“朝青龍株”が大暴騰だ。
朝青龍(高砂部屋)は中日となったこの日、西前頭3枚目の栃乃洋(春日野部屋)と激突した。立ち合いで力んでしまったのか、なかなか勝機を見い出せず、すくい投げを打たれるなど苦戦。攻め手を欠いて時間を費やしてしまったが、それでも最後は強引に上手投げで勝負をつけた。
なんとか力相撲で1敗を守りきり、前半戦を7勝1敗で乗り切った。復帰場所とあって初日から内容が伴わなかったが、着実に土俵で結果を残してきたことから、いまは人気と信頼も回復基調。それを物語るように、朝青龍戦にかけられた懸賞が3日目が2本、4日目が5本、5日目も2本と、横綱にもかかわらず異例の少なさだったが、この日は2ケタに乗った。
一時は懸賞も激減して完全にスポンサーから見放されてしまったが、日本相撲協会関係者によると「朝青龍の懸賞に関して多い少ないがあるのは当然。応援してくださる企業の方々も朝青龍にはまだ警戒されているのでしょう」。それでも問題はない。ある広告代理店担当者の見方はこうだ。
「朝青龍はまた何をするか分からない危なっかしさがありますが、あれだけ連日報道されて知名度は抜群。またハプニングを起こさない限り場所後はテレビはもちろんのこと、CMオファーだって十二分にある。このまま優勝なんかしてしまえば引っ張りだこになることだってある」
ギャラも半端ではない。なんと一流スポーツ選手はおろか、人気女子アスリートをしのぐというのだ。「いまの朝青龍はフィギュアスケートのミキティ(安藤美姫)やゴルフの宮里藍ちゃん以上でもおかしくない。むしろトップモデル級と言った方が良いでしょう」(前出担当者)というから、驚くほかない。
確かに朝青龍の人気は尋常ではない。年明けの稽古終了後に何気なく着用していた新日本プロレスのジャージは同社に数十件もの問い合わせがあった。新日プロ広報によれば「残念ながら現在はあのモデルは発売していません」という。また、足首のケガのため、着用していた黒いサポーターはネットオークションで「朝青龍も着けていた!?」と勝手に“朝青龍モデル”を表記して販売されているなど、すでに朝青龍余波が巻き起こっている。
人気回復はおろか、場所前より男の価値を上げた格好の朝青龍。この先まさかの優勝となれば、さらなる脚光を浴びること必至だ。