何故、山本浩二氏なのか…。代表監督選出の件では、王貞治・ソフトバンク会長が一任されていた。その王会長が秋山幸二監督の説得に失敗した経緯もある以上、今後の国際大会における『監督選出』について、何かしらのルールを決めるべきだろう。NPB事務局の内部からは「コージさん(山本氏)に救われた」なる声も出ていた。その言葉から察する限りだが、山本氏が代表監督を辞退したら、次の候補はいなかったのではないだろうか。
「大会不参加の件、監督人事とモメ事が続いたせいか、選手たちのモチベーションが上がっていません。過去2回の大会で米国の代表チーム入りした投手の何人かが故障し、その年のシーズンを棒に振っています。そういう経緯を考えると、レンジャーズが裏で手を回してダルビッシュをプロテクトしてしまうかもしれません」(プロ野球解説者の1人)
“山本ジャパン”が『選手選出』で苦しむ可能性も捨てきれない。
実は、NPBは選手選考に着手する前段階として、12球団監督に「代表に相応しい選手は誰か?」という主旨のアンケートを内々に行っている。詳細は教えてもらえなかったが、過去2回大会も同様に行われたという。そして今回、そのアンケートにNPB幹部が「これは!?」と驚く選手名が書かれていたそうだ。
「田澤(純一)クンですよ。今季後半、レッドソックスで著しい成長を見せ、『今の彼なら、先発でもストッパーでも、どちらでも通用するはずだ』と…。このアンケート結果はコージさんもお見せします。多分、田澤クンに興味を示すと思う」(関係者)
そう言われてみれば、レッドソックスの同僚で、WBCのMVP投手・松坂大輔も「田澤はWBCでクローザーもできる!」と絶賛していた。田澤は8月のメジャー昇格以降、17試合に登板し、防御率1.53。メジャーリーグで「リリーバーを評価する指標」の1つである『1四球当たりの三振数』は、40イニング以上投げた投手でメジャー最高の9.00をマークしている。
「日本ハムの栗山監督が強く推薦していました。アンケートの件はそれ以上言えませんが…」(前出・同)
この田澤が山本ジャパンのリリーフ陣に加われば、大きな戦力になるのは間違いない。しかし、田澤は“ちょっと強引な手法”でメジャー挑戦を果たしている。ドラフト候補に挙がった08年、12球団に“指名辞退”の文書を送付。日本プロ野球界を経由しないでのメジャー挑戦は、「ドラフト制度の崩壊に繋がる」として、今日も不快感を示すNPB関係者がいないわけでもない。
「武田久、岩瀬仁紀、山口俊もいますが、外国人投手にクローザーを託す球団もないわけではない。西武の涌井? リリーフは一時的なコンバートのようですし、阪神の藤川はメジャー挑戦が確実視されているので、今回は招集できないと思われます。クローザーが務める日本人投手は少ないので、ヘンなメンツは捨てて、田澤を招集すべき」(在阪球団職員の1人)
出場問題で揺れ、監督人事でさらに混乱…。田澤の成長を素直に認め、山本体制をもり立てるべきだと思うが?
※松坂大輔の田澤純一に関するコメントは共同通信の配信記事を参考にいたしました。