復帰登板となった3月29日の本拠・マツダスタジアムでは3万1540人の大観衆を動員。2戦目はビジター(中日ドラゴンズ戦)で4月4日、ナゴヤドームでの登板だったが、球場内は敵地でありながら、カープのイメージカラーである“赤”で染まる異常事態で、3万6240人を動員した。中日球団にとっては、まさに、黒田様々の展開。
13年、14年と2年連続Bクラスに沈み、チームが低迷するなか、中日は観客動員でも苦労している。13年にはナゴヤドーム開場(97年)以来、初の200万人割れ(199万8188人)を喫した。14年は200万912人で辛うじて200万人を突破したものの、一時の勢いはない。
とはいえ、巨人戦は特別だ。ありがたいことに、今季の本拠開幕カードはドル箱の巨人戦だったのだが、観客動員は初戦(3月30日)こそ、3万83人で3万人を超えたものの、第2戦(同31日)は2万5634人、第3戦(4月1日)は2万4589人と閑古鳥が鳴いてしまったのだ。
いくら平日とはいえ、本拠開幕カード、かつ巨人戦だ。昨年の巨人戦ではいい時で3万7000〜3万8000人を動員していただけに、球団が受けたショックは大きかった。
ところが、土曜日という好条件も手伝ってか、黒田が投げた4月4日の広島戦では巨人戦を大きく上回る観客を動員できたのだから、ウハウハだ。
次の黒田の登板は再びビジターで、10日からの甲子園での阪神戦とみられる。当分、“黒田フィーバー”は続きそうで、本拠であるマツダスタジアムだけではなく、敵地での観客動員にも大いに貢献してくれそうだ。観客動員に苦しむセ・リーグの他球団にとって、営業的には黒田の登板を願うばかりだろう。
(落合一郎)