これまで、メジャーに渡った日本人投手が、ルーキーイヤーにマークした最多の勝ち星は松坂大輔投手(32=レッドソックス)の15勝(12敗=07年)だったが、ダルビッシュはこの記録に並んだ。こうなると、1勝でも上積みして松坂超えを果たしたいところ。
また、日本人投手がメジャーで挙げた年間の最多の勝ち星は、08年の松坂の18勝(3敗)。ダルビッシュは残った公式戦で3戦の登板が予定されており、3戦すべてで勝ち星をマークすれば、この記録にも並ぶ。
そんななか、ダルビッシュに朗報が届いた。ロン・ワシントン監督(60)が残りの公式戦で、“専属捕手”の起用を確約したのだ。
レンジャーズの正捕手はマイク・ナポリ(30)だが、ダルビッシュとの相性が悪く、ヨービット・トレアルバ捕手(34=ブルージェイズに移籍)とコンビを組むことが多かった。ところが、チームがカブスからトレードでジオバニー・ソト捕手(29)を獲得したことに伴い、トレアルバは7月31日(同8月1日)に戦力外通告を受けてしまった。
正妻を失ったダルビッシュはナポリと再びバッテリーを組むが、コンビネーションはうまくいかず、精彩を欠く投球が続いた。そんな折り、ナポリが左太ももを痛め故障者リスト(DL)入り。代わって、マスクを被ったソトとのコンビは上々で、ダルビッシュは球宴後の不振から脱した。
それは成績を見れば明らかで、ナポリと組んだ際の防御率は10試合で5.68。一方、ここ6試合でコンビを組んだソトとは4勝1敗、防御率2.32と大きく違う。
ナポリは15日に復帰し、本来ならバッテイングがいいナポリが優先起用となるはずだが、ダルビッシュが登板する試合に限っては特別態勢が取られることになった。ワシントン監督は「今まで安定した投球が続いている。ソトは非常に頭が良く、ダルビッシュと合っている」とコンビ継続を決めたのだ。
ダルビッシュの次回登板は20日(同21日)のエンゼルス戦の予定。ワシントン監督の英断で、ダルビッシュは松坂超えの16勝目を目指す。
(落合一郎)