両選手とも入団テストの形の参加ではなく、球団や選手同士、お互いの関係性を更に深める取り組みとして実施。昨年末から1月末まで、今永昇太、三上朋也、国吉佑樹、青柳昴樹の4選手がオーストラリアン・リーグに参戦していた事から、それに対するちょうど“交換留学”のような形で、沖縄・宜野湾でのキャンプへの参加となる。
これは“戦略的パートナーシップ”を結んでいる両球団にとって、対等の立場で共通のミッションを果たすという理念の本気度が、スティーブン・チェンバース投手の参加に見て取れる。
チェンバースは12年に大和侍レッズ、翌年は新潟アルビレックスBC、15年にも再び新潟アルビレックスBC、16年には香川オリーブガイナーズに所属している。関西独立リーグ、BCリーグ、四国アイランドリーグの3リーグを経験している稀有なプレーヤー。本人も「日本でプレーする中で素晴らしい友人と出会い、文化を学んだ。有意義なものであった。語学も必死に取り組んでいた」とコメントしている通り、日本文化にも造詣が深く、日本語も流暢に話すということからも、両球団への橋渡し役にはうってつけの人材。親日家で、先月日本国籍を取得し、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに所属していたこともあるラミレス監督との共通点も多く、ベイスターズにフィットする可能性は高いのではないか。
オーストラリアン・リーグにフル参戦していた国吉が、「野球を楽しむ」姿勢に感銘を受け、それにより自らの考え方もポジティブになったと語っていた。また、キャンプ前にラミレス監督も「エンジョイしましょう」と公言していた。この流れの中で、オーストラリアのベースボールの風を運んで来てくれることは、ベイスターズにとって追い風になることは間違いなさそうだ。
取材・文 / 萩原孝弘
写真提供 / (C)横浜DeNAベイスターズ