スポーツ
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スポーツ 2010年02月10日 13時00分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元広島東洋カープ・外木場義郎さん
外木場義郎(そとこば・よしろう)といえば、プロ野球ファン以外にはそれほどの知名度はないかもしれないが、記録に残る大投手である。 鹿児島県出水市出身の外木場は地元・鹿児島県立出水高校から電電九州を経て65年に広島カープに入団した。79年までの15年間、広島一筋でプレーをし、通算成績は131勝138敗3セーブ、防御率2.88。この数字だけ見ると名球会に入るような大投手には見えないが、実に3度もノーヒットノーランを達成した伝説の投手だ。日本の球史の中でノーヒットノーランを3度も達成したのはアノ沢村栄治とこの外木場だけ。2リーグ制以降のプロ野球では外木場だけだ。しかもうち1試合は完全試合である。 外木場の伝説を振り返ってみよう。まず、最初のノーヒットノーランはいきなりの達成だった。65年10月2日の阪神戦で、プロ入り後2度目の先発だった。それも当初予定されていた大場進投手が不調のため急遽の登板だった。代理先発にもかかわらず、3回に死球のランナーをひとり出しただけのノーヒットノーランを達成した。当時のスポーツ紙担当記者は「この試合の相手投手は、外木場自身が大ファンだった村山実でした。外木場は村山と投げあうことが夢だったと言っていたので、正直、緊張でダメなんじゃないかと思ったら真逆。冷静なピッチングで緊迫した投手戦をものにし、お立ち台では“もう一回やりましょうか?”と余裕たっぷりにコメントしていましたね。その大物ぶりが大記録達成に繋がったのでしょう」と、当時を振り返る。 2回目のノーヒットノーランは68年、根元睦夫監督のもと先発ローテーション入りしてからだ。9月14日の太洋戦で打者27人を114球で完璧に抑え込み、完全試合を達成した。しかも、セ・リーグ記録に並ぶ16奪三振のおまけ付きだったから恐れ入る。 まさか、これ以上のノーヒットノーランは達成できるまいと思ったが、72年、V9時代の巨人相手に失策と王貞治に四球を与えただけでまたも偉業を達成したのだ。 外木場の活躍は、弱小球団だった広島の悲願の初優勝にも多大なる貢献をした。75年、開幕を自身の100勝で飾った外木場は5月に月間MVPを獲得するなど大活躍。シーズン後半はリリーフにも貢献し、広島を球団創設以来26年目にして初のリーグ優勝に導いた。このシーズン、最多勝と最多奪三振のタイトルも獲得し、沢村賞も受賞した。 常時150キロ出ていたというストレートで対戦相手を翻弄し、ファンを魅了した外木場は6年連続でオールスターにも出場するなど、人気もあったが、優勝貢献への無理がたたったのか、右肩を痛め、79年に引退した。 その後は広島やオリックスでコーチをしたり、中国放送の解説者などをしていたが、06年からは「プロ育成野球専門学院・広島校」の投手コーチとし後進の指導に当たっている。この学校のカリキュラムには野球の基本技術や戦術の習得はもちろん、スポーツ医学の講義なども含まれており、プロで功績を残しコーチ業も長かった外木場の選手育成に期待がかかる。
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スポーツ 2010年02月09日 16時30分
前途多難な2010年日本プロ野球界!
宮古島キャンプ宿舎のホテルで転落死したオリックス・小瀬浩之外野手(享年24)のお別れの会が、8日、キャンプ練習後に宮古島市民球場で行われた。そして、10日から練習も通常通りに戻す予定になっているものの、小瀬事件の余波は簡単には消えないだろう。 球界で現役選手の自殺を疑われる事件は、1973年3月22日に急逝した元巨人・湯口敏彦氏(享年20歳)以来で、それだけ衝撃度は大きく、計り知れない。病院で急死、死因は「心臓麻痺」と発表されたのに、いまだに自殺説が根強い湯口事件には、それなりの背景があったからだ。 岐阜短大付高(現在の岐阜第一高)時代の1970年春夏甲子園に出場、春ベスト8、夏ベスト4に輝いた超大型左腕・湯口は、箕島高・島本講平(南海→近鉄)、広陵高・佐伯和司(広島→日本ハム)と共に高校球界三羽がらすと呼ばれ、その年のドラフトで巨人に1位指名され、入団した。が、コントロールに難があり、プロの厚い壁に当たった。そんな中、72年11月に行われたファン感謝デーの紅白戦で大乱調。首脳陣から厳しく叱責され、ノイローゼ状態に。病院で鬱病と診断されて、入、退院を繰り返すようになった。73年の春の二軍キャンプには参加したものの、状態が悪化して途中で帰京、そのまま入院。病院で急死している。 「巨人の厳しすぎる指導が純朴な湯口をノイローゼにしてしまい、自殺に追い込んだ」という自殺説が、当時のマスコミでは主流で、巨人首脳陣の責任問題が厳しく追及されている。そういう経緯があるだけに、現在でも病死ではなく、自殺説が根強くささやかれているのだ。 今回の小瀬選手の場合は、転落死した前日まで練習に参加しており、原因は不明だが、事件の状況から警察サイドでは自殺の疑いが強いと見ているという。それだけに、オリックス首脳陣、ナインも衝撃を隠せないでいる。一部には家庭の問題に悩んでいたとの未確認情報もあるが、結婚したばかりだけに、信憑性には欠ける。 小瀬事件の余波は、オリックスだけに止まらない。球界全体に波及している。キャンプ前の1月17日に日本ハム・小林繁投手コーチがまだ57歳なのに、心不全で急死。キャンプイン早々にも日本ハムで、今度は選手と行動を共にするチーム付きのカメラマンの結核が判明して、感染騒動が起こっている。そんな最中に起きた小瀬選手の転落死事件だ。 それでなくとも今年の日本プロ野球界は、強烈な逆風が吹いている。開幕カウントダウンのバンクーバー五輪と6月のサッカー・ワールドカップ南アフリカ大会という、国民的関心事の二大強敵が立ちはだかっているからだ。その上に相次ぐ事件。2010年の日本プロ野球界は前途多難というしかない。
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スポーツ 2010年02月09日 14時30分
プロ野球お財布事情 ドラフト&新戦力の偵察も経費節減へ!
プロ野球各チームのスカウトマンが『悲鳴』を挙げている。視察先で「メシを食う相手」がいないからである。 「これも、経費節減の一環なんでしょうけど…」 某スカウトは溜息混じりにそう言う。 なぜ、「一緒にメシを食う相手がいない」ことが『悲鳴』なのかと言えば、球団側から厳しいお達しが出たからである。 これから、センバツ大会が始まる。スカウトたちにすれば、ドラフト候補選手の目星はすでに付けているが、見落とした『金の卵』がいるかもしれない。その意味では甲子園入りは重要な任務であり、『関係者』との会食は情報収集に欠かせないものとなる。しかし、ガセネタを掴まされることはもちろん、一緒に食事をしたからと言って、お目当ての選手を一本釣りできるとは限らないのが実状だ。 ある意味、スカウトの仕事とは『無駄の積み重ね』が重要とも言えるが、ドラフト指名に直接結びつかない会食は、「今後、一切認めない」というお達しが出されたのだ。 「ここだけの話、情報収集を大義名分に『食事代の経費』で息抜きをさせてもらっていたこともありました。これからは場末のビジネスホテルでサービスメニューを食べるか、ドラフト候補選手に直結する学校関係者と会食するかの2つに1つしかない…」(某スカウトマン) 念のために断っておくが、学生野球憲章ではプロ野球関係者との食事は禁止されている。スカウトの言う学校関係者とは、例え話にすぎない。前述の「メシの相手を探す」発言は、そうでもしないと、旨い郷土料理も食べられないという意味だ。 「一般論として、スカウトの経費というのは説明しにくいものが多いんです。オープンにすれば、他球団にその動きを教えることにもなりかねないし、逆指名制による裏金がはびこっていた時代なんか、一般企業では考えられないような金額が『使途不明金』として処理されていました」(同) 言い換えれば、スカウト活動に掛かる会社経費(球団)は、税務署に目をつけられないということである。 某メディア陣によれば、某球団が菊池雄星の偵察にあたって、宮崎空港から西武キャンプ地・南郷町までの「レンタカーの相乗りを相談された」という。こんな調子だから、センバツ大会の偵察も、気苦労が耐えないだろう。今回、会食費のカットを通告したのはどこの球団か? かつては金満体質も指摘された強〜いチームである。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2010年02月09日 13時30分
朝青龍 プロ格闘家転身はありえない!?
引退した横綱朝青龍が格闘家へ転身するのでは? との噂が絶えない。日刊スポーツには“ハードルは低くない”との表現ながらも4月に引退する吉田秀彦の最後の対戦相手に浮上しているのではと報道している。確かに朝青龍は亀田一家をはじめ相撲界以外にも親交のある格闘家は多いのは事実。「多くのオファーは必ず来るでしょうね」と語るのはスポーツライター。しかし、「まずあり得ないでしょう」と続けた。 まず第一に金銭面での折り合いがつかないという。「威勢のいい言葉が並ぶ格闘界ですが、それは口だけ。どこもジリ貧です。年間1億円程度を稼いできた朝青龍に見合う金額を用意することは絶対無理でしょう。外国人力士は、言い方が悪いかもしれませんが日本に“出稼ぎ”にきているという面もあります。だから金銭的な判断が大きなウェイトを占めるのは仕方のないことです。もちろんそのハングリー精神が日本人力士を圧倒する結果につながっていることは間違いないことですがね」。また、朝青龍自身のモチベーションも高くないと推測する。「将来のモンゴル大統領候補なんて言われ方もしますからね。格闘技が好きではないとは言いませんが、はやく日本から足を洗いたいってのが本心ではないでしょうか」。 ただ1度や2度の興業なら参加する可能性もあると語るのは相撲ジャーナリスト。「朝青龍というのはああ見えて人付き合いはいいですからね。頼まれれば一回くらいはと思うかもしれません。ただそんな腰かけのつもりで出場するなら出ない方がいいでしょう。その程度のモチベーションだと“茶番劇”になるはずです。実力を認めている多数のファンまでもガッカリさせることになるかもしれませんからね」。 果たして、朝青龍の今後は? 引退してもその後の動向に注目が集まる朝青龍。やはりただものではない。
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スポーツ 2010年02月09日 12時30分
春のジャンボ・宝くじの新外国人選手
春のプロ野球キャンプは、新外国人選手の当たり、外れに一喜一憂する、球界版スプリング・ジャンボ宝くじの季節でもある。 阪神・真弓監督が早くも「キャンプ第1クールで目立ったのは、マートンだろう。予想とは違っていた」と、新外国人選手・マートン外野手に合格点を出している。外れ外国人選手が続く阪神だけに、うれしい誤算を思わず口にしたのだ。広島、阪神で勝負強い打撃を披露して活躍したシーツ二世の期待をされているが、まずは順調なデビューといえる。 昨年、ポスト・ウッズとして年俸3000万円にも満たない、ドミニカ出身のブランコという掘り出し物を当てた中日は、今年はメキシカンリーグ出身のセサルを売り出そうとしている。系列のスポーツ紙が「立浪氏も太鼓判」「外野の一角決まり!」と1面で取り上げた。 守護神を期待される楽天のモリーヨは、マイナー時代に167キロを計時したというスピード記録がセールス・ポイントになっている。巨人・クルーンの持つ162キロの日本プロ野球界最速記録超えが話題になっているからだ。実際に、久米島キャンプで「田中超えのスピードボール」と取り上げられている。 このモリーヨ、実は「阪神が獲得」と虎党を看板にするスポーツ紙が大々的に報道。その後、楽天入りが決まった経緯がある。阪神球団、ファンとしても無関心ではいられないだろう。モリーヨが大活躍すれば、「逃がした魚は大きい」ということになるからだ。 ソフトバンクのイ・ボムホは松田、オーティズとのポジション争いなるが、三塁守備で早くも自信喪失気味とか。通訳が「守備の話は聞かないで下さい」と担当記者にお願いしているというから、よほど神経質になっているのだろう。 が、キャンプでの新外国人選手のスプリング・ジャンボ宝くじの結果は必ずしもシーズンに結びつかない。「ペナントレースになると、ガラリとひょう変する選手がいるからだ。1年間、ジックリ見た上でないと、最終的な結論は出せない」というのが、球界の定説だ。 1997年、セ・リーグの本塁打王になったヤクルト・ホージーなどその典型だった。キャンプ、オープン戦の間中、まともに打球が前へ飛ばず、ヤクルト・野村監督は「こんな外国人選手、誰が取ってきたんや。すぐクビにして新しい選手を取ってこい」と、大騒ぎ、フロント批判を繰り返したが、シーズンに入れば、ひょう変して本塁打王獲得だ。 「外国人選手は宝くじのようなもの。実際に来てみてプレーしなければ分からない。日本の野球に対する適応能力という重要な問題もあるからね」。現場の監督たちもこう口を揃えている。 日米球界経済格差で、富めるメジャーリーガーが日本に来るケースはなくなり、マイナーリーグ出身の選手を獲得するしかなくなった今、よけいに外国人選手は、宝くじ化している。一発当てれば大きい。中日・ブランコ以上だったのが昨年の巨人・ゴンザレスだ。ヤクルトを解雇され、大きな期待も持たずに拾ったら大化けだ。エースになって、巨人にリーグ3連覇、7年ぶりの日本一をもたらしたのだから、3億円ジャンボ宝くじの当選券並みの効果だろう。さて、今年の第二のゴンザレス、ブランコは誰か。それを探すのも楽しいだろう。
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スポーツ 2010年02月08日 12時30分
甲子園大会のスター候補はジャイアンツ出身!?
第82回選抜高等学校野球大会(以下センバツ)が3月21日から始まる。今大会の注目投手は、東海大学相模校の一二三慎太(18)だという。しかし、その背後に『原巨人の影』を感じているのは筆者だけではないだろう。 先に断っておくが、ダーティーな話ではない。 一二三は3年前の『第1回ジャイアンツカップ』の“優勝投手”なのである。同大会は中学生の硬式野球組織を一堂に集め、日本一を決める大会だ。ボーイズリーグ、リトルシニア、サンリーグ、ヤングリーグ、フレッシュ…。現在は7団体が参加するまでに発展したが、ジャイアンツカップが開催されるまでの間、各団体は“他流試合”と称し、所属リーグの違うチームとの交流を禁止してきた。団体の垣根を越えた交流の場、真の中学硬式野球チームの日本一を決める大会として、ジャイアンツが音頭を取ったのである。 各団体の役員が異口同音に話していたのが、「伝統球団のジャイアンツが呼びかけてくれなければ、話し合いのテーブルに付けなかった」の言葉だ。原辰徳監督も優勝セレモニーに駆けつけ、一二三たちとの記念撮影にも臨んでいる。その意義深い大会の優勝投手が、3年のときを経てドラフト候補生に浮上してきたと思うと、巨人(読売グループ)の功績を再認識させられる。 また、同大会を取材した1人として、当時の一二三の心象を言えば、観ている側にも闘争心が伝わってくるような投手だった。変化球でもストライクカウントがしっかり取れていて、その点では他の中学生投手よりも際立っていた。その後、一二三は大阪府のジュニアホークスから原監督の母校・東海大相模校へと進み、今日に至った。 センバツ出場にも大きく影響する昨年の秋季関東大会では、一二三は全4試合に先発し、完投勝利も収めている。失点は僅か4。この時点での成績は、松坂よりも「上」だ。 昨秋の3年前の記念撮影が“運命の出逢い”であったとしたら…。 某スカウトマンの言葉を借りれば、「本来は4番を打つ力も持っている。投手としての素質も捨てがたいが、バッターとして見ている」とのことだ。同関東大会のバットマンとしての成績は12打数7安打6打点(2本塁打)。今秋のドラフト会議の主役は早稲田大学・斎藤佑樹かもしれないが、まずはジャイアンツカップから誕生した一二三の熱投に注目したい。(スポーツライター・美山和也/撮影・中野泰彦)写真 原監督の向かって左隣の少年がセンバツ注目の一二三慎太投手
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スポーツ 2010年02月08日 10時10分
選手が自殺してしまう球団・オリックス…管理責任はないのか?
2月5日昼前、沖縄・宮古島キャンプの真っ最中に、宿舎のホテルで現役選手が死亡するという不祥事に見舞われたオリックス。あまりにも衝撃的な事件ゆえ、チーム周辺では、激震が今も続いている。 当初は、関係者や第三者によって突き落とされたという「他殺説」や、チームメイトとふざけているうちに落下した「事故説」の可能性も疑われ、現場近くに居た3人の関係者に対し、地元警察による数回の事情聴取が行われた。その結果、他殺と事故のラインは消え、「自殺」という方向で捜査方針は固まりつつある。 だが、一方で現役のプロ野球選手がキャンプ中に自殺するという事件に関し、チームの責任ではないかという指摘も多い。村山良雄球団本部長を筆頭に、フロントや現場幹部たちの責任を追及する声がファンやプロ野球関係者から挙がっているのだ。今回、死亡した小瀬浩之外野手(24)は、中堅ながらも今シーズンの活躍が期待される選手であり、特に野球人としての悩みもなく、自殺する理由が見当たらない。一部で人間関係で悩んでいたのではないかという話もあるが、自殺の動機は不明なままだ。 だが、選手がチーム宿舎から転落死するという惨事を引き起こした管理体制は問題である。一般の会社であれば、肉体的なチェックを行う健康診断は当然のこと、社員のメンタルケアまで配慮しており、労働環境の改善に腐心している。また、上司や先輩によるパワーハラスメントや、過剰な労働に関しても専門家による厳しい指導が行われている。確かに運動部の延長線上である野球チームと一般企業を比較するのは適切ではないかもしれないが、オリックスが今まで選手のメンタルケアのチェック、チーム内のパワーハラスメントに対して対策を講じたという事実はあるのだろうか。 もはや、これは野球界全体の問題である。選手が自殺してしまう球団であってはいけない。球団とは、選手がのびのびプレーできる健全な企業であるべきだ。
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スポーツ 2010年02月06日 12時30分
日本ハム結核騒動余波
沖縄・名護キャンプでチーム付きカメラマンが結核だったことが判明、隔離入院させられた日本ハムの結核騒動は、様々な波紋を広げている。 感染しても発症するのは20、30%の確率とはいえ、最短2か月で発症するというから、開幕後になるので事は厄介だ。昨年は8月に新型インフルエンザ集団感染に見舞われ、球界を揺るがした日本ハム。今度はなんと結核騒動だ。2度あることは3度あるというし、次はいったい何が起こるのか。 「ダルビッシュに感染危機」とスポーツ紙が大々的に書き立てたのも無理はない。もしも、大黒柱・ダルビッシュが結核に感染、発症したら、リーグ連覇、4年ぶりの日本一奪回など吹き飛んでしまうだろう。昨年の新型インフルエンザ集団感染は免れたダルビッシュだが、疲労性腰痛、右手中指の疲労骨折と相次ぎアクシデントに襲われ、シーズン終盤から日本シリーズまで悪戦苦闘している。完全復活を目指す今年、万が一、結核に感染したら、踏んだり蹴ったりになる。 しかも、昨年の新型インフルエンザ集団感染のような自然災難でなく、今回の結核騒動は悪質な人災だ。札幌の病院で結核の疑いありという診断をされながら、沖縄・名護キャンプに帯同したというのだから、このチーム付きカメラマンは言語道断だろう。球団フロントが「非常識な行動だ」と怒っているのも当然だが、同時にチームとしての危機管理能力も問題視される。日本ハム球団の株を持つ北海道新聞社の関連会社から派遣されている人物とはいえ、チームスタッフの1人、しかも選手に密着する仕事のカメラマンなのだから、フロント首脳は日ごろの言動を把握している必要がある。 札幌で病院に行って診察を受けているのなら、その報告がなければおかしい。「知らなかった」では済まされないだろう。結核騒動は日本ハムだけの問題に止まらない。同じ沖縄でキャンプを張っている他球団にも波及する。2月末に楽天が名護で、ヤクルトは浦添で日本ハムとオープン戦をする。3月に入ってから戦う他の球団も戦々恐々だろう。結核感染はどこまで広がるか予想不可能だ。「今でも結核は恐ろしい病気です。油断は禁物だ」。テレビでこう北野武が訴えているが、いみじくも日本ハムが実証してしまった格好だ。 「結核は欧米ではもう過去の病気になっている。日本はいまだに根絶できていないが」と言う球界関係者は、今オフにメジャー挑戦の一部情報が流れるダルビッシュへの影響まで心配する。「万が一、ダルビッシュが結核に感染でもすれば、ポスティングでのメジャー挑戦もご破算になる恐れすらあるのではないか」と危ぐするのだ。 新型インフルエンザは世界的な流行の自然災害だから理解されても、結核は日本の後進性を立証する病気として、メジャー側から敬遠されるのではないかということだ。どこまで余波が広がるか、全く想像がつかないのが、今回の結核騒動の恐ろしさだ。 最悪のケース、開幕後に日本ハムナインから感染者が出れば、ペナントレースに大きな影響を及ぼすこともあり得るだろう。今はただひたすら感染、発症者が出ないことを祈るしかない。
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スポーツ 2010年02月05日 12時00分
早くも盛り上がりを見せる、松井vsイチロー!
たいしたこともない選手までが米国へ行き、マンネリになっていた日本人メジャーリーガーだが、今季は新天地のエンゼルス・松井秀喜vsマリナーズ・イチローの新対決で、キャンプから一気に盛り上がる。同じアメリカン・リーグ西地区での激突だけに、松井派vsイチロー派に分かれてファンの応援合戦もエスカレートする。 日本人メジャーリーガー史上初のヤンキースでのワールド・シリーズMVPという勲章を持つ松井vs9年連続200本安打のメジャー新記録を誇るイチローの対決に大喜びをしているのが、NHKと2人をCMに起用している企業だろう。NHK衛星のメジャー中継も完全にマンネリ。昨年の盛り上がりは3度だけ。イチローが張本勲氏の持つ通算安打日本記録の3085本超えを達成、9年連続のシーズン200本安打のメジャー新記録。そして、ヤンキース・松井のワールド・シリーズMVP獲得の三大イベントの時だけ盛り上がったものの、シーズン通しての話題性がなかった。 が、今季は3年連続地区優勝中のエンゼルスと久々に下馬評の高いマリナーズの優勝争いに、松井とイチローがどう貢献するかというチーム絡みの興味もある。日本人メジャーリーガー中継に食傷気味だったファンの関心が戻り、NHK衛星第1テレビは万々歳だろう。 松井vsイチローのCM対決も面白い。牛丼店、中古車販売店、トラクターなど庶民的なCMが多い松井に対し、一流企業のCMばかりというイチロー。こういう対比があったが、現在は珍しく同じ一流企業でCM競演をしている。イチローがビール、松井は缶コーヒーのCMだが、どちらも負けられないだろう。CM出演は人気の最大のバロメーターだからだ。 松井を缶コーヒーのCMに起用した企業には先見の明があったと評判にもなった。松井の去就がオフの球界最大の話題で、まだエンゼルス入りが決まっていない段階だったのに、ゴジラが火を噴くCM。エンゼルスのチームカラーの赤を先取りしたレッドゴジラだったからだ。 イチローに対するゴジラの大逆襲が勝負の焦点だけに、この企業の松井の起用はクリーヒットだ。日本球界では巨人の4番・松井がオリックスの天才児・イチローをしのぐ人気を誇っていたが、メジャーリーグでは立場が逆転。とくに2度にわたるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2人の野球人生は明暗を分けてきた。出場できず、ケガに泣かされてきた松井。日の丸を背負ってヒーローになり、CMキングになっているイチロー。今季は昨秋のワールド・シリーズMVP獲得の大偉業で巻き返しを始めた、赤いゴジラ・松井の大逆襲が最大の見所になっている。 イチロー効果もあって久々にビール業界のトップの座に返り咲いたこの企業、今度は松井の大活躍で缶コーヒーの売れ行きを爆発的に伸ばすのか。いや、松井vsイチローのどっちが勝ってもメリットはあるのだから、NHK同様に笑いが止まらないか。
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スポーツ 2010年02月04日 16時03分
朝青龍引退へ 即モンゴル帰国か?
横綱朝青龍が引退を表明した。03年初場所後に最速記録で横綱に昇進、モンゴル出身の力士としてもはじめての快挙であった。05年の九州場所では史上初の7連覇と年6場所制覇を達成。優勝回数は大鵬、千代の富士に次ぐ歴代3位。記録だけを見れば歴史に残る“大横綱”である。しかし、土俵外で多くの問題を残した“問題児横綱”であったことも事実。引退も場所中の1月16日未明に飲食店で働く知人男性とトラブルを起こしたことが原因と思われる。 相撲協会はこの“問題児横綱”に本人の意思かどうか別として、多くの問題を投げかけられた。「横綱の品格や相撲界の在り方など、朝青龍が引退するから解決した問題でもないはずです。貴乃花親方も理事となり、改革を訴えているわけですから、うやむやにするのではなく、しっかりとした見解を示してほしいですね」(スポーツライター)。 また、アンチも含め朝青龍には一定の人気があり、今後の集客にも影響が出ることは確実だ。ある意味スーパースターであった朝青龍がいなくなった相撲界は難しい局面をむかえることになるだろう。「今回の引退も、協会が素早い判断を下したとは考えにくいです。みんなで理事選に必死でしたからね(笑)。今まで朝青龍個人の問題としていたものが、これからは相撲協会の問題として、一層厳しい目で世間から見られるでしょう」(スポーツライター)。 引退後の朝青龍だが、モンゴルへ戻ることが既定路線であると言われている。モンゴル人力士のパイオニアである旭鷲山は日本に残らずモンゴルへ帰国、実業家として建設、通信、貿易業などを手がけている。すでに朝青龍はモンゴルで様々な事業を行っているので、すぐに帰国し本格的に取り組むだろう。「かなり前から日本の相撲界に未練はなかったのではないでしょうか。彼の地位を脅かす存在は同郷の白鵬くらいしかいなかったですしね。モチベーションを保つのには苦労したでしょう」(スポーツライター)。確かに彼の華麗な経歴は逆を言えば脅かす存在がなかったということなのかもしれない。 ただ引退の引き金となった知人男性とのトラブルについては不可解な部分も多く様々な憶測をよんでいる。華麗な経歴をこれ以上汚さないためにも、モンゴルに帰る前に自身の言葉で説明をしてもらいたい。
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