8月6日(日本時間7日)、フェンウェイパークでのレッドソックス戦に先発したダルビッシュは、またも炎上。6回2/3を投げて、11安打4四球9奪三振で6失点。チームが2-9で敗れて、今季8敗目(11勝)を喫した。
前半戦は16試合に登板し、10勝5敗、防御率3.59で、最多勝も視界に入っていた。ところが、後半戦に入ると大きく崩れ、5試合に登板し、1勝3敗、防御率7.76。そのうちの4試合で6失点以上を献上しており、惨たんたる成績だ。
これでは最多勝はおろか、ア・リーグ新人王獲得にすら暗雲が漂ってきた。新人王に向け、最大のライバルとして急浮上してきたのが、元中日の左腕、チェン・ウェイン投手(27=オリオールズ)。
チェンは4日(同5日)、トロピカーナフィールドでのレイズ戦で先発。7回無失点の好投で、新人ながら勝ち星を2ケタ(10勝6敗)に乗せた。
両者の成績を比較すると、投球回はダルビッシュ134回、チェン135回1/3と、ほぼ同じ。勝ち星はダルビッシュが1勝リードしているが、勝率はチェン(.625)がダルビッシュ(.579)より上。防御率はダルビッシュの4.57に対し、チェンは3.46と大きく差を付けている。奪三振はダルビッシュが154で、109のチェンを上回っているが、与四死球は83のダルビッシュに対して、チェンは47と格段に少ない。こう見ると、勝率、防御率、与四死球で勝るチェンの安定感が光っている。
日本ではダルビッシュが通算93勝(38敗)、チェンが36勝(30敗)と、その実績には大きな差がある両者。しかし、中日の左のエースとして活躍したチェンの安定性は抜群だ。台湾人とあって、日本メディアでの報道やテレビ中継も少なく、日本での注目度はダルビッシュに劣る。しかし、このまま、ダルビッシュの不調が続くようなら、新人王はチェンがかっさらっていきそうな勢いだ。
(落合一郎)