「ゴールデングラブ賞常連の二塁・荒木、遊撃・井端でも容赦せず、コンバートする。お前らも覚悟しろ」というオレ流の荒療治だ。この二塁・井端、遊撃・荒木の仰天コンバートの成否が落合監督の命運を握っているとも言える。
加藤良三コミッショナーがキャンプ視察のスタートとして5日に北谷を訪れたのは、他のキャンプ地が休日で、異例の7勤の中日しか練習をやっていなかったからだが、この時も異例の沈黙の対応。例年はコミッショナー視察を手ぐすね引いて待っており、一言物申すのにそれどころではなかったのだろう。
3年前の07年、リーグ2位からクライマックス・シリーズ(CS)第2ステージで開幕戦に小笠原先発の奇襲作戦で巨人を撃破。日本シリーズでも日本ハムを破り、球団史上53年ぶりの奇跡の日本一奪回を果たしたのが最後の晴れ姿。08年はリーグ3位、CS第1ステージで2位・阪神には勝ったものの、第2ステージで巨人に雪辱を許している。2位だった昨年も、「オレをなめるんじゃない」と大見得を切りながら、2年連続して第2ステージで巨人に敗れ去っている。
選手に対し、「クライマックス・シリーズがあると思っていたらダメなんだ。ペナントレースで優勝しなければ」と強調したが、3年前の奇跡に酔い続けていた自分に言い聞かせているようなものだろう。来年まで契約は残っているが、今季もいいところなく敗れ去れば、落合政権から冷や飯を食わされている中日OBたちの落合降ろしが始まるだろう。
というのも、2年間、落合監督の下でコーチ兼任だった、ファンの支持率ナンバーワンの生え抜きの立浪がユニホームを脱ぎ、ネット裏で充電。いつでもポスト落合として中日監督に就任できる立場にいるので、中日OBたちはいつでも立浪を監督に担ぎ出せる。
落合監督が立浪の背番号3を森野につけさせようとしたのも、落合政権と決別した立浪への怒りの報復といわれている。が、「そんな恐れ多い背番号はつけられない」と森野が固辞して、落合監督のもくろみは失敗している。
開幕後、いつ中日OBの落合降ろしが始まってもおかしくない状況だけに、落合監督は懐刀の森チーフバッテリーコーチをヘッドコーチに、辻二軍監督を一軍総合コーチに据え、脇を固めるシフトを敷いている。さて、早くも緊張状態にある落合政権vs中日OBの場外戦の行方はどうなるのか。
【訂正】
「キャンプ中の荒木の目の病気」となっていましたが井端の間違いでした。訂正してお詫びします。(2/17日)