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球界因縁のライバル(最終回) 田中VS斎藤(下)

 早大・斎藤佑樹投手は、卒業までに山中正竹氏(法大)の持つ六大学リーグ通算最多の48勝、怪物と言われた江川卓氏(法大→巨人)の47勝にどこまで近づくか注目されている。
 「数字よりも勝率が重要。結果はあとからついてくる」と本人は言うが、どういう勲章をひっさげて、来秋のドラフトでプロ入りするか。ファンは今から期待に胸をふくらましているだろう。
 「期待通りに成長しているね。プロに入るときはぜひウチにきてほしい」。早実時代のハンカチ王子狂騒曲の最中、かわいい後輩に対し早大進学を勧めたソフトバンク・王球団会長は、その成長ぶりに目を細め、斎藤にラブコールを送っている。
 名実共に来年秋のドラフト会議の超目玉になっている斎藤の争奪戦は激烈なものになるだろう。現状のドラフト制度ならば希望枠がないので、何球団もが1位に指名できる。果たして交渉権をどの球団が獲得できるのか。今から興味は尽きないが、阪神にナンバーワンの座を奪われたままの人気回復が至上命令の巨人などは、希望枠の復活を画策しているという。
 球界を揺るがした江川事件を引き起こした過去のある巨人のことだけに、何を仕掛けてくるかわからない。しかし、最終的に斎藤がどの球団に入ろうと、楽天ゴールデンイーグルス・田中将大とのライバル物語復活だけは間違いない。

 2006年夏の甲子園では、早実と駒大苫小牧の両校のエースとして決勝再試合を争い、斎藤が勝ったが、プロではどちらが勝者になるのか。いきなりプロ入りした田中が順調に勝ち星を伸ばす一方で、4年間の大学生活を送る斎藤にハンディがあるのは仕方ないが、ソフトバンク・王球団会長がアドバイスした通り、急がば回れだ。勝負はゴールを切るまでわからない。ただ言えるのは、田中VS斎藤が今後のプロ野球界を支える最大の宿命のライバルであり続けることだ。
 11月22日に東京ドームで行われるセ、パ分立60周年記念の「プロ・アマNPB60周年センバツ野球」の若手プロ選抜VS大学選抜の目玉に期待されるのが、楽天・田中VS早大・斎藤というだけでない。2016年の五輪で野球競技復活を目指す、プロ・アマ合同の全日本野球会議は、今年春にこのコンビを起用して、PR活動を展開している。
 北京五輪に日本代表として出場したものの、メダルを逸して悔しい思いをした田中は「リベンジしたい オリンピックで」。斎藤の方は「自分も投げたい オリンピックで」と、それぞれの思いをアピール。撮影は、田中がキャンプ地の久米島で、斎藤は神宮球場で行われた。
 選抜高校野球大会が行われた甲子園をはじめ、東京六大学野球の舞台の神宮球場や、社会人野球、さらにはプロ野球12球団のフランチャイズ球場で流された、野球競技のオリンピック復活をファンにアピールするプロモーションビデオだが、そっくりそのまま来年秋のドラフト会議以降のプロ野球界でも応用できるだろう。
 今から8年後、28歳となり、投手としての円熟期を迎えた田中VS斎藤がどういうライバル対決を演じているのか。野球ファンならば、想像するだけでもワクワクするだろう。(終わり)

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