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SNS発信の名阪兄弟ゲンカ、タネヨシホが大崎孔稀に大逆転勝利!大会ベストバウトに!

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タネヨシホ、タネ♡ヨシキ

キックスロード
KNOCK OUT 2019 WINTER 『THE ANSWER IS IN THE RING』
▽11日 東京・大田区総合体育館

 大阪在住のタネ(多根)兄弟と、名古屋在住の大崎兄弟。名阪兄弟ゲンカが勃発したのは、昨年10月の後楽園ホール大会だった。KING OF KNOCK OUT初代フライ級王座決定トーナメント準決勝、大崎一貴(兄)とタネヨシホ(弟)の試合が大激戦となり、出血しながら突進していくヨシホに一貴がKO勝ちしたことが発端となっている。

 この日の試合後、ヨシホはフライ級からの卒業を宣言。自身が対戦できなかった石井一成戦と、一貴へのリベンジを兄ヨシキに託した。ヨシキはジュニア時代に“神童”那須川天心とも対戦しており、将来が有望視されていたが、一時はキックの道を諦めた。ヨシホのマネージャー役を買って出て、自ら運転手を務めるなどサポートしてきた。

 しかし弟がKNOCK OUTの舞台で闘う姿に触発されて昨年復帰。所属している直心会の会長も「兄貴の方が顔もイケメンで、キックのセンスはあった」と話していただけあって、復帰までに時間を要さなかった。もちろん目標は復帰するキッカケである「KNOCK OUTの舞台に立つこと」。いても立ってもいられなかったヨシキはツイッターで、弟の仇打ちと、石井一成戦をぶち上げる。すると、もう1人「KNOCK OUTに出たかった」男、大崎孔稀が噛みついてきた。孔稀は一貴
の弟で、あの試合にもセコンドとして帯同しています。

 「次は大崎兄弟(弟)対タネ兄弟(兄)が面白いんじゃない?やろうよ!」

 孔稀の挑発に「その言葉に二言はないな」と切り返したヨシキ。さらに両者のやり取りはエスカレートし、ヨシキから「俺が勝ったら兄貴とやらせろ!お前が勝ったらヨシホとやらすから」と格闘技史上初の兄弟ゲンカに発展した。

 これをキャッチしたKNOCK OUTの小野寺力プロデューサーは、1.16『ROAD TO KNOCK OUT』渋谷大会で2人の対戦をマッチメイク。試合はまたしても好勝負となり、孔稀がKO勝ち。試合後、“約束通り”にヨシホ戦を希望すると、ヨシホも「俺はヨシキより強いから!」と受諾。第3Rとして、KNOCK OUT本戦のオープニングマッチで弟対決が行われることになった。

 タネ家と大崎家はよほど手が合うのだろう。この弟対決も1Rから見事に試合がスイング。大崎兄弟の地に足がついた試合スタイルは一貫している。パワーとプレッシャーに押され気味だったヨシホだが、3Rにヒジでカットさせた。すると4Rに孔稀がラッシュをかけて2度のダウンを奪取した。

 しかしヨシホはなかなか倒れない。明らかにスタミナは切れていたが、倒れないのだ。4Rを気力でしのいだヨシホは、5R、ボディのラッシュで連続ダウンを奪いポイント面でもイーブンに持ち込むと、さらにボディのラッシュで万事休す。5R、わずか51秒で3ノックダウンを奪う大逆転勝利に場内は大いに熱狂した。

 孔稀は「不甲斐ない試合。カットされて焦ったのもありますが、4Rに倒しきれなかったことが…」と試合を振り返った。大崎兄弟の完全勝利を止めたヨシホは「心折れそうになったけど、セコンドの顔を見たとき、みんなのためにも全てを出して倒しに行きました。めっちゃシンドかった」と苦笑いを浮かべた。

 小野寺力プロデューサーと木谷高明オーナーはこの試合を大会ベストバウトに挙げた。「これぞKNOCK OUT!」というような試合を見せられたのは、負けた孔稀にとっても大きな収穫になったはずだ。ちなみに兄弟ゲンカの今後についてヨシホは「僕はもういい。次はタイ人とやって、55kgに行っても勝てる体を作りたい。そっちはお兄ちゃんに任せます」と先を見据えた一方で、孔稀は「リベンジしたい」と再戦を希望している。果たして第4Rはあるのか?この兄弟ゲンカはハズレがないだけに、兄弟による試合をまた見たい。

取材・文・写真 / どら増田

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