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米スポーツネット局が報じた松坂大輔の移籍先

 サンディエゴ・パドレスが松坂大輔投手(32)との本格的交渉をスタートさせたのは、既報通り。本拠地のペトコパークは投手有利の広域球場、指揮官は不振選手の復活に定評のあるバド・ブラック監督。「(松坂がポスティングに掛けられた)06年オフはマネーゲームに参加できなかった。今も評価している」とジョシュ・バーンズGMもラブコールを送っていた。昨年手術した右肘の回復が遅れ、今季は1勝7敗と奮わなかったが、最高級の評価と言っていいだろう。また、サンディエゴは住環境も良いと聞く。松坂のパドレス入りは時間の問題でないだろうか。

 複数の米特派記者たちもそう見ていたが、松坂の代理人であるスコット・ボラス氏はキャンプイン直前の2月半ばまで交渉を長期化させる戦略も検討しているという。
 米国人ライターは「情報が二転三転している」と前置きしつつも、『パドレスの裏側』をこう説明する。
 「パドレスは資金力が豊富な球団ではありません。オーナーが交代し、その影響で今オフは例年以上の補強費を出すとか出さないとかで、情報が錯綜しています」
 敏腕代理人・ボラス氏は“好条件”のパドレスだけではなく、複数球団との交渉を展開していくプランも明かしていた。メジャーリーグに詳しいジャーナリストやNPB関係者は、一筋縄ではいかないボラス氏の交渉手腕を踏まえ、「交渉を長引かせることでパドレスから、現提示額以上の年俸を勝ち取ろうとしているのではないか」「時間が経過すれば、米FA市場にいる好投手は少なくなってくる。そうなると、パドレスが主張する松坂復帰論に信憑性と価値観が生じ、松坂を高く売れる」とも“推測”していたが…。
 「パドレスは先発ローテーションがガタガタです(笑)。3番手、4番手以降の投手が不確定で、ブラック監督がマイナー投手を含めた人員のなかから調子の良い投手を見極め、ペナントレースをやり繰りしてきました。松坂にとってもやり甲斐があると思う」(前出・米特派記者)

 関係者によれば、松坂は今季終盤、すでにレッドソックスとの再契約を諦めていたという。同時に、ボラス氏に伝えていた希望は「第一がメジャー残留」とのことで、状況によってはマイナー契約を受け入れる覚悟もあったそうだ。この時点で松坂のなかにはNPB復帰は“第二希望以下”ということだ。

 米スポーツ専門局は毎年、FA選手の去就や評価に関する独自の調査報告をネット配信している。各球団の補強ポイントも加味し、「どの選手とどの球団が相思相愛か?」も分析しているが、松坂に関しては「有力な移籍先」として<YOKOHAMA DeNA BAYSTARS>とあった。日本のプロ野球チーム名を記されていたのは松坂だけであり、キョーレツな皮肉と言っていい。
 米球界で再起を目指す気持ちは分かるが、これだけ評価が低いとなれば、ボラス氏の強気な交渉はマイナスに転じるのではないだろうか。

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