アイスリボンの人気者である真琴、りほ、藤本つかさにインタビューを行った。
−−プロレスラーになったきっかけは?
真琴 私は、アメリカのWWEというプロレスが大好きだったので、レスラーになればスーパースターズに会えると思ってアイスリボンに入りました。最初の印象は、自分も子供(当時14歳)だったんですけど、子供がいっぱいいるな、というものでした。
りほ さくらさんが教えている体操教室でプロレスに誘われました。最初は、興味がまったくなかったんですけど、やってみたら楽しかったです。
藤本 私は元々、芸能の仕事をしてたんですよ。その中で、映画『3カウント』のオーディションを受けたんですが、合格する条件がアイスリボンのオーディションに合格してデビューすることだったんです。プロレスにはまったく興味がなかったし、練習も辛いし、「なぜこんなことをやらなきゃいけないんだろう」と何度も思いましたよ。最終的に100人の応募から8人がデビューして「マッスルビーナス」として活躍してました。そのうちの自分を含めて3人が、今でもプロレスをしています。
−−低迷する女子プロ界をどう思いますか?
真琴 目指そうと思っていた時から低迷していると言われてましたから、あまりピンときませんね。お母さんが全女さんを好きだったんですよ。でも、プロレス入団は反対されました。私、中学不登校だったんですよ。そんな子がプロレスをできるわけないって言われたんです。悔しいから登校して卒業はしたんですけど、まだ、お母さんは試合を見に来てくれません。
りほ 自分も低迷とかは分かりません。けど、自分が普通のことをしても、体が小さく目立たないので、逆にそれを生かしてやっていきたいと思い始めたんです。目標は、スピードのあるプロレスです。
藤本 プロレスは低迷どころか全盛期のころも知りません。映画の企画で初めてプロレスに出会ったです。プロレスの存在自体を知らないから、興味ない人が多いんじゃないですか? だったら、プロレスが広まるような企画があればいいんじゃないでしょうか。そしたら、マッスルビーナスじゃないですけど、8人のうち3人が残るかもしれないし、800人が300人残るかもしれない。プロレスってやったらハマるんです。「このやろー!」とか言って怖いイメージもありますが、勝敗の中に物語があるんです。意外とプロレスは楽しいんですよ。
真琴 あと、10代の人が読む雑誌に掲載されれば目を引きますよね。
りほ 雑誌やテレビは影響力がありますね。
真琴 ほかの女子プロにはないかわいさを押し出して、今までのプロレスの概念を打ち破りたい。
りほ 自分でできることをやって頑張るしかないんですけど、体が小さくて、若いので、それを武器にしたいと思います。
藤本 今も自分は、芸能の仕事をしていて、フットサルをやっていますが、フットサルを見に来た人がアイスリボンを見に来てくれるんです。
真琴 あと、広めるのは私のコスプレですね。コスプレの会場でプロレスのチラシを配ってます。衣装を着たら図太くなれるんですよね(笑)。
−−今後の目標は?
真琴 アイスリボンのベルトを取り返したいです。
りほ アイスリボンのタッグのベルトをケガで返上しちゃったんで、もう1度巻きたいです。取り返すことが目標なので、男子でも女子でも強い方と組みたいです。
藤本 タッグリーグで夏樹(☆たいよう)さんと組ませていただいて、すごくプロレスが楽しくなったので、今度は夏樹さんが巻いてるベルトに挑戦したいです。
◎アイスリボンとは
さくらえみが2006年にmixi発のプロレスプロジェクトとして設立したのが「アイスリボン」で、専業レスラーはもちろん、小中学生、OL、主婦、グラビアタレント、俳優まで活躍する異色の女子プロレス団体。「プロレスを広めるために、いろいろな方面から参加してくれればいい。小学生は小学生の友達に、主婦は主婦で…、彼女たちが広告塔になってくれれば」とアイスリボンの“意味合い”を説明するさくら。さらに「ずっとプロレスをやらなくても、2〜3年でもやれば楽しい。闘うことで、勇気が持てればいい」と、最近元気のない若者にさえ“活”を入れる。
かつては、選ばれし者だけがレスラーの資格ありとされていたが、門を広く開けることで志願者も増え出した。プロレスへのきっかけを作ることで、底辺から広げていくための団体である。