スポーツ
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スポーツ 2010年02月16日 16時30分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元プロレスラー阿修羅・原さん
かつて、日本を代表するラガーマンからプロレスラーに転向した阿修羅・原。その貫禄たっぷりのリングネームに負けない風貌でリングを暴れ回った原は、とりわけ天龍源一郎とのタッグ『龍原砲』で一時代を築いた。 47年、長崎県・森山町(今の諫早市)に生まれ育った原は長崎県立諫早農業高時代にラグビーで頭角を現した。東洋大ー近鉄と進み、近鉄時代には日本人として唯一の世界選抜メンバーに選ばれた実績がある。 76年、国際プロレスに入門し阿修羅・原のリングネームでWWUジュニアヘビー王座を奪取するなど、華々しく活躍した。ところが、81年に国際プロが活動停止となり、原は全日本プロレスに移籍。ジャイアント馬場にその闘いぶりを買われた天龍とのシングルマッチはいまでも好勝負に数えられる。84年に一旦は全日本を離れたが、翌年復帰し、天龍との龍原砲で全日本を支え、一時代を築いた。 原について「とにかく、面倒見の良い方でした」と語るのはかつての後輩。しかし、その面倒見の良さがアダとなって自らのプロレス人生に幕を引くことになる。 義理堅い原は、自らは酒が嫌いでも天龍らとの付き合いは律儀に通し酒の場に付き合った。お金のない後輩にご飯をおごったり、スタッフ、マスコミとの繋がりも大事にした。同郷・長崎出身の長与千種をはじめとする女子レスラーもかわいがり、当時大人気だった彼女らの労をねぎらうため毎回自分持ちで支払いをしていたのは有名な話だ。 とはいえ、レスラー転身時から既に経済的にあまり富んでいなかったといわれ、原は借金を重ねてまでも周囲に対しての付き合いを大切にしてしまったのだ。雪だるま式に膨らみ続ける借金…ついには会社にまでその取り立てが及ぶことになってしまった。この時、馬場社長は原がしっかり話をしてくれるなら借金の肩代わりをしても良いとまで言っていたそうだが、原自身が「社長に合わせる顔がない」とし行方をくらまし、全日本も仕方なく解雇という選択肢を選んだ。 プロレス引退後は故郷に帰り、町のスポーツ交流館で、町民の健康づくりを提案するインストラクターを務めた。その後は母校・諫早農高ラグビー部のコーチとなって名門復活に全身全霊で臨み、その甲斐あって02年に母校は全国大会に出場したが、原自身は母の介護のために退任。04年にその母が亡くなったいまは脳梗塞で倒れた父の介護に専念している。 仏教の“神”の意のリングネームを持った男は、度重なる“修羅場”をくぐり抜けながら人生を歩んでいる。
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スポーツ 2010年02月16日 12時30分
背水の陣・落合
神通力が薄れてきた7年目の中日・落合博満監督が、沖縄・北谷キャンプで背水の陣を敷いている。昨年、キャンプ中の井端の目の病気というアクシデントで挫折した、ゴールデングラブ賞コンビの仰天コンバート「二塁・井端、遊撃・荒木」に再挑戦。「ダメなら他の選手を使う」とチームの中核の2人に最後通告を突きつけ、何がなんでも成功させようとしている。もちろん他の選手に対するショック療法でもある。 「ゴールデングラブ賞常連の二塁・荒木、遊撃・井端でも容赦せず、コンバートする。お前らも覚悟しろ」というオレ流の荒療治だ。この二塁・井端、遊撃・荒木の仰天コンバートの成否が落合監督の命運を握っているとも言える。 加藤良三コミッショナーがキャンプ視察のスタートとして5日に北谷を訪れたのは、他のキャンプ地が休日で、異例の7勤の中日しか練習をやっていなかったからだが、この時も異例の沈黙の対応。例年はコミッショナー視察を手ぐすね引いて待っており、一言物申すのにそれどころではなかったのだろう。 3年前の07年、リーグ2位からクライマックス・シリーズ(CS)第2ステージで開幕戦に小笠原先発の奇襲作戦で巨人を撃破。日本シリーズでも日本ハムを破り、球団史上53年ぶりの奇跡の日本一奪回を果たしたのが最後の晴れ姿。08年はリーグ3位、CS第1ステージで2位・阪神には勝ったものの、第2ステージで巨人に雪辱を許している。2位だった昨年も、「オレをなめるんじゃない」と大見得を切りながら、2年連続して第2ステージで巨人に敗れ去っている。 選手に対し、「クライマックス・シリーズがあると思っていたらダメなんだ。ペナントレースで優勝しなければ」と強調したが、3年前の奇跡に酔い続けていた自分に言い聞かせているようなものだろう。来年まで契約は残っているが、今季もいいところなく敗れ去れば、落合政権から冷や飯を食わされている中日OBたちの落合降ろしが始まるだろう。 というのも、2年間、落合監督の下でコーチ兼任だった、ファンの支持率ナンバーワンの生え抜きの立浪がユニホームを脱ぎ、ネット裏で充電。いつでもポスト落合として中日監督に就任できる立場にいるので、中日OBたちはいつでも立浪を監督に担ぎ出せる。 落合監督が立浪の背番号3を森野につけさせようとしたのも、落合政権と決別した立浪への怒りの報復といわれている。が、「そんな恐れ多い背番号はつけられない」と森野が固辞して、落合監督のもくろみは失敗している。 開幕後、いつ中日OBの落合降ろしが始まってもおかしくない状況だけに、落合監督は懐刀の森チーフバッテリーコーチをヘッドコーチに、辻二軍監督を一軍総合コーチに据え、脇を固めるシフトを敷いている。さて、早くも緊張状態にある落合政権vs中日OBの場外戦の行方はどうなるのか。【訂正】「キャンプ中の荒木の目の病気」となっていましたが井端の間違いでした。訂正してお詫びします。(2/17日)
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スポーツ 2010年02月16日 08時00分
ヤンキースが巨人との親密ぶりをアピールした本当の狙いは…
ヤンキースのランディ・レビン球団社長とブライアン・キャッシュマンGMが、巨人・滝鼻卓雄オーナーと会談したのは、2月1日。スカウト目的で滞在していた中国から立ち寄ったのだが、来日の目的は『親善』だけではなかったらしい。 「東京・恵比寿のMLBカフェにワールドシリーズの優勝トロフィーが提示されることになり、その式典ということで来日しました。業務提携を結ぶ関係から滝鼻オーナーも訪れ、いろいろと意見交換もしたようです」(イベント関係者) 滝鼻オーナーは「ヤンキースと巨人が隔年で対戦するイベントも…」と“リップサービス”をしており、ヤンキースタジアムへの広告出資(読売新聞社)も続けることを明言。ともに親密ぶりをアピールしていたが、両球団を繋ぎ止めていたのは、松井秀喜であったはず。とくにヤンキースはその松井が移籍した今、巨人と親密にやっていかなければならない理由はないのだが…。 『ヤンキースがようやくニック・ジョンソンを獲得した』 これは、09年、マーリンズで活躍したジョンソンを獲得したときの米報道だ。「ようやく」と書かれたところに、巨人と再接近した『答え』があるようだ。ヤンキースは08年オフに『サイ・ヤング賞投手』のCCサバシア、ア・リーグ最多奪三振投手のバーネットを同時獲得したように、「欲しいと思った選手がいたら、金に糸目は付けない」強引な球団でもある。そのヤンキースが、09年オフ、大型補強を成立させていないのだ。 「今季、キャプテンのジータとの契約が切れます。契約延長のためには大金が必要となるし、その影響では?」 そう予想する声も聞かれたが、大金をプールしておかなければならない理由はほかにもあった。ヤンキースは、「北海道日本ハムのダルビッシュ有のポスティングがある」と読んでいる。 昨年、米スポーツ専門局が『ネクスト松坂』と称し、ダルビッシュの特集番組を放送している。同局は「入札金は100億円以上」とも予想していたが、ヤンキースは松坂の入札に敗れている。「ダルビッシュは是が非でも獲りたい」と思っており、その軍資金をプールするため、09年オフの補強費をケチッたというわけだ。 見方を変えれば、『ダルビッシュ資金』を捻出するため、松井との契約延長に二の足を踏んだとも言えなくもない…。 当のダルビッシュは「メジャーには興味がない」と公言しているが、日本ハム球団が彼を抱えられなくなるのではないだろうか。 同球団の選手総年俸は約23億円(推定)。ダルビッシュの年俸はすでに3億円を越えており、今季も安定した成績を収めれば、5億円近くまで膨れ上がるのは必至だ。オリックスがイチローを手放したように、「日本の球団は1人の選手の年俸が総年俸の4分の1に達したら、経営面で危なくなる」とも言われている。 ヤンキースはこうした日本の球団経営についても、巨人から情報収集するつもりでいるのだろう。強引補強のヤンキースの魔の手は、日本に忍び寄っている。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2010年02月15日 14時30分
王巡る綱引き
沖縄に次ぐ加藤良三コミッショナーのキャンプ視察第2弾・宮崎のスタート(12日)となったソフトバンクでは、王貞治球団会長に対するなりふり構わぬ引き留工作が行われている。 阪神との争奪戦で完敗。王会長の秘蔵っ子・城島健司を復帰させることに失敗したあげく、森脇浩司ヘッドコーチの解任のダブル失政で王会長を激怒させた竹内孝規・常務取締役常務執行役員COOを1月に解任。同時に編成委員会を新設して、王会長を副委員長に。「王さんの持っている常勝のノウ・ハウのすべてをチームに伝えてもらいたい」と、委員長の笠井和彦オーナー代行が全権委任を表明。「現場しか知らないからいい肩書きをもらった。最後のご奉公をする」と、王会長をその気にさせている。 実際に王会長は新任の秋山幸二監督に気配りをして昨年一度も視察しなかった春の宮崎キャンプを訪れ、編成副委員長として、ナインに積極的に接するなど精力的な活動をしている。そんな最中、突然発表された森脇氏の「編成アドバイザー」としての復帰劇。秋季キャンプ終了後の非常識な電撃解任からわずか2か月半の前代未聞の人事だ。監督時代から森脇氏を参謀格のコーチとして高く評価していた王会長が、竹内COOの解任で一新された体制を生かし、森脇氏を今度は背広の参謀として復帰させたのだ。 しかし、「組織の活性化を」理由に解任したばかりの人物を2か月半で復帰させるのは、朝令暮改が珍しくない球界でも異例中の異例だ。「恥ずかしながら森脇さんのお知恵を借りたいということです」と、フロントの幹部の1人が肩身を狭くするのは当然で、世間的には球団は物笑いの種だろう。 ソフトバンクが世間体など構っていられないのは、王会長の流出阻止という最大の緊急テーマがあるからだ。王降ろしも目論んでいたといわれる竹内COOの解任だけでは、王会長が納得しないだろうと、フロントを王体制に一本化する。そのための森脇氏の前代未聞のスピード復帰劇となったのだ。 ワンマンオーナーの孫正義オーナーがあわてふためいて王会長の慰留工作に走ったのも当然だろう。昨年、連覇を果たしたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でコミッショナー特別顧問、日本代表監督相談役を務めた王氏の存在感は圧倒的だった。古くから親交のある加藤コミッショナーとのパイプが改めてクローズアップされている。さらに、巨人OB会会長、昨年11月、元V9巨人監督の川上哲治氏からバトンタッチされた、読売新聞が主催する「正力松太郎賞」選考委員会の委員長のポストなど、王氏と読売グループの急接近が目立っている。名球会会長という新たな職にも就いているのだ。 「王さんはソフトバンクにもう十分に元を取らせているのだから、卒業した方がいい。球界全体のために貢献してもらいたい」「いや巨人のためにゼネラルマネージャーに就任するなど、完全復帰してもらいたい」etc王人脈と言われる球界OB、巨人OBは脱ソフトバンクを強く勧めているのが現実だ。このままの状態を放置していたら、王氏のソフトバンク退団は時間の問題とも言える緊急事態だ。 ソフトバンクにとって、唯一の頼みの綱は、福岡に王氏と同居する事実上の奥さんがいることだけだ。が、独身の王氏が東京で同居を決断すれば、引き留めの切り札にはならない。ソフトバンクが世間体に構っていられずに、竹内COO解任、森脇氏の復帰など王氏の引き留め策に大わらわなのは当然だろう。世界の王がいなくなれば、ソフトバンクは完全な九州ローカル球団に成り下がるのだから。
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スポーツ 2010年02月15日 13時00分
国際球問題の真相
来シーズンから一軍の使用球をメーカー1社に統一するかどうかを検討、8月頃までに結論を出すことになったプロ野球界。その裏には、加藤良三コミッショナーの「WBCとか国際大会の度に、ボールが滑りやすいとか、慣れなくて投げにくいというのでは困ります。WBC3連覇のためには早くからの準備が必要です」という強い主張がある。 国際大会で使用される大リーグのボールはR社製で一本化されている。日本の場合、メーカー1社となれば、最大手のM社になるだろう。北京五輪の時には、M社が大リーグのボールに近いものを作り、使用している。が、メーカー1社による統一ボールがこれまで実現していないのは、「1社に絞ったら、M社以外のメーカーが倒産する恐れがある。大リーグとは事情が違う」という反対論が強かったからだ。 加藤コミッショナーの強い要望で、とりあえず、「来シーズンからの一軍の使用球をメーカー1社に統一するかどうかを討議する」という結論になったのだが、球界内部では依然として根強い反対論がある。 「国際大会、国際大会というが、五輪から野球が消えて、今行われているのはWBCだけじゃないか。次の大会は2013年だろう。そもそもペナントレースでも大リーグのボールと同じようなものをというが、大リーグのボールは粗悪品が多い」。大リーグに精通している球界関係者は、こう声を大にしてさらに続ける。 「大リーグのボールはR社製というが、実際には人件費の安いコスタリカで作られており、ボール1個、1個のばらつきがひどく、統一されていない。ボールは日本製の方が品質は数段上だ。しかも、何もメーカー1社に絞らなくても、同じようなボールを作れる能力がある。日本が大リーグのボールに近づけるのではなく、日本の優秀なボールを大リーグに使わせればいいんだ」と。 野球は米国の国技で、日本の野球はマイナーリーグ級と見下ろしている大リーグ側が日本のボールを使うことなど、天地がひっくり返ってもないだろうが、確かに何でも大リーグに追従する必要はない。 加藤コミッショナーは長年、駐米大使を務めており、対米追従主義が鼻につくのも事実だ。「日本のスポーツメーカーの実態を知らない加藤コミッショナーの独断、独走を許すな」という声も、球界内では聞こえてくる。 様々な論議があるボール問題の落としどころは、現場を熟知している、コミッショナー特別顧問の王貞治氏(ソフトバンク球団会長)の正論にあるのかもしれない。「今の日本のボールは飛びすぎる。こすってもスタンドに入ってしまう。あれでは投手が育たないし、野球にならない。一回り大きく、重くて飛ばない大リーグのボールを日本でも使えばいい。そうすれば、国際大会でも戸惑うことはなくなるわけだしね」。 国際大会のためにボールを変えるのではなく、日本の野球を正常化するために、飛ぶボールをやめ、大リーグ仕様の飛ばないボールにする。そうすれば、国際大会での戸惑いも消える。王氏の理論の方が加藤コミッショナーよりも説得力がある。そして、付け加えれば、商売のために飛ぶボールを作っていたのはM社なのだから、独占させる必要はない。他のメーカーにも大リーグサイズのボールを作らせ、しかも日本的な品質の良さはそのまま生かす。これで、一件落着するだろう。
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スポーツ 2010年02月15日 12時00分
契約保留者続出の余波? 城島加入で阪神分裂も…
真弓阪神が順調なキャンプを送っている。とくに目立つのが、新加入・城島健司捕手(33)だ。投手陣のクセを少しでも早く把握したいからだろうが、精力的にブルペン入りしている。フリー打撃をキャンセルしてまで『捕り手』に徹した日もあり、マリナーズ時代よりも活気に溢れていた。 しかし、この阪神の順調さは『嵐の前の静けさ』なのかもしれない。 「キャンプインまであと1週間と迫った1月25日の時点で、契約更改に至っていないプロ野球選手は3人いました。22日に金本(知憲)が契約しましたが、その3人というのは、下柳(剛)、藤川(球児)、久保(康友)。そう、全員、阪神選手ですよ」(ライバル球団職員) 昨年12月までにまとまらず、契約更改が『年越し』となった選手も数えれば、計5人。先述の4人に、選手会長の鳥谷敬内野手も加わる。「選手会長までがモメた」となれば、何か火ダネがチーム内部に燻っていると見るべきだろう。1月25日にサインした鳥谷は会見でこう語っていた。 「こっちも言いたいことがあるし、向こう(球団)もある。お金だけではなく…」 言いたいこととは何か? 鳥谷は記者団の質問をはずらかしたが、3日前、1億円のダウン提示を受け入れた金本も、意味深な物言いをしていた。 「選手は結束力を持ってまとまっていると思う。いままでとは違う姿というか…」 この金本発言の会見に立ち会ったメディア陣の1人によれば、金本は見るからに不機嫌そうな表情で雛壇に現れ、先導役の球団職員を無視するようにして腰掛けたという。しかも、冒頭で自ら「金銭的な話は特にない」と言い、約80分に及んだ契約更改交渉では、1億円のダウン提示となった年俸額以外の内容で長引いたことを打ち明けている。 主力選手たちの交渉を長引かせた『金銭面以外の内容』とは−−。 「ひと言で言えば、城島ですよ」(関係者) 昨季、右肘の故障で出遅れた“正捕手”矢野輝弘は約70%の大幅減俸を強いられた。復帰後の成績(打率3割7厘)、チーム貢献度を考えれば、「冷た過ぎる」というのが阪神ナインの総意であり、言い換えれば、「何故、城島を獲ったんだ!?」なるチーム首脳陣への疑問も沸いてくる。 藤川も契約更改後、「勝ちたい集団」とチームを評し、金本はこうも言い切っている。 「選手たちだけで優勝できるように頑張る」 1月31日、一部の主力選手が『決起集会』を開いている。発起人は金本であり、その席上には渦中の城島も招かされていた。 「城島獲得に疑問を持ったとしても、当人に文句を言うほど金本たちは愚かではありません。首脳陣への疑問、分からないことがあったら、自分のなかに仕舞い込むのではなく、オープンにして話し合っていこうみたいな集会になったと聞いていますが」 チーム関係者はキナ臭い様相を否定するが、城島が精力的にグラウンドを行き来すればするほど、虎ナインの表情が複雑になるようである。
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スポーツ 2010年02月13日 12時30分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元阪神タイガース・源五郎丸洋さん
源五郎丸洋(げんごろうまる・ひろし)。その珍しい姓はプロ野球ファンなら記憶にあるはずだ。 元・阪神タイガース投手の源五郎丸のユニフォームの文字は「GENGOROUMARU」と、なんと12文字。入団時には果たしてその文字数がきちんとユニフォームの背に収まりきれるのかと話題になった。07年にロッテに下敷領悠太(SHIMOSHIKIRYO・13文字)が入団するまでは堤内健、中野渡進と並んで日本プロ野球史上最長英名を記録してきた。 源五郎丸は64年1月15日、東京・江東区で生まれた。中学生の時に父の転勤で佐賀県に転居。PL学園・柳ヶ浦・佐賀商業など名門校から勧誘されたが、大分県立日田林工高へ入学した。本格派右腕として注目された源五郎丸はその後、ドラフト1位で阪神タイガースに入団した。もともと電電九州・右田一彦投手をクジで外した阪神からの指名ではあったが、日田工高・原田監督の勧めもあって源五郎丸は早大進学希望の夢を捨ててまでタイガースに入団したのだった。当時を知る知人は言う。「源五郎丸は大の巨人ファンだったんですよ。それで、やはり巨人戦で活躍するのが夢で、同年に巨人のドラフト1位だった槙原寛己投手と投げあいたいって言ってたんですけどね」。 未来のエースを嘱望されて入団した源五郎丸は、そのきれいなフォームが際立ち「池永二世」「村山二世」とも言われた。二軍キャンプで初のブルペン入りした際は大物評論家人が、一軍キャンプそっちのけでこぞって偵察に訪れたほど、注目されていた。球のキレもよく、特に威力あるストレートが絶品でマウンド度胸もある源五郎丸に周囲も大きな期待をかけていた。キャンプ終了間際に一軍に上がり、有料紅白戦で登板。バース、掛布を討ち取りエース候補の実力を見せ付けた。 ところが、運命は非情だった。紅白戦の翌日、2軍で体力アップのため調整をしていた源五郎丸は、練習の最後に行ったベースランニングで一塁を回ったところで転倒。立ち上がれず病院に担ぎ込まれると「右大腿部二頭筋断裂で全治4カ月」の診断が…。 投手として生命線といえる軸足のこの怪我が致命傷となり、源五郎丸の名はすっかり話題から消えていくのだった。 結局、源五郎丸は1軍に昇格することもなく、5年間のファーム暮らしの末に86年オフに戦力外通告され、プロ野球人生を終えた。もし、あの時の怪我さえなければ、源五郎丸は名字の珍しさではなく、その投球でファンの心に刻まれる投手であっただろう。 引退後は滋賀県で「源五郎丸スポーツ&薬局」を薬剤師の妻と経営したり、父親とともに造園業を営みつつ、掛布主催の野球教室で講師を務めたりもした。現在は姫路で「スポーツプランニング 源」を立ち上げ、『元阪神タイガース源五郎丸洋による少年少女野球教室・夢応援隊』を開催し、自分の果たせなかった夢を後進に託すかのように情熱いっぱいに指導している。
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スポーツ 2010年02月13日 12時00分
宙ぶらりんの高橋尚成
巨人からFAしてメジャー挑戦しようとしている高橋尚成だが、いまだに買い手が付かず、宙ぶらりん状態になっている。4月2日で35歳になるのに、「メジャー契約、先発」という、身の程知らずの要求をしているからだ。 「マイナー契約がいいところだろう。今は日本人だからといって、特別な付加価値があるわけでない」。複数のメジャーリーグ関係者はこう明言しているというが、その通りだろう。日本人メジャーリーガー初のワールドシリーズMVPに輝いた松井秀喜でさえ、ヤンキースとの再契約が難航して、年俸半額でエンゼルスに移籍している時代だ。メジャーリーグバブルはもう崩壊しているのだ。 どうしてもメジャー挑戦したければ、マイナーからはい上がればいい。巨人を解雇された桑田真澄氏がマイナーリーグからパイレーツに昇格したように。高橋に対しても、マイナー契約ならそのパイレーツ、上原浩治のいるオリオールズなどが関心を示しているといわれているのだから、実力でメジャー昇格のチャンスをつかめばいいだけだ。 ヤクルトからFAした五十嵐亮太がメッツと2年総額300万ドル(約2億7000万円)という好待遇で契約できたのは、高橋にない二つの条件があるからだ。まだ30歳の年齢面。リリーフ専門投手で、メッツは守護神・ロドリゲスにつなぐセットアッパーを探していたチーム事情がある。ヤクルト時代の昨年の年俸が8400万円といわれるから、五十嵐の場合は結果オーライ、幸運、強運と言うしかない。例外だ。 高橋が「五十嵐だってあんないい条件でメッツ入りしたのだから」と思っているのならば、大いなる勘違いだ。35歳になるのに、先発を入団条件などにすれば、メジャー球団はソッポを向くのは当然だ。「リリーフでもなんでもやる。年俸もいくらでもいい」と言えば、左腕だし、オファーをしてくれる球団もあるかもしれない。その程度の選手なのだ。「巨人」などという看板はメジャーでは全く通用しない。 「巨人は言いなりでお金を出す、ネギを背負ったカモ。いい加減な選手を高く売るには最高の球団だと、メジャーでは思われている」。セ・リーグのある球団の外国人選手獲得担当者が語った言葉だ。実際に外れ外国人選手ばかり獲得。仕方なくヤクルトから4番・ラミレス、エース・グライシンガー、横浜からも守護神・クルーンを大金で横取りするなど方針転換している。 巨人で通算10年間、79勝66敗の高橋の成績など売り込みの材料にはならない。左腕で15セーブ、5ホールドの方を強調、「リリーフができます」というセールスをしなければ、買い手が付くわけがない。高橋のメジャー挑戦がチャンスさえもらえずに失敗すれば、勘違い選手の多いメジャー症候群の日本の選手たちには、良薬になるかもしれないが。
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スポーツ 2010年02月12日 14時00分
オーナー陣営は困惑! ドラフト改定で二軍FA制度も導入か…
今秋のドラフト会議からの実施に向け、現行ルールの改定が協議されている。ウェバー制を維持すべきか。それとも、有望新人のアメリカ流出を阻止するため、『自由枠』を復活させるべきか…。ドラフトの規約を変更するとなれば、同時にFA制度の規約改定にも着手することになるだろう。そのとき、12球団オーナーは選手側の『意見』を聞く機会も設けなければならないが、労組・プロ野球選手会は、かなり大胆な『FA改革論』を話し合っていたことが分かった。 ◎セ、パ各リーグの選手権試合期間中に145日以上出場選手登録されたシーズンを1シーズンとして計算し、(1)合計8シーズンに達したときに「国内FA」となる資格を取得する。(ただし、2007年以降のドラフトで入団した大学生・社会人選手は、7シーズンで資格を取得する。) (2)合計9シーズンに達したときに「海外FA」となる資格を取得する。(NPB公式HPより一部抜粋) 要するに、FA取得選手になれるのは『一軍登録選手』だけである。選手会は二軍選手にも移籍交渉のチャンスを拡大しようとしていたのだ。 「昨年12月3日、選手会の定期大会が開かれました。主題は『年金制度』でしたが、FAに関する意見交換になったら、若手の出場機会を確保すべきとの声が出たんです。まだ、選手会の統一意見としてまとまってはいませんが」(関係者談) 選手会は「一軍試合の登録日数ではなく、二軍戦もカウントすべきではないか」という意見をまとめつつある。つまり、一軍も二軍も関係なく、「プロ野球選手であれば、その在籍年数によってFA宣言できる」内容に変更しようとしているのだ。もしそうなれば、選手層の厚いチームに在籍している中堅、若手は、確実に他球団で自分を試す機会が広がる。当然、この話を伝え聞いたオーナーサイドは猛反対だったが、近年、選手育成が滞っている一部の球団は興味を示しているという。 在京球団職員の1人が「私見」と前置きしたうえで、こう言う。 「09年オフ、FAでロッテから横浜に移籍した橋本将捕手がいますよね。今だから言えますが、実は09年シーズン途中、横浜が千葉ロッテ側に『橋本が欲しい』と、トレードを持ち掛けたんです。千葉ロッテ側は『交換要員次第』と言ったものの、正捕手の里崎に万が一のことがあったらと、二の足を踏んでしまったんです。橋本を待機させておきたい気持ちも分かりますが、選手の側にすれば、『だったら、トレードに出してくれ』と言いたくもなるでしょう」 同日の定期大会で『レンタル移籍制度』の導入も検討したそうだ。橋本捕手のケースを例に取れば、一時的に横浜へレンタル移籍され、里崎が故障欠場した場合、いつでも呼び戻せるステムになる。 プロ野球の発展と選手の出場機会拡大のためには、どちらがいいのか…。野球はサインプレーのスポーツでもある。各球団が難色を示す理由はチーム最高機密である『サイン』の流出を恐れているからだが、二軍選手にまでFA取得を拡大したら、選手の移籍は頻繁になり、『チームへの愛着』は希薄化するだろう。 「FAの取得年数を1年か2年短縮して、折り合いを付けるのではないか?」(前出・同) 今回も、12球団オーナーと選手会が歩み寄ることはなさそうだ。
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スポーツ 2010年02月11日 13時30分
あのイチローの好敵手がメジャー失格の烙印!?
「アイツは眼中にない!」 MLB・ナショナルリーグに在籍する日本人メジャーリーガーたちが“見下している投手”がいる。昨年のWBCでキューバ代表として日本チームを苦しめたアロルディス・チャップマン(22)のことである。 最高102マイル(約164キロ)の速球と、高速スライダーを武器にするスーパー左腕は、昨年7月のオランダ遠征中に亡命。その後、シンシナティ・レッズと契約し、「日本人メジャーリーガー対元キューバ代表」の対戦は、2010年のメジャー中継の目玉になると思われていたが、そうはならないようである。 何故、日本人メジャーリーガーたちはチャップマンを見下しているのか−−。 「WBCの大会中、イチローが言っていたでしょう。『いくら速くても、ムービングしない直球は打てる』って」(放送関係者) それだけではない。彼の性格に問題があったのだ。メジャー各球団と交渉していたころ、こんなことがあった。 チャップマンは交渉先球団のクラブハウスで一服しようとし、職員に注意されている。アスリートとは思えないほど、ヘビースモーカーだった。日本のプロ野球選手にも愛煙家はいるが、渡米後の自主トレでも葉巻を手放さなかったという。周囲は禁煙を勧めたが、聞く耳を持たず、亡命後の約半年間、練習らしい練習はほとんどやって来なかったのが真相だ。 獲得に名乗りを上げたレッドソックス、ヤンキース、エンゼルスが交渉を途中で打ち切ったのも、そのためである。 「レッズは01年以降、9年連続で負け越しています。ゼネラルマネージャーを代えるなどしていますが、全く効果はない。99年にシーズン96勝を挙げた栄光は完全に失墜してしまった。補強ベタなレッズだから、チャップマンと契約してしまったんです」(MLB解説者の1人) 才能に溢れたアスリートが『練習嫌い』という話はよく聞く。地区こそ違うが、チャップマン対カブス・福留、対アストロズ・松井稼、あるいはドジャース・黒田との投げ合いなど、『WBC番外編』は観られそうにない。今季のメジャー中継が「エンゼルスの松井秀喜が中心になる」という放送編成は、WBC余波が期待できない事情も影響してのことのようだ。(スポーツライター・美山和也)
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2025年07月21日 12時00分
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宮迫博之「雨上がり決死隊」再結成は「蛍原さん次第」 ドジャース始球式の裏話も明かす
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2025年07月14日 17時00分
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元ザブングル松尾陽介、沖縄で芸人のセカンドキャリアサポート 芸人引退に「心境の変化」
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2025年04月28日 19時03分