スポーツ
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スポーツ 2019年02月14日 17時50分
“キャプテン”川渕三郎氏も呆れた「高野連の頭の固さ」
昨年12月、日本高等学校野球連盟(高野連)は、高知商の硬式野球部員が同校ダンス同好会が主催した発表会にユニホーム姿で出演したことを問題視したばかりか、同好会が500円の入場料を取っていたことを「商業的利用に当たる」との判断を下した。その結果、高知商野球部長の謹慎処分が相当と、日本学生野球協会審査室に上申した。 この問題に噛みついたのが、元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏だ。川渕氏は「高野連は旧態依然たる体質を変えないといけない。野球以外の活動に自由に参加することがなぜいけないのか。(500円の入場料=商業利用については)甲子園などで入場料を取っていることとの整合性が取れない。だいたい500円ぐらいで制裁する権利があるのか。高野連が絶対不可侵の神聖な団体であるかのように思っていること自体がおかしい」と吠えまくった。 ネット上には《高野連は長い間、朝日、毎日両新聞社と高校野球関係者だけで構成されていて、一般常識とかなりかけ離れている。川淵さんのような人がもっとアピールしてほしい》《川淵さんに賛成! 高野連は一度解体して利権を廃止して再構築するべきです》 などと、川淵氏支持の意見であふれた。 もう1人、高野連の在り方に異を唱えたのは、横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智外野手だ。去る1月25日に都内の外国特派員協会で行なった会見で、「新聞社が高校野球を主催しているので…。(メディアの側にも)子供たちにとって良くないと思っている方がたくさんいると思う。高校野球が悪というか、すべてを否定しているわけではないですが、子供たちのためになっていないという思いを(メディアが)なかなか伝えきれていないのが現状だと思います」と語った。 この筒香の発言に呼応して動いたのが、スポーツ庁の鈴木大地長官だ。2月4日に共同通信のインタビューに応じた鈴木長官は、高校野球の球数制限導入に言及した。《(高校野球に)人生を賭ける、肩が壊れてもいい、という人もいる。それは個人の自由かもしれないが、世間がそういう空気、流れを作っているかもしれない。若い人にはその後の進路などいろいろな可能性がある。自分の可能性を低く見積もらないでほしい》 この発言の裏には、新潟県高野連が今春季大会で導入しようとした球数制限に高野連が猛反発したことがある。高野連は、高校野球特別規則に規定がないこと、また県大会を勝ち上がって参加する北信越大会とルールが統一されないことを理由に、2月20日の理事会では新潟県連の決定を認めないとしたのだ。 権威をかざし、旧態依然の意識に凝り固まる高野連。そしてそのバックにいる、旭日旗の社旗を掲げても某国に批判されない某大新聞だけが時代から取り残されている。
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スポーツ 2019年02月14日 17時30分
DeNA・今永選手らと“交換留学” 豪リーグの親日家投手がベイスターズキャンプに参加
ベイスターズは昨年夏、戦略的パートナーシップ契約を結んだ、オーストラリアン・ベースボールリーグの強豪チーム“キャンベラ・キャバルリー”から、スティーブン・ケント投手と、スティーブン・チェンバース投手の2投手が春季キャンプに参加すると発表した。 両選手とも入団テストの形の参加ではなく、球団や選手同士、お互いの関係性を更に深める取り組みとして実施。昨年末から1月末まで、今永昇太、三上朋也、国吉佑樹、青柳昴樹の4選手がオーストラリアン・リーグに参戦していた事から、それに対するちょうど“交換留学”のような形で、沖縄・宜野湾でのキャンプへの参加となる。 これは“戦略的パートナーシップ”を結んでいる両球団にとって、対等の立場で共通のミッションを果たすという理念の本気度が、スティーブン・チェンバース投手の参加に見て取れる。 チェンバースは12年に大和侍レッズ、翌年は新潟アルビレックスBC、15年にも再び新潟アルビレックスBC、16年には香川オリーブガイナーズに所属している。関西独立リーグ、BCリーグ、四国アイランドリーグの3リーグを経験している稀有なプレーヤー。本人も「日本でプレーする中で素晴らしい友人と出会い、文化を学んだ。有意義なものであった。語学も必死に取り組んでいた」とコメントしている通り、日本文化にも造詣が深く、日本語も流暢に話すということからも、両球団への橋渡し役にはうってつけの人材。親日家で、先月日本国籍を取得し、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに所属していたこともあるラミレス監督との共通点も多く、ベイスターズにフィットする可能性は高いのではないか。 オーストラリアン・リーグにフル参戦していた国吉が、「野球を楽しむ」姿勢に感銘を受け、それにより自らの考え方もポジティブになったと語っていた。また、キャンプ前にラミレス監督も「エンジョイしましょう」と公言していた。この流れの中で、オーストラリアのベースボールの風を運んで来てくれることは、ベイスターズにとって追い風になることは間違いなさそうだ。取材・文 / 萩原孝弘写真提供 / (C)横浜DeNAベイスターズ
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スポーツ 2019年02月14日 06時00分
IWGP新王者ジェイ・ホワイト「NJCで実力を証明してみろ!」と内藤哲也を挑発!
新日本プロレスは12日、都内の事務所で『THE NEW BEGINNING in OSAKA』エディオンアリーナ大阪大会の一夜明け会見を行った。棚橋弘至を破り、第68代IWGPヘビー級王者となった“スイッチブレード”ジェイ・ホワイトが出席した。 「名前のプレートは付け替えたけど、このベルトもだいぶ傷んでいるようなので、しっかり直さなくてはいけないところがあるな」 ジェイは持参したベルトを指差しながら話すと、ベルトにスイッチブレードのネックレスをかけ、サングラス越しに笑みを浮かべた。 それもそのはず。新日本はアメリカの団体ROHと合同で開くマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)大会『G1 SUPERCARD』(日本時間4月7日、ニューヨーク)のメインイベントでIWGPヘビー級選手権試合を開催すると正式に発表。『ニュージャパンカップ2019』(NJC、3月)の優勝者が王者のジェイに挑戦する。今年のNJCの優勝者は、IWGPインターコンチネンタル王座、NEVER無差別級王座への挑戦権がなくなったことで、IWGPヘビー級王座との二冠を狙う内藤哲也のエントリーも可能になったのだ。 「ナイトーがこのベルトにも狙いを定めているとコメントをしたかもしれないが、だとしたら歓迎するよ。NJCでせいぜい頑張ればいい。今からメッセージを言おう。もし、これを内藤が見ていないと言うなら、子分のEVILでもSANADAでもいいから、しっかりとこれを見るように伝えてくれ。もし、このベルトを獲りに来るのなら、NJCで自分の実力を証明して見せるがいい」 ジェイは生配信中のカメラに向かって、覚醒後まだ“触れていない”内藤を挑発した。大阪大会では欠場中の飯伏幸太が登場し、NJCから復帰する考えを明らかにしているが、飯伏に関しても意識している模様だ。 既に勝っているオカダ・カズチカや棚橋は視界に入っていない。棚橋に関しては「もしMSGに来るようであれば、第1試合のタッグマッチか何かで楽しい試合をして、ファンの前に姿を現す。それぐらいでいいんじゃないか?」とロートル呼ばわりした。 しかし、前夜の棚橋戦で見せたインサイドワークについては「もうバカみたいに打ち合ったり、ダメージを与え合うのが、闘いではないと思っている。もう自分の脳にダメージを与え続けることをやっても仕方がない。だからこそダメージが少ない闘い方をした。そして、それが正解であったということが、今、目の前にベルトがあることで証明できたと思う」と持論を展開。皮肉にも棚橋がケニー・オメガと争ったイデオロギー闘争と通じる部分をジェイからも感じた。 「MSGは伝統のある素晴らしい会場だ。そこで俺は、史上初のIWGPヘビー級ベルトを巻いて花道を歩く男になるんだ。そして、史上初のIWGPヘビー級ベルトを防衛する男になる。みんな気に入らないだろうな」 「オレは(客寄せ)パンダにならない」とジェイ。ファンが納得しなくても、支持をしなくても関係ないという。「自分自身がベルトを持って新日本プロレスのフロントマンとして立っている。これだけで絵になるし、新日本プロレスを世界規模の団体に押し上げることは可能だと思う」とまで言い切った。 オカダやケニーが歩んだモンスター街道を順調に歩んでいる26歳の新日本生え抜きの外国人選手だが、ファンの支持はまだ得ていない。内藤がそうだったように、ここからはジェイとファンの我慢比べ。己の力で“望まぬ”支持を得られるかどうかが大きなポイントになるだろう。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年02月13日 17時30分
テレビ中継のため?セ・リーグがDH制を導入する日が…
野球のルールが急速に変わろうとしている。オリンピックや国際試合への適応が求められる中、日本は“受け身のまま”で大丈夫なのだろうか。 大リーグ機構と同選手会はベンチ入りメンバーの増員や、投球間隔を短くする「20秒ルール」の徹底などを協議している。その中で、今回は見送られるが、導入は時間の問題と目される“大きなルール変更案”についても意見交換されていた。ナショナル・リーグへの指名打者制(DH)の導入だ。 「(導入するとしたら)早くても2022年以降になる」 マンフレッド・コミッショナーはそうコメントしていた。しかし、ナ・リーグへのDH制導入はずっと以前から協議されていたものだ。仮に導入されるとなれば、日本のプロ野球界にも影響が及ぶだろう。投手が打席に立つ日本のセ・リーグが取り残されてしまうからだ。 米国人ライターがこう続ける。 「ベンチ入りメンバーの増員、20秒ルールの徹底、そして、DH制。大リーグ機構と選手会は、実は『同じテーマ』を話し合っているんです。全ては試合時間の短縮ですよ」 ベンチ入りメンバーが増えれば、指揮官は選手交代で迷う場面が減る。特に捕手がそうだが、特殊なポジションを守る選手がいなくなると試合が成立しない。指揮官は捕手、遊撃手など守備のキーマンに代打を送るとき、迷い、考えることが多いという。 また、DH制が導入されれば、次イニングの攻撃で投手に打席が回ってくるかを考えずに済む。20秒ルールの徹底もそうだが、選手交代による「時間のロス」をどう減らすかが話し合われていたわけだ。 東京五輪の野球・ソフトボール競技においても、聞き捨てならない情報が交錯していた。次大会のフランス・パリ大会では、野球・ソフトの継続は決まっていない。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)も存続を訴えている。しかし、1月末に開催されたWBSC理事会で、同主催の一部国際大会を「7イニング制」に変更する方針を固めた。東京五輪は通常ルールの9回で行われるが…。 「他競技も競技時間の短縮に乗り出している。野球・ソフトも…」 主要理事は会見でこのように話していた。 日本のペナントレースも時間短縮に努めている。NPBの公式HPには平均試合時間数を表記。球場でもバックスクリーンに試合時間をカウントする時計を設けるなどしている。そこまで過敏になる理由があるのだろうか。 「テレビ局の意向ですよ。五輪もメジャーリーグ中継も巨額の放映権料で支えられています。『試合終了時間が読めない』というのが、野球競技の弱点でもあるので」(前出・米国人ライター) 7イニング制になれば、ベンチ入りメンバーが減り、五輪大会の支出減にもつながる。2イニング短縮すれば、テレビ中継の可能性も広がるというわけだ。 日本の野球は選手起用を心理戦として、ファンを楽しませてきた。スピード感のある試合展開にすることは否定しないが、そのうち、日本のセ・リーグもDH制の導入を真剣に検討しなければならないときが来るようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年02月13日 11時30分
堀内元巨人監督が“松坂問題”を非難「サインを書くのは当たり前のことじゃない」
元巨人監督の堀内恒夫氏が12日、自身のブログを更新。中日・松坂大輔投手が、サイン転売やファンの過剰な接触で被害を被っている現状について言及した。 「スポーツ紙そして昼の情報番組で取り上げられていたのをたまたま目にしたけれど」と記した堀内氏は、まずサイン転売について持論を展開。オークションサイト上に出品されている転売品の画像を紹介し、「これを見て、どう思うかい?」とファンに問いかけた。 以前にも、ブログで同様の話題に触れていた堀内氏は、「声をあげ続けることによって買う人が1人でも減り売る人が1人でも減ってほしい」、「『選手のサインがほしい』お金を出して買おうとしている人は少し立ち止まって考えてほしい」と自身の心境を吐露。最後は「サインを書くのは当たり前のことじゃない」と、改めて注意喚起を促した。 続いて、「もう1つの問題 松坂くんがファンに接触した件に関してだけど」と綴った堀内氏。「今回は、松坂くんの右肩っていうんだから問題も深刻だ。いや、決して左だから良いってことでもないけどさ」と患部の状態を危惧しつつ、「彼には1日でも早く回復できることを心から祈ってるよ」とエールを送った。 2つの話題に言及した後、「さて最後に改めて声を大にして言いたい」と切り出した堀内氏は、「選手がサインを書くことはあくまでもファンサービスとして、だ。それよりもまず大事なのはいいプレーをファンのみなさんへお見せすること それには怪我や故障があってはならない」と持論を展開。そして、「今ある問題に対して『キリがない』『難しいことだ』と諦めず みんなで関心をもって改善できるような方向へ」と訴えかけた。 “松坂問題”を例に挙げ、選手とファンの関係のあり方について論じた堀内氏。これを受けたネット上には、「これは堀内さんの言う通りだと思う」、「ほとんどのファンは理解してくれるはずです」、「1人でも多くの人に読んでほしい、そして何かを感じてほしい」といったコメントが寄せられている。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2019年02月13日 06時00分
新日本、棚橋弘至“鬼門”2月の防衛に三たび失敗!ジェイ・ホワイトがIWGP新王者に!
新日本プロレス『THE NEW BEGINNING in OSAKA』▽11日 大阪・エディオンアリーナ大阪 観衆 5,570(札止め) 新日本プロレス1.4東京ドーム大会で、涙のIWGPヘビー級王座8度目の戴冠を達成した棚橋弘至がベルトを明け渡した。自身のチャンピオンロードの中で初めて、1度も防衛することなく昨年秋からモンスター化したジェイ・ホワイトに敗れた。 棚橋人気が高い大阪のファンが静まり返った…。 1.4ドーム大会の大会終了後、棚橋が勝利者インタビューを受けている際に、突然現れ棚橋に挑戦表明したジェイ。ジェイはドーム大会でオカダ・カズチカを“正攻法”で倒しているだけに、棚橋に断る理由はない。「俺とオカダを組ませたんだから新日本のキーパーソンでしょうね」と評価していた。しかし、オカダと組んだ前哨戦では、ジェイのブレードランナーを食らい続け、2.2札幌・北海きたえーる大会では新技TTO(裏足4の字固め)でギブアップ負けを喫している。また椅子を使って棚橋のウィークポイントの膝を徹底攻撃していた。TTOは棚橋の膝にダメージを与えるには効果的な新技だ。 「大丈夫!」 自らそう言い聞かせて臨んだ初防衛戦だったが、試合は一進一退の好勝負に。ジェイの攻撃をスリングブレイドで切り返し続けていく棚橋。マネージャーの外道が巧みなインサイドワークを見せる中、ジェイも棚橋の厳しい攻めを受けまくった。さらにこの数ヶ月で身につけたテクニックで、棚橋に“間”を持たせず、掟破りのドラゴンスクリューを披露。駆け引きの面でも成長を見せつけた。最後もハイフライフローを避けた瞬間を捉えて、ブレードランナー一発で3カウントを奪取。26歳のジェイが外国人選手最年少のIWGPヘビー級王者となった。30分を超える激闘を制したジェイに対し、棚橋は精根尽き果てた様子を見せた。 棚橋は過去、オカダとAJスタイルズに2月、大阪でIWGPヘビー級王座を奪われており、2月の大阪での防衛戦は“鬼門”。今回ジェイに敗れたことで、この印象がより鮮明になった。果たして9度目の戴冠はあるのか?3月に開催される春の最強戦士決定トーナメント『ニュージャパンカップ』への出場も含めて動向が注目される。 ジェイはケニー・オメガ、オカダ、棚橋といった歴代のIWGPヘビー級王者を倒してきた。しかし、まだファンの支持は得られていない。この勢いが本物かどうかを見極めるには「IWGPヘビー級王座とインターコンチネンタル王座の二冠」の偉業を狙う“あの男”との対戦しかないだろう。ジェイと内藤哲也との接触はもう間近だ。文・取材・写真 / どら増田・渡辺潤
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スポーツ 2019年02月12日 22時10分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「ジョニー・パワーズ」猪木とNWF王座を争った新日草創期の看板外国人
新日本プロレスの草創期、看板外国人選手の1人として、アントニオ猪木とNWF王座を争ったジョニー・パワーズがいた。自分勝手で試合は“しょっぱい”との評も聞かれたが、外国人招聘のブッカーとして助力するなど初期新日には欠かせない選手であった。※ ※ ※ 一口にチャンピオンベルトと言ってもプロレスとボクシングでは大きな違いがある。ボクシングの世界王座では一般的にベルトは王者の所有物となるため、王座挑戦時に収めるコミッショナーへの承認料には、新規ベルトの制作代金が含まれている(ただし、負けても代金は還ってこない)。 一方、プロレスの場合は基本的に団体もしくはコミッションの管理物で、それを時々の王者が持ち回りで預かるかたちだ。 これはベルトに対する考え方の違いによる。ボクシングのベルトは王者が勝ち取ったもの、プロレスのベルトは興行に箔付けするためのアイテムなのだ。 ボクシングの王者はあくまでも個人の成果で、プロレスは王者が団体の顔として興行を背負う…つまりは王者の人気や能力がベルトの価値とイコールになる。「NWA王座にしても初代王者を“第38代”としたように、その成り立ちは実にいい加減なものでした。これを世界最高峰にまで至らしめたのは、団体の力というよりルー・テーズやハーリー・レイスといった歴代の名王者たちの力によるところが大きい」(プロレスライター) 逆に言えば、WWF(現WWE)に1984年からの世界侵攻を許して、NWAが衰退していったのも、WWF=ハルク・ホーガンとNWA=リック・フレアーの差であったと考えられようか。 新日本プロレスがIWGPを独自で立ち上げる以前にメインタイトルとしたNWF王座も、来歴を振り返るとアメリカ北東部のローカルタイトルにすぎなかった。その価値を日本国内で高めたのは、まさしくアントニオ猪木の力によるものである。 NWFが設立されたのは’70年で、新日旗揚げのわずか2年ほど前のこと。団体創設者でもあるジョニー・パワーズはフレッド・ブラッシーを下して初代王者となり、ジョニー・バレンタインやアブドーラ・ザ・ブッチャーらと抗争を繰り広げた。 しかし、’73年に2度目の王座に返り咲いた後の防衛戦では、猪木の挑戦を受けて敗退。以後、NWFのベルトは新日の管理下に置かれ、’81年にIWGP構想とともに封印されている。「猪木にベルトを奪われたことで、アメリカのNWFが衰退したとする説もまことしやかに流れたが、これは事実ではありません。不動産のサイドビジネスでの負債返済のため、パワーズが新日へNWF王座の権利を譲渡したというのが真相で、この際の売却額は1万ドルといわれています」(同) 70年代中盤は円ドルが固定相場から変動相場へ移行したばかりの頃で、為替レートは1ドル300円前後。物価も現在の3分の1程度だったことから、当時の1万ドルは現在の1000万円程度の価値と推測できる。★日本での評価を覆す実力の片鱗 こうした経緯もあり、パワーズに対しては“猪木にベルトを譲った選手”というぐらいの認識しかない日本のファンは多いだろう。必殺技のパワーズ・ロック(8の字固め)も、うたい文句は“4の字固めの2倍強力”であったが、見た目には4の字と大差がなかった。 後年、猪木自らも「パワーズは下手くそだった」と評している。しかし、パワーズの記録をひも解くと、アメリカにおいてはルー・テーズやジン・キニスキーのNWA、ブルーノ・サンマルチノのWWWF、バーン・ガニアのAWAといった主要タイトルへの挑戦もあり、独立系レスラーとしてはかなり幅広く活躍していた様子もうかがえる。 ’60年のデビュー当時は、金髪のイケメンレスラーで“ブロンドボンバー”とも呼ばれていたようだ。日本ではカーリーヘアのイメージだが、それは壮年期から着用するようになったカツラであり、猪木に卍固めを決められた際には、頭に足がかかってカツラが外れないよう必死に防御していた。すると、その姿がもがき苦しんでいるようにも見え、フィニッシュシーンがより鮮烈になるという副産物もあった。「今になって猪木戦の映像を見ると、上背もパワーもそれなりにあるし、動きはもっさりしているものの、スピニング・トーホールドからパワーズ・ロックにつなぐ脚攻めも理にかなっている。ただ“死神”のニックネームもあったように、とにかく表情が暗い。それでいて攻められたときのリアクションは大げさでわざとらしく、ニヒルな悪役が一転して苦しむ姿に喜ぶのがアメリカ流なのでしょうが、日本のファンには合わなかった」(同) なお、独立欲が強くサイドビジネスに熱心というのは、猪木にも通じるところがあり、仲間内からの批判が多いのも同様。似た者同士だったからこそ、新日とNWFのベルト移譲がうまくいったという側面はあったのかもしれない。ジョニー・パワーズ***************************************PROFILE●1943年3月20日生まれ、カナダ・オンタリオ州出身。身長191㎝、体重117㎏。得意技/パワーズ・ロック(8の字固め)文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2019年02月12日 21時30分
森井洋介がまさかのKO負け!アジアトーナメント決勝はKNOCK OUTとRISEの王者対決!
キックスロードKNOCK OUT 2019 WINTER 『THE ANSWER IS IN THE RING』▽11日 東京・大田区総合体育館 ヒジありのキックボクシングイベントKNOCK OUTで開催中のライト級アジアトーナメント準決勝が11日、大田区総合体育館で行われた。 準決勝第1試合には、KING OF KNOCK OUTライト級王者、ヨードレックペット(タイ)がボルドバートル(モンゴル)と対戦。1回戦で優勝候補の重森陽太を破った後に「ヨードレックペット?知らない」と言ってのけたボルドバートルが善戦したが、ヨードレックペットは終始リング上を支配。どっしりと構えるヨードレックペットに、ボルドバートルが動き回る展開で、最終5Rまでもつれたが、ポイントをしっかり奪ったヨードレックペットが3-0で判定勝ち。順当に決勝へ駒を進めている。 準決勝第2試合は、昨年4月にヨードレックペットに敗れ、ライト級のベルトを奪われた森井洋介が、RISEスーパーフェザー級王者、チャンヒョン・リー(韓国)と対戦した。森井がKNOCK OUT、リーがRISEを主戦場にしているため、両者の対決はドリームマッチとして注目されていた。 森井が戦前「かみ合うと思うのでいい試合になる」と話していた通り、1Rから両者はスイング。観客から常に声が飛び交う目まぐるしい展開を見せていく。終盤にリーがアッパーをヒットさせ、その後も右のローで森井を崩して1Rのスコアはリーが優勢に。2R、リーから受けていた右のローが効いてきたのか、森井はあまり動かないスタイルに。しかし、逆に左フックを食らいダウン。起き上がると再び左フックの3連打でダウン。これに場内は騒然。最後は右のローからの連打で3度目のダウンを奪われ、2R1分21秒、3ノックダウンでKO負けとなった。森井はしばらく立ち上がれず。試合後、「(リーの攻撃が)想像以上に効きました。完全にやられました」と完敗を認めた。 試合後、リーは「最初からローキックは狙っていた」と作戦通りだったことを強調。3月10日にはRISEの-61kg世界トーナメントにも出場するが「ダメージもなくコンディションもいい」と、3ヶ月連続で2つのトーナメントに出場することに「問題ない」とアピールした。ヨードレックペットは「最善を尽くしていい試合をしたい」と決勝に向けて意気込んだ。4月29日にベルサール高田馬場で開催される決勝戦はKNOCK OUTと、RISEの王者対決となった。 小野寺力プロデューサーは「ヨードレックペットはさすがの強さ。森井君とリーの試合はこんなに早く決着するとは思わなかったけど、アジアトーナメントとうたっている以上、外国人同士の決勝もあり得ること。KNOCK OUTのチャンピオンと、RISEのチャンピオン。どちらが強いのか楽しみ」と総括している。 「プロモートする立場からすると複雑」と小野寺プロデューサーが話していたように、知名度が低い外国人同士の決勝を初進出の会場のメインに据えるのは大きな賭け。森井の敗戦はKNOCK OUTにとっても痛い結果となったが、4月の大会には石井一成、小林愛三の参戦も決定している。新世代の台頭が待たれる。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年02月12日 21時15分
中日・根尾に開幕遊撃手は無理? 与田監督、“まだ京田の域に来ていません”とバッサリ
中日ドラゴンズの春季キャンプはドラフト1位の大物新人・根尾昂選手の話題でもちきりだが、開幕遊撃手争いは厳しいかもしれない。与田剛監督の話を聞く限り、先輩のプロ3年目で2017年セ・リーグ新人王・京田陽太選手にはまだまだ及ばないようだ。 野球評論家で元DeNA監督の中畑清氏は、7日放送の『追跡LIVE! Sportsウォッチャー』(テレビ東京系)で、根尾選手を取材。「今からでも十分開幕スタメンに間に合う」と太鼓判を押したものの、異論を唱える声が上がった。 まず、中畑氏の異を唱えたのがドラゴンズの与田監督である。10日放送の『スポーツスタジアム☆魂』(中京テレビ)で、中日キャンプを訪れた村上佳菜子が与田監督を取材。村上の「根尾選手のライバルでもある京田選手。私、同い年なんですけど、どうですか」という質問に対し、与田監督は「まだ僕の中ではね、根尾と京田はライバルじゃないんです。根尾はまだその域に来ていませんから」と言い切った。 また、野球評論家で元阪神の赤星憲広氏も、10日放送の『サンデードラゴンズ』(CBCテレビ)で「根尾選手(の開幕レギュラー)はないです」と断言。さらに「実績があるわけでもないですし、プロのレベルは甘くないですから」とコメントした。 これに対し、ネットでは「高卒ルーキーが何を焦ってんのか分からない」「松井秀喜だって、ルーキーの時は開幕二軍だった」「過大評価ランキング、根尾はダントツの1位だと思う」といった声が上がった。 セ・リ―グの高卒新人開幕スタメンは、1957年の元阪神・並木輝男氏、1959年の元巨人・王貞治氏、1988年の元中日・立浪和義氏以来は存在しない。 同じドラゴンズのレジェンド・立浪氏は1年目から遊撃手としてフルイニング出場を果たした。当時ショートのレギュラー・宇野勝氏を二塁にコンバートさせ、その後中日の主力選手として活躍。「ミスター・ドラゴンズ」と呼ばれた。このレジェンドに根尾選手も憧れて「開幕戦出場」と、気持ちが焦ったのかもしれない。 7日付の『中日スポーツ』では、立浪氏と与田監督の対談を掲載した。立浪氏からの「(根尾選手に対し)監督としてどういった方針をお持ちですか」という質問に対し、与田監督は「一番の目標はドラゴンズで15年、20年と活躍できるスターになってほしい」と答えた。 根尾選手の起用法は、与田監督にとって、一番の難問かもしれない。文・内木未希
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スポーツ 2019年02月12日 21時10分
SNS発信の名阪兄弟ゲンカ、タネヨシホが大崎孔稀に大逆転勝利!大会ベストバウトに!
キックスロードKNOCK OUT 2019 WINTER 『THE ANSWER IS IN THE RING』▽11日 東京・大田区総合体育館 大阪在住のタネ(多根)兄弟と、名古屋在住の大崎兄弟。名阪兄弟ゲンカが勃発したのは、昨年10月の後楽園ホール大会だった。KING OF KNOCK OUT初代フライ級王座決定トーナメント準決勝、大崎一貴(兄)とタネヨシホ(弟)の試合が大激戦となり、出血しながら突進していくヨシホに一貴がKO勝ちしたことが発端となっている。 この日の試合後、ヨシホはフライ級からの卒業を宣言。自身が対戦できなかった石井一成戦と、一貴へのリベンジを兄ヨシキに託した。ヨシキはジュニア時代に“神童”那須川天心とも対戦しており、将来が有望視されていたが、一時はキックの道を諦めた。ヨシホのマネージャー役を買って出て、自ら運転手を務めるなどサポートしてきた。 しかし弟がKNOCK OUTの舞台で闘う姿に触発されて昨年復帰。所属している直心会の会長も「兄貴の方が顔もイケメンで、キックのセンスはあった」と話していただけあって、復帰までに時間を要さなかった。もちろん目標は復帰するキッカケである「KNOCK OUTの舞台に立つこと」。いても立ってもいられなかったヨシキはツイッターで、弟の仇打ちと、石井一成戦をぶち上げる。すると、もう1人「KNOCK OUTに出たかった」男、大崎孔稀が噛みついてきた。孔稀は一貴の弟で、あの試合にもセコンドとして帯同しています。 「次は大崎兄弟(弟)対タネ兄弟(兄)が面白いんじゃない?やろうよ!」 孔稀の挑発に「その言葉に二言はないな」と切り返したヨシキ。さらに両者のやり取りはエスカレートし、ヨシキから「俺が勝ったら兄貴とやらせろ!お前が勝ったらヨシホとやらすから」と格闘技史上初の兄弟ゲンカに発展した。 これをキャッチしたKNOCK OUTの小野寺力プロデューサーは、1.16『ROAD TO KNOCK OUT』渋谷大会で2人の対戦をマッチメイク。試合はまたしても好勝負となり、孔稀がKO勝ち。試合後、“約束通り”にヨシホ戦を希望すると、ヨシホも「俺はヨシキより強いから!」と受諾。第3Rとして、KNOCK OUT本戦のオープニングマッチで弟対決が行われることになった。 タネ家と大崎家はよほど手が合うのだろう。この弟対決も1Rから見事に試合がスイング。大崎兄弟の地に足がついた試合スタイルは一貫している。パワーとプレッシャーに押され気味だったヨシホだが、3Rにヒジでカットさせた。すると4Rに孔稀がラッシュをかけて2度のダウンを奪取した。 しかしヨシホはなかなか倒れない。明らかにスタミナは切れていたが、倒れないのだ。4Rを気力でしのいだヨシホは、5R、ボディのラッシュで連続ダウンを奪いポイント面でもイーブンに持ち込むと、さらにボディのラッシュで万事休す。5R、わずか51秒で3ノックダウンを奪う大逆転勝利に場内は大いに熱狂した。 孔稀は「不甲斐ない試合。カットされて焦ったのもありますが、4Rに倒しきれなかったことが…」と試合を振り返った。大崎兄弟の完全勝利を止めたヨシホは「心折れそうになったけど、セコンドの顔を見たとき、みんなのためにも全てを出して倒しに行きました。めっちゃシンドかった」と苦笑いを浮かべた。 小野寺力プロデューサーと木谷高明オーナーはこの試合を大会ベストバウトに挙げた。「これぞKNOCK OUT!」というような試合を見せられたのは、負けた孔稀にとっても大きな収穫になったはずだ。ちなみに兄弟ゲンカの今後についてヨシホは「僕はもういい。次はタイ人とやって、55kgに行っても勝てる体を作りたい。そっちはお兄ちゃんに任せます」と先を見据えた一方で、孔稀は「リベンジしたい」と再戦を希望している。果たして第4Rはあるのか?この兄弟ゲンカはハズレがないだけに、兄弟による試合をまた見たい。取材・文・写真 / どら増田
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DREAM 切り札・所に賭ける
2009年07月31日 15時00分
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凶獣VS小川、初対決決定 猪木に本紙独占インタビュー
2009年07月30日 15時00分
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新日本プロレス 後藤 空手に四苦八苦
2009年07月30日 15時00分
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キックボクシング 棚橋 『過去』にギョッ!!
2009年07月30日 15時00分
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猪木 全国ツアー秘策あり
2009年07月30日 15時00分
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ノア 川畑 怪力特訓でベルト奪取誓う
2009年07月30日 15時00分
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アイスリボン 女優兼業レスラー志田光 上を目指す
2009年07月30日 15時00分
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スポーツ
個性派揃い「アイスリボン」 真琴、りほ、藤本つかさインタビュー
2009年07月29日 15時00分
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スポーツ
新日本プロレス 蝶野『新党』結成
2009年07月29日 15時00分
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スポーツ
戦極 石井慧焦る
2009年07月29日 15時00分
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スポーツ
戦極 王者・北岡悟 エロDVD作戦
2009年07月29日 15時00分
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スポーツ
ノア 小橋“非情”な挑戦者選び
2009年07月29日 15時00分
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スポーツ
球界因縁のライバル(最終回) 田中VS斎藤(下)
2009年07月29日 15時00分
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東尾氏 楽天監督に急浮上
2009年07月28日 15時00分
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プロレス界 新・勢力図はこうだ!!
2009年07月28日 15時00分
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メジャー連合緊急会談 11月にライセンス発行へ
2009年07月28日 15時00分
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戦極 野獣 “金髪”口ヒゲに変身
2009年07月28日 15時00分
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戦極 中尾 藤田さん乱入させて貰います
2009年07月28日 15時00分
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大日本プロレス デスマッチ王宮本貫録勝ち
2009年07月28日 15時00分