中日は昨季4位、DeNAは同5位、ヤクルトは同最下位で、現状では昨季Bクラスのチームが好スタートを切り、Aクラスのチームが苦しむ状況となっている。
開幕前、上積み要素があったDeNA、ヤクルトは台風の目と目されていたが、大方の評論家は中日の最下位を予想していた。その理由は大きな補強がなく、戦力アップが見込めなかったためだ。
中日は開幕カードの阪神戦こそ、2試合連続サヨナラ負けを含む悪夢の3連敗でスタートしたものの、本拠ナゴヤドームに戻ると勢いが出て、昨季上位の巨人、広島相手に6連勝し単独首位に立った。
7日のヤクルト戦(神宮)では、左のエース・大野雄大投手が1点を守り切って、1−0の完封勝利。5季ぶりの7連勝で、首位を守った。
この勢いは当分続きそうな気配で、DeNA次第では、10日からの中日対DeNA戦(ナゴヤドーム)が首位攻防戦になりそうな様相だ。
中日好調の要因は投手陣の踏ん張りに尽きる。チーム防御率は2.40(リーグ2位)で、先発投手がしっかりゲームをつくっている点が大きい。現状、中日のローテーション投手は山井大介投手、ラウル・バルデス投手(前ブルージェイズ傘下3A)、八木智哉投手(オリックスから戦力外)、大野、伊藤準規投手の5人。故障上がりの吉見一起投手は大事を取って、1日の登板後は出場選手登録を抹消され、間隔を空けて様子を見るもよう。その代わり、新戦力のバルデスが中4日でフル回転している。
一方、昨季まで貧打が目立った打撃陣も、チーム打率.286(リーグ1位)、得点43(リーグ2位)と好調。投打がうまくかみ合っているのが、7連勝の原動力になっている。
また、ほとんどノーマークに近かった9年目の長距離砲・福田永将内野手、ソフトバンクの育成選手から自由契約となった亀澤恭平内野手のブレイクもチームの大きな力になっている。
まだ、10試合を終えたばかりで、あと133試合もあるとはいえ、多くの評論家が最下位を予想した中日が、このまま快進撃を続けるようなら、中日を酷評した評論家たちは立つ瀬がなさそうだ。
(落合一郎)