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宙ぶらりんの高橋尚成

 巨人からFAしてメジャー挑戦しようとしている高橋尚成だが、いまだに買い手が付かず、宙ぶらりん状態になっている。4月2日で35歳になるのに、「メジャー契約、先発」という、身の程知らずの要求をしているからだ。

 「マイナー契約がいいところだろう。今は日本人だからといって、特別な付加価値があるわけでない」。複数のメジャーリーグ関係者はこう明言しているというが、その通りだろう。日本人メジャーリーガー初のワールドシリーズMVPに輝いた松井秀喜でさえ、ヤンキースとの再契約が難航して、年俸半額でエンゼルスに移籍している時代だ。メジャーリーグバブルはもう崩壊しているのだ。
 どうしてもメジャー挑戦したければ、マイナーからはい上がればいい。巨人を解雇された桑田真澄氏がマイナーリーグからパイレーツに昇格したように。高橋に対しても、マイナー契約ならそのパイレーツ、上原浩治のいるオリオールズなどが関心を示しているといわれているのだから、実力でメジャー昇格のチャンスをつかめばいいだけだ。
 ヤクルトからFAした五十嵐亮太がメッツと2年総額300万ドル(約2億7000万円)という好待遇で契約できたのは、高橋にない二つの条件があるからだ。まだ30歳の年齢面。リリーフ専門投手で、メッツは守護神・ロドリゲスにつなぐセットアッパーを探していたチーム事情がある。ヤクルト時代の昨年の年俸が8400万円といわれるから、五十嵐の場合は結果オーライ、幸運、強運と言うしかない。例外だ。
 高橋が「五十嵐だってあんないい条件でメッツ入りしたのだから」と思っているのならば、大いなる勘違いだ。35歳になるのに、先発を入団条件などにすれば、メジャー球団はソッポを向くのは当然だ。「リリーフでもなんでもやる。年俸もいくらでもいい」と言えば、左腕だし、オファーをしてくれる球団もあるかもしれない。その程度の選手なのだ。「巨人」などという看板はメジャーでは全く通用しない。
 「巨人は言いなりでお金を出す、ネギを背負ったカモ。いい加減な選手を高く売るには最高の球団だと、メジャーでは思われている」。セ・リーグのある球団の外国人選手獲得担当者が語った言葉だ。実際に外れ外国人選手ばかり獲得。仕方なくヤクルトから4番・ラミレス、エース・グライシンガー、横浜からも守護神・クルーンを大金で横取りするなど方針転換している。
 巨人で通算10年間、79勝66敗の高橋の成績など売り込みの材料にはならない。左腕で15セーブ、5ホールドの方を強調、「リリーフができます」というセールスをしなければ、買い手が付くわけがない。高橋のメジャー挑戦がチャンスさえもらえずに失敗すれば、勘違い選手の多いメジャー症候群の日本の選手たちには、良薬になるかもしれないが。

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