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「うどん県」香川の魅力1 やっぱりさぬきうどんは外せない!

 今年の県のテーマとして「うどん県」を自ら自称する香川県。しかし、このテーマのキャッチコピーには「うどん県。それだけじゃない香川県。」と続きがある。という訳で、今回は数回に渡り、「うどん県」香川の、うどんだけではない魅力を紹介したい。

 とはいっても、まずは香川を強く印象付けている、「うどん」について解説しなければならないだろう。香川名産のうどん「さぬきうどん」は香川県民の生活の中で、特別な意味を持っている。俗にいう地元の名物のなかには、他県からお客を呼び込む観光資源で、地元の人がそれほど口にしない場合も多い。しかし、香川観光協会職員によれば、昼食で外食する場合、「今日はどこで食べる?」の意味が、「今日どこで(うどんを)食べる?」とそのまま変換されるほど、香川でうどんは、なくてはならないものだそうだ。ちなみに香川では、“焼きうどん”も、“うどん焼き”と、うどんが先に来る言葉になるという。この一点だけでも、うどん中心の文化だということはわかるだろう。

 県民ごとに、うどんには並々ならないこだわりがあり、「この店では出汁で食べる」、「この店ではかきたま」など、人それぞれに店舗により、決まった食べ方があるそうだ。他にも、カレーうどんや、肉煮込みうどんなど、様々な種類の選択肢があり、県外から来た人々は迷ってしまう。では、どういった方法でうどんを食べればいいのか? この選択肢には大きく分けてふたつある。両極端な2店舗を紹介してその特徴を解説しよう。

 まず、香川ではセルフと完全サービス型のふたつのタイプのうどん屋が存在する。セルフはその名の通り、客がトッピングや出汁やつゆの投入まですべてやる店、完全サービス型はよくある飲食店の機能を持っている店舗だ。このセルフ型で、地元民でもなかなか食べられないと伝説になっているのが、坂出市富士見町にある、「日の出製麺所」だ。

 この店舗は、生麺の卸しを専門にしている、有限会社・日の出製麺所が、ファンの熱い希望により、昼の11時30分から、12時30分までのわずか1時間限定で、出来立ての自家製麺を使って提供している。システムは簡単で、麺の盛り大・中・小と、麺の温度が、熱めか、ぬるめか、冷なのかを伝え、店舗内にあるネギ、天かす、だしを来店客自ら入れていく。また、有料で卵や天ぷらのトッピングもでき、料金の支払いは自己申告制となっている。驚愕なのはその値段で、麺小盛りの素うどんの場合は、わずか100円しかかからない。他のセルフタイプ店でも、同店ほどではないが、安い場所がほとんどとのこと。麺をぬるめで注文し、だしをかけて一気にすするのが、地元民のスタンダードなスタイルだそうだ。

 完全サービスタイプの店舗は、 香川県綾歌郡宇多津町の「おか泉」などが、有名な店舗だ。食材を店員が運んできてくれる点と、天ぷらが揚げおきではなく、あげたてのものを出しているのが特徴で、値段も若干高めに設定されている。そのかわり、だしや具材などは、各種類うどんに合わせたものを提供しており、天ぷらの衣などはつゆをぶっかけても、サクサク感を残している。

 店主の岡田文明氏の話によると、麺は自家製麺で、オーストラリア産、香川産、北海道産の小麦をバランス良く調合しているという。また、天ぷらにも岡田氏のこだわりが活きており、例えば、えび天の長さなどは、自らが何度も試作して決めたそう。ちなみに、岡田氏は、地元ではなく、関西の出身。香川に麺の修行に訪れた若き日に、その魅力に取りつかれ、今に至るという。オススメは「ひや天おろし(972円)」で、出来たて麺の上に、巨大エビ天2本がそびえ立つ、冷やし天ぷらうどんだ。

 人気店は連休などの行楽シーズンに行くと、長蛇の列が形成されているが、さぬきうどんの店は、麺が早く出るので、とても回転率が早い。結構な列でも20分以内で食べられる時が多いので、列が苦手な人も並ぶことをオススメする。小盛りにすれば、一日に複数店舗食べ歩くことも不可能ではないので、じっくり色々な店のうどんを味わい、お気に入りの店を見つけると、旅も充実するかと。(斎藤雅道)

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