A:艶のある綺麗な肌になる決め手は、皮膚の新陳代謝にあります。赤ちゃんの時は、誰でも綺麗な肌をしていますが、それは肌の新陳代謝が活発なためです。
肌、つまり皮膚は、成人では面積1.5平方メートル、重さは肝臓の約3倍もあり、人体の中で最も大きい臓器です。臓器というと、変に思うかもしれませんね。内臓のように動いているとは思えないし、ただ体を覆っているとしか見えないから、そう思うのも無理もないでしょう。
ところが、皮膚もほかの内臓と同じように、それ自体が細胞活動を営む細胞の集まりなのです。代謝をして、常に古い細胞は新しい細胞に入れ替わっています。
皮膚には、さまざまな生理作用があります。皮膚呼吸をするし、栄養の貯蔵もします。また、皮脂腺から皮脂を分泌します。
●肌の新陳代謝を高める
皮脂は、皮膚の表面を覆っている皮脂膜の形成に欠かせないし、肌に潤いを保つ役目もします。皮脂腺がなくなると、皮膚のバリアは破壊され肌が乾燥してきます。
艶がある肌にするには、肌の新陳代謝を高めればいいわけです。では、どうすればよいか。一つは、マッサージという方法。その場合、できればスクワランオイルやホホバオイルなどを使うとよいでしょう。
スクワランオイルは深海ザメの肝臓から抽出したオイルで、肌の新陳代謝を高める効果が優れています。ホホバオイルは植物性のオイルで、同じく新陳代謝を促進する作用があります。
●本気でやるなら温泉へ
もう一つ、私がぜひお勧めしたいのが温泉です。温泉に定期的に入ると、肌がツヤツヤになってきます。なぜなら、温泉に含まれる成分に効果があるといわれるからです。
私は自然の大地から湧いてくる温泉を、食物連鎖の始まりと同じようなものと捉えています。
植物は大地の微量成分を選択的に取り込んで育ちます。それはすべての生命体をつくる素(もと)で、温泉のお湯にも同じものが含まれているのです。
いわば、大地のエキス、大地のミルクです。それが肌から吸収されるから、肌が綺麗になる、と私は考えます。
論より証拠です。本気で肌を綺麗にしたいと思ったら、できるだけ温泉に入ることをお勧めします。
岡田研吉氏(玉川学園・岡田医院院長)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。