スランプにあえいでいた悩めるエース、棚橋弘至が復活を遂げた。
米TNA遠征から一時帰国した際に、同社の菅林直樹社長からベルト奪還を要請され、1・4ドーム大会でのタイトル挑戦を決意した。
すでに決まっていたTNAの参戦オファーをキャンセルし、外敵チャンピオンの武藤を王座から引きずり下ろす闘いに専念する。「ダメな自分はアメリカに捨ててきた」と棚橋はキッパリ。3週間におよぶ米TNA遠征で、復活の手応えをつかんだのだ。
復帰戦となったこの日は、ドヒール軍団GBHの真壁刀義&矢野通&飯塚高史&外道と8人タッグ戦で対峙した。棚橋は大暴れし、タッグを組んだ中邑真輔&後藤洋央紀&内藤哲也の出る幕がない、まさに独壇場だった。
立ちあがりから相手コーナーの3人を、ボディープレスでまとめて場外に吹っ飛ばす荒技を披露。間髪入れずに場外の真壁&矢野の2人に目がけてプランチャを発射するなど、一網打尽の闘いぶり。最後も、圧巻の4人斬りで自ら勝利を手繰り寄せる。
チェーンラリアートにきた真壁をスリングブレイドで迎撃するや、矢野をドロップキックで場外に撃墜。続けざまに飯塚にはドラゴンスクリューを決め、次々と3人を場外に追いやった。最後は外道をスリングブレイドからのハイフライフローと必殺フルコースでマットに沈めた。
試合後は「どうだ別人だろ!? 復帰第一戦は100点だな」と自画自賛。今年は1・4で王座陥落してからヒザの故障で戦線離脱し、負傷後のG1クライマックスでは予選敗退するなど不振続きだったが、完全復活を印象づける1勝となった。
「目的は一つ。武藤敬司からベルトを取り戻すこと。そもそもあのベルトは絶対にオレの方が似合う。というか、あのベルトはオレも巻いたことあるいわば元カノ。オレとの復縁を願ってるはず」
本来の姿を取り戻したフェロモンボディーが、1・4ベルト奪還に向けて好スタートを切った。