5月から長州力&初代タイガーマスクとトリオを結成している藤波は、プロレス全盛期の昭和プロレスの良さを広めるレジェンド路線に力を入れており、9月下旬の北海道ツアー4大会は各大会で満員を記録、盛況に終わっている。
「北海道ツアーは十分な宣伝ができなかったにも関わらずお客が入ってくれて、レジェンドのネームバリューを改めて実感することができた」
確かな手応えを感じる藤波は、1日の新宿FACE大会でも長州&初代タイガーと合体し、ヒロ斎藤&グラン浜田&ドン荒川と対戦。会場を埋めた590人超満員の観客は、ベテラン勢が織り成す円熟味のある戦いに引き込まれていく。最後は藤波がドラゴンスクリューからの足4の字固めで斎藤を下した。その藤波の口からついて出てきたのが、ハルク・ホーガンとリック・フレアーの名前であった。レジェンド路線をスタートさせた際、藤波はフレアーをはじめとする海外のレジェンドたちも巻き込む流れを作りたいとしていたが、海外では大きな動きがあった。
ホーガンがオーストリアで新団体『ハルクマニア』の設立を発表。11月21日に行われる旗揚げ戦では、2008年3月30日の『レッスルマニア24』で引退したフレアーのカムバックも決定した。
これを受けて藤波は「海の向こうでも同じようなことが起きている。レジェンドのホーガン、フレアーが望まれているでしょうね。チャンスがあれば彼らと戦ってみたい」という。
決して不可能ではない。『ハルクマニア』のフロントには新日本時代に交流のあった元WCW副社長のエリック・ビショフがおり、藤波は日本各地をまわるレジェンド・ツアーを推し進めながら、ワールド・レジェンド構想の可能性をさぐるつもりだ。