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日本人メジャーリーガーはどうなる? 青木宣親編

 オープン戦を見る限り、「テストされている」といった感が否めない。4月2日時点(現地時間)でのオープン戦を見直してみると、8番での出場が8回、1番が6回、2番と9番が1回。『開幕メジャー』は決定だが、ミルウォーキ・ブリュワーズの青木宣親外野手(30)にとって、今季は気の抜けないシーズンになるのではないだろうか。

 過去、アメリカに渡った日本人選手は『レギュラー候補』として契約を交わしている。ブリュワーズも青木を必要と思って契約したのだが、イチロー、松井、福留とは少し事情が違う。一連の報道にある通り、『4番目の外野手』としての契約で、それも「6月以降はどうなるか分からない」という“不安定な待遇”である。昨季、ナ・リーグMVPにも選出された主砲のライアン・ブラウンが『禁止薬物』の使用発覚により、今季から50試合の出場停止に称された。さらに、昨季まで控え外野手ながら好成績を残していたマーク・コッツェイがパドレスに移籍してしまったため、ブリュワーズは慌てて青木のポスティングに参戦したのである。

 ブラウンが復帰するまでの代役、コッツェイが担ってきた『4番目の外野手兼左の代打』−−。そんな低評価は青木自身も理解していたが、「覆してみせる」という意気込みでオープン戦を戦ってきた。
 「ブラウンが帰ってきたときに2割6分以上の打率を残していれば、他球団が『欲しい』と思い、移籍先でレギュラー契約を交わせる可能性もある。ただ、2割5分以下なら、マイナー落ちでしょう」(米国メディア陣の1人)
 青木にとって、ブラウンのいない4、5月が勝負どころとなりそうだ。
 『レギュラー契約』。メジャーリーグでは契約事項の中に「レギュラーで使う」「何試合以上、スタメン起用する」といった条文を書き込ませるケースも珍しくない。これに泣かされたのが新庄剛志である。青木は一部スポーツ新聞のインタビューで斎藤隆の名前も挙げ、「見ている人は見ている、と信じてやっていきたい」と意気込みを語っていた。
 しかし、ブリュワーズはシーズン中のトレードが比較的多いチームでもある。ブラウンが復帰した後の外野のレギュラー争いに労力を費やすよりも、「自分から『出たい』と言って、外野手層の薄いチームで仕切り直した方が良い」のではないだろうか。
 「青木はブリュワーズと契約した当初は、ほとんど注目されていませんでした。しかし、エンゼルス戦(3月23日)では盗塁を2つ、守備でもフェンス際の難しい打球を巧みに処理しており、他球団のGMも一目置いています」(前出・同)

 昨季MVPのブラウンはもちろんだが、センターのレギュラーが予定されているナイジャー・モーガンは「メジャーを代表する武闘派」、「スーパーキャッチの外野手」とも称される人気プレーヤーで、ライトのコーリー・ハートは年俸900万ドル(約6億7500万円)。年俸から見ても分かる通り、リーグを代表するトップクラスの選手である。
 田口壮のような「スーパーサブ」も、チームには必要だ。しかし、オープン戦で低評価を覆した青木に、他球団が注目しつつある。いずれにせよ、4、5月の2カ月間が青木の運命を決めるのは間違いない。(一部敬称略)

※メジャーリーグの選手、監督首脳陣等のカタカナ表記は、ベースボールマガジン社刊『週刊ベースボール』(2012年2月13・20日号)を参考にいたしました。

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