8月19日(日本時間20日)、デトロイトでのタイガース戦に先発したチェンは、初回に5点を奪われたが、2回から立ち直り、5回まで無失点で切り抜けた。その間に味方打線が奮起し逆転。オリオールズが7-5で勝利し、チェンが12勝目を挙げた。
チェンは「考えすぎないで、できるだけ失点を少なくと思った。(1回に)球数を投げていたので、一人一人に集中して、どんどん勝負にいった」とコメントした。会心の逆転勝ちに、バック・ショーウォルター監督は「タフな男。(5回まで)投げられると思った」と満足げ。
前半戦では、常にダルビッシュの後を追いかける格好になっていたチェンだが、後半戦になって、ダルビッシュが不調でもたつく間に白星を積み重ね、ついに追いついた。
ここまでの両者の成績は、ダルビッシュが23試合登板、147回2/3を投げて、12勝(9敗)=勝率.571、防御率4.51、奪三振172、与四死球90。チェンは25試合登板、151回を投げて、12勝(7敗)=勝率.632、防御率3.87、奪三振122、与四死球51。
投球回、防御率、勝率とおもな成績はチェンが上回っており、ダルビッシュが上回っているのは奪三振のみ。こうなると、新人王争いは現時点ではチェンが優勢にも思える。
過去、日本人でMLBの新人王を獲得したのは、95年の野茂英雄投手(ドジャーズ)、00年の佐々木主浩投手(マリナーズ)、01年のイチロー外野手(マリナーズ)と3人だけ。ダルビッシュが獲得すれば、11年ぶり4人目の快挙となるだけに、期待が懸かる。今後も両者のマッチレースが続くことが予想され、2人の登板に注目が集まるところだ。
(落合一郎)