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理想と現実…トラが抱える2番打者問題

 4月13日、阪神・和田豊監督(52)が打線変更を決断した。チーム打率2割2分5厘はリーグワーストであり、本拠地・甲子園で開幕4連敗と低迷していたのが理由だが、連敗脱出後の和田監督は意味シンなコメントも残している。
 「もっと(打線が)活性化できるように変えていきます」
 低迷の理由は打線の不振だ。先発投手が先制点を許し、それと同時に敗戦ムードが漂う。得点能力が低いためで、活気が出て来ないのだ。しかし、13日は違った。和田監督は「1番西岡、2番大和、3番鳥谷」の新打順で臨んでいる。
 「和田監督は『1番鳥谷、3番西岡』の打順が理想形だと公言しています。でも、しばらくは13日の打順を固定させた方が良いと思う」(プロ野球解説者)
 いろいろな打順のパターンをテストしていくと話す和田監督の構想とは対照的な指摘だ。しかし、「固定せよ」と指摘する声はむしろ多い。先のプロ野球解説者がこう続ける。

 「打線低迷の原因は、1番鳥谷と3番西岡を繋ぐ2番打者の不振です。和田監督は上本でスタートしましたが、2番打者は右方向への進塁打、犠打、走者の二盗サポートなど“制約”が多い。上本は2番打者の役割を考えすぎたのか、打撃不振に陥ってしまいました」
 和田監督は、昨季は主に1番で使っていた上本を2番でスタートさせた。鳥谷を1番で使いたいとした理由は、主に2つ。鳥谷は出塁率が高い。また、走れる選手でもある。阪神は盗塁数が少なく、和田監督は機動力アップを求めて打線改造に着手したのだが、鳥谷が出塁しても、上本が送れないという失態が続いた。
 「昨季は『1番上本、2番大和』の打順でした」(在阪メディア陣)
 その後、和田監督は俊介を2番でテストしてみたが、13日からは昨季と同じ『2番・大和』に戻した。

 阪神は状況に応じ、打撃スタイルを変える2番打者タイプよりも、「自由に振り回した方が活きるタイプ」の方が多いチームでもある。大和は数少ない前者のタイプとも言える。
 「鳥谷は打率も高い。でも、今のところ、阪神打線は下位の出塁も低いため、走者を置いた場面で鳥谷にまわすという展開にならない。そうなると、鳥谷を1番に置いておく意味も薄れてしまう」(前出・プロ野球解説者)
 3番でスタートし、1番にコンバートされた西岡も勝負強いバッターであり、走れる側の選手だ。

 相手チームからすれば、昨季チームトップの犠打数をマークした大和が2番にいるだけで脅威に思う場面もあるだろう。また、打順を下位に落とされた上本は打率1割台に低迷している。上本にも本来の打撃を取り戻してもらわないことには打線の復調はないだろう。
 「昨季、上本、大和の1・2番コンビが機能していたのだから、ヘタに改造しなくても良かったのではないか?」(同)
 連敗脱出後、阪神はナゴヤドームに乗り込んだが、サヨナラ負けを喫している(14日)。『1番西岡、2番大和、3番鳥谷』の打順だったが、西岡、大和ともに「安打ナシ」で終わった。打順改造の是非を論じる前に、根底から見直すべき点があるようだが…。

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