「評論家はみんな頭を丸めなくてはならんよ」
こう語るのは巨人の大物OB。開幕前、ほとんどの評論家が「優勝は巨人」と予想した。ところが開幕戦から5連敗。その後もオタオタした戦いぶりで、この分ではBクラスの可能性が大という状態だ。
「なにがひどいかって言えば、開幕前のメンバーと現在はまるで違うこと。あの重量打線はどこへいったのか。故障者続出が原因ですよ。これも原監督の管理能力のなさに原因がある。まあ、選手の方も監督をナメきっているところがあるけどね」と恐縮する評論家。
高橋由は腰、二岡智宏、李承はヒザ故障でお休み中。エース・上原浩治も2軍で調整という名の休暇中。小笠原道大もケガをおして出ている。阿部慎之助もおかしい。まともなのはラミレスとグライシンガーぐらいという有様である。
事情通が語る。
「巨人のフロントは、今年はあきらめた、と腹を決めたそうです。つまり、原監督は今季限り、ということ。この秋の練習に向けて新監督の候補にあたっている、と聞いています」
巨人は人事のとき容赦なくやる。なにしろ長嶋茂雄、王貞治といったビッグネームも切った実績がある。
「だから原のクビを切るのは簡単。過去(2003年)にもやっているしね」(巨人OB)というのは事実。
後任候補に挙がっているのは解説者の江川氏とアメリカから出戻りの桑田氏。担当記者によれば「2人ともヤル気マンマン」だそうである。
「江川の解説はもうあきられている。本人も感じているようだ。そろそろ他の道をと考えているらしい。といって野球以外に使えない。巨人監督の座は魅力だし、借金問題もまだあるようだが、正式要請があれば二つ返事ではないですかね」(テレビ関係者)
もう1人の“候補者”桑田についてもこんな声が。
「巨人ファンは桑田が好きなんですよ。桑田もそれを知っている。アメリカから帰国したとき、引退などと格好つけていたが、実際はクビだから大恥をかいたわけ。それでも野球知識は豊富だし、少なくとも原や江川よりも緻密な野球をするはず」(担当記者)
現在は水面下での話だが、関係者によれば「新監督の話は夏場に浮上してくるでしょう」とのこと。ということは、今は2人からの条件を聞いているのかもしれない。つまり“調整中”と見ていいのではないかという。
江川氏の名前は以前にも出たことがある。そのときは「年俸で折り合わなかった」(ベテラン記者)という。監督になれば完全に拘束されるから収入に響く。当時の身分なら講演などの副収入がばかにならない。監督は収入減になるから拒否したといわれている。今回もその点がポイントだろう。
「察するに、江川は副業の収入も保証しろ、ということになるでしょう。条件が合えばということになるが、彼にとって再び訪れたチャンス。OB会から異論が出るかもしれないが可能性はある。その点、桑田は素直に受けるのではないか。利口なところがあるから、その辺は分かっているはず。桑田監督ならOB会はまとまるのではないか」(大物巨人OB)
いずれにせよ、原監督の続投という声は、関係者の中から聞こえてこない。江川氏と桑田氏の動向が気になる季節である。