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日本人メジャーリーガーはどうなる? 松坂大輔編

 契約最終年が“肩慣らしのシーズン”になるとは…。松坂大輔(31)が総額5200万ドル(約61億円/当時)で6年契約を交わしたのが『遠い昔』のような気がする。メジャー3年目の09年に「4勝」に大きく成績を落とし(前年18勝)、昨年5月には右肘にメスを入れている。過去5年間での通算成績は49勝30敗、防御率4.25。ボストンのファンを失望させてしまったが、ボビー・バレンタイン監督との出会いは、今後のメジャー生活を好転させるかもしれない。

 松坂の“試運転”は3月16日だった。実戦形式の打撃投手として登板し、その後も先発ローテーションを意識し、「中4日」での登板を重ねてきた。『ブルペン投球再開の見通し』(3月25日付)、『94マイル(151キロ)が出た』(4月2日付)と報じられ、ペナントレース開幕後もキャンプ施設のあるフロリダ州で調整・リハビリを続けているが、7月には復活マウンドを踏めるかもしれない。
 「このまま順調に行けば、6月中にマイナーの試合に登板する運びになるでしょう。『右肘』が大丈夫なら、7月の球宴あたりにチーム(メジャー)に合流できそうですね」(現地特派員の1人)
 新指揮官のバレンタイン監督は、松坂を『今季の戦力』とは見ていない。同監督は親日家であり、西武時代の松坂のピッチングも知っている。松坂を復活させれば、日本での『自身の評価』がさらに上がることも分かっている。また、前監督とシックリ行っていなかった松坂と信頼関係を築けば、レッドソックスのフロントも一目置くようになるだろう。バレンタイン監督とは、そういう指揮官でもある。

 「右肘に施されたトミー・ジョン手術は、術後の投球数に関して、具体的に『80球まで』とか、制限が設けられるんです。バレンタイン監督は松坂を大切に使ってくれるはず」(米国メディア陣の1人)
 今季のレッドソックスの先発5人枠は、ジョン・レスター、ジョシュ・ベケット、クレイ・バックホルツ、アルフレード・アセブェス、ダニエル・バード。レスターはともかく、ベケットは2年続けて活躍したことがない。バックホルツも故障明けでどこまで回復しているか未知数だが、バレンタイン監督はセットアッパーだったバードを先発に転向させている。これは、松坂がローテーションに復帰できなくてもやり繰りできるよう、先手を打ったコンバートでもあった。

 「新クローザー候補のアンドリュー・ベイリー(前アスレチックス)は、バレンタイン監督とは旧知の間柄なんです。在籍チームは違いますが、チャリティーイベントを通じて親しくなり、バレンタイン監督の要望で獲得した投手です。バードも先発に抜擢され、ヤル気になっています」(前出・同)
 千葉ロッテ時代、同監督は自身のスタッフで周囲を固めてきた。その是非はともかく、自身を支持する者、慕ってくる者に対してはトコトン面倒をみるタイプだ。
 「調子が良ければ、ローテーションの谷間での先発テストをさせることもあるとは思います。でも、今年は点差の開いた場面で肩慣らしをさせる程度でしょう」(前出・同)
 レッドソックスが松坂と再契約を交わすのかどうかは、分からない。だが、すでに松坂はバレンタイン監督の庇護にあるのは間違いないようだ。

※メジャーリーグの選手、監督首脳陣等のカタカナ表記は、ベースボールマガジン社刊『週刊ベースボール』(2012年2月13・20日号)を参考にいたしました。

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