その他
-
その他 2015年11月01日 12時00分
【幻の兵器】諸外国の対戦車ライフルにも引けを取らない「九七式二○粍(ミリ)自動砲」が量産されなかったワケ
欧米の各国は1920〜30年代にかけて、歩兵用対戦車火器として個人や数人の兵士が持ち運べる重さ、大きさの対戦車ライフルを開発していた。当時、既に対戦車砲が存在していたが、歩兵と直接行動を共にする対戦車火器も必要であり、機関銃に匹敵する機動性を持つ対戦車ライフルが注目されていたのだ。 そのような世界的潮流の中で、日本陸軍も「歩兵用対戦車火器」の必要性を認識しており、スイスから口径20ミリのゾロターンS-18/100対戦車ライフルを輸入、研究したほか、昭和10(1935)年には口径20ミリと13ミリの開発に着手した。しかし13ミリでは威力が不足していたため開発は中止され、やがて20ミリに一本化された。 対戦車20ミリ砲の実用試験は昭和13(1938)年中に終了し、同年10月には陸軍省が「九七式自動砲」として制式化を検討した。ところが、陸軍省と参謀本部との協議において、当初は約40キロの火砲を予定していたところが、完成した砲は約59キロになってしまい、重すぎることが問題となった。陸軍省は九七式自動砲の制式化を「当分の間」取りやめることとし、暫定的な生産を認めたのである。 最終的に九七式自動砲は昭和18(1943)年まで生産が続けられ、総生産数は約1200門とされている(400門との説もある)。 九七式自動砲はガス圧作動式の半自動砲(セミオートマチック)で、作動機構は試製九四式20ミリ高射機関砲から発展したものと考えていいだろう。発射速度は、最大12発(1分)となっており、箱形弾倉には7発装填されていた。初速は秒速750メートルで、弾丸の重量は327グラム、距離220メートルで30ミリの装甲板を貫通することが可能だった。また距離700メートルでも20ミリの鋼板を貫通可能であり、良好な命中精度を誇っていたとされる。 九七式自動砲の能力は、諸外国の対戦車ライフルと比較しても遜色のないもので、当時存在した主力戦車の多くを撃破可能だった。文献によっては、ノモンハンで九七式自動砲の威力不足が明らかになったため、少数の生産に終わったとしているものもある。だが、最近の研究では数門程度が前線に投入され、ソ連軍の装甲車には大きな威力を発揮したことが判明している。ただ、ソ連軍は日本の20ミリ機関銃としているところから、どうやら外見からフルオート連射機構を備えていると誤解したようだ。 暫定的な量産が始まると対ソ戦をにらんで満州の精鋭部隊や空挺部隊へ配備され、太平洋戦争中にはそれらの部隊とともに南方戦線へ投入された。南方では対戦車戦闘よりも対空戦闘の機会がずっと多かったためか、フルオート発射が可能な改造を施されて簡易対空機関砲とされたが、信頼性は低下したようだ。その他、ジテ弾と称する成形炸薬弾を発射可能とした砲もあったようだが、実戦投入されたかどうかも不明だ。 歴史上の可能性に思いを馳せるなら、ノモンハンにおいてソ連の装甲車に威力を発揮したように、もし日本軍が九七式自動砲をもう少し早く大規模に生産し、前線部隊に配備させていれば、あれほど一方的な敗北にはならなかったかもしれない。また、沖縄に九七式自動砲を大量配備していれば、クルスクにおけるソビエト歩兵部隊に匹敵する活躍が可能だったかもしれない。 しかし、陸軍首脳部は重量問題を理由として暫定的な生産に止めてしまい、太平洋戦争の開戦後は同じ生産設備を使用する対空兵器や航空機搭載機関砲の生産に追われ、対戦車自動砲の量産どころではなくなってしまったのである。とはいえ、陸軍が指摘した重量問題は単なる官僚組織の頑迷さによるものではなく、それなりの理由も存在していた。 まず、陸軍は射手と弾薬手、運搬手ら数名で運用可能な、どちらかと言えば軽機関銃に近い火器を想定していたようだが、最終的には九二式重機関銃と同様に10名の分隊に運搬用の馬も含めた大所帯で運用せざるを得なくなってしまった。また太平洋戦争開戦前の主力重機関銃だった九二式重機関銃の調達価格は2100円程度だったのに対し、九七式自動砲は6400円にも達しており、調達コストは大きな問題となっていた。このような事情を考慮すると、陸軍が正式採用をためらった理由が見えてくる。 ともあれ、少なくとも昭和15(1940)年までは、日本陸軍も欧米列強諸国なみの対戦車兵器を開発、生産していた。そればかりか、その中には当時の水準を上回る兵器も存在しており、もしも生産や運用体制が整備されていたなら、つまりはもう少し国力があったなら、相手により大きな出血を強いた可能性もあったのだ。九七式20ミリ自動砲も、そう言った兵器のひとつなのである。 (隔週日曜日に掲載)■各国の主要対戦車ライフル<ドイツ> PzB39:本体重量12.3キロ:装甲貫徹力25ミリ/300メートル:単発:7.92ミリ PzB38:本体重量15.9キロ:装甲貫徹力25ミリ/300メートル:単発:7.92ミリ S18-1000:本体重量54.3キロ:装甲貫徹力35ミリ/300メートル:半自動、装弾数5〜10:20ミリ<ポーランド> マロスチェク:本体重量8.8キロ:装甲貫徹力20ミリ/300メートル:ボルトアクション、装弾数10:7.92ミリ<イギリス> ボイズ:本体重量16.3キロ:装甲貫徹力20ミリ/500メートル:ボルトアクション、装弾数5:13.97ミリ<ソビエト> PTRD1941:本体重量17.2キロ:装甲貫徹力25ミリ/500メートル:単発:14.5ミリ PTRS1941:本体重量10.8キロ:装甲貫徹力25ミリ/500メートル:半自動、装弾数5:14.5ミリ<日本> 九七式二○粍(ミリ)自動砲:本体重量59キロ:装甲貫徹力30ミリ/220メートル:半自動、装弾数7:20ミリ
-
その他 2015年10月31日 12時00分
【不朽の名作】サラリーマンの痛快な逆転劇が魅力! 「集団左遷」
バブル崩壊直後、いち早く損害を受けだしたのは不動産業だった。この頃からニュースなどで、「リストラ」といった文字が踊りだし、終身雇用の終焉が叫ばれた。今回紹介する1994年公開の「集団左遷」はそんなバブル崩壊後のリストラに立ち向かう作品となっている。 内容としては、企業ドラマモノの映画で、リストラの名の下に行われる会社の理不尽な仕打ちに対し、自らの意地と誇りをかけ立ち向かっていく、サラリーマンたちの姿を描くというもの。大量の不良物件と余剰人員を抱える太陽建設は、「特販部」という大層な名前の左遷部署を創設して、無茶な営業利益を命令し、柴田恭兵演じる滝川晃司や、中村敦夫演じる篠田洋など、以前に上司と問題があったり、無気力社員と断定された者達を退職に追い込もうとする。しかし、そこで問題社員たちが自分の働き方見つめなおし再起をはかる。この逆転劇が本作の見どころとなっている。 ストーリー前半は、滝川などの他企業からのヘッドハンティング組と、生え抜き社員組との衝突や、和解してからの奮闘を描く。とても単純な構成で、まるで団体競技の弱小校を強豪校にするような、スポ魂展開で進んでいく。後半は、度重なる妨害にもくじけない、左遷社員たちの戦いを描く。この後半の展開は、左遷社員たちが、困難に断つ向かうヒロイックな存在となっており、これまた、単純で非常にわかりやすい。最終的には決算報告会での逆転劇に向かっていくのだが、この脇道にそれず一本道に目標に進んでいく展開が本作の娯楽性の高さとなっている。 悪く言えば規定路線から外れない、「お約束」の詰まった作品ではあるが、だからこそ、こういった作品は価値があるのだ。最近ではドラマ『半沢直樹』などで、虐げられた企業戦士の逆襲というのが評価を得ている。なぜこういった作品が評価をウケるかと言えば、おそらく、これまで苦渋を舐めさせられてきた人々が、公然と立ち向かい、嫌な上司を痛快に倒すからだろう。普段言えないことを、架空の人物であっても代弁してもらえれば心はスカッとするものだ。今回の作品もそのジャンルと同じだと言って間違いない。 しかし、この作品の公開は94年と、『半沢直樹』の20年以上も前に、この結論に到達していることに注目して欲しい。同時期の企業モノといえば織田裕二主演で94年放送のテレビドラマ『お金がない!』などもあったが、こちらは、企業での痛快なサクセスストーリーがメインとなっている。そう考えると、まだ世間では、今ほど不況の閉塞感もなかったと言えよう。その時点で、これほど過酷な状況での逆転劇を題材としたのが、この作品を価値あるものとしている。 このジャンルで重要なのが、軟派な恋愛劇など入れている暇はないと言わんばかりの、徹底的なお上との対決姿勢と、困難に、知恵と体力を振り絞って向かっていく汗臭さだが、若干知恵の部分は足りないかもしれないが、概ねこの作品でもよく表現できている。 また、こういった企業を題材とした作品を作る際は、会議などで、多数の役職や、専門用語などが入り混じり、混乱する場合が多いので、わかりやすい役どころというのが必要となってくる。それは単純に「こいつが悪いヤツだ!」と感じられるような、テンプレートな悪役の存在だ。 この作品では、津川雅彦演じる横山輝生副社長がその役割を担っている。それはもうやり過ぎだという位に、本来副社長には取るに足らない存在であるはずの特販部の左遷社員に、ムキになって妨害工作を入れてくる。裏工作で、特販部の取ってきた契約を反故にするなどもちろん、時にはヤクザを雇っての物件破壊。さらには、弱みを握った特販部社員を利用しての物件への放火行為など、もうやりたい放題だ。次期社長のイスがかかっているとはいえ、自社の物件を破壊するなど、これはもはや異常な領域だ。津川もこの狂気の副社長になりきっており、滝川や篠田に、強烈な憎悪をぶつけてくる。この効果は絶大で、現代劇でありながら、時代劇のような勧善懲悪劇パターンに近い印象を受け、建設業界の事情をわからずとも、すんなりと話の展開についていけてしまう。 あと、この作品はバブル崩壊の影響が出始めの頃に制作された映画なので、今では別の部分も見どころになっている。リストラされる側の社員の退職金が数千万単位で「おお、すげえ、まだ金あったんだな」などと感じることもあるかも。他にも「自分たちで仕事をしたい。仕事に対して誇りを取り戻したいんです!」という滝川の言葉なども、派遣社員が多い現在の状況や、ブラック企業問題が顕著の現在ではそう簡単に言えない言葉だろう。あと、バブル崩壊後、余剰の土地となった場所にヘリコプターを飛ばして見に行くシーンなども、今となっては浮世離れした描写に映るはずだ。 他にも、伊東四朗演じる電気量販店社長の現金即金払い主義で札束を持ち歩いている設定などが、当時度々テレビに出演していた、城南電機の宮路年雄社長のようで、当時を知っている人は、思わずニヤリとしてしまうだろう。(斎藤雅道=毎週土曜日に掲載)
-
その他 2015年10月24日 13時00分
【不朽の名作】国内外のクリエイターに大きな影響を与えた『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』
今年6月、新作の『攻殻機動隊 新劇場版』が劇場公開され、話題となった攻殻機動隊シリーズ。そのブルーレイディスクが今月末に発売されるということで、今回はそのシリーズ化のきっかけとなった、1995年公開の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を紹介する。 本作は士郎正宗氏の漫画『攻殻機動隊』を原作としたアニメ映画で、監督には最近では、『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』の総監督などを務めている、押井守氏が抜擢された。この作品は、まだインターネットが世間全体としてはあまり普及していなかった時代に、ネットワークへの接続が日常になった近未来を描いた作品として、国内外のクリエイターに大きな影響を与えた、エポックメーキングな作品となっている。有名なところで言うと、ハリウッド映画『マトリックス』の監督であるウォシャウスキー兄弟も、この作品にインスパイヤされた人物だ。 楽しみ方としては、主人公の草薙素子が、脳と脊髄の一部を除く、ほぼ全身サイボーグ化(作中では義体化)した人間であるということを念頭においておくと良いだろう。本作は、内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」(通称 攻殻機動隊)の活躍を描くSF作品ではあるが、大枠は、「生命とはなにか?」「死とはなにか?」という、人類の普遍的なテーマを問うものとなっている。この、大真面目に論議すれば、哲学や宗教めいて難解になってしまうテーマを、サイボーグである主人公・素子と、電脳空間で生まれた生命体だと主張する人形使いを対比させることで、わかりやすくしていることが、本作の特徴だ。 元々人間である素子は、サイボーグ化が進んだ体に、自分のゴースト(作中では魂というより、自我という扱いに近い)が本当にあるのか、疑問に思っている。自分の本体はとうの昔に死んでいて、そのコピーではないかと疑っているのに対し、本来は電脳空間の情報体にすぎない人形使いが確固たる自我を持っている。この辺りのいびつな世界観が、この作品を斬新なものとしている。 また登場人物も、相棒で同じくほぼ全身義体のバトー、公安9課課長・荒巻大輔、刑事上がりで、ほぼ生身のトグサと、主要キャラクターは素子を含めても4名しかおらず、雑多な情報を徹底的にカットして、シンプルに結末に向かうという構成だ。これは限られた尺の中で話を作らなければいけない劇場作品に合っており、観る側は予備情報なしでも劇中の展開についていけるように配慮されている。それでも、あえて難解なセリフにしている場面もあるにはあるのだが、エンタメ性と、制作者側のメッセージ性が上手いバランスで保たれており、考えるのが苦痛なレベルにはなっていない。 演出面でも、まだインターネットサービスが始まったばかりの作品でありながら、今でも、本作の近未来表現に新しさを感じるほどよくできている。以前に監督の押井氏は、「まず、インターネットを知らないでやってましたからね」と本作の制作中の話を語っていたが、知らなかったことで、変な端末描写などが入らなかったことが、良い方向に働いたのかもしれない。もちろん、原作者である士郎氏の発想の斬新さも、素晴らしいのだろうが。作中のキャラの多くは、脳みそそのものを電脳化し、ネットへの接続を首の端子を介してやるため、この描写を古く感じるようになるのは、まだまだ先の話だろう。 さらに、この脳を電子化している影響で、人間の記憶を上書きすることも可能となっており、作中でも記憶を改ざんされて、人形使いの命じるまま動く人間なども登場する。ネットやサイボーグ技術の発展の影響で、個人を特定する自我が希薄になっているという演出が、この脳みそを電子化しただけという、わかりやすい構造のおかげで、他の専門用語の入り混じった、難解なセリフを理解できなくとも、すんなりと入ってくる。 アクション面では、銃撃のシーンにかなりのこだわりを感じる。人形使いに操られたテロリストが、サブマシンガンで強壮弾を固め撃ちするシーンでは、ぐっと足場を固め、腰を降ろして反動に備えているなど、描写が細かい。作中の強壮弾は現実にある強装弾とは意味が若干違うようで、対サイボーグや装甲板用の徹甲弾のようなものとなっている。その威力の凄まじさを、このワンシーンだけで、特にセリフの説明もなしに表現している。また、銃火器ごとによってマズルフラッシュの演出が違うのにも注目だ。 さらに、ラストの多脚戦車との対決では、序盤のガラスの屋根落としから始まり、戦車の細やかな動き、雨水の表現や、銃撃戦のカット割りなど、全てが視覚的に楽しませる要素満載のシーンとなっている。 実はこの作品には、2008年に公開の押井氏の映画『スカイ・クロラ』上映記念として新規カットを追加した、リニューアル版『攻殻機動隊2.0』というのが存在しているが、最初はオリジナル版を観ることをオススメする。なぜかというと、人形使いの声がオリジナル版では男性声優の家弓家正だったのが、2.0では女性声優の榊原良子になっているからだ。これはもう好みの問題なのだろうが、最終的に素子は人形使いと融合して、人間でありながら、電脳空間(ネット)でも、強力に個を保てる上位的な存在になるのだが、その段階で「性別すらも捨ててしまった」感が強調されている気がするからだ。 原作では、最終的に素子は男性義体になって公安9課を去るシーンでそれを表現しているが、映画では、少女型の義体となっているので、ここで融合する相手の人形使いが、女性の声優だと、「女であること」だけは捨てていない状態になってしまう。(斎藤雅道)
-
-
その他 2015年10月23日 17時30分
伝説の漫画「キン肉マン」の 悪魔超人『ザ・ニンジャ』がアクションフィギュアで立体化
バンダイ公式ショッピングサイト「プレミアムバンダイ」(http://p-bandai.jp/?rt=pr)内のコレクションフィギュア販売ショップ「魂ウェブ商店」は、アニメ「キン肉マン」より、悪魔超人「ザ・ニンジャ」を造形も可動も再現する技術を用いてフィギュア化した『S.H.Figuarts ザ・ニンジャ』(5,940円 税込/送料・手数料別途)の予約受付を10月23日(金)16時に開始した。 1980年代より放映されたテレビアニメ「キン肉マン」の「7人の悪魔超人編」に登場する悪魔超人の上位集団である悪魔六騎士の一人であり、のちに「キン肉星王位争奪編」では超人血盟軍のメンバーとなる「ザ・ニンジャ」。「S.H.Figuarts」ブランドよりアクションフィギュアとして発売された。 アクションフィギュアを最大限に活かす技術「新・格闘素体」により、鍛え上げた肉体と手の指まで動かせる幅広い可動を再現。キン肉マンシリーズ特有の可動手首で数多の名シーンを再現可能。今後も「超人血盟軍」のメンバーを続々とS.H.Figuartsで商品化する予定だとか。ラインナップの劇中再現度を高めるため、超人血盟軍の代名詞でもある「パイプ椅子」パーツが2セット付属する。(C) ゆでたまご・東映アニメーション
-
その他 2015年10月19日 18時00分
【コンピューターゲームの20世紀第60回】ゲーム性をガラッと一変し新たなファンを獲得した『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』
当連載第50回で紹介した『悪魔城ドラキュラ』。ファミコン屈指の難易度を誇る歯ごたえ十分のアクションで人気を博し、その後は任天堂ハードを中心に、続編や外伝的作品が次々に作られていった。1993年には家庭用としては初めて任天堂以外のハードとなるPCエンジン SUPER CD-ROM2版『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』が登場。CD-ROMという新媒体の特性を活かしたビジュアルシーンやグラフィック、さらに磨きがかかったアクションは、次世代のドラキュラシリーズの姿や方向性を十分に予感させるものであった。 そして1997年、プレイステーションで発売されたのが今回紹介する『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』である。本作はPCエンジン版の4年後を描いた作品であり、オープニングシーンでは『血の輪廻』の主人公だったリヒター・ベルモンドがヴラド・ツェペシュ、すなわちドラキュラ伯爵と戦う場面から始まる。が、バンパイアハンター・リヒターが活躍するのはここまで。以降、本編がスタートすると、主人公はアルカードにバトンタッチ。なお、アルカードとは偽名であり、本名はアドリアン・ファーレンハイツ・ツェペシュ。つまり彼はドラキュラ伯爵の息子ということに他ならない。ちなみにアルカードは過去作『悪魔城伝説』にもプレイヤーキャラとして登場しているが、設定は微妙に異なり、今作では父・ドラキュラと人間の女性・リサとの間に生まれたハーフという設定だ。 これまでドラキュラシリーズの主人公はゲーム設定的にも伝統的にも使用武器は一貫してムチだったが、本作ではベルモンド家が主役から外れたこともあって、この縛りから解放され、主に剣を使って敵をなぎ倒していく。それにともなってアクションの幅は大きくバリエーションを増し、片手武器であれば2本使いができるほか、片手に剣、もう片方には盾といった使い方もできるようになった。モーションは鈍くなるが、両手武器で重い一撃を加えることももちろん可能。このように、本作ではプレイヤーの好みに応じて戦い方を変えることができるのだ。 最終的な目的は従来通りドラキュラ伯爵を倒すことだが、従来作と決定的に異なるのは、決まったルートでゲームを進める必要がないということだろう。本作にステージの概念はなく、城内を自由に探索できるため、プレイする人によって攻略ルートは様々。また、新たにレベル制が採用され、敵を倒すと経験値を得ることができる。難易度が異様に高かった過去作では常にストイックな戦いを強いられたものだが、本作は爽快感を重視した作りになっているため、これまでドラキュラシリーズを敬遠していた人でもクリアできる程度の難易度に落ち着いた。とはいえ、ボスはそれなりに強いので、レベルを上げずに先に進み過ぎると痛い目を見る場面も多いが、腕の差はレベルと武器が補ってくれる。 また、アルカードは7体の個性的な「使い魔」を召喚する能力も持ちあわせており、彼らもアルカード同様に経験値を得ることでレベルアップしていく。使い魔によってその能力は異なり、体力を回復してくれたり、隠し部屋の存在を教えてくれたりといいこと尽くめだ。ただし、呼び出せるのは常に1体のみという制約があるため、状況によって使い分けなければならない。 また、アルカード自身は自らの姿をコウモリ・狼・霧に変えることができ、これらに変身しないと進めないエリアも。基本的に探索ルートはプレイヤーに委ねられるが、完全に自由というわけではないので、手詰まりの場合は怪しい箇所で色々試してみるといい。 このように、従来の枠組みが全て取り壊され、幾つもの画期的な試みがなされた本作。意欲作だけに詰めの甘い箇所も見られるものの、それを補っても余りある魅力に溢れているというのが概ねの評価であろう。探索率を完璧にするもよし、武器や防具・アイテム蒐集も楽しみのひとつだ。アイテムは城内の図書館主と売買できるが、敵から得るというのが本道。なお、一度倒した敵は怪物図鑑に掲載され、HPや弱点などの役立つデータをいつでも閲覧可能だ。また、一部例外もあるがドロップアイテムの種類も掲載される。ほとんどの敵に通常アイテムとレアアイテムが設定されているので、この怪物図鑑を完成させるのもまた楽しい。 ちなみに一度ゲームをクリアし、かつ名前を「RICHTER」で始めると前作の主人公・リヒターでプレイ可能。後に発売されたセガサターン版では、こちらも前作で登場した(月下の夜想曲でも登場する)マリアを使用できる。このセガサターン版は、画面がやや荒い、マップを開くためにいちいちメニュー画面を開く必要がある(セレクトボタンがないため)、ロード時間が若干長い箇所がある等の欠点もあるのだが、エリアや音楽、新武器、新敵など数々の追加要素も。PS版よりもマイナーなためか、今では定価以上で取引されているプレミアソフトとなっているため、入手を考えている方はご注意を。 好評を博した探索型のドラキュラシリーズはその後、主にGBAおよびDSで展開され、いずれも高い評価を得たものの、現在は諸事情により休止状態。その詳細についてはここでは書かないが、最も続編が待たれるゲームのひとつではないだろうか。(内田@ゲイム脳=隔週月曜日に掲載)■DATA発売日…1997年メーカー…コナミハード…プレイステーションジャンル…アクションRPG(C) 1997 KONAMI ALL RIGHTS RESERVED.DEVELOPMENT BY KCET.
-
-
その他 2015年10月18日 12時00分
「うどん県」香川の魅力6 同県ならではの発想「うどんに合う酒」
香川県は、最近「うどんに合う酒」というものを研究している。実は、香川は四国でも有名な米どころであるのにも関わらず、これまで、同じ四国の高知県などに比べると、日本酒のPRに苦戦していた。そういった経緯もあり、県内の食文化であるうどんと関連させた方法で、香川産日本酒の情報を、全国発信すべく取り組んでいる。 13年8月頃から、西野金陵(高松市)、綾菊酒造(綾川町)、森國酒造(小豆島町)の3社協力による、うどんに合う新しい日本酒の開発に乗り出し、去年の3月に、「金陵 うどんに合う酒 純米」、「【綾菊酒造(株)】うどんに合う酒」、「うどんに合う酒 森國酒造」と3種類の「うどんに合う酒」が完成した。 三矢昌洋香川県観光協会会長や、「うどんに合う酒を考える会」の関係者の話によると、そば屋で日本酒を飲む際の習慣にヒントを得て、うどんを食べる前などに、さっぱり飲める酒を想定しているそう。その際に重要になってくるのが、うどんとの相性の良さを保ちつつも、だしの味に負けないことということで、3つの日本酒はそれぞれ、辛口か、やや辛口となっている。 3種類とも、同じコンセプトで生まれたが、それぞれ目指す方向性は違っている。「金陵 うどんに合う酒 純米」は味に厚み(濃味)が出る山廃仕込を採用。「【綾菊酒造(株)】うどんに合う酒 純米」はキレを重視しており、まるで焼酎の様にスッキリとした後味が大きな特長となっている。「うどんに合う酒 森國酒造」は旨味がしっかり乗った酒に仕上がっており、上記2種類の酒を飲み、さらにうどんを食べた後の、締めの酒としても適している。 ちなみに、「うどんに合う酒を考える会」では、さぬきうどんに日本茶を加えた「酒に合ううどん」も開発している。その相性の良さは、県とのコラボ企画で、香川県訪問撮影旅行に訪れていた「東京カメラガールズ」のメンバーも、県関係者との懇親会などで、太鼓判を押していた。 以上6回に渡り、香川県の魅力を紹介した。他にも山間部の歴史ある寺院や、魅力のある場所が沢山なので、ぜひ自ら足を運んで、うどん県香川の魅力を感じてもらいたい。(斎藤雅道)
-
その他 2015年10月17日 12時00分
「うどん県」香川の魅力5 香川の美味しい食べ物はうどんだけじゃないぞ!
香川では「さぬきうどん」の印象が強すぎて、他の食べ物が目立たない。しかし、自然豊かな同地では、他にも美味しいものが沢山ある。 まず、香川ではオリーブの栽培が盛んなのは知っているだろうか? その歴史は古く、明治41年(1908年)にオリーブの苗木を植えた時から始まっている。そのオリーブを有効活用した「オリーブハマチ」という名産品がある。 オリーブハマチは養殖ハマチのエサにオリーブ葉入り飼料を与えたもので、香川の観光協会スタッフによると、身がしまっており、タイのような舌触りが特徴だという。実際に食べてみると、普通の養殖ハマチのようなベタっとした脂の感触が少なく、スッキリとした後味だった。他にもオリーブ系のものでは、オリーブ牛というのも香川には存在する。 また、丸亀市ではB級グルメ「骨付鳥」が有名で、同市の居酒屋などでも食べられる。このB級グルメは、鶏の骨付もも肉をニンニクの効いたスパイスで味付けし、オーブン釜などでじっくりと丁寧に焼き上げもので、パリパリと芳ばしさが食欲をそそる。食べ方は出来たてアツアツに豪快にかぶりつくのが良いそうだ。現在同市を始め香川では、骨付鳥をもっとメジャーにしようと試みをしているようで、「とり奉行 骨付じゅうじゅう」というゆるキャラを使い、PR活動などを行っている。 甘いものも食べたくなると思うで、その辺りも紹介しよう。まずは坂出市「清水屋」のところ天だ。 四国八十八ヶ所霊場の巡礼ルート近くにある同店のところ天は、お遍路さんの間で名物となっている。関東でところ天といえば、醤油で食べるのが普通だが、同店では、黒みつをかける「浪速風」。角切りにして、きなこと、砂糖、または、黒みつをかける「くずもち風」など、甘い味付けで食べることができる。近くの湧き水で作ったところ天は、黒みつとの相性も抜群で、甘みとところ天のほのかな酸味が、歩き疲れた体を癒やしてくれる。もちろん、醤油をかけて食べることもでき、酢醤油入りのところ天に、からしを投入するのが、地元風だという。 他にも、香川では乳業も盛んで、地元のHIRONO牧場がプロデュースし、三木町と、金刀比羅宮近くの琴平町で店舗展開している「森の中のジェラテリア・ムッカで」では、出来たての牛乳から作ったジェラートを食べられる。市販のアイスクリームの様に砂糖の味が強くなく、牛乳本来の味を活かした甘みがあるのが特徴だ。店内の内装もかなり凝っており、ちょっと休憩するのにも絶好の雰囲気となっているので、カップルや夫婦で来店するのも良いかもしれない。(斎藤雅道)
-
その他 2015年10月16日 18時00分
【不朽の名作】「意味がわからない」を楽しむ映画「幻の湖」
黒澤明監督の『羅生門』、『七人の侍』や、高倉健が出演した『八甲田山』など、数々の有名作品の脚本を手掛けた、脚本家・橋本忍氏が、1982年に監督・脚本・原作を全て手がけて世に送り出した『幻の湖』。難解な映画は数あるが、この映画を観たなら、もう他の作品は難解だと言えなくなるだろう。 実はこの作品、放映が短期間で終わり、長らく映像ソフト化もなかったが、『北京原人 Who are you?』や『シベリア超特急』と並び称される、“迷作”として映画ファンの間では有名だった。実は筆者も過去に観たことはなく、今回初めて観たが、北京原人やシベ超とは違い、色々と、半ば強制的に考えさせられる作品だった。 断っておくが、この映画を観る場合は覚悟しておいた方がいい。ストーリーの流れは本来至って簡単。風俗嬢の尾坂道子が、愛犬・シロを殺した、作曲家の日夏圭介に、愛犬を刺した包丁で、復讐をするというもの。しかし、この作品では、米国諜報員、戦国時代、宇宙パルサー、マラソン、仏教的な哲学などなど、様々な要素が唐突に放り込まれるため、どう観ればいいか混乱してしまう。どれも意味があるのだろうが、それほど本編では細かい説明はしてくれない。しかもこの作品は、3時間近い長尺となっている。 正直本編は、苦行をするような心構えで観なければいけないので、これを、難解な映画というか、ただの雑なだけのクソ映画ととらえるか迷うところだ。ただ、ストーリーの流れとしては、奇妙な要素が所々放り込まれるが、しっかりと目標に向かって進んでいる印象は受けるので、おそらくは前者のはずだ…、たぶん! 苦行とは言ったが、所々に、視聴者を楽しませてくれる演出はいくつか存在する。復讐するつもりが、なぜか日夏とのマラソン対決になってしまうシーンが中盤とクライマックスに用意されており、延々走っているだけなのに、主人公のモノローグが効果的で、なぜか、不思議と見入ってしまう。それがまた、退屈で観るのをやめようかと思い始めた頃に、効果的に挿入されている。この辺りはベテランの脚本家ならではの、鋭い感性なのだろう。 とりあえず、注意して観ていれば、なんとなくのテーマはわかる。ストーリーが一番伝えたいのは、運命に翻弄された、虐げられた女の復讐劇だ。それも時空を超えた。道子の風俗店での源氏名は「お市」となっており、後半、道子は、琵琶湖で笛を吹いていた宇宙飛行士で学者の長尾吉兼に、浅井長政の妻で、織田信長の妹であるお市と、その従者だったみつの、悲劇的なエピソードを聞かされる。ここで道子は「私はお市だ」と思うようになる。実は、このお市とみつのエピソードだけ、時代劇として独立しており、かなり尺が長い。細かく解説していると、別に1本分の映画を説明するような状況になってしまうので、色々と省くが、ここで道子は、お市が強い信頼を置いていたみつを処刑した信長に、強い憤りを感じた。この憤りと、運命に翻弄されたお市と、信長に処刑されたみつの無念を、日夏にぶつけることになる。 本編中には描写されていないので、真意はわからないが、道子を、みつの悲惨な最期を知った、お市の生まれ変わりだとすれば、シロの死んだ時の、怒りと悲しみも関係してくるので、ある程度はしっくりくる。日夏の方は、米国諜報機関のプロファイリングで、自分の信念だけを信じ、常識にとらわれない人物という描写があるので、これは日夏が信長の生まれ変わりだと暗示しているのだろう。やはりこれは、お市が、自分の子供ではないのにも関わらず、必死に助命嘆願をしたが、かなわず串刺し刑にされた、長政の嫡男・万福丸と、自分の愛した従者・みつを無残に殺した兄・信長に対しての時空を超えた復讐劇なのだろう。そうに違いない。 この映画は、苦行であると同時に、考察する楽しさも教えてくれる。とにかく、劇中で細かい説明が少ない要素が多すぎるので、何も考えていないと「意味がわからない」の一言で切り捨てることが出来てしまう。しかし、じっくり観ていれば、色々考えることが出来る余白みたいなものが、この映画には散りばめられているのだ。そうすると、一見意味不明なシーンでも気になって仕方なくなる。 ここで上記した説明も、もしかしたら観る人によっては、全く本質をとらえていない、ダメなものと映るかもしれない。しかし、それでいいのだ。そこで異論をぶつけ合うのがこの映画の正しい観方の気がする。また、長い苦痛の後に、色々と考えて自分だけの結論を見つけて、達成感を得られるあたりで、この映画は、作品テーマのひとつにもなっているマラソンによく似ている。マラソン好きな人には案外合う作品かもしれない。可能であれば、この作品は、複数人で鑑賞して、そのあと意見を語り合うことをオススメする。一緒に観る相手を探すのは、なかなか難しいかもしれないが…。 ちなみに、この作品を、琵琶湖周辺の観光PR映画として観ると、かなりよく出来た作品だ。風景の描写がキレイで、かなり印象に残るだろう。(斎藤雅道=毎週金曜日に掲載)
-
その他 2015年10月16日 11時50分
「うどん県」香川の魅力4 飲み屋が豊富で楽しい! 中にはオタクバーなる変わり種も
香川県で飲み歩きたいならば、高松市をオススメする。同市は、兵庫町商店街などに、大きな飲み屋街があり、安い居酒屋からちょっと洒落たバーまで、選択肢が様々で、飲むのに飽きない。また、古馬場町も飲み屋の数が多く、陽が沈めばネオンの明かりがそこかしこにあふれる。今回は古馬場町の飲み屋の中でも、ひときわ異彩を放つバーを紹介したい。バーの名前は「おたくLabo高松ロワイヤル」。その名の通り、高松市のアニメ・マンガ・ゲーム好きたちが集うバーだ。 同店は都内でも珍しい、アニメオタクを主要の客層にすえたバーだ。14年の7月にオープンした。高知にある、「おたくLabo 高知ロワイヤル」の姉妹店にあたるそう。元々高知ロワイヤルは、「オタクの、オタクによる、オタクのためのバー」をコンセプトに、12年の4月にオープンしたということで、同店でも同じ方針で経営をしており、店長である朱夜氏は、「アニメ・マンガ・ゲーム好きの人なら、来る者は拒まずという感じです」と店の方針を語った。 朱夜氏は、元々客として同店を訪れていたが、先代の店長が退職するということで、存亡の危機に瀕していた同店を救うため、ちょうど転職を考えていたこともあり、「なくなっては嫌だ」と店長に立候補したそうだ。 香川県をはじめ、四国のアニメ放送本数は、都内や関東に比べると圧倒的に少ないが、最近はネット放送が盛んで、パチンコでアニメ作品の台が登場することなどもあるので、地方でもハマる人が多いという。また、高知県の「まんが甲子園」や、徳島県の「マチ★アソビ」など、アニメ・マンガも最近話題となっており、四国全体を通して、アニメ・マンガ・ゲームに関するオタク熱は高まっているそうだ。実際に客として来店していた男性にもアニメにハマった理由を聞くと、「パチンコから入ったという感じですね。今頃進撃の巨人にハマってますよ」と返した。もちろん、子供の頃からアニメを観続けている生粋のアニメオタクの人もおり、ネット全盛の現在において、数少ないリアルでのアニメオタク同士のコミュニケーションの場となっている。 来店時は、ちょうど『銀魂』のキャラ、銀さんこと、坂田銀時の誕生日ということで、店内のスタッフが銀魂にちなんだコスプレをしていた。ちなみに、銀さんのコスプレをしていた朱夜氏は、普段からコスプレで接客しているそうで、イベント事がない日は、自分の好きな作品である『東方Project 』の紅美鈴や十六夜咲夜のコスプレをよくしているらしい。 店内はアニメポスターやフィギュアなどであふれているが、これらのものはスタッフの私物や客の持ち込みなど様々とのこと。朱夜氏以外に、数名の女性スタッフがおり、たわいない会話にも面白く受け答えをしてくれる。また、地元のお客さんも、アニメのみならず、特撮やB級映画にも詳しい人がいるそうなので、色々話しかけてみると、楽しい酒の席となるかもしれない。 お酒メニューはビールやカクテルなど、至って普通のラインナップだったが、朱夜氏の気が向けば、好きな作品のキャラにちなんだカクテルを作ってくれることもあるとか。予算も、調子に乗らなければ、都内のバーで飲むよりは、かなり安く済むようになっている。ちなみに、乾き物などの、軽食以外の食事の提供は出来ないそうなので、食事は他の場所で取ることをオススメする。 ただ、朱夜氏にはひとつだけ悩みがあるそうだ。それは、バーやスナックなどが混在する雑居ビルの中にあるので、怪しい店と間違われることがあることだ。そういった理由もあり、店長は、「ボッタクリバーとかじゃないので(笑)、アニメ好きの人はぜひ足を運んでください」と話していた。(斎藤雅道)
-
-
その他 2015年10月15日 14時30分
「うどん県」香川の魅力3 香川の離島は猫や鬼に出会える場所
香川県は瀬戸内海に面しているということで、本土以外の離島も非常に多い。観光地として有名な場所といえば、醤油の産地である小豆島や、地中美術館のある直島などがある。しかし、今回は、その離島のなかで合わせて「雌雄島」と呼ばれる、男木島・女木島を紹介する。 両島には高松市からフェリーが日に数本出ており、男木島には40分程度、女木島には20分程度あればたどり着ける。比較的都市部に近い島なので、移動は意外と楽だ。また、フェリーの航路が同じこともあり、同日に2島を一度に訪れることも可能となっている。 男木島は、最近では、島内に多数の猫が出没するということで、通称「猫島」として有名だ。普通に島を歩いていても、猫はよく見かけるのだが、本格的に猫の撮影だけをしたいという人は、特に漁船がある船着き場を訪れるといいだろう。運が良ければ、数匹どころではない、集団で闊歩する猫たちの姿が見られるはずだ。 猫はある程度人に慣れているので、放っておいても、近くまで寄ってきてくれるので撮影自体は楽だ。しかし、思い通りのショットとなると、そこはやはり気まぐれな猫なので、かなりの根気を必要とする。 また、男木島では、明治28年(1895年)に建てられた総御影石造りの洋式灯台も有名だ。この灯台は現在も現役で、1957年公開の映画『喜びも悲しみも幾年月』の舞台になったこともある。また、瀬戸内国際芸術祭で生み出されたアート作品も島内では多く点在しており、それらを楽しむのもいいかもしれない。食事をする場所も充実しており、捕れたてのタコやサザエを楽しめるので、帰りのフェリーを待つ間に食事をするのもオススメだ。 女木島は通称「鬼ヶ島」とも呼ばれる、桃太郎伝説のある地域で、あちらこちらで鬼の石像などを見ることができる。実はこの島が、鬼ヶ島と呼ばれるようになったのは、現在は鬼ヶ島洞窟と呼ばれる、人工の洞穴を、明治時代の橋本仙太郎という人物が発見したことに端を発する。この洞窟を橋本は、鬼が住んでいた洞窟だと言い張り、テーマパーク化してしまったそうだ。その辺りの伝説の浪漫ぶち壊しの話は、鬼ヶ島洞窟にいるガイドの人に聞けば、テンポの良いオモシロトークで、詳しく語ってくれるので、訪れてみるといいだろう。 洞窟に向かう道は、かなり斜面のキツイ山道なので、島で電動自転車をレンタルするか、体力のない人には定期的に往復しているシャトルバスの使用をすすめる。また、島の浜辺には、なぜかモアイ像の姿もある。このモアイは、イースター島のモアイを再建するため、高松市に本社を置く建設重機メーカーが吊り上げテスト用に使った、模刻像だそうだ。 他にも、島の稜線には多数の桜の木が植えられているそうで、花見シーズンは稜線にそって桜の花がキレイに満開となるとのこと。 ちなみに、香川県の瀬戸内海側には無人島も多く存在する。しかし、これらの島々は全てが、国立公園の領域に収まっているということで、例え、島を某芸能人のように購入したとしても、島の沿岸部を潰して船着場とすることは、固く禁止されているらしい。(斎藤雅道)
-
その他
鉄道雑学を身に付けたい人必見の、超マニアックなインターネット番組
2012年05月17日 11時45分
-
その他
蒼井そらのツィツターに噛みついた自称「小説家」兼「教育評論家」の動機は逆恨み!?
2012年05月16日 12時00分
-
その他
放置すれば“三大合併症”が待っている…本当に怖い糖尿病の上手な付き合い方(2)
2012年05月15日 12時00分
-
その他
放置すれば“三大合併症”が待っている…本当に怖い糖尿病の上手な付き合い方(1)
2012年05月14日 12時00分
-
その他
専門医に聞け! Q&A 昔から、体が硬い人は長生きできない
2012年05月13日 12時00分
-
その他
騙されてはいけない! 減税・補助金エコカー販売競争「カタログ燃費」の隠された大ウソ(2)
2012年05月12日 12時00分
-
その他
本好きオヤジの幸せ本棚(4)
2012年05月12日 12時00分
-
その他
騙されてはいけない! 減税・補助金エコカー販売競争「カタログ燃費」の隠された大ウソ(1)
2012年05月11日 12時00分
-
その他
【雅道のサブカル見聞録】リアルなガンアクションを知りたい人にオススメの一冊
2012年05月11日 11時45分
-
その他
フジの凋落 上半期の視聴率戦争は日テレvsテレ朝
2012年05月10日 10時09分
-
その他
中居の『ATARU』が好スタート 視聴率獲得で問われるその“手口”
2012年05月10日 10時08分
-
その他
アイドルデビュー支援プロジェクト「はっぴー超じぇねレ〜ション」初お披露目ライブ!
2012年05月08日 16時20分
-
その他
検査で異常がなくても要注意「自律神経失調症」になりやすいタイプはどれだ!(2)
2012年05月08日 12時00分
-
その他
検査で異常がなくても要注意「自律神経失調症」になりやすいタイプはどれだ!(1)
2012年05月07日 12時00分
-
その他
噂のゾンビゲーム、『ロリポップチェーンソー』の公開イベントを秋葉原で開催!
2012年05月07日 11時45分
-
その他
専門医に聞け! Q&A 皮膚も内臓と同じ細胞活動を営む「臓器」
2012年05月06日 12時00分
-
その他
本好きオヤジの幸せ本棚(3)
2012年05月03日 12時00分
-
その他
コンピューターゲームの20世紀 第35回『タイムギャル』
2012年05月02日 15時30分
-
その他
【雅道のサブカル見聞録】ももクロファン必見! “ももクロ大冒険”に行ってきた!
2012年05月01日 12時10分
特集
-
少年隊・錦織、東山ジャニーズ新社長就任に意味深投稿? 植草とのYouTubeもストップ、現在の活動は
芸能ネタ
2023年09月18日 12時00分
-
ジャニーズ最大のタブー? 嵐メンバー4人と“男女の仲”報道、セクシー女優の死【芸能界、別れた二人の真相】
芸能ネタ
2023年09月17日 12時00分
-
-
Snow Man向井、ジャニー氏お小遣い秘話が拡散? グループ不仲説の真相は<実は不仲?【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月16日 12時00分
-
一転しジャニーズ契約継続なし、モス広告Snow Manの顔を紙で隠した画像が拡散「イジメ」「涙出てきた」ファン怒り
芸能ニュース
2023年09月13日 18時00分
-
株上げた井ノ原快彦、年下に嫌われていた? 森田剛から「嫌い」緊張関係続く<芸能界【犬猿の仲】の有名人>
芸能ネタ
2023年09月10日 17時00分