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ダルビッシュのメジャー挑戦でアノ球団の戦力補強にも大打撃!?

 これも、ダルビッシュのメジャー挑戦表明の影響だろう。チェン・ウェイン(26=中日自由契約)、和田毅(30=ソフトバンクFA)、岩隈久志(30=楽天FA)の3投手が米・ウインターミーティングで“モテモテ”だという。しかも、一時期は『広島カープへの帰還』が既成事実のように伝えられていた黒田博樹(36)にもメジャー残留の可能性が高まってきた。

 「マーク・バーリーがマーリンズと、C.J.ウィルソンがエンゼルスと契約し、これで、今オフの米FA市場の先発タイプの大物投手はいなくなりました。そう言っても過言ではないでしょう。あとは、ダルビッシュだけ…。どの球団も先発投手を補強したいと思っており、チェン、和田、岩隈たちがクローズアップされたんです」(米メディア陣の1人)
 今更ではあるが、ダルビッシュの落札金は松坂の5111万ドルを上回るのは必至。また、ダルビッシュ側にも契約面で“譲れない金額”があるらしく、落札球団の条件提示が悪すぎれば「日本ハムへの帰還」も選択肢に入れるという。
 そうなると、タルビッシュを獲得できる球団は限られてくる。ウインターミーティングに出席したGM、米球団関係者は「欲しい!」と言うものの、松坂を上回るマネーゲームには参戦できない…。多額な軍資金を用意できるのは一部の金持ち球団だけである。つまり、ダルビッシュを競り落とすだけの軍資金はないが、チェンたちの契約金、年俸分なら「何とかなる」と、戦略を変え始めたのだ。

 とくに、チェンに関してはオリオールズが“一本釣り”してくる可能性も出てきた。
 地元紙『ボルティモア・サン』(11月26日付)には「台湾に帰ってから代理人と話そうと思います。ゆっくり考えて…」なる本人コメントまで掲載。チェン自身も大物の先発投手が極めて少ない今オフが売り時と考えているようなニュアンスだった。

 ここに来て急浮上してきたのが、黒田博樹(36=ドジャースFA)の存在だ。「ヤンキースがウインターミーティング中に黒田に条件提示した」−−。何紙かの米メディアがそう報じていた。ヤンキースと言えば、ダルビッシュ獲得に向け、かなり前から準備を進めてきたとされるが、キャッシュマンGMが意味シンなコメントも発している。
 「タイミングが大事。欲しい選手が獲得可能になっても、チームの方針やプランに合わなければ…」(9日/現地時間)
 黒田サイドへの条件提示は否定していた。
 しかし、キャッシュマンGMのコメントから察するに、ダルビッシュサイドは「5年前後の長期間契約」を求めているのではないだろうか。こちらがNPB関係者から得た情報では「3年20億円が譲れない一線」とのことだ。いずれにせよ、ダルビッシュサイドは「メジャーに挑戦したい」という目標ではなく、ビジネスとして今回のポスティングを捉えているのは間違いなさそうだ。
 もっとも、キャッシュマンGMの弱気な発言は陽動作戦の一環との見方もあるが…。

 ヤンキースは大型補強にも熱心だが、若手育成のシステムにも定評がある。5年近い長期契約を交わせば、若手を登用する機会が減る。ヤンキースは<ポスティングには参画する。たとえ独占交渉権を得たとしても、交渉決裂の可能性もある。確実に投手補強を終えるため、黒田を先に押さえておこう(乗り換えた)>と判断したのではないだろうか。
 「レッドソックスが元千葉ロッテのボビー・バレンタイン監督と来季の戦力構想について、色々と意見交換しています。こちらでは『ボビー=日本球界通』のイメージが浸透していますので、レッドソックスがダルビッシュの入札に参戦してくると見る向きも強まってきました。ヤンキースがダルビッシュ争奪戦から後退しつつあるのはその影響かも」(現地特派員の1人)

 黒田は昨季11勝、今季13勝と2年連続2ケタ勝利をマークしており、現在残っている米FA市場の投手のなかではトップクラスに位置している。米メディアは「ダルビッシュの入札金は1億ドル」(約77億円)と予想しており、「3年20億円以上」「5年前後の長期契約」の要求が本当なら、「1000万ドル(約7億7000万円)×3〜5年」で、1億3000万ドル強の軍資金が必要となる。
 06年オフの松坂大輔は、落札金が5111万1111ドル11セント。年俸は『6年総額5200万ドル』。当時のレートで総額約120億円だった。今日の日本は『円高』だが、メジャー球団は当時も今も「ドル」でしか見ていない。落札金が米メディアの予想通りになれば、松坂の2倍。年俸も「松坂以下」ということは考えにくいので、ダルビッシュ獲得の軍資金は、06年オフのレッドソックスの1.5倍まで膨れ上がる。
 大多数の球団がチェン、岩隈、和田に乗り換えたのも当然か…。

 米ウインターミーティングには広島カープ職員、並びに野村謙二郎監督も駆けつけた。野村監督は米メディアに黒田との接触の有無を質問されたが、ちょっと考えてからこう答えたそうだ。
 「クロ(黒田)は最高の決断をすると思うよ」
 ダルビッシュの評価が高まったことで、その最大の被害者は『黒田帰還』を計算に入れていた広島球団かもしれない。

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