2月3日(現地時間)、古巣の地元紙『ボストングローブ』が「メッツとアストロズが松坂に興味を示している。即契約はないが、復活が本当なのか、状況を見極めるため、キャンプに招待するプランがあるようだ」と報じた(電子版)。
松坂を知る日本球界の関係者がこう話していた。
「今の松坂ではメジャー契約は厳しい…。マイナー契約か、日本球界帰還の二択になると思います。メジャーに残りたいのなら、マイナー契約を受け入れ、そこから這い上がって行けばいい」
また、米FA市場について、こんな声も聞かれた。
「松坂のように故障明けの選手、マイナー契約になる可能性の高い選手は、1月下旬以降にならないと具体的な交渉が始まりません。近年、米FA市場はそういった傾向になっています。でも、この時期になって、『キャンプ招待選手』の話も進まないとなれば、日本帰還を真剣に考えなければなりません。昨年の松井秀喜のように『契約浪人』になる恐れもありますよ」(米国人ライター)
こうした状況からすれば、『キャンプ招待の検討』報道は、メジャー残留を望む松坂にとって一縷の望みとも言えそうだが、挙手した球団が芳しくない…。
近年、ニューヨーク・メッツは補強に失敗しており、昨年12月には同年サイ・ヤング賞投手で、20勝6敗と大活躍したR.A.ディッキーを“喪失”している。
「ナックルボーラーのディッキーは来季、39歳を迎えます。2010年、初めて2ケタ勝利を挙げたように、遅咲きの投手です。12年シーズンで契約を終えたディッキーは『2年2600万ドル強』を残留条件としましたが、メッツ側は年齢を理由にトレード放出してしまいました」(前出・米国人ライター)
メッツは12年オフも補強が巧くいかなかった。とくに投手陣に関してはシーズン中から『マイナス要素』が指摘されていたのに、だ。たとえば、10年シーズン後半に左肩を故障したヨハン・サンターナも復活していない。11年オフ、クローザーとして補強したフランク・フランシスコも期待を裏切った。勝ち頭のディッキーを放出したというのに、目立った投手補強は行われていない…。こうした投手事情を考えると、「めぼしい投手はFA市場に残っていないから、松坂に声を掛けた」という感もしないではない。
投手の頭数がいないチームにいけば、メジャー契約を交わせるかもしれないが、「春先から中4日で酷使させられる」リスクの方が大きい。こうしたメッツの投手事情を考えると、右肘の故障から完全回復していない松坂にとって、「不向きな球団」と言わざるを得ない。
松坂の招待選手の可能性を報じていた同日のボストングローブ紙は、福岡ソフトバンクホークスを退団した岡島秀樹投手(37)の動向にも触れている。「マイナー契約だが、複数の球団が関心を持っており…」とのこと。日本球界に一時帰還し、仕切り直した強かさについてである。
松坂にもそんな強かさがあればいいのだが…。この時期になって契約が決まらないとなれば、焦せらない方がおかしい。近日中に、松坂の去就問題に結論が出されそうだ。
※選手のカタカナ表記は『メジャーリーグ名鑑』(廣済堂出版/2012年版)を参考にいたしました。