その他
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その他 2016年01月30日 12時00分
【不朽の名作】ウンナンが揃って出演「七人のおたく cult seven」のビミョーなオタク度
お笑いコンビ・ウッチャンナンチャンの内村光良は最近でも、バラエティー番組で体を張った企画をしている。しかし、昔はそれこそアクション俳優のようなハードなアクションもこなしていた。その若い頃の内村が輝いた映画が、1992年公開の『七人のおたく cult seven』だ。主要キャストにはウッチャンナンチャンの2人が出演。各分野の「オタク」を題材にしたコメディ作品だ。 ストーリーとしては、密漁をする網元・高松家で、某国から嫁いできた妻のティナが息子・喜一と共に逃亡。しかし、高松家が跡取り欲しさに喜一を奪い去り、それを南原清隆演じるミリタリーオタクの星亨が仲間を集めて奪還するという流れになっている。奪還に関わる他のメンバーとしては、格闘技・特撮オタクの近藤みのる(内村)、PCオタクの田川孝(江口洋介)、無線オタクの水上令子(浅野麻衣子)、アイドル・改造車オタクの国城春夫(武田真治)、田川の連れてきた、旅行オタクの美女・湯川りさ(山口智子)などがいる。「オタク」という言葉が定着し始めた時期の作品で、主要メンバーに無線オタクがいるところが時代を感じる。 公開当時も大きなアピールポイントとなっていたが、内村のアクションシーンは、かなり頑張っている。とにかくキレキレに動き、劇中では格闘シーン中に、壁蹴り宙返りなども披露している。劇中で一番活躍シーンが多いのではないだろうか。まあ、ストーリー自体はオタクたちが、専門的な知識を活かして、悪いやつから外国人妻の子供を救出するという、単純なものだ。それでもコメディ要素と上手くマッチしており、観ていて楽しい作品ではあるはず。 しかし、登場するオタクたちの、知識の活かし方は中途半端な部分も多い事には言及しておこう。特にミリオタである星の「サバイバルゲーム(サバゲ)じゃ飽き足らない」という言葉には引っかかるものがある。要は、刺激を得るために今回の救出作戦を立案したと告白する場面などだが、サバゲ好きな人は、まずそんな言葉を発しないだろう。あれは死なないゲームとしてやっているから面白いのだから。ゴルフ同様、サバゲは審判のいない自己申告制の紳士的なスポーツであることを強調して欲しかった。 加えて、中盤以降に悪徳網元を裏切ってチームに参加する益岡徹演じる7人目のオタク丹波達夫にもっと掘り下げて欲しかった気がする。丹波は、かつて伝説のフィギュア(ガレージキット)原型師と言われた役どころなのだが、漁村というオタクに理解の薄い地域で生活する為に、すでに脱オタクをしている。劇中では、オタを辞めたが、妻や子供もいるので幸せだと、星や近藤に話すシーンはあるのだが、特に虐げられたエピソードも語らないので、地方に住むオタクの苦しさを表現する存在としての印象は、極めて薄いものとなっている。 あまりオタク要素を掘り下げると、オタクに悪意を持って歪めていると思われるので、薄めたのだろうか? この作品、オタクを扱っているが、殆ど“キモさ”を強調した部分がない、国城だけはアイドルオタクなので、後の創作物に頻繁に登場するステレオタイプなオタク像が若干みられるのだが、それでも抑えている。確かにその配慮のおかげで、分野の違うオタクたちにチームワークが芽生え、力を合わせて問題に立ち向かっていく王道な展開が、すんなり観る側には入ってくるのだが、もうひと癖欲しかった気もする。 結果的にキャラとして一番上手に動くのは湯川だろうか。脚本が『私をスキーに連れてって』などの脚本を担当した一色伸幸氏だけあり、ボディコンに身を包み、まだバブルを引きずっている当時の「イケてる女」感がかなりよく出ている。サバサバ感もちょうどよくて、外国人妻に金持ちの男をオトす方法などを教えるかたりも、それっぽいな、などと思ってしまうだろう。 全体的に無理矢理感のある展開ではあるが、まあ娯楽映画なので、肩の力を抜いて見ればそれなりに面白い作品ではあるだろう。しかし、なぜ敵役を網元にしたのだろうか? コメディなのだから、ヤクザとか、悪徳地方議員とかのほうが、より分かりやすかったような気がするのだが。密漁だって寒村の資金確保の為に仕方なくやっている訳だし。それで他の漁師が逆らえないのは問題もあるが…。所々でクズさを発揮するので、ありえないかもしれないが、仮に網元に感情移入をすれば、貴重な跡取りを奪った7人という印象になってしまう。 しかも、当の外国人妻は、ラストに子供を奪還して、送り届けると、別のお金持ち男性と良い関係になりボロアパートを出るところだったりする。結果的には母性を取り戻し、子供に駆け寄り、めでたしめでたしとは、なるのだが、その後の親子は幸せになれるのだろうか? 母親は特に専門的な技術を持ってなさそうなので、その美貌を活かして、水商売をやるのか? 現状維持の方が良かったのでは? と感じてしまうのは、心が汚いからなのだろうか。せめて、外国人妻が知り合った男性が、理解のある人物であることを願うばかりだ。(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
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その他 2016年01月27日 12時50分
人気声優・中村桜 軍歌アルバムが「渋過ぎる!!」と話題に!
人気急上昇中の声優・中村桜が、1月27日にリリースしたアルバム「中村 桜オススメのみりそん!」がAmazonの軍歌ランキングで1位を獲得。「渋すぎる!!」と話題を呼んでいる。 中村は2011年のアニメ「まよチキ!」で声優デビューを果たし、「ガールズ&パンツァー」の佐々木あけび役や「モンスター娘のいる日常」のラクネラ役を演じるなど、今活躍中の声優である。 今回のアルバムは「ミリタリーをこよなく愛す中村本人の解説&ナレーションで、ミリタリーソングがもっと身近に!」がコンセプトになっており、軍服に身を包んだ中村本人がジャケットに登場。選びに選び抜いたミリタリーソングこと、軍歌をキングレコードの膨大な軍歌ライブラリーから20曲を選曲したコンピレーションアルバムとなっている。 また、中村は選曲した楽曲の解説を執筆した他、本人のナレーションも収録。選曲へのこだわりや聴きどころなどを存分に語っている。さらに注目のボーナストラック、“中村 桜が歌いたかったミリタリーソング”として、昭和に作られた軍歌の名曲「空の神兵」をあのボニージャックスをコーラスに収録。今までの声優の活動とは一味違った、新しい魅力が発見できるCDとなっている。
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その他 2016年01月24日 14時00分
【幻の兵器】退役したはずだったが戦力不足で倉庫から引っ張り出されてきたドイツ国防軍の多砲塔戦車「新車両(ノイバウファールツォイク)」
1920年代後半から1930年代初めにかけて、ヨーロッパではイギリスのフラーが発表した機甲戦術理論が大きな注目を集めていた。「1919計画」と名付けられたフラーの理論によれば、まず重装甲大火力の重戦車を集中投入して敵の防御線を破砕し、その上で防衛線の穴から快速戦車を中心とする機動部隊が後方へ進入、一気に戦争の決着をつけるというものだった。 後に、この理論は電撃戦理論へと発展して行くのだが、それはまだ先のことである。当時は、突破戦の主役となる重戦車、中でもフランスやソビエトでは多砲塔重戦車が大きな注目を集めていた。その他、イギリスのヴィッカース社が開発したインディペンデント重戦車は、各国の戦車開発に大きな影響を与えている。 極秘裏に戦車の開発を行い、また独自に機甲戦の研究を進めていたドイツでも、やはりフラーの理論に興味を持つものが多く、実際1920年代の戦車開発はその理論にそったものだった。その後、ドイツでは独自の方法論に基づく戦車の開発を始めるが、その一方で大トラクターの発展形である多砲塔戦車の開発にも着手する。 ヒトラーが政権を握った後の1934年。ドイツ国防軍は新車両(Neubaufahrzeug)との秘匿名称の下に多砲塔戦車の開発に着手し、ラインメタルとクルップの両社に基本計画を提示した。国防軍のプランはインディペンデント重戦車の影響を強く受けたもので、主砲塔の右前方と左後方にそれぞれ1基づつ銃塔を配置し、ほぼ全周に渡って火力を発揮するように考えていた。まず、装甲を持たない試作車両を作ることとなったが、ラインメタルが車体と砲塔の両方を設計、試作したのに対して、クルップは砲塔のみを試作することとなっていた。 両社とも、その年の内に試作車両、もしくは砲塔が完成し、直ちにテストを受けた。ラインメタルは、既に十分な経験を積んでいた大トラクターをベースに車体を製作、円形の砲塔に主砲と副砲を縦に並べた。それに対し、クルップは各型の溶接砲塔を製作し、主砲と副砲は横に並べていた。両社の違いは主砲塔のみであり、銃塔のデザインも含め、その他に相違点はなかった。 テストの結果、国防軍はラインメタルの1号車、クルップの2号車共に十分な性能を有していると判定したが、最終的には2号車をベースにした追加試作車両を3両製作している。1935年春に発注された追加試作車両は装甲を持っており、翌36年に完成している。だが、追加試作車両が完成した頃には突破用重戦車の必要性が薄れており、計画を検討した結果、新車両は量産しない事となった。その後まもなく、試作車両は全て退役し、計画そのものも事実上、破棄同然の有り様となっていた。 新車両は、ドイツ軍が戦車の設計を固める前に試作した1927年の大トラクターを基礎にしているため、大戦に参加したほとんど全てのドイツ軍戦闘車両と全く異なる構造をしている。特に、多数の小転輪とそれらを2個1組にまとめたサスペンション、そして側面の装甲被いは、新車両と1920年代の各種試作戦車にだけ見られる特徴といえるだろう。その他、車体そのものの構造はあまり変わっていないが、前後に銃塔を備えたため、戦闘室の形が少々複雑になっている。 砲塔はクルップとラインメタルで異なっているが、75ミリ砲と37ミリ砲の連装砲架としたため、どちらも少々大振りのシルエットとなっている。もちろん、主砲、副砲、砲架の全てが新設計だった。クルップの砲塔は弁当箱のようにそっけないデザインだったが、ラインメタルのそれは避弾形始も多少は配慮しており、外観の印象だけで判断するならラインメタル製砲塔が優れているように見える。にもかかわらず、ドイツ軍がクルップ製砲塔にしたということは、外観に現れない要素、例えば生産性や砲塔容積の点で優れていたのだろう。また、ラインメタルの砲架は主、副砲を縦に配置しているために、砲の俯仰や弾薬装填の点で問題が発生しやすかったのかもしれない。この他、試作車両の銃塔は1号戦車のそれと微妙に異なっていたが、追加試作車両の段階になるとほぼ全く同じといってもよいデザインになっている。 いったん退役した「新車両」だったが、世界大戦中の1940年には現役に復帰することとなった。当時、ドイツは資源確保のためノルウェー侵攻を準備しており、シュレスヴィッヒ・ホルスタインのプトロス演習場ではこの作戦のために第40特別装甲大隊を編成していた。しかし、装備予定だった戦車の生産が間に合わなくなったため、代わりに新車両の追加試作車を倉庫から引っ張り出してきたのだ。 新車両は追加試作車3両で小隊を編成し、第3中隊に所属していた。とはいえ、第40特別装甲大隊の装備車両は大半が軽戦車だったため、少数でも巨大な多砲塔戦車は注目を集める存在だった。そのためか、新車両小隊は指揮官であるハンザ・ホルツマン中尉の名を取ってホルツマン小隊、あるいは編成地からプトロス小隊と呼ばれていた。また3両とも車体前面に大きな白い象のマークを書き込み、特別な存在であることを強調していた。 作戦開始当初、第40特別装甲大隊の第3中隊のみがノルウェーに向い、残る2個中隊はデンマークで行動していた。新車両小隊は4月19日にオスロへ上陸し、歩兵とともにエルバラム周辺の戦闘に参加した後、同月20日にはハマーへ向かった。24日にはデンマークから第1と第2中隊が合流した事にともない、第40特別装甲大隊は第340歩兵連隊などとフィッシャー戦闘部隊を構成し、リレハンメル攻略に参加した。 このように、新車両はノルウェー各地を転戦し、少なくとも1両を戦闘で失ったとされている。その後、損傷車両は修理再生され、少なくとも6月まではノルウェーにとどまっていた。ノルウェー戦以降はフィンランドからルーマニアへ向かい、1941年には東部戦線のドゥビナ河付近で再び実戦参加したらしい。また、資料によってはそこで残る2両を失ったとしているものもあるようだが、それはノルウェー戦に参加した車両ではなく、ドイツにとどまっていた試作車との説もあってややこしい。この他に、本国に帰還した新車両は戦意高揚写真の素材となったり、クルップで突撃砲の研究車両となったとの説もある。(隔週日曜日に掲載)名称:ノイバウファールツォイク乗員:6名重量:23.41トン全長:6.60メートル全幅:2.19メートル全高:2.98メートルエンジン出力:360馬力速力:30.0キロメートル/時主砲:75ミリ砲副砲:37ミリ砲装甲:13〜20ミリ
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その他 2016年01月23日 12時00分
【不朽の名作】1作目よりも楽しみやすい「丹波哲郎の大霊界2 死んだらおどろいた!!」
心霊学を研究していた俳優の丹波哲郎が、自ら出演・脚本・制作・総監督を担当し、カルト要素が強いにも関わらず大ヒットした1989年公開の『丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる』。この作品、実はシリーズ化されて、パート3まで出ているのだが、知っているだろうか? 今回はその中で、90年公開の『丹波哲郎の大霊界2 死んだらおどろいた!!』を紹介する。 この作品、1作目と世界観設定以外にストーリーに連続性はないのだが、前作が丹波ワールド全開の世界の解説に留まったのに対して、本作では、丹波が絶対にあの世にあると確信していた大霊界をベースに、王道の冒険活劇にしているのが特徴だ。しかし、今作では総監督ではないとはいえ、脚本は丹波が担当しているので、王道でありながらどこかズレており、そこが珍妙な魅力となっている。俗に言う「パート2作品」の中でも“前作と比べて”完成度は高い部類だろう。 前作を観ていなくても問題はないストーリーラインにはなっているが、前作で言及された「死は霊界への里帰り」「死後の世界は素晴らしい」「自殺は大罪である」という丹波の死生観を踏まえておくとより楽しめる。いや…、混乱しない。 ストーリーは、丹波哲郎演じる岡本亮が、妻殺しをしたと無実の罪を着せられ、死刑になるところから始まる。自分が死んだことを理解できない描写は前作と同じなのだが、なぜかこの後に、「一回乗ってみたかったんだ!」と嬉々として、囚人護送車の警察官に乗り移り、カーチェイスをするシーンが挟まれる。これは霊界で問題にならないのだろうかと、疑問はあるが、特にそのことに関しておとがめなし。何事もなかったように、前作同様に霊界で天使に説明を受けるあたり、この作品に超越した何かを感じることだろう。 この現世パートは、丹波がやってみたいことを大量に詰め込んだのか、色々とっ散らかっているのだが、ちょっと笑えてしまったり、ほっこりしてしまうなど、これはこれでいいやと許容できてしまう妙な勢いがある。前作では霊的現象があると、いちいち丹波自身がナレーションで解説していたが、それらを本作では取り払ったので、結果的にテンポが良くなっているのだ。 なかでもオススメシーンは、戦時中の国民服を着た浮遊霊と岡本の会話シーンだ。その浮遊霊が「俺くらい戦争帰りの兵隊待ってねえと、かわいそうだ」と話していると、旧日本軍姿の兵隊の幽霊たちが、『歩兵の本領』を歌いながら帰ってくるのだ。これは、当時のバブル景気の熱狂や、それ以前の高度経済成長期などで、過去が忘れ去られていくことに、丹波が疑問を感じて入れたシーンかもしれない。このシーンの丹波の兵隊を見送る敬礼が印象に残る。 しかし、まだこの展開は、丹波ワールドのさわりのようなものだ。本題はこれから。霊界では、かなり長い尺を使っての天使のダンスや、死んだ妻と再会し、主人公の岡本が若返り、丹波哲郎が特撮の変身のような演出で、実の息子である丹波義隆になるなど、笑える奇妙なシーンが満載だ。ジュディ・オング演じる女神も、真面目な話をしているのにも関わらず、その雰囲気や世界観が独特すぎるゆえに、所々で笑いを提供する。ストーリー的には中だるみだが、視覚的にはこれほど強烈なものもそうないだろう。 さらに、この霊界での岡本の決断が、この作品での重要な転換点となっている。岡本は、死後の世界が「こんな素晴らしい世界と知らなかったから、お礼がしたいんだ」と、自身を騙して死刑台の追いやった真犯人、弁護士の矢代の元に「霊界は素晴らしいところだ」と挨拶をしに行きたいと言い出すのだ。この狂気の善意とも言える言葉はかなりのインパクトだし、この提案をあっさり受け入れる霊界もどうかしているよ。 死んだ人間ということで当然、矢代には岡本とその妻は見えない。というわけで岡本は矢代の体に乗り移って勝手にノートにメッセージを書いたり、ポルターガイスト現象を起こすなどし“善意”で必死に自分がいることをアピールする。結果的に、これを崇りだと思った矢代は自殺してしまうのだが、この作品では自殺は大罪ということになっているので、一番過酷な地獄に落ちてしまう。ここで責任を感じた岡本が地獄から矢代を救おうと地獄で冒険スペクタクルをみせるわけだ。 本作は前作のように丹波の確信する死後の世界を解説するものではないので、丹波の常人にはわかりかねる死生観と、ある程度しっかりしたストーリーラインが絡み合い、独特の魅力にあふれる作品になっている。目からビームを発射する天使や、比較的罪の軽い人間が行く地獄が場末の飲み屋街のようだったりと、視覚的に笑いを誘うシーンも、狙ってか、天然なのかは定かではないが、随所にちりばめられている。おそらく、前作が肌に合わなかった人でも楽しめる内容だろう。また、岡本に死刑判決を下す裁判官が、タモリと明石家さんまだったり、丹波のネームバリューで集めたであろう、多彩なチョイ役の確認などでも楽しいかもしれない。(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
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その他 2016年01月22日 16時30分
風邪予防に! スパークリングワインと合わせたい「苺のチョコレートフォンデュ」
スーパーに苺が並ぶようになりました。最近では甘くてジューシーなものもお手頃価格で手に入るようになりましたね。 苺に合わせたいお酒と言えば、スパークリングワイン。今回は、ちょっとおしゃれに、「苺のチョコレートフォンデュ」をおつまみにしてみましょう。材料 苺 1パック板チョコレート 1枚 牛乳 1/4カップ作り方(1)苺は洗ってへたを取っておく。チョコレートは細かく刻む。(2)小さめの鍋にチョコレートと牛乳を入れて弱火にかける。(3)よくかき混ぜて、つやが出てきたら、苺につけて食べる。 苺に含まれているビタミンCは、実はレモンよりも豊富。美肌や風邪の予防に最適な果物と言えるでしょう。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールの抗酸化作用を合わせれば、さらに免疫力アップが見込めます。 簡単なので、ぜひお子さんと作ってみてくださいね!レシピ:料理研究家オガワチエコ撮影:大崎えりや
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その他 2016年01月17日 12時00分
【コンピューターゲームの20世紀 63】戦乱の物語がゲーム上に再現される『三國志』
シリーズが30周年を迎え、2016年1月28日に新作『三國志13』が発売されることを記念して、今回は光栄の初代『三國志』を紹介したいと思う。ただし、筆者が初めてプレイしたのがファミコン版であったこともあり、今回はそちらを話の中心にさせていただく。というのも、当時は8ビットパソコンが15万〜20万円ほどもするうえ、モニターや周辺機器を揃えればさらに高額になり、当時10代であった筆者にはとても手を出せる品物ではなかったからである(後にプレイすることはできたが)。ちなみにファミコン版もROMカセットの定価が9800円と、同社の『信長の野望 全国版』と並んで当時の最高価格であった。もともと大人向けのゲームではあるが、かなり足下を見られた価格設定ではある。 ファミコン版『三國志』はPC版と細部が異なっており、略奪など一部のコマンドがなくなっている。また、戦闘画面でも突撃や計略が使えないなど全体的に簡略化されている部分が目立つ。これは容量の問題とSLG初心者が多いことを考慮してのことだと思われる。実はパソコンでも『抄本三國志』という簡易版が先に発売されており、多少コマンドを省いても面白さが変わらないことは実証済みであったのだ。 パソコン版の発売は1985年だが、その2年前に発売された『信長の野望』と比較してシステム面で大幅にパワーアップしており、歴史SLGとしてかなりの進歩を遂げている。特に各国に大名のみが存在していた『信長』に比べて、本作では君主の配下に多数の武将が存在している。さらには君主を含めその武将全員に武力・知力といったパラメーターが設定されており、それによって武将に個性が生まれたのである。 例えば劉備配下の関羽と張飛は共に武力は99だが、知力に大きな差があり、これによって猪武者的な張飛と冷静沈着な関羽という物語上のキャラが、ゲームの中でも再現されたのだ。また、実際にこのパラメーターによる差は非常に大きく、同じ数の兵士を率いていても武力が低い武将と高い武将では、その強さに雲泥の差があったのである。そのうえ物語上で裏切者であった武将は忠誠度が低く設定されているなど、その再現度はファンも納得のものであった。 一口に三国志と言っても三国時代に突入するのは物語の後半になってからであり、実際にはその過程が話の大半を占めている。これに対応するために本作にはシナリオが5本用意されており、シナリオ1は董卓の横暴に対して各地の君主が立ち上がるといった時代で189年からのスタート。シナリオ5は魏呉蜀の三国鼎立が成っている215年からのスタートとなる。基本的に前半のシナリオほど自由度が高く、後半のシナリオは大国が国境を接しており一触即発である。このシナリオの多さからも本作は長く遊べるゲームになっているのだ。 ここからはかなり個人的な話になるが、当時の筆者は吉川英治の小説や横山光輝の漫画、NHKの人形劇などで三国志の大ファンになっており、先にナムコの『三国志 中原の覇者』をプレイしてはいたものの、光栄の本格的 SLGに憧れが募るばかりであった。ようやく購入してシナリオ1の曹操でプレイを開始するもコマンドの多さに戸惑い、とりあえず雑誌で仕入れていた情報通りに呂布と賈ク(かく)を引き抜いたものの、洪水に遭い本国はボロボロの状態になってしまう。その後も袁紹を恐れて娘を輿入れさせたり、董卓に攻め込まれて本国を失ってしまうなど迷走が続き、終いには袋小路に追い詰められ滅亡してしまった。 このように初プレイは非常に苦いものであったが、何度もプレイしているうちに本作の特徴が見えてきた。例えば、無駄に国を広げるよりも収穫の後に空白地を回る方が簡単に金や米が手に入り、それを守るための兵士も必要としないなど。さらに本作の武将は忠誠度が100でなければ、成功率こそ下がるものの必ず引き抜くことが可能だと気がついた。これを悪用するとプレイスタイルが一変。戦争するよりも各国の太守を引き抜いてしまえば簡単に国が手に入る。また、本来であれば君主と血縁関係にある孫策や馬超といった武将まで迎え入れることが可能なのである。こうなってくると、もはややりたい放題で、本国には名だたる名将がひしめき、戦争もしていないのに全国各地に領土が広がっていく有様になっていく。 そして戦闘画面では火計が猛威を振るう。本作の火計は延焼範囲の広がりが極端で、山がちな地形ではマップのほとんどに火が広がることも珍しくはない。風向きがランダムなため時にプレイヤーの首を絞めることもあるが、使いこなせば兵士0で敵の大軍を追い返すことも可能であった。特に本作においては敵のいないヘックスに火をつけるのには知力が一切関係しないため、お馬鹿な武将でも数さえ揃えば放火部隊として活躍できたのである。ちなみに火計の効果は火の付いた地形に1ターンとどまると、武将が兵士ごと焼死するという強力なもの。逃げ場がなくなった場合は退却することを知らないうちは、よく武将を殺してしまったものである。 最新作である『三國志13』は『三國志10』以来の全武将プレイが可能ということである。ハッキリ言って従来のシリーズでは全武将プレイを活かしきったシステムはなく、君主も配下武将もやることは大して変わりはなかった。その辺りがどう改善されているのかが見物であり、非常に楽しみなのであるが、SLGはとにかく睡眠時間を奪ってしまう熱中度が社会人にとって驚異となっている。気がついたら朝になっていたというパターンにまたハマってしまうことを考えると、購入するのが恐ろしくもある。この問題だけは30年経っても全く解決されることはなさそうだ。(須藤浩章=隔週日曜日に掲載)DATA発売日…1988年(PC版は1985年)メーカー…光栄ハード…ファミコン(オリジナルはPC)ジャンル…SLG(C)1988 KOEI
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その他 2016年01月16日 12時00分
【不朽の名作】和製「トップガン」を目指した織田裕二主演「BEST GUY(ベストガイ)」
戦闘機! 空戦! 音楽! 恋愛! 青春群像劇! と、さまざまな娯楽要素を強引に1作品に放り込み人気を博したトム・クルーズ出世作である『トップガン』。この映画を参考にした邦画が実は存在する。それが、1990年公開の『BEST GUY(ベストガイ)』だ。主役の梶谷英男を演じるのは織田裕二。戦闘機の撮影には航空自衛隊に協力を仰いだ作品だ。 実際に航空自衛隊の制空戦闘機・F-15Jを使用して作られたこの作品は、パイロットに贈られる最高の栄誉とされる「BEST GUY」の座をかけて、特別訓練を受けるという内容になっている。完全に『トップガン』を意識した和製トップガンで、しかも劇中のセリフで「トップガンの上の称号としてベスト・ガイを設置する」と言っている通り、バブルの好景気を背景に本家を超えてやるという気概も感じる。しかし、内容としてはパクリ損ない、航空機用語で言うならバーディゴ(空間識失調)に陥り迷走した感じだ。 自衛隊が協力しただけあり、航空機の描写はかなり良い。航空祭などでは安全上の問題でまず見れないであろう、エアインテークや、アフターバーナーのノズルの動きなど、機体の詳細な映像も見ることができる。上空での機動シーンもかなりのものだ。しかし、そこだけしか本当に際立って凄いというものがない。 この作品、とにかく「どうだ、カッコイイだろ!」と言わんばかりのシーンの数々が、バブルの熱狂も手伝って、ことごとく滑っている感がいなめない。「どこの酒場だ!」とツッコミを入れたくなるような、アメリカ風の田舎風バー、そこで、展開されるひとつひとつ動きが違和感の塊だ。さらに、各キャラクターの部屋の内装やファッションなどなど、戦闘機に乗っている以外のシーンのほぼ全てが寒い。冒頭から、まったく本編と関係がない外国人シンガー登場したり、梶谷がエンストしたシトロエン・2CVを押して基地へ向かうなど、それこそくらくらするようなダサいシーンが満載で、逆にギャグとして楽しめるレベルにまでなってしまっている。 オシャレな雰囲気を演出しようとしてなのか、無理やり梶谷や他の隊員にキザなセリフを吐かせるのも、かなり気になる。日本人の会話とは思えないようなセリフばかりなのだ。まあ、バブルの頃はいたのかもしれないが…。これはおそらく参考にした『トップガン』と、当時流行したトレンディドラマの影響を受けてのものだろう。かなりダサい。さらに、無理やり他の隊員との衝突するシーンまで作り、ストーリーとしての熱さを強引に演出しようとする部分もかなり寒い感じだ。しかも、主人公の兄が戦闘機での訓練中の事故で亡くなっていたり、直接の上官と兄が知り合いだったり、主人公が無鉄砲な飛び方ばかりすることなど、明らかに『トップガン』オマージュだろうという設定が随所に見られる。 しかし、オマージュ元では事実を伏されていた父の死の真相が、軍事境界線を超えての空戦で友軍機を守った「英雄的な行為」だったのに対して、この作品で、兄が死んだ理由は、落雷で計器が故障した戦闘機を民家に落とさないように海で殉職したという英雄的な行為ではないと明かされる。途中でバーディゴに陥った単純なミスだったという真相になっているのだ。この話を聞かせて、オマージュ元と同様に、主人公に立ち直れっていうのは酷ではないだろうか。せめて英雄だったということにしてあげようよ。もう「駄話はいいから、早くF-15映せよ!」と叫びたくなるレベルだ。 とはいっても、肝心の空のシーンでも問題がない訳ではない。航空自衛隊という性格上、『トップガン』でも見せ場のひとつとなっている「某国」との空戦シーンが描けないのだ。一応、某国の領空侵犯によりスクランブルするシーンはあるのだが、威嚇のロックオンをするだけで、空対空ミサイルや機銃を撃ち合うシーンはない。しかも、肝心の威嚇相手である、Su-27(スホーイ27)が、安っぽいCGかイラストと思われるものの合成映像となっている。これがまたショボくて残念だ。 ちなみに『トップガン』では、敵機役をMIG-28という架空機に設定しており、その役目をF-5戦闘機が引き受けている。違和感は多少あるが、同機は実際に、米軍がアグレッサー部隊(演習・訓練において敵部隊をシミュレートする役割を持った専門の飛行隊)でMIG-21役などに使用していた機体で、合成を使うよりは、それっぽい、ちゃんとした戦闘シーンには仕上がっている。この作品でもT-2かなにかを使ってそのシーンを演出できなかったのだろうか。また、ちゃんとした空戦シーンに出来なかったという点でも、「これは娯楽映画だから」という言い訳では済まされない日本特有の政治的背景が感じられ、空しさを覚える。 とはいっても、これら全ての寒い雰囲気や、残念な描写も最後のシーンのインパクトで吹き飛ぶことだろう。財前直見が演じるヒロイン役を、梶谷が迎えに行くシーンがラストになるのだが、当時のバブル好景気の熱狂や価値観、恋愛観を集約した、「これがイケてるシーンだ!」と言わんばかりの強烈な絵面が展開される。もうこのインパクトが凄すぎて、今までのイライラすらどうでも良くなってくる。戦闘機と、このラストシーンは必見だ!(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
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その他 2016年01月15日 17時15分
テレビ史上初! 『けいおん!』全シリーズを1月23日午前11時から24時間一挙放送! メインキャストから愛情たっぷりのコメントも到着
CS放送「TBSチャンネル2名作ドラマ・スポーツ・アニメ」では、1月23日(土)午前11時から翌24日(日)午前11時まで、テレビアニメ『けいおん!』の全シリーズをテレビ史上初めて24時間ノンストップで一挙放送! メインキャストを務めた豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈から、この企画への熱いメッセージが到着。 大ヒットアニメ『けいおん!』は、廃部寸前の軽音部に入部した唯、澪、律、紬の4人がガールズバンドを結成する物語。高校2年時には1学年下の梓が新加入してパワーアップ! 女子高校生たちの青春と日常をゆるやかに描き、空前の『けいおん!』ブームを巻き起こした。 TBSチャンネルでは初放送となる2011年公開の映画「けいおん!」は、メンバー5人が卒業旅行でロンドンを訪れる完全新作ストーリー! 『けいおん!』第1期、第2期にこの劇場版を加えた全シリーズを、テレビ史上初めて24時間一挙放送で放送する。 また、このスペシャル企画に対して、メインキャストの豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈から喜びのコメントが到着! 作品への愛にあふれたメッセージを発表している。【キャストコメント】●平沢唯役…豊崎愛生 このような企画でまた唯ちゃんたちに会えて、とても幸せです! 思い出深いシーンは、最後の学園祭ライブのあと、燃え尽きた5人が教室で話しているところですね。ずっと続くような気がしていた青春時代のおしまいを、初めて現実的に感じた場面でした。キャスト5人で過ごした思い出がいっぱいあるので、物語の中の唯ちゃんたちと気持ちが自然とリンクした瞬間だったと思います。『けいおん!』と出会ってから、自分をとりまく環境も、自分自身も、めまぐるしく変化しました。でもふと立ち止まって振り返ると、いつでもマイペースな唯ちゃんがいて、そのぽやっとした笑顔にこれまで何度も救われました。放課後ティータイムが永遠に放課後のように、唯ちゃんは唯ちゃんのままでいてほしいです。ありがとうね、唯ちゃん。大人も子どもも、みんなが青春時代にどっぷり浸かれる24時間になると思います。笑ったり、泣いたり、一緒に歌ったり、たくさん心を動かしながら見てもらえると嬉しいです。けいおん、大好き!●秋山澪役…日笠陽子 TBSチャンネル一挙放送、おめでとうございます。そしてありがとうございます! 24時間どの時間にテレビをつけても『けいおん!』が映ると思うととても嬉しいです!第1期で、律がヤキモチを妬いて澪とけんかをしてしまうシーンは今でも覚えています。律のことが大好きで、ちゃんと言葉で想いを伝えようとする澪の気持ちがダイレクトにお芝居に乗っかったので、役に入っていくってこういうことなんだと分かった瞬間でもありました。今だからこそ話せるエピソードとしては、萌え萌えきゅんのリテイク数がすごく多かった! なかなかOKが出ず、萌えの難しさを知りました…! 澪〜、元気にしている? 相変わらず緊張しいですか? 本当に本当に楽しい時間を一緒に過ごしたね。まるで昨日のようです。一緒に成長してきたあの時間は今でも大切な宝物です。また澪に会いたいなあ。『けいおん!』は私たちにとって第二の青春。嬉し恥ずかしいですが、放送を終えてからもこうして人の目に触れる機会を作ってもらえるのは本当にありがたいです。時代を超えて愛される作品の一つになっていったらいいなあと思います。●田井中律役…佐藤聡美 24時間ノンストップってすごい!! と、びっくりしちゃいました! 全シリーズを一挙に見られる機会はそうそうないと思うので、皆さんには無理のない範囲で睡魔と闘いながらご覧いただけたらと思います。第1期の律と澪がけんかをするお話は今でも記憶に残っています。風邪をひいた律のお見舞いに来てくれた澪に甘えて駄々っ子みたいなことを言っている律が可愛かったなあ(笑)。この2人の「幼馴染み」という関係や距離感がすごく好きだなと改めて感じたシーンでした。りっちゃん! あれから6年もたったんだって!! もうそんなに!? ってなんだかびっくりです。今も相変わらず自由な感じでみんなを振り回しているのかな? それとも、少し大人になったのかな? いつまでも、元気でおデコがチャーミングなりっちゃんでいてね。また何かのタイミングで会いたいね。大好きだよ!! 当時『けいおん!』を見ていた方も、今回が初めてだという方も、みんなが楽しめる『けいおん!』です。とっておきのお茶とお菓子を用意して放送を楽しみにしていてくださいね。「部長はわたし!」とか「キャベツうめぇ〜」とか「アイアムブチョー」とかあのシーンもこのシーンも楽しめるなんて贅沢!●琴吹紬役…寿美菜子 『けいおん!』の24時間一挙放送、すごく嬉しいです。きっとリアルタイムでオンエアを見ていた方もいれば、今回を機に一気に見るという方もいらっしゃると思います。ぜひこたつで温まりながら見てほしいです。それぞれのキャラクターの、お当番回のアフレコは、とてもドキドキしました。りっちゃんとムギが2人で遊ぶお話がお気に入りです。映画のアフレコは、テレビシリーズから少し時間がたっていたので「ムギ、そんなにおばさんだったっけ?」と音響監督さんに言われました(笑)。ムギ、元気ですか?毎日楽しいですか? きっとムギはどんなことでも楽しんでいると思います。私はそんなムギから、たくさんのものをもらいました。同じ「ことぶき」という読み方をするムギに、ご縁を感じて、感謝しながらこれからも頑張ります。ムギも毎日楽しんでね! 24時間一挙放送という響きだけでも本当にすごい! 『けいおん!』の世界に、どっぷり浸かってください。これからも『けいおん!』をよろしくお願いします!●中野梓役…竹達彩奈 丸1日『けいおん!』づくしだなんてすごいなぁ! と思いました。寝ても覚めても放課後ティータイムに会えるなんて夢みたいな時間で素敵です! まだ見たことのない方にもぜひ見てもらえたら嬉しいです! “けいおんぶ”のキーホルダーが並んでいるシーンは今でも印象深く残っています。何気ないシーンにじーんとした気持ちになるのは『けいおん!』の魅力なんだなぁと思います。シリーズを終えてかなり時間がたっているのにもかかわらず、今回のような放送をしていただけるのは応援してくださるみなさまのおかげだと思います。私にとっても初めてのレギュラー作品だということもあり、とても思い出深いです。放送をぜひお楽しみに! あずにゃん! だいすき!
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その他 2016年01月10日 12時00分
【幻の兵器】ロシア軍が復活させるなどテロとの闘いで再び注目「装甲列車」
鉄道と蒸気機関車の組み合わせによって、人類はかつてなく大量に、しかも迅速に様々な物資を輸送することができるようになった。また、単に輸送機関として利用するだけでなく、時には列車そのものも兵器として戦場に投入されることがあった。装甲列車はその代表的な例である。 装甲列車とは、鉄道車両に武装と装甲を施したもので、国や時期によって装備、編成共に異なり、バリエーションは極めて多い。また、中には砲艦並みの重武装を誇った編成もあり、なかなか侮ることのできない存在だった。実戦に登場したのは、南北戦争中の1862年が最初とされているが、その後は鉄道の発展と共に装甲列車そのものも進化し、第一次世界大戦から1930年代にかけ全盛期を迎える。そして、第二次世界大戦を境に衰退したが、最近ではロシア軍が装甲列車部隊を復活させるなど、テロとの闘いにおいて再び注目されつつある。 装甲列車といってもその形態は様々だが、急造列車と正規列車に分けることができる。急造列車とは既存の貨車などを改造した武装車を中心とした編成で、正規列車の方は始めから兵器として建造された編成である。これとは別に、車両そのものの分類として動力車(機関車)と武装車の二種類があり、さらに武装車は火砲車や警戒車、司令車、兵員車等に細分化される。つまり、装甲列車とはこれらの車両を組み合わせて編成された兵器で、武装車の組み合わせによってはその能力も変化するが、基本的には部隊ごとに編成が固定されていた。 既存の貨車などから改造された車両の場合、車体を鉄板や土のう、コンクリートなどで補強し、銃眼を開けた程度のものが大半だった。だが、南満州鉄道警備隊が使用した装甲列車のように、中には70ミリ級の野砲に砲塔状の防盾まで装備した、かなり本格的な列車もあった。 また、始めから兵器として建造された編成の場合、車両は各々10ミリ程度の装甲で覆われ、火砲車は砲塔に納められた大砲を1〜2門装備していた。例えば、第二次世界大戦中にドイツが使用した装甲列車であるタイプBP44は12両編成で105ミリ砲と75ミリ砲を2門ずつ備え、さらに4連装20ミリ対空機銃を2基、その他に20丁ほどの機関銃を装備している。 当然のことながら、装甲列車は線路上しか移動できないのだが、そのかわり線路上は非常に素早く移動することができる。そのため、基本的に装甲列車は沿線のパトロールや鉄道施設の防衛といった、どちらかといえば後方任務に投入され、攻撃に参加することはあまりなかった。例えば、装甲列車がパトロール中に敵部隊を発見したとして、ゲリラや偵察部隊程度の軽装備部隊ならば自力で撃退することができるし、線路を破壊することができるほどの火力を備えた敵であった場合は、素直に増援を呼ぶなり撤退するなりすれば済むのだ。 実際、戦車や装甲車で広大な鉄道沿線をパトロールし続けるには無理があり、第二次世界大戦でも警戒正面の広すぎる東部戦線をはじめとして、レジスタンスやパルチザンが横行したフランス、ユーゴ、ウクライナなどでは、終戦まで装甲列車が活躍し続けている。もちろん、中国大陸で果てしないゲリラ戦に悩まされていた日本軍も、大規模に装甲列車を投入し、日本占領地域のほぼ全域で活躍させている。 昭和16年8月と18年4月には夜間にゲリラの大部隊を捕捉、サーチライトで照射しつつ逃げる敵兵に射撃を加えて壊滅させた。時には敵が占拠する駅に突入し、強引に突破することもあったというが、相手が軽装備のゲリラ部隊だからこそ可能な荒業だった。もちろん、ゲリラ部隊もあの手この手で対抗し、なんとか日本軍の装甲列車を撃破しようとした。特に、装甲列車のアキレス腱である線路に対しては執ような攻撃を加えていたが、単にレールを切断した程度では装甲列車に同乗していた鉄道工兵がたちまち修復してしまうので、無力化することもままならなかったという。 事実、日本軍の鉄道工兵はレールを爆破した程度の破壊工作なら、長くても数時間で線路を復旧しており、時にはわずか30分ほどで作業を終わらせてしまうこともあった程だ。さらに、ゲリラの破壊工作に対抗するため、装甲列車の前後には資材だけを積んだ無蓋車(屋根のない貨車)を連結し、万一爆破されても兵員に被害が及ばないようにしていた。当然、破壊された個所を発見した場合は、無蓋車に積んである資材を使って線路を修復するのである。 また、沿線に進出した敵に対する反撃兵力としても、装甲列車は十分な力を発揮した。ドイツによるポーランド侵攻の際には、マリノフスキ大尉に指揮された装甲列車「勇敢」がドイツ軍の装甲師団に反撃を加え、数多くの戦車を撃破してドイツ軍の攻撃を一時食い止めるといった活躍を見せている。さらに、満州では関東軍が「攻撃用装甲列車」を建造し、対ソ戦に備えていた。この攻撃用編成の正式名称は九四式装甲列車で、装備する全火砲を前方に向けて射撃することが可能となっており、極めて攻撃的な性格を持っていた。そのうえ、車軸の長さを調節することで、ゲージ(線路の幅)の異なるソビエトの鉄道上でも走行することも可能だった。 第二次世界大戦後、装甲列車は急速に活躍の場を狭め、現在ではほとんど見ることもできない。しかし、軽装備のゲリラから鉄道を防衛するという目的には極めて適応した兵器であるため、コンゴやアルジェリア、ベトナムなどの独立戦争においては、数多くの装甲軌道車が1960年代まで使用されていた。また、ユーゴ紛争においては装甲列車が実戦参加したほか、フランス軍部隊の持ち込んだ改造武装軌道巡回車が活躍したという。 各国の軍隊において、地域紛争へ対応した兵器が求められている現在。装甲列車が再び脚光を浴びる日が来たとしても、さほど不思議なことではないように思える。実際、ロシアは鉄道軍が保有していた旧ソ連時代の防衛用装甲列車を現役復帰させ、近代化したうえで再配備すると伝えられている。 紛争地域で、最新型の装甲列車を目撃する日はそう遠くないのかもしれない。(隔週日曜日に掲載)
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その他 2016年01月09日 17時18分
お鍋で若返り! アンチエイジング効果バッチリの簡単ホルモン鍋
あっという間に2016年。時間の流れは早いものですね。ついこの間まで20代だと思っていたのに、気が付けば30代だったり40代だったり。老化からくる体力の低下や見た目の変化に違和感を感じている方もいるでしょう。 そこで今回は、アンチエイジング効果の高い「簡単ホルモン鍋」のレシピをご紹介します。味噌やニラを使っているので、ほっこりと温まると同時に、体内の酸化を防止する働きが見込め、心身ともに若返る感覚を味わえるでしょう。 具材に使ったホルモンにもコラーゲンが豊富。この時期にぜひ試してみてください。簡単ホルモン鍋材料(2人前)味付きホルモン(こてっちゃん等)…250gキャベツ…1/2個もやし…1/2袋ニラ…1束味噌…大さじ2杯酒…1/2カップ焼肉のタレ…1/4カップ作り方1 鍋に味噌と酒を入れる。2 キャベツ、もやし、ニラを適当に並べて入れる。3 野菜の上に味付きホルモンを乗せる。4焼肉のタレをかけてふたをして火にかける。沸騰したら火を弱めて食べる。レシピ:オガワチエコ
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