両島には高松市からフェリーが日に数本出ており、男木島には40分程度、女木島には20分程度あればたどり着ける。比較的都市部に近い島なので、移動は意外と楽だ。また、フェリーの航路が同じこともあり、同日に2島を一度に訪れることも可能となっている。
男木島は、最近では、島内に多数の猫が出没するということで、通称「猫島」として有名だ。普通に島を歩いていても、猫はよく見かけるのだが、本格的に猫の撮影だけをしたいという人は、特に漁船がある船着き場を訪れるといいだろう。運が良ければ、数匹どころではない、集団で闊歩する猫たちの姿が見られるはずだ。
猫はある程度人に慣れているので、放っておいても、近くまで寄ってきてくれるので撮影自体は楽だ。しかし、思い通りのショットとなると、そこはやはり気まぐれな猫なので、かなりの根気を必要とする。
また、男木島では、明治28年(1895年)に建てられた総御影石造りの洋式灯台も有名だ。この灯台は現在も現役で、1957年公開の映画『喜びも悲しみも幾年月』の舞台になったこともある。また、瀬戸内国際芸術祭で生み出されたアート作品も島内では多く点在しており、それらを楽しむのもいいかもしれない。食事をする場所も充実しており、捕れたてのタコやサザエを楽しめるので、帰りのフェリーを待つ間に食事をするのもオススメだ。
女木島は通称「鬼ヶ島」とも呼ばれる、桃太郎伝説のある地域で、あちらこちらで鬼の石像などを見ることができる。実はこの島が、鬼ヶ島と呼ばれるようになったのは、現在は鬼ヶ島洞窟と呼ばれる、人工の洞穴を、明治時代の橋本仙太郎という人物が発見したことに端を発する。この洞窟を橋本は、鬼が住んでいた洞窟だと言い張り、テーマパーク化してしまったそうだ。その辺りの伝説の浪漫ぶち壊しの話は、鬼ヶ島洞窟にいるガイドの人に聞けば、テンポの良いオモシロトークで、詳しく語ってくれるので、訪れてみるといいだろう。
洞窟に向かう道は、かなり斜面のキツイ山道なので、島で電動自転車をレンタルするか、体力のない人には定期的に往復しているシャトルバスの使用をすすめる。また、島の浜辺には、なぜかモアイ像の姿もある。このモアイは、イースター島のモアイを再建するため、高松市に本社を置く建設重機メーカーが吊り上げテスト用に使った、模刻像だそうだ。
他にも、島の稜線には多数の桜の木が植えられているそうで、花見シーズンは稜線にそって桜の花がキレイに満開となるとのこと。
ちなみに、香川県の瀬戸内海側には無人島も多く存在する。しかし、これらの島々は全てが、国立公園の領域に収まっているということで、例え、島を某芸能人のように購入したとしても、島の沿岸部を潰して船着場とすることは、固く禁止されているらしい。(斎藤雅道)