スポーツ
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スポーツ 2014年04月20日 13時00分
2014年センバツ特集(3) 『野球推薦』の球児たちが描く近未来像
強豪私立高校による越境入学や『特待生制度』の是非が問われたのは、2006年だった。その後、1学年の人数制限を設けることや公表するなどの規定ができ、今日に至っている。今回のセンバツ大会の出場校・32校のうち、公立高校は21世紀枠を含め、7校。私立が圧倒的有利とされた時代ではなくなったが、公立校にもかつての『特待生制度』に似たスポーツ推薦枠がある。 東京都で『文化・スポーツ等特別推薦』なる制度が設けられたのは、04年に逆上る。この制度を“利用”したいとする公立高校側が『硬式野球』『サッカー』『陸上』『バレーボール』『バスケットボール』などの一部スポーツ種目に特別枠を設け、その試験内容は各校の学校長が決めている。吹奏楽や書道、美術の分野にも及んでいて、どの公立高校が、何のスポーツ種目、文化系クラブ活動で特別枠を設けているかが公表されている。 しかし、誰でも受験できるわけではない。一例を挙げると、「中学時代での部活動で都大会出場」、「もしくはクラブチームで全国大会に…」とある。つまり、強豪私立がお誘いを掛けてもおかしくない球児しか受けられないのだ(高校側からの勧誘は禁止)。試験内容は面接、小論文(作文)。実技試験の有無は高校によって異なるが、定員は種目ごとに2、3人。学費に関する特別待遇はない。だが、近年、公立校は同制度によって、強豪私立校のような“スポーツエリート”を集めてきたのだ。人数はごく少数であり、他県に受験資格者を拡大していない点はかつての特待生制度と大きく異なるが、「私立よりも公立を」と考える父母もいる。また、昨夏の東京都大会(甲子園予選)を振り返ってみると、東東京大会では江戸川と城東がベスト4入りし、雪谷もベスト16入りしている。西東京大会でも日野が都立勢として33年ぶりの決勝戦進出を果たした。これらの公立校は『文化・スポーツ等特別推薦』があり、同制度がチーム強化に繋がったと見ていいだろう。 『21世紀枠』でセンバツ大会に選ばれた小山台高校(東京)は、多くの国公立、有名私立大学合格者を出していることでも知られる。同校は『文化・スポーツ等特別推薦』の制度を適用していない。ゲームセットの瞬間まで必死に戦った同校の姿はもっと評価されるべきではないだろうか。蛇足だが、公立校が有名私立校に勝つと大きく扱われる。少子化によって、公立も私立も生徒数の減少している。学校側が教育プログラムに特徴をつけ、受験生にピーアールするのは止むを得ないだろう。公立と私立を差別しない、他県からの野球留学生の努力も認める−−。そんな高校野球の楽しみ方もあってもいいのではないだろうか。(了/スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2014年04月20日 11時00分
貴乃花・九重両親方の明と暗
4月3日、日本相撲協会は理事会、年寄総会を開き、公益財団法人移籍後初の親方たちの職務を決めた。 注目を集めたのは、理事3期目、貴乃花親方の処遇。すでに続投が決まっていた北の湖理事長から、「あらゆる仕事を覚えて、将来のために頑張ってほしい」と、総合企画部長ほか六つの役職を兼務する実質的なナンバー3に指名された。明らかに近い将来のナンバー1、つまり理事長就任を示唆したバッテキ人事だ。 「北の湖理事長が直々に帝王学の伝授に乗り出したと解釈していい。現在の理事の顔ぶれを見てもわかるように、40代の理事は貴乃花親方一人。大相撲界はもう16年も日本人横綱が誕生していないあおりを受けて人材不足に陥っており、貴乃花親方以外に将来を託せる人材が見当たらないのが現状です」(担当記者) 一方、ひどく対照的なのが、これまでナンバー2の事業部長を務め、次期理事長の呼び声が高かった九重親方(元横綱千代の富士)だ。すでに理事選で落選し執行部から外れることは決まっていたが、今回の新人事では理事会に出席できる役員待遇からも外され、ヒラ委員に降格。協会内で発言する機会も失い、完全に干されてしまったのだ。 「九重親方は次期理事長に強い色気を見せ、最近は北の湖理事長と真っ向から対立していました。理事を落選したのも、北の湖理事長の怒りを買って出羽海一門の票が対抗馬の友綱親方に流れたため。もう九重親方が表舞台に復帰する可能性はないと言っていいでしょう。用意されたポストは八百長を監視する監察委員と、指導普及部所属という閑職です」(大相撲関係者) 来年6月、新理事長として赤い綱を締め、両国国技館で還暦土俵入りをするという九重親方の夢は、完全に幻に終わってしまった。
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スポーツ 2014年04月19日 11時00分
日ハム・大谷が“飛ぶボール”発覚と長嶋サン発言で打者一刀流に転向
自己最多の10奪三振で4月12日の西武戦で今季初勝利を挙げた日本ハムの大谷翔平選手(19)について、球団側が二刀流問題に幕を下ろし、「打者一本」で育てる方針を固めたという。 引き金になったのが、長嶋茂雄氏の発言だというから面白い。長嶋氏が「スター選手がいない。とくに野手にスターがいない」と、一部スポーツ紙のインタビューで語り、この発言に食いついたのが日本ハム球団だというのだ。 「昨年のポスティングシステムの変更で入札額が20億円に抑えられ、かつてのダルビッシュのように60億円売却は夢の話。なら打者で活躍してもらい、観客動員に寄与させた方が得策。そこに降って湧いたように長嶋さんの発言。しっかり便乗したわけです」(日本ハム担当記者) さっそく栗山監督は3日のソフトバンク戦から「3番DH」で出場させ、打者一刀流に軌道修正。逆に、スーパールーキー左腕・松井裕樹との初対戦が予想された9日の楽天戦ではベンチに下げた。「左打者はきついと思う。あのスライダーは、左の方が打っているという情報もあるけど、オレが見た感じでは左より右の方がいいと思う」という超過保護ぶり。もっとも、大谷の打者専念は“飛ぶボール問題”とも無縁ではない。 日本野球機構(NPB)は10日、今季使用中の統一球が昨季よりも“飛ぶボール”になっていたことを発表した。3月29日、開幕2戦目が行われた6球場で1ダースずつを検査。規定では反発係数の上限は0.4234と定められているが、東京ドームでは最も高い0.428を記録するなど、5球場で規定値を上回る数値が出たという。 「NPBは今季も昨季と同じ統一球を使用すると発表していた。井原事務局長は、製造するミズノ社に原因究明の指示を出したそうですが、現時点で原因と理由が特定できず、今シーズン中の変更は無理。打者の断然有利は続く。大谷が打者に専念するのは、こういう背景もあるのです」(プロ野球解説者) 今季の大谷が「打者」で大バケするのは確実だ。
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スポーツ 2014年04月18日 15時30分
メッツ・松坂大輔 “中継ぎ”でメジャー昇格
ブルージェイズの川崎宗則内野手がメジャーに昇格したばかりだが、今度は4月16日(日本時間17日)、メッツ・松坂大輔投手(33)がメジャー昇格を果たした。 左腕の中継ぎ投手、ジョン・ラナン(29)が40人枠から外れたため、代わりに松坂が上がった。ただ、松坂に与えられたポジションは先発ではなく、“中継ぎ”で、松坂自身も納得している。 昨季途中、松坂はインディアンスからメッツに移籍。7試合に登板して、3勝3敗、防御率4.42の成績を残した。オフにマイナー契約でメッツと再契約。スプリングキャンプには招待選手として参加し、先発5番手を、ヘンリー・メヒア投手(24)と争った。オープン戦では6試合に登板、23回2/3を投げ、防御率3.04と好成績を残したが、球団は若いメヒアを選択し、松坂は3Aラスベガス行きとなった。 3Aで松坂は2試合に登板、12回を投げ、防御率2.25と安定しており、“中継ぎ投手”として白羽の矢が立ったのだ。 球団公式サイトを通じ、松坂は「もっと長くラスベガス(3A)にいると思っていたので驚いた。でも早ければ早いほどいいので、本当にうれしい」とのコメントを寄せた。 松坂自身、メジャーでの救援登板はレッドソックス時代の11年に1度だけあるだけで、明らかに経験不足で不安はよぎる。 ただ、松坂に追い風も吹いている。先発組のバートロ・コローン投手(40)が腰痛を抱え、メヒアは右手中指のマメをつぶしており、この2人の体調次第では急きょ、先発機会が回ってくる可能性がある。そこで結果を残せば、コローン、メヒアから先発枠を奪うことも夢ではない。(落合一郎)
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スポーツ 2014年04月17日 15時30分
“邪道”大仁田と“昭和の大横綱”大鵬の孫との遺恨ぼっ発! 元関脇・貴闘力のプロレスデビュー戦で意外な展開へ
10年6月、野球賭博に関与したとして、日本相撲協会から解雇された元関脇・貴闘力(先代・大嶽親方)が、リアルジャパンプロレス4・16東京・代々木競技場第2体育館で、プロレスデビューを果たしたが、意外な展開が待ち受けていた。 貴闘力は角界を追われた後、焼き肉店を経営。昨春には、“昭和の大横綱”大鵬さんの三女・美絵子さんとの間に生まれた長男・納谷幸男が、親交のあるリアルジャパンプロレス(初代タイガーマスク主宰)に練習生として入門していた。 その縁もあって、同団体の昨年9・28後楽園大会を観戦していたところ、“邪道”大仁田厚に襲撃され肋骨を骨折。怒った貴闘力は雪辱を期し、プロレスデビューを決意。これを大仁田も受諾し、4・16代々木で対戦することになった。 貴闘力は鈴木みのるを、大仁田は矢口壹琅をパートナーにして、邪道ルールのデスマッチで両軍が激突。リング上には、2つの有刺鉄線ボードが持ち込まれた。 試合は開始早々、貴闘力が大仁田から大流血に追い込まれ、有刺鉄線ボードに叩きつけられるなど劣勢に回ったが、不屈の闘志で形勢逆転。最後はセコンドについた息子・幸男が大仁田を捕獲している間に、矢口に強烈な張り手を見舞ってフォールし、デビュー戦を白星で飾った。 大仁田へのリベンジを果たした貴闘力は「(有刺鉄線で)背中が痛いけど、(勝って)気持ち良かった」と笑顔を見せたが、今後についてはコメントしなかった。 一方、敗れて怒り心頭の大仁田は「大鵬の孫がジャマしやがって。負けたとは思ってない。次は親子タッグで来い」と、まだ練習生の幸男の出陣を要求。 初代タイガーマスクは、貴闘力の今後に関し、「本人に任せたい」としながらも、継続参戦を熱望した。 新たにぼっ発した大仁田と大鵬の孫・幸男との遺恨。本来、幸男はプロレスではなく、格闘技志向だが、大仁田はどんな手段を使ってでも要求を実現させてしまう男。そのデビュー戦が、大仁田とのデスマッチになるかもしれない。(ミカエル・コバタ)
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スポーツ 2014年04月17日 11時00分
CS・BSのバラ売りでしか買い手がつかない高額放映権料と視聴率低迷で巨人戦中継危機
最近の小・中学生に“巨人”と尋ねても、誰もプロ野球の「巨人」を連想せず、人気漫画『進撃の巨人』と返ってくるという。そんな時代を背景に、巨人戦の視聴率凋落が止まらない。 春の風物詩として毎年、話題を集めるセ・リーグの巨人対阪神の開幕カード(3月28日〜30日=東京ドーム)が、平均視聴率9.9%と歴代最低視聴率を記録。'13年12.4%、'12年11%だったことを考えれば、いかに視聴率を落としたかがわかる。この結果に頭を抱えているのがNHKと民放各局だ。 「テレビ朝日とテレビ東京は'08年以降、巨人主催試合の中継から撤退したが、TBSやフジは条件次第。日テレとNHKは放映権を購入済みですが、高いカネを支払ってもペイできず完全に赤字。巨人が放映権料を値下げしない限り、来年以降、地上波から中継が消滅するかもしれません」(民放編成マン) テレビ関係者から悪評が伝え漏れてくる巨人戦中継の放映権料の内訳を、民放スポーツ番組関係者が説明する。 「通常『パッケージ』と呼ばれ、当該試合の放映権を獲得したNHK、もしくは民放キー局が、地上波やBS、CS、ワンセグに至るまで自由に放送形態を選択できる。金額はNHKが一試合約8000万円。民放は約5000万円。数年前はNHKが1億5000万円、民放が1億円だった。値段は下がっているとはいえ民放はかなり辛い。ゴールデン・プライム帯でもスポンサーが裸足で逃げ出すといわれています」 もっとも、この事態に殿さま商売を続けてきた巨人軍も、さすがに危機感を募らせているという。 「“パッケージ”を止めて地上波、BS、CSなどの放映権をそれぞれバラ売りにするプランが浮上しており、いずれはそんな時代が来るかもしれない。ちなみに地上波は、一試合当たり2000〜3000万円、BSは500万円、CSは300万円という具体的な数字が各局から内々に挙がっている。この格安料金に対し、巨人フロント陣がどう出るかが注目されているんです」(スポーツ紙巨人デスク) 巨人が頼りとする日テレも、'14年度のプロ野球巨人戦中継デーゲーム14試合のうち全国ネットは2試合にとどまり、12試合を関東ローカルで放送するのみ。 「地上波のナイター6試合は全国ネット、BS日テレは61試合を放送する。ただし'15年度は一切の白紙ですが、中継試合が激減することは間違いありません」(事情通) プロ野球選手たちにウン億円という年俸を支払える時代はそう長くは続かないだろう。“巨人といえば野球”という時代は、再び訪れるのか?
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スポーツ 2014年04月16日 11時00分
俺達のプロレスTHEレジェンド 第18R 日本育ちのアメリカンヒーロー〈ハルク・ホーガン〉
“ハルク・ホーガンは日本のプロレス界が育てた”というのは、とりわけ新日本プロレスファンにとっての誇りであった。 初来日時、既にWWF(現WWE)では王者ボブ・バックランドに何度も挑戦し、またアンドレ・ザ・ジャイアントとの対戦ではボディスラムで投げ飛ばすなどトップクラスの実績を残していた。そんな“インクレディブル(信じられない)”ハルク・ホーガンは、新日でも当初からMSGシリーズの特別参戦と、トップ級の扱いではあった。 だが、そのリング上での動きはというと、はっきり言って怪力頼りのデクの坊。初見で「日本では通用しない」タイプの選手と感じたファンも多かった。 それがいつしかグラウンドの攻防もこなすなど徐々に技術の向上を見せ始めると、試合でも猪木とのコンビでMSGタッグリーグ優勝、さらにはIWGP優勝と順調にポジションアップを果たしていった。 今で言うなら、昨年末の紅白に松田聖子とデュエットで出場した歌手のクリス・ハートのようなもので、デビュー前にはやはり日本人であるヒロ・マツダに師事し、テクニックもパフォーマンスも日本で学んだ“親日外国人”というのがファンたちの認識であった。 そんなホーガンが「イチバ〜ン!」と叫べば大歓声で応え、映画『ロッキー3』に出演すれば、まるで日本のプロレスが世界に認められたかのようにうれしく思ったりもした。 だが、1983年、WWFの全米侵攻の際にトップとして迎え入れられたホーガンは、そのうちに日本のリングと疎遠になる。 単にスケジュールの都合から来日できなくなったというだけでなく、映像で見掛けるアメリカでの戦いぶりも、日本でのそれとは全く異なる大味なものへと変容していった。 日本において決め技とされたアックスボンバーは、ただのつなぎ技とされ、フィニッシュは“ハルクアップ”からのレッグドロップ。勝利後のマッスル・パフォーマンスが、当時ホーガンの最大の見せ場であった。 完璧なスーパースターを演じ切るその姿は、日本のファンもアメリカと同様に、笑顔で歓声を送りたくなる魅力にあふれてはいた…。しかし、そこにいるのは日本で育ったはずの“超人”でも“現代に蘇ったネプチューン”(by古舘伊知郎)でもない、華美な衣装を身にまとうアメリカンヒーローの“アイコン”であった。 '87年の『レッスルマニア3』で主役を担ったホーガンが、アンドレとのメーンイベントで史上最多9万人以上の大観衆を集めたと聞いても、それは「日本に関係ない他の国の出来事」でしかなかったのだ。 そんなアメリカマット界の頂点に立ったホーガンが、'90年4月13日、久々に日本のリングに登場することになる。 東京ドームで行われたWWF、全日、新日合同興行『日米レスリングサミット』のメーンイベント。対戦相手は新日時代からの盟友であり、長きにわたって日本のトップに立ち続けたスタン・ハンセン。 当初はテリー・ゴディが予定されながら、前売り券が伸びなかったため急遽ハンセンに変更したともいわれるが、これはファンにとって願ってもないことで、当日は5万人を超える大観衆が押し寄せた。 いよいよメーン。会場には『サンライズ』に続いて『リアル・アメリカン』が流れる。花道のホーガンはアメリカでおなじみのサングラスとバンダナではなく、タンクトップにハチマキというシンプルなコスチューム姿であった。 ゴングが鳴ると同時に、ホーガンはロックアップから身体を回転させての腕絡みを披露すると、続いてカニバサミでハンセンの足を取って倒し、バックに回って攻め立てる。さらにコブラツイストでハンセンを締め上げ、場外戦へなだれ込むと、互いに額から大流血。グラウンドでの攻防に流血のラフファイト、いずれもアメリカではめったに見せない姿である。 フィニッシュもレッグドロップではなく、アックスボンバーを豪快にたたき込んでから見事にフォールしてみせた。 この日のホーガンはアメリカンヒーローではない、紛れもなく日本で育った「イチバ〜ン!」のハルク・ホーガンであった。〈ハルク・ホーガン〉 1953年アメリカ出身。'77年、覆面レスラーのスーパー・デストロイヤーとしてデビュー。ハルクをニックネームとして'79年、WWF参戦。初来日は'80年の新日本プロレス。以後、米国で転戦し、トップスターとして活躍した。
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スポーツ 2014年04月15日 11時00分
ダメ虎お家騒動 江夏vs掛布「次期阪神監督」抗争(2)
では、江夏擁立派がなぜ掛布氏の入閣を狙うのか。そこには“来季の江夏阪神”の願いが込められている。江夏氏と近い放送関係者が明かす。 「いまの阪神に掛布氏が入閣して一軍のユニホームを着たとしても、それなりに客は増えるでしょうが、優勝は望めない。巨人の戦力が抜きん出ており、とてもじゃないがかなわない。結果、和田監督は3年連続で優勝を逃し、勇退が確実。貧打も問われるだろうから、掛布氏も責任を取らされる。そうなっては、次期監督など望みようがない。そこが狙いです。いま慌ててしゃしゃり出なくとも、いずれ江夏待望論が出てくる。われわれにとって掛布氏の緊急入閣は大歓迎。ぜひそうなってほしい、と願っているのです」 逆に考えれば、中村GMにとって掛布氏の投入は最終兵器であり、負け戦が濃厚なこの時期に投入するわけにはいかない。「絶対に阻止」が本音なのだ。 もっとも、江夏氏のユニホーム復帰は掛布氏以上に難題が多い。 1993年には覚せい剤所持で現行犯逮捕され、2年4カ月収監された。血行障害と心臓疾患の持病もある。現役時代には黒い交際が発覚したこともあった。野球への真摯な態度、情熱は認めるものの、公人ともいえる阪神タイガース監督を疑問視する人は多い。 「現在の江夏氏はカドがとれ、毛髪も薄くなり、達観したかのように丸くなった。本人が『もし刑務所に行っていなかったら死んでいた』と話すように、規則正しい生活の中で健康と本来の自分を取り戻したのでしょう。落合博満氏と雰囲気がそっくりになってきた。両者は一匹狼という共通する部分が多く、仲もいい。野球が大好きなのです。その落合氏が中日で成功した経緯もあり、阪神内にも江夏氏を思い切って起用してみては…、の声があるのは事実です。とりわけ、元監督の野村克也氏が江夏擁立を支持しており、今季の阪神がBクラスに転落すれば、この“劇薬”の投入は検討に値するでしょう」(阪神OBの野球解説者) 江夏氏に阪神監督を受ける意思はあるのか。阪神球団サイドは、条件が整えば可能性はあるとみている。“条件”とは金銭面ではなく、チーム体制だという。 「現役時代に阪神のお家騒動に巻き込まれる形で南海にトレードされ、苦い思いを味わった経験から、フロント陣の全面支援を強く望んでいる。江夏氏が最も信頼を寄せ、人間としても尊敬しているのが国民栄誉賞を受賞している衣笠祥雄氏です。その衣笠氏がGMまたは球団幹部でフロント入りすれば、江夏氏の心は動く。もう一人、これからの日本球界に必要、と高く評価しているのが、野茂英雄氏です。近鉄時代からアドバイスを送り、自分が果たせなかったメジャーでのプレーを日本のパイオニアとして切り開いた生きざまにほれ込んでもいる。玄人筋の人気が見込める野茂氏を引き込めれば、タイガース人気も浮上する。外部の血を積極的に注入することでダメ虎を猛虎に変えるのでしょう。体力的にはもって2年。チームの体質改善を終え次第、バトンを渡す考えのようです」(江夏氏と懇意のスポーツライター) 江夏VS掛布の「次期阪神監督抗争」はペナント戦以上に目が離せない。
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スポーツ 2014年04月14日 11時00分
ダメ虎お家騒動 江夏vs掛布「次期阪神監督」抗争(1)
オープン戦の不調が本物だったことを示すように低空飛行を続けている阪神。開幕カードの巨人戦では3試合で47被安打27失点。しかも頼みの西岡が飛球を追った際に福留と衝突し、鼻骨と肋骨を骨折。復帰は早くとも5月20日の交流戦開始以降というから大変だ。 開幕前に「非常に危機感をもっている。このままではチケットの売れ行きがサッパリだ」と嘆いた坂井信也オーナーの危惧は現実のものとなりつつある。 そこで聞こえてきたのが、現在、二軍にいる掛布雅之DC(GM付育成&打撃コーディネーター)の一軍引き上げ案だ。4月11日から甲子園球場で行われる巨人3連戦でもチケットが売れ残るようなら、ミスタータイガースの神通力でダメ虎をよみがえらせ、オールド阪神ファンを呼び込むしかない。掛布氏の入閣をチケットの販促につなげようという作戦なのだ。 「人気選手の西岡が戦列を離れたのが何より痛い。レギュラーにはこれといったフレッシュな人材がいない。それでも首位争いを演じていれば客は来るが、こうも2けた失点が続けば、ソッポを向かれて当然。こうなったからには、二軍で指導している掛布氏を一軍に呼び、起爆剤になってもらう。そういう声が球団内外から日増しに強まっています」(阪神担当記者) その兆しはある。4月2日の中日戦では先発したドラフト6位ルーキーの岩崎が5回3安打無失点の好投。西岡の穴を埋める上本、ゴメスの加入でスタメン落ち危機の新井兄弟、不振の福留に代わって右翼を守った俊介らのハッスルで、15−0で圧勝した。掛布氏が提唱する「ベテランにばかり頼らず、試合に出たくてウズウズしている若手や中堅を積極起用する」策が見事にはまった格好だ。 「和田監督は今季が3年契約の3年目。通常なら夏前からストーブリーグが始まるが、今年は思いのほか早く、水面下では次期監督が焦点になっている。そこから伝わってくるのは、掛布氏の名前。『阪神最後の大物』と言われながら、まだ一度も監督に就いていない掛布氏に託す以外にタイガース再生はない、というのです。選手たちもそっち方面に神経をとがらせ、試合に集中できないでいる」(別の阪神担当記者) 一方、監督の人選をつかさどる立場の中村GMにも異存はなさそうだ。掛布氏は千葉県の後輩。実質経営する会社が4億円の負債を抱えて倒産し、金銭トラブルがマスコミをにぎわせている中で、DCに就任させたのも中村GM。もちろん、その延長線上には“ポスト和田監督”があり、掛布政権を誕生させることで、自身もまた引き続きGMにとどまろうという、政治的思惑も透けて見える。 このように、掛布氏の緊急入閣は中村GMにとっても渡りに船の話に聞こえるが、「掛布緊急入閣」を仕掛けているのは、実は次期監督に別の人物を推す阪神OBグループだというウワサもある。 中村GMは掛布氏の入閣を推進するどころか、逆に制止しているというから、わけがわからない。 「中村GMはスポニチ、野村監督はサンスポといった具合に、阪神の監督は各スポーツ紙で評論家を務め、虎党の支持を背景に阪神の監督に就く。掛布氏の場合、日本テレビ=報知のイメージが強すぎて、在阪スポーツ紙は決して快く思っていない。巨人が優勝し、阪神監督まで巨人系となっては、売り上げに響く。そこで対抗馬に推しているのが、掛布氏以上に超大物の江夏豊氏なのです。江夏氏はテレビ大阪とデイリースポーツで評論活動を続け、タイガースの試合を最も見ている。現役引退以来、一度もユニホームを着ていない江夏氏が監督に就任すれば、マスコミの話題になるだろうし、こと野球への情熱、観察力で右に出るものはいない。虎党にはバラエティー色が強い掛布氏より、心底野球好きの江夏氏に期待する声が大きいのです」(スポーツ紙デスク)
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スポーツ 2014年04月13日 11時00分
松井裕樹を潰す雑草新人
楽天の黄金ルーキー・松井裕樹(18)にとっては、何ともホロ苦いデビューとなった。4月2日、対オリックス2回戦(コボスタ宮城)でプロ初先発も、6回3失点で敗戦投手となってしまった。 「高卒一軍入りは松井だけ。ここだけの話、松井のフィールディング、けん制はまだ一軍レベルではありません。そういう欠点をわかった上で一軍入りさせたのは『実戦の中で育てていく』という星野監督流の愛情でしょう」(ベテラン記者) 失敗も将来の糧となる。だが、敵となるのは相手打線だけではない。今季、開幕一軍入りを果たした新人は少なくないが、松井以外は大学、社会人を経験したオトナたちばかりだ。 「開幕で4番を務めた井上晴哉(千葉ロッテ)、途中出場ながら開幕戦でマスクをかぶった小林誠司(巨人)、同じく捕手の梅野隆太郎(阪神)、ローテーション入りを果たしそうな吉田一将(オリックス)…。彼らは高校時代は無名に近く、大学や社会人で鍛えられてプロ入りしました。泥臭さというか、芯の太さがあって、一度や二度の失敗でもめげないたくましさが感じられます」(同) 社会人ナンバー1投手だった吉田一将は、甲子園を経験しているが、グラウンドには立っていない。東海大学進学後も、同級生に菅野智之(巨人)がいたため、大舞台を経験していない。大多数の新人はこうした『無名時代の屈辱』をバネに努力を積み重ねてきただけに、エリートに対する敵愾心も並大抵ではない。 「どの新人も『松井には負けたくない』の思いが強いでしょう」(関係者) 星野監督は松井と『野村克也-田中将大』の師弟関係を踏襲したい気持ちがあるようだ。となれば、松井を“雑草新人たち”の標的にしない策を講じるべきかもしれない。
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