近藤弘樹らの実力派右腕も1位候補だ。 DeNAは将来の正捕手候補を狙っている。中村指名で広島と張り合うか、強肩強打の村上宗隆(九州学院高)が1位リスト入りしたとされ、好右腕・西村天裕(NTT東日本)に対しては、「ロッテとDeNAが熱心」とのことだ。 昨年、阪神が即戦力投手を捨てて大山悠輔を一本釣りしたとき、ドラフト会場からは「えっ〜!?」という声が上がった。意表の1位があるとすれば、日ハムがU-18日本代表の左腕・田浦文丸(秀岳館)に行くときか、オリックス、楽天が俊足巧打の遊撃手・宮本丈(奈良学園大)に切り換えたときだろう。 「阪神は今年も捕手を指名します。1位は清宮。となれば、2位以下か外れ1位でU-18代表の古賀悠斗(福岡大大濠)でしょう」(前出・球界関係者) 阪神には“捕手コレクター”の異名がある。「育てられない現状」を見直したほうが得策だと思うが…。 また、清宮に1位指名が集中した場合、どの球団も「外れ1位」を用意しておかなければならない。その場合、独立リーグ徳島の150キロ右腕・伊藤翔が1位指名されるかもしれない。昨年も指名候補だったが、声は掛からず、1年目から指名対象になれる独立リーグに進み、150キロ台の直球はさらに速くなった。スライダーとフォークも進化させ、巨人、阪神、広島、ロッテ、DeNAは地団駄を踏みながら見ていたそうだ。 「日ハムが中村を指名した場合、大野奨太のFA退団は確実。正捕手不在の中日が獲得に乗り出すのは必至で、森繁和監督はこちらにも注視しています」(同) 巨人の“清宮裏切り説”もそうだが、12球団はFAやトレードをリンクさせて、10月26日のドラフト会議本番に臨むようだ。
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スポーツ 2017年10月23日 22時01分
本当は怖かった 金本監督の「笑顔会見」に隠された強さとは
阪神・金本知憲監督(49)が坂井信也オーナーらにシーズン終了の報告を行ったのは、クライマックスシリーズ・ファーストステージに敗れた翌日の10月18日だった。その後、四藤慶一郎球団社長と並んで会見に臨んでいる。終始、笑顔だったが、真意は違った。関係者は「現場とフロントの分裂」も恐れるほど、緊張させられたという。「外国人選手の話を切り出したときは、ドキッとさせられましたよ」(関係者) 借金12の4位から貯金17の2位躍進。CSに敗れたとはいえ、チームの成長は指揮官も実感していた。金本監督も「選手は本当によく頑張った」と繰り返し語っており、その言葉にウソはないが、「シーズンの誤算は?」の質問を受けたときだった。不振に終わった藤浪(3勝)、岩貞(5勝)の名前を挙げた後、こう切り出した。「外国人のバッターですかね。ほぼ日本人選手、国産で戦ってきましたから。もう少し打ってくれる選手がいたらというのが、誤算と言えば誤算」 クリーンアップを予定して獲得した外国人野手が活躍しなかったのは今さらだが、「まあ、言っていいのか分からないですけど」と“前置き”してからまくし立てている。「目下、外国人選手の獲得に関してはフロントの全主導で行われています。その外国人選手が誤算と言うのは、フロント批判をしたのと同じなんです」(前出・同) 選挙の街頭演説ではないが、『間』をおいてから喋る、“前置き”をしてから話すのは、聴取者の関心効果や注目を高める狙いもあるそうだ。金本監督は聞く人が聞けば分かる「外国人野手の批評」で、フロントをガツンと一撃したのだ。 金本監督の気持ちも分かる…。 初采配の昨季だが、ゴメス、ヘイグの2人で稼いだ本塁打数は29本。今季はキャンベル、途中加入のロジャースがいたが、合わせて6本。ここにFA補強した糸井嘉男の17本塁打を足して、ようやく“互角”というわけだから、「もうちょっとマシな外国人選手を連れてきてくれよ〜」の心境だろう。会見終了後のぶら下がりでも、「(長距離バッターは)欲しいですよ、そりゃ! ホームランというのは試合の流れが一発で変わるから。最高、(満塁なら)4点入りますからね。1球で」と話していた。金本監督は笑っていたが、同席した四藤球団社長がすでに退場したのを知っていたからだろうか。助っ人の機能しない野手陣の打線を組んできた今季の苦労も口にしていた。 会見に戻るが、金本監督はドラフト会議(10月26日)の話題についても聞かれ、清宮幸太郎(早実)へのラブコールを改めて送り直した。「ウチはもう、清宮(で1位入札する)と決めていますから」 複数球団による入札重複は覚悟の上。抽選クジで運命を決めることになるが、金本監督は「(クジを)引けといわれれば引きますが、社長が引いてくれるんじゃないですか?」とも話していた。四藤球団社長は慌てて、「いえ、いえ。お願いします」と返していた。 同社長の表情がくずれたのは、そのときだけ。聞く人が聞けば分かる“公開批判”は、金本監督の圧勝に終わった。 関西地区で活動しているプロ野球解説者がこう続ける。「阪神の編成スタッフ、スカウトは清宮の指名に失敗したら、投手中心の補強を行うと決めています。そうなると、金本監督の求めるホームランバッターはやはり外国人選手で補うことになり、渉外担当の責任は重大です」 昨年の阪神のドラフトが思い出される。先発タイプの即戦力投手の1位指名を決めていたフロントに対し、金本監督は「どうしても!」と訴え、大山悠輔(22)に変更させた。フロントがシーズン途中に緊急で獲得したロジャースよりも、終盤戦で活躍したのは大山のほうだ。CS3試合で脅威の打率5割3分8厘をマークし、レギュラーシーズンも後半戦での合流ながら、本塁打7、打点38を稼いでいる。その大山をシーズン最終戦でセカンドを守らせたのは、『一塁のポジション』を開けておくためである。「ロジャースよりも大山のほうが戦力になりました。金本監督の見る眼は間違っていません」(在阪記者) 一塁を守るのは清宮か、フロントの連れてくる新外国人選手か、それとも、今季不振だった原口文仁が巻き返すのか…。一連の金本監督の言動を考えると、清宮の指名に成功したとしても、ドラフトリストにも『喝』を入れてきそうだ。
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スポーツ 2017年10月22日 17時00分
プロレス解体新書 ROUND68 〈三沢vs川田ラストマッチ〉 ノア東京ドーム大会で運命の激突
2005年、プロレスリング・ノアの2度目となる東京ドーム大会のメインイベント。ノアの顔である三沢光晴は、高校時代からの後輩で5年前に袂を分かった川田利明を迎え撃った。 最高の舞台に最高の相手、最高のクライマックスとなるはずだったが…。 高校時代の先輩と後輩が紆余曲折を経て、ついに東京ドームのリング上で対峙する――。 映画や漫画なら「リアリティーがない」と観客や読者からソッポを向かれそうなストーリーだが、それを現実に成し遂げたのが三沢光晴と川田利明であった。 同級生と先輩、後輩の違いはあるが、野球でいえば桑田真澄と清原和博の“KK対決”のようなものか。 ただし、プロレスのドーム大会ともなれば、失敗が即、団体運営の危機ともなりかねないだけに、メインイベンターの重責はプロ野球選手以上とも言えよう。 プロレスというジャンルは、アングルひとつで一夜にしてスターを作り出すことも可能であるが、現実に大観衆を集められるまでになるには、相応の努力と生まれ持った才能が求められる。その点では、他のスポーツやエンタメ業界と違わないのだ。 「しかも三沢vs川田のカードは2度、それも全日本プロレスとノアという別々の団体で、東京ドーム大会のメインを任されたわけですからね」(プロレス記者) ドーム大会における同一カードによる2度以上のメインとなると、PRIDEの高田延彦vsヒクソン・グレイシーや新日本プロレスの棚橋弘至vs中邑真輔、棚橋vsオカダカズチカなどもある。が、三沢vs川田はそれら団体よりもドーム開催の回数自体が格段に少ない、全日とノアでメインを張っているのである。 「そこに至る経緯のドラマチックさからして、2人のドキュメンタリー番組や実録小説が創作されても何ら不思議はない」(同) ただ、実際には三沢の名勝負という場合、川田ではなく小橋建太戦を挙げるファンは多い。 「技と力のぶつかり合いという単純明快な小橋の試合に比べ、三沢と川田の絡みはどこか難しいところがありますからね」(同) 確かに2人の関係性からして、いまひとつ理解に苦しむところは多い。三沢が全日から独立してノアを立ち上げた際、後輩である川田は真っ先にこれに続いてもよさそうなのに、そうしなかったことで2人は不仲と言われたりもする。 三沢は川田について自伝などで〈好きか嫌いかといえば嫌いだね〉と述べているが、しかし、心底から嫌いであったならば一切触れもしないだろう。 一方の川田は、三沢の葬儀で人目もはばからず号泣する姿が目撃されている。 また、三沢の追悼大会へ参戦して以降、半引退状態となったことについて「三沢さんのいないリングに上がることへの意義が見出せない」と話している。ただし三沢の存命時には、そうした敬意のようなものを表に出すことはなかった。 そんな2人の微妙な距離感は、試合内容にも反映されていた。'93年7月29日、王者の三沢に川田が挑戦した三冠戦。 三沢は、急角度の投げっぱなしジャーマン3連発で失神させた川田を、さらに抱き起こしてタイガースープレックスで勝利した後、「川田は中途半端にやると、中途半端なことを言い出すから」と話している。 だが、それを聞いてもなお、少し前までタッグパートナーだった後輩をそこまで非情に叩き潰すことの真意は、他人には理解し難い。テレビ解説をしていた御大ジャイアント馬場も、「高度な展開すぎて俺には分からない」と話したほどであった。 '98年、全日による初の東京ドーム大会で三沢に勝利した川田が、普段の無口なキャラクターを捨てて「プロレス人生で一番幸せです、今が」と感情を爆発させたのも、やはり相手が三沢だったからこそであろう。 '00年の全日分裂から5年後、ノア2度目となる東京ドーム大会で、そんな2人が再び対峙した。大会開催までの社長業との兼務ゆえか、コンディションの悪さから技のミスも目立った三沢だが、そこは気力でカバーしていく。 顔面キックに花道での投げ捨てパワーボムと、容赦ない攻めを繰り出す川田にエルボーで対抗。 切り札のエメラルド・フロウジョンもタイガー・ドライバー'91も返されて、あとがなくなってもなおエルボーを連打。最後もランニング・エルボーを顔面に叩き込んで勝利の凱歌を上げたのだった。 しかし、試合後に川田がマイクを握り、「今日、打つはずの終止符が打てなくなりました」と継続参戦を匂わせると、その一方的な発言に対してノア経営陣は「川田をノアのマットに上げることは二度とない」と激怒。 一方の川田も、「この5年間やってきたことが台なしになった」と記念すべき一戦にふさわしくない、ネガティブかつ意味深なコメントを残したのだった。 単なる有終の美とならないあたり、この2人の関係性はやはり余人には理解し難いのである。
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スポーツ 2017年10月21日 17時00分
内村航平 世界選手権棄権で東京五輪出場に黄色信号
カナダで開かれた世界選手権を途中棄権した日本体操界の第一人者・内村公平(28)。2種目目・跳馬の着地で、左足に激痛が走ったという。3種目目の平行棒には出たが、演技後に競技続行を断念。着地と同時に浮かべた苦悶の表情は、内村の闘志が折れた瞬間でもあった。 「日本体操協会から『左足前距腓靭帯不全断裂』と発表されました。全治2、3週間で手術の必要はないとのことですが、10月下旬の全日本シニア選手権は出場せず、来年春の復帰を目指すそうです。内村が長期欠場するのは初めてのこと」(体協詰め記者) 世界選手権では、個人総合7連覇が懸かっていた。「ケガをするということはヘタクソ。まだ伸びシロがあるってことかな」と内村はおどけてみせたが、ともに団体戦を戦う予定だった白井健三らには「違う形で東京五輪までやってもいいかもね」と、意味深な言葉も発していたという。 「内村は6種目をこなす個人総合に強いこだわりを持っていました。『違う形』とは、1種目に集中するという意味なのか。そうなると、東京五輪は団体戦だけに出ることになります。体力の衰えを自覚したのかも」(同) オリンピック2大会連続チャンピオンの内村は、東京五輪を31歳で迎える。これまでは「まだ大丈夫」の声のほうが多かったが…。 「今年4月、体操界初のプロとなり、練習を一部公開したのですが、20代前半の頃とはまったく内容が異なり、何度も丁寧に着地姿勢を繰り返していました。若い頃は勢いでやっていたのに」(関係者) 食生活も変えたという。休日のすごし方にしても、今までは“爆睡”だったが、翌日に「体が動かなくなるかも」と言い、決められた時間に起きてジョギングをするようになった。 「レスリングの伊調馨など、20代後半から30代前半の他選手は、事実上の引退となっています」(同) 東京五輪に間に合わなかった天才たち。内村はギリギリまで戦うつもりだが、今回の故障は大きな転機となりそうだ。
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スポーツ 2017年10月20日 18時43分
侍ジャパンの価値が下がる?清宮が稲葉監督の初陣をブッ飛ばす
プロ野球・ドラフト会議は26日に行われるが、16日、日本野球機構(以下=NPB)は、非公式ながら“侍ジャパンのスケジュール”を発表した。リハーサルというべきだろうか。稲葉篤紀監督(45)が、指揮官としての練習を行うという。 「稲葉監督に指導者経験がないのは分かっています。かといって、1試合か2試合やったところで、変わるわけじゃない。慎重になりすぎるのもいかがなものか…」(球界関係者) 稲葉監督が、指揮官のリハーサルを行うのは、25日と26日の2日間。現在、宮崎県下で二軍と若手を中心としたフェニックスリーグが開催されている。稲葉監督が、スポーツコミュニティーオフィサーの肩書で籍を置く日本ハムの二軍も参加しており、先の2日間の2試合を、稲葉監督が“リハーサル”で指揮を執ることになったのだ。 「本番で失敗してはならない」とする稲葉監督の気持ち、マジメさは分かるが、「慎重になりすぎ」というのが関係者の大半の意見だ。 「日本ハム二軍の指揮を執り、広島二軍や独立リーグ・四国アイランドリーグ選抜と対戦します。ヘンな負け方をしたら、本番で弱気になってしまうのでは」(前出・同) 広島二軍は今季、初のファーム日本一に輝いた。当然、若手は一軍昇格のチャンスに飢えており、必死になるだろう。独立リーグの選抜チームも同様だ。彼らは、プロに行きたい一心で、野球環境に厳しい独立リーグを選んだ。ドラフト指名のための自己アピールの場として、稲葉監督に襲いかかってくるだろう。 それ以上に問題なのは、独立リーグ選抜と試合を行う26日は“プロ野球の重大イベント”と重なっている。ドラフト会議である。注目の清宮幸太郎(早実)がどの球団に指名されるのか、史上最多となる9球団以上の入札があるかどうか、同日のスポーツメディアは、清宮一色となるのは確実だ。 そういった話題性で「稲葉監督<清宮」となれば、新生・侍ジャパンの船出にもキズがついてしまう。先の関係者がこう続ける。 「普通だったら、許しませんよ。前任の小久保監督だって、指揮官経験ゼロでスタートしたんですよ。こんな言い方は何ですが、侍ジャパンに広告出資している大手企業は、稲葉監督に懐疑的です。東京五輪の指揮官も務めるというのに、なぜ、お客を呼べるビッグネームを連れて来なかったのか、と」 言い換えれば、稲葉監督は「勝つ」以外に企業にアピールする方法はないのだ。 しかし、こんな意見も聞かれた。 「ドラフトの陰に隠れてしまうのは、むしろ幸いです。投手交代のタイミング、三塁コーチャーが本塁に突入させるべきなのかどうかを的確に判断できるのかなど、初めての采配なので、細かいミスが続出するのは確実。清宮フィーバーで稲葉采配を隠し、本番までに修正箇所を話し合えれば…」(ベテラン記者) 本番とは、11月16日開幕のアジアプロ野球チャンピオンシップのこと。韓国、台湾の選抜チームと戦うわけだが、出場選手の力量を発揮させる環境を作れば、決して負ける相手ではない。仮に、稲葉監督が、采配でも慎重になりすぎるようであれば、強く意見の言えるスコアラーをベンチ入りさせるなどの「修正」も間に合う。 在京球団スコアラーがこう反論していた。 「今年のドラフト会議ですが、清宮が話題の中心になるのは間違いありませんが、独立リーグは要注意ですよ。上位指名されそうな投手が何人かいますからね」 独立リーグからは過去50人が指名を受けた(育成を含む)。今年、51人目が誕生するのは確実だが、指名順位の最高は、2013年の又吉克樹の2位(現中日)。その指名順位に並ぶか、上回る可能性もあるとされる投手がいる。徳島の伊藤翔(横芝敬愛高)だ。 右腕・伊藤は、昨年もドラフト候補に入っていたが、指名されなかった。プロ志望の強い伊藤は「早くプロに行きたい」の一心で、独立リーグの門戸を叩き、急成長した。 その伊藤が、稲葉代表監督率いる日ハム二軍と対戦したら、どうなるか…しかも、ドラフト当日ということもあり、有事の際、NPB側は赤っ恥をかくことにもなりかねない。 「リハーサルで良かった」のひと言で済むだろうか。稲葉監督の慎重な性格も考えものである。
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スポーツ 2017年10月20日 17時00分
巨人が参戦する 広島退団 石井&河田コーチのダブル強奪
来季続投のお墨付きを得ている巨人・高橋由伸(42)監督だが、肝心の組閣が思うように進まず、新たな火種となっている。来季は3年契約の最終年。コーチに就任したところで優勝を逃せば、1年ぽっきりに終わる可能性が高く、誰もが“ドロ船”に乗ることに尻込みしているのだという。 「今季の巨人は2006年以来のBクラス(4位)。続投はもっけの幸いですが、ライバル広島の黄金期はしばらく続く。高橋監督に近い人ほど『来季も勝てない』とみており、ここは1年待って、次期監督の下で長期雇用を確保しようとしている」(巨人担当記者) 現在、内定しているのは、元二軍監督・吉村禎章氏の入閣のみ。高橋監督は村田真一ヘッドコーチ、今季途中で一軍投手コーチに配置転換された斎藤雅樹氏の続投を希望しているが、「V逸の責任をとりたい」と退任を申し出ているという。 さらに、尾花高夫投手コーチが編成本部アドバイザーに、村田善則バッテリーコーチが戦略室スコアラーに転任すると発表された。 背景にあるのは、巨人のお家芸ともいえる「大艦巨砲主義」だ。今季は総額30億円の超大型補強が機能しなかったにもかかわらず、今度は中日のゲレーロ、ヤクルトのバレンティンを狙っている。そして早実・清宮の1位指名を決めたことで、これまで各コーチが取り組んできた来季構想はご破算になる可能性が高い。 さらに話をややこしくしているのが原辰徳前監督の存在だ。侍ジャパン監督に稲葉篤紀氏が就いたことで、原氏の目標だった東京五輪監督の座も事実上消滅。そこで、生まれ育った神奈川が本拠地の横浜DeNA監督に方向転換しているのだ。 「巨人に競り勝ちCS進出を決めたDeNAは、今季2年契約が満了するラミレス監督の続投を決めたが、1年契約での更新にとどまった。同時に来オフに“原ベイスターズ”を始動させる準備も進めているからだ。その際、もれなくついてくるのが、原氏を信奉する斎藤氏と村田氏。そのため、巨人の主要ポストに就くことをためらっている。できれば浪人したいと。巨人に礼を尽くしたいのだろう」(巨人OBの野球解説者) 急務になったのがコーチのヘッドハンティングだが、さっそく動きが出てきた。リーグ2連覇に貢献した広島の石井琢朗打撃コーチと河田雄祐外野守備走塁コーチが、今季限りで退団する。「東京に残した家族との時間を大切にしたい」というのが理由だが、額面通りに受け取る人は少ない。 石井コーチは“ビッグレッドマシンガン打線”を作り出し、菊池涼介、丸佳浩を復活させ、鈴木誠也の成長をアシスト。今、打撃コーチとして最も評価が高い。河田コーチは三塁コーチとして抜群の判断力を発揮、機動力野球を復活させた。 巨人には江藤智打撃コーチ、内田順三二軍監督といったカープOBもおり、ここに緒方孝市監督を支えた両コーチが加われば、巨人の得点能力は格段に高まり、広島の痛手も大きい。 鯉カラー一色のコーチ陣に、高橋監督はどうする?
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スポーツ 2017年10月19日 18時05分
【オリックス】宮内オーナー「野球をもっとしてくれ」ファンの気持ちを代弁!鋭い持論を展開
オリックスの福良淳一監督が18日、東京都港区にあるオリックス東京本社で、宮内義彦オーナーにシーズン報告を行った。約30分に渡った会談では、チームに足りないことを中心に話し合ったという。会談終了後には、宮内オーナーと福良監督が揃って会見を行ったが、会見の終盤は、先月82歳になったばかりの宮内オーナーが、ファンの気持ちやシーズン中に抱いていた疑問を代弁するかのような鋭い持論を展開。チームに期待を込めた檄を送った。会見の全容は次の通り。■宮内義彦オーナー&福良淳一監督 一問一答ーー30分ほどのオーナー報告だったが、主にどのような話をされましたか?宮内「えぇ。まぁ、いろいろね。足りないところの話をしました」ーー足りないところとは、戦力的な部分で?宮内「まぁそういうのも含めてね。足りないところがあったから、上位に行けなかったということですからね。いろんな面で足りない」ーー報告を受けてオーナーの率直な感想は?宮内「その通りと(笑)」ーー監督にはどんな言葉をかけられましたか?宮内「足りないところというのは、これがチームの力ですからね。そこのところをどう補っていくか。終わったシーズンのことは、結果論であってね。来年に向けては、ひとり一人の能力を…足りないところを補うように能力を上げていくということと、あとは、どういう補強が必要かと。そんなところですね」窓を射ているーーオーナーは、今年も何試合か観戦されてたが、今シーズンのチームにどんな印象を持たれてましたか?宮内「連敗に始まって、連敗に終わったということでね。そういう意味では…そうですねぇ。昨年が最悪…最下位ということですからね。6が4になって、けっこうじゃないかという見方もあるんだけれども、内容的にはですね、確かに、昨年よりはチーム力も上がってる。でも、私の素人目で見るとやっぱり、我々の下を行った二つのチームがね。極端に悪かったんだろうなと。そういう事情もありますよね。6が4になったというような…まぁ浮上しつつある、というような気分にはちょっとならないですね」ーー今年のオーナーの満足度は?宮内「44%です。4勝5敗ですから。(観戦)勝率(笑)」ーー監督は、オーナーに言葉をかけられていかがでしたか?福良「オーナーと話して、今年を振り返って、その通りかなっていうのが率直な感想です」ーーかなり的を得ていた?福良「そうですね。よくご覧になられてるなと思います」ーーズキンという感じもあった?福良「はい。だいぶありました」ーー今シーズンは63勝79敗1引き分けと、昨年の6位から4位になられたわけですが、監督にとって今季の印象は?福良「オーナーも仰ってましたが、順位は上がってるんですけど、そこまでの手応えはまだまだというのはあります」ーー昨年の1年目終了時と比べて気持ちに違いはある?福良「そうですね。まだまだ、手応えはないし、これからやっていかないと悪いことは多いかなとは思います」ーー今シーズンは『野球まみれ 一勝懸命 2017』というチームスローガンがありました。チームから手応えを感じた部分もある?福良「ピッチャーに関しては、若手のピッチャーが何人か出てきてくれたなというのは、はい。その一つです」ーー野手は?福良「野手はもう少しというか…全然、足りなかったなと思います。外国人とベテランは頑張ってくれましたけど、中堅、若手がもう少し伸びてくれなかったかなというのはあります」ーー今シーズンいちばんの誤算は?福良「誤算といえばやっぱり…先発ピッチャーですかね。もうちょっと頑張ってくれると思ったんですけど。それがシーズン通して…金子くらいですか。山岡も頑張ってはくれたんですけど、やっぱり、借金してるピッチャーですよね。貯金したのは金子だけですか。そういうところは誤算でした」ーー昨年に比べて投手陣の防御率は良くなっているが、来シーズンに向けて投手陣はいかがですか?福良「今いる選手で、何人か先発ピッチャーを揃えるということは課題だと思います」ーー先発ピッチャーはあと何枚必要?福良「最低でも2枚…3枚というところですか」ーー左右は?福良「いえ。そこは関係なく」ーーリリーフ陣は?福良「ある程度若い選手…黒木、近藤なんかは経験を積んでくれたと思うんですけど、もう1人、2人は育てないと苦しいかなというのはあります」ーークローザーは平野が途中ファームへの降格もあった中、29セーブを挙げているが?福良「平野に関してはよくやってくれたと思ってます」ーー攻撃面は、打率は昨年とほぼ同じで、本塁打と打点は増えているが?福良「両外国人の活躍が大きかったと思います」ーー攻撃面で、この部分はと思ったことは?福良「足が使えなかったというか…どうしても、メンバーがそういうメンバーになってしまったというのもこっちの反省かなと思います」ーー長打期待の野球になってしまった?福良「そうですね。あのラインナップを見るとそういう野球になってしまったんじゃないですか」ーー1、2番をかなり変えていたが?福良「そこを固定出来なかったのも大きいですね」ーー今年いちばん頑張った、成長したと思う選手は?福良「ピッチャーだったら若い選手ですね。黒木、近藤、山岡ですかね。よくやってくれたと思います」ーー山岡は援護に恵まれない中、8勝を挙げたが?福良「8勝も大きいですけど、1年間ローテで回ってくれたのがいちばん大きいんじゃないですか」ーーバッターは?福良「野手の方はなかなか。よくやってくれたのは、さっきも言いましたけど両外国人とベテランですかね。若い選手が出て来なかったのは寂しいですね」ーー期待していた割にはと思う若手選手は?福良「何人かいますけどそこは(笑)」ーーきょうからチームは秋季練習が始まったが、来シーズンに向けての補強についての考えは?福良「そこは球団に任せてます」ーードラフトに関しても編成に任せてる?福良「はい」ーーオーナーは今年のドラフトについて、清宮という名前も出ているが?宮内「私が意見をはさむ余地はないわけですよ。ただ、今のチームの現状を言うと、打つ方と投げる方ならピッチャーですね。恐らく、必要なんだろうなという素人考えですがね」ーーピッチャーといえば平野の海外FAという記事が出ているが、監督は、どんな思いがある?福良「やっぱり抜けられると痛いです。絶対残って欲しいです」ーーファンへメッセージを福良「今年もこういう結果で終わって、申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、来シーズン必ず強いチームを作って頑張っていきます」ーーオーナーは、ピッチャーのどの辺りがどうなれば、より浮上出来ると思うか?宮内「今のチームの成績は、先ほども言いましたように4勝5敗なわけなんですよね。だから.444ですね。これを優勝しようと思ったら、あと2勝足さないといけない。6勝3敗じゃないと優勝出来ないんですね。この2つをひっくり返すというのは、チーム力を相当上げないと優勝ラインに届かないと。地道な補強も必要なんだけれども、やはり、チーム力をグーンと上げるような手立てを何か考えられないかな。そういうことが出来るか出来ないかが、来年のシーズンの大きな枠組みを決めてしまうと、そういうふうに思ってます。そういう意味でドラフト、それから、その後の補強と見ながら、来年のチームを作っていく。それと同時に現有勢力がだいぶ残るわけですけどね。現有勢力の欠陥を、大幅に改善しないといけない。現有勢力の欠陥で言うと、攻撃の方は走れないと。極端に走れない。機動力が低すぎる。それから、決定打がなかなか出ない。バッターが追い込まれると非常に弱いんですね。これはやはり自信がない、力がないからそうなってしまうわけでね。そういう意味では打つ方をもっともっと深刻にシーズンオフに頑張ってもらわなきゃいかん。守りの方で言うと投手力だけれども、私が見る限り2アウトから非常に得点を取られる。なおかつ2ストライクから非常に得点を取られる。力とね頭と両方弱いんじゃないかと。そこを…インサイドベースボールをもっとしないといかん。僕が言うのは漫画みたいだけど、野球をもっとしてくれと。何で2ストライクからあんなところに投げるんだと。そういうのが多いんですよね。私から見ても。その辺の改善を私は出来ると。言うならば現有勢力をさらに一歩、本当のプロフェッショナルになってもらうと。1軍半ばかりじゃダメだと。本当の1軍の選手を作り上げてもらう。猛練習のバファローズということに変えてもらいたい。昔、福良監督が現役のときはもっと練習したんじゃないかと僕は思う。ちょっと甘くなってる。それがあって初めて補強が実を結ぶんじゃないかなと思います。そういう意味で秋の…シーズン終わって練習してどれだけ上手くなるのかはわからんけどね。そこから頑張ってもらうというのも必要だと思います」ーー福良監督の続投を決めた理由は?宮内「すべての欠陥がね。負けが監督のせいだとは全然思わないわけでしてね。そういう意味ではこうして2年間苦しんで来たチームを飛躍させるというのは、福良さんに託すというのが私どもの考えです」ーー平野について監督は絶対残留してもらいたいと言っていたが、オーナーの考えはいかがですか?宮内「非常に大事な選手であって、球団としては最大の…球団に出来ることは十分伝えているというのが現状だと思います。選手の立場から言うと、一生に一度のね、FAの権利の行使ということですから、広く条件を見るというのもやむを得ないかもわからない。ですから、どうなるかわかりませんけど、我々は残って欲しい。もし、残ってもらえないんであれば我々としては、同等あるいはそれ以上の補強を何としてでもやるということに尽きると思いますね」オリックスの黄金時代を築いた“名将”故・仰木彬元監督は、亡くなった2005年に「最終的にちゃんと宮内さんを笑顔にさせるぞ」と田口壮二軍監督に話していたという。福良&田口体制で臨む3年目のシーズンは、球団統合後初の優勝を果たすことで、宮内オーナー会心の笑顔を見させてもらいたい。取材・文 / どら増田(オリックス番ライター)カメラマン / 舩橋 諄
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スポーツ 2017年10月19日 16時00分
熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times ポストシーズンで決まるダルビッシュ有の商品価値
メジャーリーグでは有力FA選手の獲得がチームの浮沈を決める要素になる。そのため米国のスポーツメディアはオフのFA市場の動向に高い関心を示し、シーズン中から「今オフのFA選手ランキング」が様々なメディアから発表される。 そうしたランキングで最も高い評価を受けているのが、ドジャースのダルビッシュ有だ。 MLBコムが8月末に掲載した、『オフシーズンFA選手ベストテン』ランキングによると、ダルビッシュはカブスの大エース、ジェイク・アリエタを抑えて1位にランクされている。同様に、7月にクリーブランドの最有力紙『プレインディーラー』が電子版に掲載した『今オフのFA選手トップ25』でもダルは1位にランクされており、今オフのFA市場で目玉選手になることは確実な情勢だ。★ダルビッシュ有 一番人気の理由 このオフ、FA市場に出る先発投手はジェイク・アリエタ(カブス、14勝10敗、防3.53)、ランス・リン(カージナルス、11勝8敗、防3.43)、ジェイソン・バルガス(ロイヤルズ、18勝11敗、防4.16)、CCサバシア(ヤンキース、14勝5敗、防3.69)、ジョン・ラッキー(カブス、12勝12敗、防4.59)など。このうちラッキーは10月下旬に39歳になる大ベテラン。サバシアも37歳で年齢的に限界にきている。バルガスはスタミナに問題があり、リンは制球がアバウトすぎて先発の柱では使えない。よって、エース級と評価できるのはともに31歳のダルビッシュ有とアリエタしかいない。 実績から言えば、一昨年のサイヤング賞投手で、'15年と'16年の2年間に40勝しているアリエタに軍配が上がる。しかし、最近は速球の平均スピードが2キロほど落ち、伝家の宝刀だったカッターを打ち込まれるケースが多い。そのため、今後、エース級の働きができないと見られている。 一方、ダルビッシュは昨年5月にトミージョン手術から復帰後、速球のスピードが目に見えてアップしているうえ、同手術を経験しているため肘の故障リスクが低いなど好材料が多い。それらを総合すると、ダルの方がアリエタより高い評価を受けているのだ。★予想される契約規模は143億円! 今季のダルビッシュ有は、シーズン前半で勝ち運に見放されたこともあり10勝止まり。7月には自責点10と7の試合があったため防御率も3.86と冴えない数字となっている。そのため多少評価は落ちているが、それでも8月末に出たMLBコムの『オフシーズンFA選手ベストテン』で著者のジム・デューケット(元メッツGM)は、契約規模は5年1億3000万ドル(143億円)になると予想しているが、ポストシーズンでハイレベルな活躍をすれば1億5000万ドル(165億円)〜1億7000万ドル(187億円)規模に上がる可能性もある。ダルビッシュはこれまで、ポストシーズンに2度登板しているが、0勝2敗、防御率5.40で、大舞台には強くない投手と見なされている。相手のエース級と投げ合うと勝てないという評価もあるので、ポストシーズンで相手のエース級と対戦して圧倒するピッチングを何度か見せれば、そうした評価は消し飛び商品価値はさらにアップする。★本命が見えない獲得レース MLBコムの『オフシーズンFA選手ベストテン』は、ダルビッシュ有獲得に乗り出す球団として、ドジャース、レンジャーズ、ヤンキース、カブス、ブルージェイズ、エンジェルズなどを挙げている。 ダルビッシュが7月末にレンジャーズからドジャースにトレードされた時点では「3カ月限定の腰掛移籍」と見られていたが、ド軍はダルを左のエース、カーショウの次に使う「右のエース」として獲得に乗り出す可能性も出てきた。ダルがオフにFAになってチームを離れると右の先発投手は4番手くらいでしか使えない前田健太と、故障リスクが高いベテランのマッカーシーしかいなくなる。ド軍はポストシーズンで使ってみて、大舞台でも十分活躍が期待できる人材という心証を得られれば、メジャー一の資金力を有する球団なので1億5000万ドル前後のオファーを出してくる可能性は十分ある。 それ以外ではカブスが有力候補だ。エースのアリエタ(右投手)と4番手のラッキー(右投手)がチームを去るので、右のエース級投手を獲得することは今オフの最優先事項だ。7月末のトレード後の動きを見ると、古巣のレンジャーズと長期契約をして復帰するというシナリオは、やや遠のいたように見える。 ただ現時点で言えるのは“本命不在”であるということだ。ポストシーズンで目を見張る投球を見せれば、資金力のある複数の球団がダルビッシュ獲得にしのぎを削ることになるだろう。スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。
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スポーツ 2017年10月18日 16時00分
清宮ドラフト戦線 金本阪神と王ソフトバンクがデッドヒート
平成の怪物・清宮幸太郎(18=早稲田実業)のハートを掴んだのは、ラブコールを送った阪神か、それとも「現実」を突き付けたソフトバンクか…。10月2日、'09年の菊池雄星(西武)以来となる『ドラフト会議前面談』が行われた。 「清宮家、球団側の双方が気を遣ってか、ポスティングシステムを含むメジャー挑戦に関する詳しい話は出ませんでした。ヤクルトは『岩村明憲、青木宣親など過去の流れを見てもらえば分かるはず』と答える準備はしていましたが」(球界関係者) 進路表明の会見(9月22日)では、「王貞治さんのような野球人を」「868本を目指したい」といった発言も、清宮から出た。「福岡ソフトバンクホークスに行きたい」という、事実上の逆指名宣言と見たメディアも出たが、それは違う。12球団担当スカウトによれば、「かなり以前から聞かされていた」そうだ。 「際どい表現になるが、ドラフト前に本人やそれに近い有力者と突っ込んだ話をするのは禁止されています。でも、独り言がたまたま聞こえてしまうこともあるんですよ」(某スカウト) ソフトバンクの王貞治球団会長(77)への尊敬の念。“たまたま聞こえてしまった”プロ入り後に抱く夢が、もう一つあった。 「清宮は少年時代、右バッターでした。左バッターに転向したのは阪神・金本知憲監督(49)の影響です。しかも、'03年の星野阪神時代に強い憧れを抱いています。チームが一丸となり優勝という一つの目標に突き進んでいく。そういうチーム像、戦い方をするチームで野球がしたい、と」(同) 夏の甲子園予選がそうだった。「甲子園出場、日本一」の目標を掲げ、その夢が破れると人目もはばからず、大粒の涙を流していた。 そう考えると、清宮の阪神ファンは単に父・克幸氏の影響だけではないようだ。チーム再建、優勝を公言し、トラを牽引していく金本監督の姿は、'03年の星野仙一氏に酷似する。阪神優勢、しかし、「尊敬する野球人・王会長の下で」の思いもむしろ強まったという。面談の様子も聞こえてきた。 「克幸氏が西武に選手寮のオンボロさを指摘したのは本当です。渡辺久信シニアディレクターは面談後の会見で苦笑いしていましたが、清宮家側に非難するつもりはなく、『言いすぎたかなあ』と後悔しています。どの球団も息子に対して良いことしか言わないので、場の空気を変えたくて軽口を叩いただけ。特に悪い印象を持った球団はありませんが、インパクトを残したのは中日とロッテ。中日は『チーム再建に必要』と他球団とは異なる言い方をし、ロッテは手土産で本社の菓子製品を出し和やかなムードを演出しました」(関係者) 広島は指名から下りた。左投手を欲する現場の意向に応え、JR東日本・田嶋大樹を1位候補の筆頭に変えた。日本ハムは「スケジュールが合わない」と、別日程を要望。後日、克幸氏と交遊のある栗山英樹監督を担ぎ出すようだ。 「巨人はその他大勢に埋没してしまいました」(同) 金本監督は今年2月、克幸氏と監督論で対談し、意気投合している。ホットラインもすでにできているのだろう。阪神は掛布雅之二軍監督の退任で空き番号となる「背番号31」、OB会長・川藤幸三氏など個性派が付けた「4」、ファンの歓迎ムードが確認されれば、金本監督自身の「6」を譲るプランもあるという。 「10月2日の面談では、担当スカウトによる清宮レポートを渡し、昨年のドラフト1位・大山悠輔の話もしました。変化球に対応できなかった欠点を二軍で徹底的に克服させ、今では一軍戦力、それも、4番を務めるまでになったと」(同) 熱烈ラブコールを送る阪神に対し、ソフトバンクは「現実」を突き付けた。 「清宮への評価でナンバー1とは言わず、『トップクラス』との言い方でした。球団は最高の練習施設、環境を提供している。ファンは清宮が活躍することを期待していて、球団もそれに応えるつもりだが、大事なのは本人の努力。王会長はメディアの取材に答える形でポスティングシステムを否定する意見を述べています」(同) 王会長もこの時期にそういう発言をすれば、どういう扱いをされるかは分かっていたはず。あえて発言したということは、「プロの世界は甘くない」とする“真のラブコール”だったのだ。過去2年の1位だが、高橋純平、田中正義も「育成の最中」で、特別扱いはされていない。 「プロ側からすると、指名後の交渉で決裂し、進学に変わる危険性があるのかどうかを探りたかったんです。『ない』と見た球団のほうが多かった」(同) アニキと王会長は対照的なラブコールを行った。「指名されたところに行く」は表向きで、両球団のどちらかに行きたいというのが、清宮の真意である。
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スポーツ 2017年10月17日 16時00分
稀勢の里「大相撲トーナメント」平幕相手の優勝は当然 本場所“(横)綱わたり”の崖っぷち
10月2日、東京・両国国技館で最古の大相撲トーナメント大会『全日本力士選士権』が開催された。優勝したのは、なんと秋場所を全休した稀勢の里(31)。休場中もしっかり部屋で体を動かしていたそうで、その成果を見せつけるような動きで1回戦から勝ち上がり、決勝ではベテラン豪風を危なげなく寄り切った。 実はこの大会、稀勢の里にとって大関だった去年に続いて2連覇となる。歴史ある大会でこの偉業を達成したのは双葉山、北の湖らに続いて8人目の快挙だ。 「非常によかった。(休場中は)体全体を鍛えてきた。おかげで、だいぶ全身を使えるようになってきている。これからも、しっかりやれば、また相撲が取れると信じてやっていきたい」 この半年、憂鬱な顔しか見せて来なかった稀勢の里は、こう久しぶりに声を弾ませた。二所ノ関審判部長(元大関若島津)も、「休んでいた割に、体はブヨンブヨンしていなかったね」とひと安心といった表情だ。 しかし、この結果を手放しで信じるわけにはいかない。なぜなら、まだ秋場所が終わって1週間あまりということもあり、ほとんどの力士は本調子ではない状態。秋場所を優勝した日馬富士や、九州場所で進退をかける鶴竜らは1回戦で早々に姿を消し、千秋楽にその日馬富士に敗れて涙を飲んだ豪栄道も2回戦で敗退している。対戦相手も、千代の国、大栄翔、正代、朝乃山、そして決勝戦の豪風と平幕ばかり。 「しかも、相撲内容はいずれも得意の左四つに捕まえて寄り切るというワンパターン。課題である左からのおっつけは、ほとんど見られませんでした。本番ではこんな簡単な相撲にはまずなりません、まだまだ安心できませんよ」(担当記者) そう言えば、秋巡業初日(10月5日)の千葉県八千代市巡業で、新鋭の朝乃山を相手に17番取り、15勝2敗と圧勝したが、左を封じられるとあっさり負けている。横審は、「先場所休んだので、今度は出なきゃ、という責任感だけで出るのは困る。横綱らしい結果を出せると思ったら出て欲しい」と厳しく注文をつけている。 『全日本力士選士権』は、いわば鬼の居ぬ間の優勝などと言われている。本場所は横綱も崖っぷち、まさしく“(横)綱わたり”状態なのだ。
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