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日本ハム結核騒動余波

 沖縄・名護キャンプでチーム付きカメラマンが結核だったことが判明、隔離入院させられた日本ハムの結核騒動は、様々な波紋を広げている。

 感染しても発症するのは20、30%の確率とはいえ、最短2か月で発症するというから、開幕後になるので事は厄介だ。昨年は8月に新型インフルエンザ集団感染に見舞われ、球界を揺るがした日本ハム。今度はなんと結核騒動だ。2度あることは3度あるというし、次はいったい何が起こるのか。
 「ダルビッシュに感染危機」とスポーツ紙が大々的に書き立てたのも無理はない。もしも、大黒柱・ダルビッシュが結核に感染、発症したら、リーグ連覇、4年ぶりの日本一奪回など吹き飛んでしまうだろう。昨年の新型インフルエンザ集団感染は免れたダルビッシュだが、疲労性腰痛、右手中指の疲労骨折と相次ぎアクシデントに襲われ、シーズン終盤から日本シリーズまで悪戦苦闘している。完全復活を目指す今年、万が一、結核に感染したら、踏んだり蹴ったりになる。

 しかも、昨年の新型インフルエンザ集団感染のような自然災難でなく、今回の結核騒動は悪質な人災だ。札幌の病院で結核の疑いありという診断をされながら、沖縄・名護キャンプに帯同したというのだから、このチーム付きカメラマンは言語道断だろう。球団フロントが「非常識な行動だ」と怒っているのも当然だが、同時にチームとしての危機管理能力も問題視される。日本ハム球団の株を持つ北海道新聞社の関連会社から派遣されている人物とはいえ、チームスタッフの1人、しかも選手に密着する仕事のカメラマンなのだから、フロント首脳は日ごろの言動を把握している必要がある。
 札幌で病院に行って診察を受けているのなら、その報告がなければおかしい。「知らなかった」では済まされないだろう。結核騒動は日本ハムだけの問題に止まらない。同じ沖縄でキャンプを張っている他球団にも波及する。2月末に楽天が名護で、ヤクルトは浦添で日本ハムとオープン戦をする。3月に入ってから戦う他の球団も戦々恐々だろう。結核感染はどこまで広がるか予想不可能だ。「今でも結核は恐ろしい病気です。油断は禁物だ」。テレビでこう北野武が訴えているが、いみじくも日本ハムが実証してしまった格好だ。
 「結核は欧米ではもう過去の病気になっている。日本はいまだに根絶できていないが」と言う球界関係者は、今オフにメジャー挑戦の一部情報が流れるダルビッシュへの影響まで心配する。「万が一、ダルビッシュが結核に感染でもすれば、ポスティングでのメジャー挑戦もご破算になる恐れすらあるのではないか」と危ぐするのだ。

 新型インフルエンザは世界的な流行の自然災害だから理解されても、結核は日本の後進性を立証する病気として、メジャー側から敬遠されるのではないかということだ。どこまで余波が広がるか、全く想像がつかないのが、今回の結核騒動の恐ろしさだ。
 最悪のケース、開幕後に日本ハムナインから感染者が出れば、ペナントレースに大きな影響を及ぼすこともあり得るだろう。今はただひたすら感染、発症者が出ないことを祈るしかない。

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