4年目となるベイスターズ・ラミレス監督は、スタッフミーティングの後の囲み取材で、一軍のキャンプに「1〜2人のサプライズはあるかもしれない」と宜野湾抜擢者がいるかもと明かしていた。
そして26日の発表時、2017年の網谷圭将ほどのサプライズではないにせよ、異例の出戻り入団の古村徹や、ドラフト6位指名の知野直人らが名を連ねた。知野に関しては、ラミレス監督が新入団選手発表会の際にも「一軍キャンプあるかも」と匂わせていただけに、本当にその通りになった格好。古村はBCリーグでは“無双”状態だった150キロ左腕。2011年ドラフト8位で“TBS”ベイスターズに指名されたが、肩の痛みにより一度も一軍に上がることがないどころか、二軍でも1試合しか登板の無かったピッチャーが古巣に復帰。奇しくもBCリーグ出身の2人がサプライズ枠だったのかも知れない。
また、ドラフト1位ルーキーの上茶谷大河と3位の大貫晋一は順当に一軍メンバーに選ばれたが、2位の伊藤裕季也は2軍スタート。新人合同トレーニングの際も後半別メニューだったことから、じっくりと調整の方針だろう。
誤算は昨年の新人王・東克樹が左ひじ違和感で二軍スタートだろう。昨年エースの活躍でフル回転していただけに、その影響が危惧されている。オフの日米野球のキャンセルから引きずっているとしたら、じっくりと焦らずに治してほしいところだ。
また、今年復帰を果たした“名伯楽”田代富雄打撃チーフコーチの手腕にも注目。主砲でキャプテンの筒香嘉智が、契約更改の際にメジャーへのポスティング希望を口にしたこともあり、近い将来大きすぎる穴が開いてしまう可能性が大きくなってきた。秋季キャンプから指導している右の大砲・細川成也は、春季も一軍キャンプで迎え、一皮むけた印象を与えているとのこと。「お世辞抜きにいい若手がいる」そう語っていた“オバQ”コーチに、和製大砲育成を期待したい。
ピッチングコーチには“ハマの番長”三浦大輔が帰ってきた。背番号は現役時代と同じ“18”。「いつユニフォーム姿になるか」が焦点になるほどのフィーバーとなっている。兼任コーチは経験済みだが、専任となってどのような手腕を発揮するのか。人望の厚さは誰もが知るところで、多くのピッチャーは「嬉しい」「楽しみ」と口にしているが、未知数な部分も多い。「第一クールは観察」と、まずは静観の構えという。自らはキャンプで多く投げ込んで仕上げていくタイプだったが、若手にはどう指導するのかなど、気になるポイントは多い。
ラミレス監督は今季のキャンプを「Enjoy baseball!野球を楽しもう」をテーマに掲げたと報道された。ホエールズ、ベイスターズは、良いか悪いか、のびのび野球が性にあっているチーム。何よりファンも楽しんで野球をしている姿が見たいのだ。70周年を迎えたメモリアルイヤーに、楽しんでペナントをGETしてもらいたい。
写真・文 / 萩原孝弘