スポーツ
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スポーツ 2010年03月11日 13時00分
「ノー」と言えない王球団会長!
10日、都内で『王貞治ベースボールミュージアム』の記者会見が行われた。7月に福岡ドーム内に設立される予定で、すでに2月15日にソフトバンク球団から発表済みだが、今回は王貞治球団会長自らが出席、大々的にアピールするのが狙いだった。その裏にはソフトバンクの危機的な状況がある。 キャンプからオープン戦と昨年4位の西武が、二軍落ちしたもののゴールデンルーキー・菊池雄星のおかげでマスコミの露出度ダントツのナンバーワンにランク。リーグ連覇を狙う日本ハムは、昨年後半のケガで心配されたダルビッシュ有の奇跡的な早期復活と、2年前のゴールデンルーキー、3年目の中田翔のレギュラー獲りの話題。楽天・ブラウン、ロッテ・西村徳文、オリックス・岡田彰布の新監督トリオもそれぞれのチーム改革が注目されている。そんな中で2年目の秋山幸二監督率いるソフトバンクだけは新鮮な話題ゼロ。 そこで、世界の王のカリスマ性にオンブにダッコとなったのだ。1月に新設された編成委員会の副委員長に就任した王球団会長は、2年ぶりに春の宮崎キャンプを視察。選手に声をかけるなど、積極的に秋山監督のバックアップに乗り出している。さらに、昨年の秋季キャンプ後に解雇という前代未聞の非情な扱いを受けた森脇前ヘッドコーチを編成委員会のアドバイザーに復帰させる異例の王人事を敢行するなど、まさにフル回転している。 「最後のご奉公だ。今年は何がなんでも優勝しないといけない」と宣言した通りの有言実行ぶりだ。現場への全力を挙げたバックアップに加え、球団に対する動く広告塔の仕事が今回の王ベースボールミュージアムといえる。王球団会長が動けば、マスコミの露出度も当然、大きくなる。本来は「記録は過去のもの。振り返るのは嫌いなんだ」というモットーがあるだけに、ベースボールミュージアムなどは、主義にあわないはずだ。が、世界の王貞治しかファンの注目を集められない寂しい現実を見れば、「ノー」とは言えない。 王ファミリーの長男・小久保、次男・松中は衰えが歴然としているし、働き盛りのメジャー帰りの三男・城島は資金難から阪神にさらわれている。12球団一といわれた斉藤、新垣、和田、杉内の最強4本柱も、今では見る影もなく、杉内が孤軍奮闘しているだけ。 「王さんがユニホームを脱いだら、ホークスは九州ローカルの球団に成り下がり、東京のマスコミに取り上げられなくなる」という危惧が現実のものとなっているのだ。 球団買収時に「大リーグのワールドチャンピオンチームと日本一チームによるリアル・ワールドシリーズの実現」という遠大な構想を打ち上げた孫正義オーナーだが、夢の夢。ダイエーからソフトバンクになってから5年間、一度も優勝していない。律儀な王球団会長はその事実を何よりも心苦しく思っている。だから、オンブにダッコされても、嫌な顔一つせず、笑顔で八面六臂の活躍をしている。
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スポーツ 2010年03月10日 16時00分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元女子プロレス・ブル中野さん
ブル中野といえば、女子プロレスを代表する泣く子も黙るヒールレスラーだった。頭の半分を剃り上げた奇抜な髪型でダンプ松本と暴れ回り、当時大人気を博したクラッシュギャルズとの抗争で、名実共にトップレスラーに躍り出た。97年にリングを退き、プロゴルファーを目指し米国に移住。同時に50キロのダイエットを実施しスリムに変身、本名で自らの体験談を綴ったダイエット本も出した。 “ブル様”の愛称通り、女帝のイメージが強いブルだが、実はこれほどまでにひたむきに謙虚に、女子プロレス界に愛情を持って努力してきた者はいない。デビュー当時からブルを知る関係者は「彼女はもともと、気性が荒いわけでもなく、よく気がついて優しい女性。後輩思いで本当に素晴らしい人格者です。プロレスに対しても、とにかく人一倍真面目で情熱があった。探究心が強く、時には自身の幅を拡げるために後輩からも謙虚に技を教わることもありましたよ。余談ですが、彼女は顔もとてもかわいらしい。料理も上手で女性としても魅力がある。そんな彼女がヒール役に転じたのも会社から言われてのことで、元来の性格はヒールとは正反対ですよ。しかし、誰よりもプロレスを愛するために自分のポジションをしっかりと確立し、会社の期待以上の活躍をしました」と証言する。 そんな言葉通り、ブルは体を張って女子プロレス界を支えてきた。88年、ダンプ松本が一時引退した際は獄門党を結成しアジャ・コングやバイソン木村らと実力派ヒール軍団とべして暴れ、女子プロ界を沸かせた。また、クラッシュギャルズ引退後にはWWWA世界シングル王座を獲得。その赤いベルトを実に3年間も守り続け、価値を高めたのである。更に90年、アジャ・コングとの金網デスマッチで高さ4メートルの金網頂上からのダイビングギロチンドロップは歴史を変えるほどのインパクトを残した。ブルは圧倒的な強さで女子プロのレベルアップをはかったわけだ。ビューティペアやクラッシュギャルズなどアイドル人気が頼みの綱だったそれまでの女子プロ界を根本から大変革させたといえるだろう。 長年守ったWWWAシングルベルトをアジャに明け渡した後は米国に長期遠征しWWFのトップレスラーとして活躍し、日本人としては初の同女子王座を獲得するなど更に自らと日本女子プロレスの価値を高めていった。 しかし近年、プロレス界は男女共に低迷気味。打開策はあるのだろうか。 「ブルがいなかったら歴史に残る後輩レスラーも生まれなかったでしょう。北斗のように彼女を慕ってプロレス界を盛り上げた選手もいます。ただ、最近のレスラーはもう…キャラも薄いし面白い試合も見せられないし、中途半端な選手が多い。これじゃ、低迷し続けるでしょうね。切り札はブルの復帰しかない。女子プロ界に彼女が何らかの形で復帰して変革をもたらしてくれるしかないでしょう。実はあちらこちらからブル復帰論も聞こえていて、単なる根拠のない願いというわけではなさそうです」(プロレスマスコミ関係者) 類まれなるプロレスセンスに溢れた女帝が再び女子マット界に変革をもたらすことはあるのだろうか、注目される。
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スポーツ 2010年03月10日 13時30分
日本流SBOの謎に新説
今年からプロ野球界も「SBO」から「BSO」に変更。審判がボールを先にコールしている。球場のスコアボード改築は費用がかかるので、各球団と各球場の自主判断だが、大宮と平塚の球場は早くも「BSO」に変えている。 「カウント2|1」は、昨年までなら「2ストライク1ボール」だったのに、今年から「2ボール1ストライク」の意味になる。高校球界はすでに7年前から「BSO」コールに変更している。プロ野球界も国際化時代に合わせ、メジャー流を採用したということなのだが、新事実が明らかになっている。 「なぜ日本だけ今までストライクを先にコールしていたのか」というのがミステリーで、様々な説が流れている。「米国人は狩猟民族だから、攻撃側の立場でボールを優先する。逆に日本人は農耕民族だから、守りの立場でストライクを先に言う」「戦争中、敵性言語ということで、英語が禁止され、ストライクを『良し』、ボールを『ダメ』というようになったので、『良し』が優先された」etc。 ところが、メジャーリーグに精通している日本球界関係者が、こう新証言をしたのだ。「メジャーリーグでも、昔はSBOの野球場があった。写真も残っている。ドジャースがニューヨークのブルックリンに本拠地を置き、ブルックリン・ドジャースと呼ばれた初期の頃のエベッツ・フィールドがそうだったし、他にもいくつかの球場がそうだった」と。 ロサンゼルスへ本拠地を移転する前に、1890年から1957年までブルックリン・ドジャースと名乗ったが、実際に初期の頃のホーム球場エベッツ・フィールドのスコアボードには左からSBOとなっている証拠の写真が残っている。となると、「日本だけなぜストライクを先にするSBOなのか」という、ミステリーそのものの前提がおかしくなってくる。 前出の日本球界関係者は、「断定できないので、自説にすぎないが」という条件付きながら、拝聴に値する自説を披露する。「当初はメジャーリグでもSBOとBSOが混在していたのだと思う。そんな中で、日本に伝えた人が、たまたまSBO派だったのではないか。だから日本の野球界はSBOが根付いていった。一方、メジャーリーグの方はBSOで統一されていった。こう考えるのが、一番素直な解釈になるのではないか」と。思わず耳を傾けたくなる、説得力のある新説だ。
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スポーツ 2010年03月09日 16時00分
雄星が観たい! 西武戦チケット高騰事件
3月8日深夜、埼玉西武ライオンズが“緊急速報”を送信した。転売目的で購入した『西武ドーム観戦チケット』をネットオークションで転売した被疑者2名が、地元県警に逮捕された。関係者によれば、「昨シーズン当初より、人気のある座席を特定の人物・グループが買い占めている」との苦情が寄せられていたという。転売目的の買い占めは「ダフ屋行為」(埼玉県迷惑行為防止条例違反)である。 「球団は苦情の寄せられた時点で、内々に調査をし、地元県警とともにオークションで主催ゲームチケットが転売されている事実関係を完全に掴んでいました」(球界関係者) 西武ドームの最寄り駅・所沢球場前では、至る所に「ダフ行為の禁止」を訴える注意書きが出ている。試合中も電光掲示板で「ダフ屋からチケットを買うことも条例違反」だと訴えてきた。他球団も、同様である。 西武球団がファンクラブ会員を対象とした本拠地ゲーム・チケット(3月20日〜4月29日)の先行販売を開始したのは、2月10日(抽選式/発表12日)。一般販売よりも1週間以上も早い。県警はまだ詳細を発表していないが、被疑者はこうしたファンクラブ会員の特典を“悪利用”したものと思われる。 他球団職員もこう続ける。 「一部の心ないファンが、(菊池)雄星クンを撮影した写真を勝手に転売されている話も聞いていますよ。中日サンもキャンプ地(沖縄県北谷町)の選手更衣室となる建物に鉄柵を設けたんです。昨年、選手のグラブなどが盗まれたんです。こちらもオークションで不当に転売された可能性があります。他球団でも、ファンクラブ会員にプレゼントしたレプリカユニフォームをネットオークションで転売される事実が報告されており、ファンクラブ会員のサービス特典を続けるべきか否か、議論がされています」 オークションが悪いのではない。ファンにすれば、プロ野球選手が使用した野球用具は“お宝”ではあるが、一方でネットオークションを悪用する者も増えつつあるようだ。 西武球団がダフ行為者の被疑者が逮捕されたことを緊急告知した理由は、菊池雄星(18=登録名「雄星」)に尽きる。 「パ・リーグは予告先発制です。雄星が登板する試合はファンが大挙してくるのは必至です。雄星が先発登板する試合のチケットが転売されたら、価格は2倍、3倍に跳ね上がるでしょう。その防止であり、警告ですよ」(前出・関係者) とはいえ、肝心の雄星は一軍復帰のメドすら立っていない。「オールスター前後の変則日程か、交流戦で日程が詰まっているときに登板させるかもしれない」との見方もあるが、それは『勉強』に過ぎない。チケットの希少価値が高まるのは、勝っても負けても、プロ初登板ということになるだろうが、広島・今村猛、中日・岡田俊哉、横浜・筒香嘉智、ソフトバンク・今宮健太など、同じ高卒ルーキーのライバルたちは日増しにその評価を挙げている。 「のちに一流と呼ばれる選手は1年目から勝負しています。スーパースターと呼ばれた選手の圧倒的多数は新人、2年目から活躍しています」(前出・同) 西武は中村剛也、銀仁朗、工藤公康、グラマンなど主軸選手が相次いで故障。雄星を使わざるを得ない日も来るかもしれない。ダフ行為は許されないが、2倍強の代金を払ってでも観たいというファンの期待に、奮起してもらいたいものである。
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スポーツ 2010年03月09日 13時00分
イチローvs松井の場外戦
大リーグもオープン戦が始まり、新天地のエンゼルス・松井秀喜への注目度がさらにアップ。マリナーズ・イチローも負けずと好スタートを切っている。同じアメリカンリーグ西地区で直接対決するシーズン開幕が今から待ち遠しい。 そんな松井vsイチローの注目対決だが、番外でも一騎打ちだ。「松井とイチローの本が、ライバル出版社から出る。どちらの本が売れるか注目だろう。ファンの支持率の表れの一つになるからね」と球界関係者も興味津々だ。 松井本は、3年前にベストセラーになった『不動心』を出版したS社。「不動心は実は、女性ファンによく売れた。『心の構えで挫折は力に変わる』というテーマが、働く若い女性にアピールした」とS社関係者は、意外な支持層を明かす。 松井と言えば巨人時代から男性層に圧倒的支持を得ており、若い女性層はイチローと思われていたが、そうではなかったというのだから、事実は小説よりも奇なりで面白い。前回ベストセラーを出したS社とすれば、今度はヤンキースからエンゼルスに移籍したばかりで話題満載の新しいレッドゴジラを見逃す手はないだろう。「転職」をキーワードにして、再び働く若い女性を購買層にすることができる。 これに対し、老舗中の老舗出版社のB社はイチロー本を出して対抗すると言うのだから、番外戦の行方も興味津々だろう。もちろん、松井、イチローの成績次第で売れ行きは大きな影響を受けることになる。 永遠のスーパースターONコンビも無関心ではいられないか。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督、ソフトバンク・王貞治球団会長は、共にそれぞれ松井、イチローと深い関わり合いがある。長嶋氏が、巨人時代から今に至るまで松井のカリスマ的な師匠であることは誰もが知っているだろうが、王氏も第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表監督を務め、初めてイチローと直に接して以来、蜜月関係にある。「個人主義的だと思っていた、イチロー君があんなに日の丸に熱い思いを抱いていると知って驚いた。世界一になれたのは、イチロー君のおかげだ」と王氏は手放しで絶賛。イチローも「世界の王さんに恥をかかせるわけにはいかない。勝てて良かった」と語り、2人は新たな師弟関係を築いている。 そういうONも現役時代に様々な本が出版されているが、「長嶋本は売れるが、王本はあまり売れない」と言われてきた。天衣無縫な長嶋氏と、神様のように品行方正のイメージのある王氏の違い。意外性の差が本の売れ行きに影響したと結論づけられている。さて、松井vsイチロー本はどういう結果が出るのか、番外戦の成り行きも楽しみだ。
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スポーツ 2010年03月08日 13時00分
ストッパー発掘で問われる岡田監督の『上司論』
オリックス・岡田彰布監督(52)の評価が「上がったり、下がったり」している。まず、フロント、並びに前監督時代を知るコーチ陣が「さすが!」と唸ったのは、アレックス・カブレラ(38)の変貌ぶり。カブレラと言えば、西武時代から扱いにくいワガママ選手だった。しかし、今年は違う。岡田監督の「キャンプは初日から来い」の言葉にも素直に従い、若手と同じ練習メニューを黙々とこなしていた。 「3日も続けば…」 過去9年、マイペース調整だっただけにそんな猜疑の目も向けられていたが、岡田監督が言えば、居残り特打にも参加していた。 「岡田監督の喋りには説得力があります。キャンプ前、大阪の商工会議所が岡田監督の講演会を主催し、関西の財界人も舌を巻いていました。話の内容が面白く、野村克也氏もビックリの好評ぶりでした」(関西メディア陣の1人) プライドの高いカブレラを扱いこなすのは、財界人も認めた岡田監督の手腕だろう。 「カブレラは今季、『2年契約の最終年』です。今年39歳になるだけに、他球団に売り込むのは難しいし、少しでもいい条件でオリックスに残留しようと思っているだけでしょう」(ライバル球団スコアラー) その通りだとすれば、講演内容とは裏腹に、上司・岡田監督は部下にナメられていることになる。 「岡田監督の提案で、先発の小松聖をストッパーにコンバートすることになりましたが、巧く行っていません。小松は直球の速度が落ちており、球種も多い方ではないので反対の声も多かったんです。岡田監督が譲らなかったので…」(関係者) オリックスの監督要請を受けるに当たって、岡田監督は阪神時代のブレーンを連れて行かなかった。オリックスコーチのなかで、『接点』があるのは星野伸之、正田耕三両コーチだけだ。気心の知れた腹心を置くのも、上司が組織を編成するための手段だが、今回はあえて1人で飛び込んだという。阪神の野球を持ち込もうとすれば、前政権を知るスタッフ、選手は拒絶反応を起こすからだ。 「一部選手は岡田監督の本を読み始め、監督の考え方を知ろうと努めています」(前出・同) 自分の考え方を押し付けるのではなく、どうやってこちらを振り向かせるか…。オリックスナインに「岡田監督とはどんな人なのか?」と興味を沸かせたことには、フロントも一目置いている。オープン戦序盤を見る限り、目を見張るような新戦力は出ていない。岡田監督の「阪神時代は持ち込まない」とする姿勢は立派だが、「頑固」「負けが込んでくると依怙地になる」欠点もある。小松のストッパー転向にいつ見切りを付けるのか。3月20日の開幕戦までさほど時間がないだけに、関係者はやきもきしている。
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スポーツ 2010年03月06日 14時30分
根性野球に変貌? 西村ロッテは手強いゾ
立浪和義氏の『引退試合』でもあった2月27日のオープン戦(中日対千葉ロッテ)、ネット裏に陣取っていたパ・リーグのスコアラーたちは、千葉ロッテマリーンズに対する評価を“上方修正”した。 先発の成瀬善久(24)は立ち上がりの制球力に課題を残したが、今季からストッパーに転向する小林宏之(31)、米球界から復帰した薮田安彦(36)は、ともに無失点。YFK解体後、常に救援投手陣の不安定さがつきまとっていた。両ベテランの好調な仕上がりに、西村徳文・新監督(50)も手応えを感じていたようだ。 しかし、ライバル球団が上方修正した理由はほかにもあった。千葉ロッテがいい意味で、ドロ臭い球団に変貌しつつあるからだと言う。 「投手全体に言えることだが、粘り強くなったね。去年までは先発投手はスタミナ不足で、試合中盤になるとボールに勢いがなくなっていたけど、そうではない。打線も右方向へのバッティングを徹底したり、足を絡めての攻撃も仕掛けてくる。今年はキャンプの練習内容が充実していたしね」(ライバル球団スコアラー) 西村監督は口にこそ出さなかったが、チーム改革として真っ先に着手したのは『脱・バレンタイン』だった。前任のボビー・バレンタイン氏は名将ではあるが、「自分流がいちばん正しい」とし、コーチスタッフの進言に一切耳を傾けて来なかった。その下でヘッドコーチを務めた経験が言わせたのだろう。各マスコミが「どんなチームを作りたいのか?」と質問すると、必ず『2つの要素』を口にする。1つは「機動力野球」だが、2つ目のコメントが意味シンだ。 「コーチにやる気を出させるためにも、彼らの意見をどんどん取り入れたい」 そんな西村監督は、投手陣についてこうも語っていた。 「去年とメンバーがガラリと変わるかも」 投手陣を預かるのは、元巨人の西本聖コーチ。沖縄県・石垣島キャンプでは、こんな光景も見られた。ブルペンでの投球練習中、大嶺祐太(21)がストライクゾーンを連続して外した。西本コーチは捕手からボールを奪い取り、ホームベース上に置いた。 「走って取りに来い!」 ブルペン全体が緊迫した空気に包まれたのは言うまでもない。 同コーチは今キャンプで各投手に「2000球以上」のノルマを課した。根性論とも取れる指導だが、昨年、全体練習の少ないメジャーを経験した井口資仁でさえ、「こんなに練習をしないチームは珍しい」と嘆いていた。ぬるま湯に浸かり切ったチーム体質を変えるには、こうした厳しい時間も必要だったのだろう。 「見ているだけでは巧くならないし、考えているだけではレベルが上がらない。投げて覚えるんだよ」 西本コーチらしい言葉である。 キャンプを観た限り、西村監督の言う投手の新戦力とは、2年目の木村雄太(24)のことかもしれない。昨季は一軍登板ができなかったが、木村の投球には目を見張るものがあった。 大切なのは、体力と知力のバランスだ。知力に偏りがちだった千葉ロッテは、オープン戦でその変貌ぶりを発揮しつつある。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2010年03月06日 13時00分
落合、原に報復の先制パンチ
リーグ4連覇、2年連続日本一を目指す巨人・原辰徳監督vs4年ぶりのリーグ優勝、3年ぶりの日本一を期す中日・落合博満監督の因縁対決が、今季のセ・リーグのペナントレースのハイライトだ。 その前哨戦となったナゴヤドームでのオープン戦2連戦は、8対0、2対0と中日が連勝、落合監督の思惑通りの圧勝。ペナントレースへの興味を倍加させる結果になった。第1戦に先発させた期待の高卒2年目の伊藤準規(岐阜城北高)がベストメンバーの巨人打線を6回2安打零封で新巨人キラーに名乗り。第2戦ではここ2年間、故障に泣かされ、鳴かず飛ばずの元巨人キラー山井大介が復活。落合監督とすれば、内心笑いの止まらない快勝だっただろう。 「去年まで巨人は他の球団と同じ扱いだったが、3連戦3連敗を4回もやられ、8勝16敗だったのだから、今年はそうはいかない」。投手陣を預かる、腹心の森繁和ヘッドコーチが、初めて巨人戦特別扱いを口にしていたが、前哨戦のオープン戦2連戦で早くも仕掛け、大成功を収めたことになる。 昨シーズンの圧勝で天敵・中日は過去の遺物として、リーグ4連覇どころか、「V9超えを目指す」と高らかに宣言していた巨人・原監督が苦虫をかみつぶしたのは当然だろう。新巨人キラー・伊藤誕生、元巨人キラー・山井の復活だけでもダメージが大きいのに、期待の野間口が炎上、東野も春眠中の大砲・ブランコを目覚めさせる一発を浴びるなど、投手陣もいいところなし。 さらには、はつらつとした野手の新戦力でも中日が圧倒した。ルーキーの松井コンビ、松井雅人(上武大)と松井佑介(東農大)が強力アピール。「育成」をことあるごとに強調する巨人のお株を奪う戦いぶりだった。何からなにまで、中日に完敗した巨人。この惨状では、たかがオープン戦ではすまない。されどオープン戦というしかない。 「今のところ中日の投手陣が上回っているということ」と、原監督は悔しさを噛みしめ、言葉少なに語り、シーズンでのお返しを誓うしかなかったのだ。が、これでペナントレースは面白くなるだろう。昨年、一昨年といいところなしで巨人に完敗の落合監督は、原監督に見くびられても仕方ない現状だったが、ようやく反撃の糸口をつかんだことになる。「やはり落合監督は何をやってくるかわからない」という、原監督の落合監督に対する恐怖感が再発する可能性もある。 宿命の対決といえる原vs落合のシーズン初の激突は、他のカードが終わってからの最後の最後になり、東京ドームで4月9日からの3連戦だ。今季のセ・リーグのペナントレースの行方を占う重大な戦いになる。
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スポーツ 2010年03月05日 13時00分
「時代」を彩った男と女・あの人は今 元日本ハム監督・上田利治さん
闘将として日本球界で長年指導力を発揮してきた元日本ハム監督・上田利治さん。阪急、オリックス、日本ハムとのべ20年にも渡り監督業を務めた上田さんは03年、149人目の球界功労者として野球殿堂入りを果たした。73歳となった現在も解説者、評論家活動をするなど野球への情熱は健在だ。 上田さんは日本球界では異色のキャラだった。まず、選手としては無名ながら監督にまでなるケースは日本球界では珍しい。上田さんは選手として3年間広島カープに在籍していたものの、大きな活躍はないままに引退し指導者の道を歩んだ。もともと、ずば抜けた野球理論の持ち主で、当時の広島・松田恒治オーナーは上田さんを「将来の指導者として入団させた」とまで明言しており、選手としてではなく指導者としての才を買われていたことが伺える。 そのルーツを探ろう。上田さんは昭和12年1月18日、徳島・宍喰町で魚屋の長男として生まれた。「とにかく、小さい頃からしっかり者でした。面倒見がよく、正義感も強く、弱い人を守るという行動が見られました。理不尽なことをする者にはたとえ年上でも真っ向から向かっていくようなこともありましたね」(地元の友人)との証言があるように、監督時代に見せた鉄拳制裁も辞さないほどのリーダーシップと正義感は幼少期から培われてきたものらしい。 そんな情の厚い上田さんが初めてグローブを手にしたのは小学4年生のとき。父親に買ってもらったそのグローブが上田さんの運命を変えることになった。野球に熱中し、地元海南高校へ進学した後も野球部に所属しキャッチャーとして活躍。3年時にはキャプテンも務めチームをまとめた。当時の友人たちが口を揃えて「真面目で優秀でとにかくいい男だった。人望がありリーダーになるために生まれてきたような人」というように、野球部キャプテンとして活躍する一方、勉強でも常にトップクラスの成績を残し卒業生総代を務めるなど上田さんはまさにミスター・パーフェクトだった。 大好きな野球を続ける一方でもプロ野球選手になることは考えていなかったという。弁護士になるつもりで、関西大学法学部を一般入試で合格した上田さんは高校時代の実績を買われ大学でも野球を続けることとなり、故・村山実氏(阪神タイガース投手)とバッテリーを組んだ。そして3年連続して全国大会に出場、56年には日本一の栄冠に輝き、関西大学野球部の黄金時代を築いたのだ。 それでもプロ入りに関しては全く消極的だったが、広島の松田オーナーの熱心な口説きに応じて59年に入団。キャンプにも六法全書を持ち込んだのは有名な話だ。プロでは選手としては特筆すべき活躍はなかったものの、前述のようにその屈指の野球理論や卓越した指導力を買われていた上田さんは、現役引退後、62年に25歳の若さで広島のコーチに就任した。 9年間広島のコーチを務めた後の71年、阪急のコーチに就任。74年には37歳の若さで西本幸雄監督の後任監督に就任した。そして、監督就任2年目に阪急を悲願の日本一に導いた。山田久志、足立光宏の投手陣、盗塁王の福本豊ら、当時のスーパースター達を育て上げ、3年連続して日本一となり名将ぶりを見せ付けた。一方、78年の日本シリーズ・ヤクルトとの最終戦では歴史に残る大抗議をした。ポールに当たってホームランと判定されたヤクルト・大杉の打球をめぐって上田さんは1時間19分もの抗議を繰り広げた。結局、判定は覆らず、ヤクルトに日本一の座を奪われたこの日、上田さんは反対を押し切って自ら監督を辞任した。必死さ、真剣に取り組むことを自ら行動でしめした。 以後、81年に再び阪急の監督となり84年にリーグ優勝、そしてオリックスや日本ハムを経て99年に監督を退くまでのべ20年間、自身のチームが再下位になったことは1度もない。「上田さんはグランドでは非情に厳しかったが、私服になると放任主義だった。だからこそ選手は裏切るような行動もしなかった。何よりも自らが行動で示した野球への情熱が自分たちにとてつもないパワーを与えてくれた」と、阪急時代に上田さんの下で活躍した選手は言う。誰にも負けないほどの野球愛を持った上田さんが日本球界に残したものは大きい。
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スポーツ 2010年03月05日 12時00分
プロ野球実行委員会のドタバタ!
12球団の代表者で構成される、プロ野球実行委員会とは名ばかりで、相変わらずの不実行委員会ぶりをいかんなく発揮したのが、3月3日の会議だった。「来シーズンからメーカーを1社にしてボールを統一するという方向で論議することに決まった」のが、1月19日の実行委員会だった。それなのに、3日の実行委員会では思い切り後退してしまったのだから、「いったい、何を考えているのか」と、不実行委員会に慣れているはずの球界OB、関係者からも大ブーイングが起きている。 「1社にしなくても、現在言われている飛ぶボール、飛ばないボールの基準を修正して一本化すれば、ボールを統一することはできるのではないか。さらに、やるにしても、一軍だけなのか、二軍もそうするのかといったような、様々な問題がある」とは、ある球団の代表者だ。もっと具体的に「メーカーと3年契約しているから、現実的に無理だ」という球団もあったという。 が、こういう様々な問題点は、前回の実行委員会の段階でわかっていたはずだ。何を今さらだろう。現に、球界関係者はこう断言していた。「コミッショナーがメーカーを1社にしたボールの統一化に熱心だが、そうすれば、最大手のM社に決まるだろう。が、他のメーカーは潰れてもいいのかということになる。独占禁止法の問題もあり、1社にするのは現実的に無理なんだ」と。 加藤良三コミッショナーが「メーカー1社に絞った、メジャー球に近いボールの統一」に強い意欲を示しているのは野球の国際化への対応策だ。「国際試合に対応するためにも、ボールを統一することが必要だ。ワールド・ベースボール・クラシックが行われるたびに、メジャーのボールが滑るとか、対応に戸惑うのでは困る。3連覇を目指すには今から準備しなくてはいけない」と、事あるごとに強調している。前回の実行委員会で「前向きに検討をする」という結論になったのは、コミッショナーの姿勢に押し切られた面もある。 が、M社以外のメーカーが当然のように猛反発して、今回のドタバタ劇になったのだ。それにしても、あまりにも見苦しい不実行委委員会の醜態ぶりだ。球界OBがその内幕を語る。 「かつて巨人が球界の盟主と言われた時には、実行委員会でもコミッショナー以上のリーダーシップを握っていた。『この議案に賛成してくれれば、ウチとのオープン戦を1試合増やすから』と言えば、パ・リーグの球団はすぐに飛びついた。オープン戦でも巨人戦はドル箱だったからね。が、今やテレビ局に背を向けられ、テレビマネーも期待できない巨人戦に何のメリットもない。だから12球団が勝手なことを主張しあうだけだ。何も決まらず、継続審議ばかりで、不実行委員会になる。巨人の地盤低下が一因になっているのは間違いない」。 残念ながら、会議は踊るが売りの不実行委員会が名実共に実行委員会になる日は来そうもない。
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2025年07月21日 12時00分
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宮迫博之「雨上がり決死隊」再結成は「蛍原さん次第」 ドジャース始球式の裏話も明かす
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2025年07月14日 17時00分
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元ザブングル松尾陽介、沖縄で芸人のセカンドキャリアサポート 芸人引退に「心境の変化」
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2025年04月28日 19時03分