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ストッパー発掘で問われる岡田監督の『上司論』

 オリックス・岡田彰布監督(52)の評価が「上がったり、下がったり」している。まず、フロント、並びに前監督時代を知るコーチ陣が「さすが!」と唸ったのは、アレックス・カブレラ(38)の変貌ぶり。カブレラと言えば、西武時代から扱いにくいワガママ選手だった。しかし、今年は違う。岡田監督の「キャンプは初日から来い」の言葉にも素直に従い、若手と同じ練習メニューを黙々とこなしていた。
 「3日も続けば…」
 過去9年、マイペース調整だっただけにそんな猜疑の目も向けられていたが、岡田監督が言えば、居残り特打にも参加していた。
 「岡田監督の喋りには説得力があります。キャンプ前、大阪の商工会議所が岡田監督の講演会を主催し、関西の財界人も舌を巻いていました。話の内容が面白く、野村克也氏もビックリの好評ぶりでした」(関西メディア陣の1人)
 プライドの高いカブレラを扱いこなすのは、財界人も認めた岡田監督の手腕だろう。

 「カブレラは今季、『2年契約の最終年』です。今年39歳になるだけに、他球団に売り込むのは難しいし、少しでもいい条件でオリックスに残留しようと思っているだけでしょう」(ライバル球団スコアラー)
 その通りだとすれば、講演内容とは裏腹に、上司・岡田監督は部下にナメられていることになる。
 「岡田監督の提案で、先発の小松聖をストッパーにコンバートすることになりましたが、巧く行っていません。小松は直球の速度が落ちており、球種も多い方ではないので反対の声も多かったんです。岡田監督が譲らなかったので…」(関係者)
 オリックスの監督要請を受けるに当たって、岡田監督は阪神時代のブレーンを連れて行かなかった。オリックスコーチのなかで、『接点』があるのは星野伸之、正田耕三両コーチだけだ。気心の知れた腹心を置くのも、上司が組織を編成するための手段だが、今回はあえて1人で飛び込んだという。阪神の野球を持ち込もうとすれば、前政権を知るスタッフ、選手は拒絶反応を起こすからだ。

 「一部選手は岡田監督の本を読み始め、監督の考え方を知ろうと努めています」(前出・同)
 自分の考え方を押し付けるのではなく、どうやってこちらを振り向かせるか…。オリックスナインに「岡田監督とはどんな人なのか?」と興味を沸かせたことには、フロントも一目置いている。オープン戦序盤を見る限り、目を見張るような新戦力は出ていない。岡田監督の「阪神時代は持ち込まない」とする姿勢は立派だが、「頑固」「負けが込んでくると依怙地になる」欠点もある。小松のストッパー転向にいつ見切りを付けるのか。3月20日の開幕戦までさほど時間がないだけに、関係者はやきもきしている。

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