とくに、4月期クールはドラマがよくない。大野智『鍵のかかった部屋』がもっともいいというが、たかだか14%程度。天海祐希『カエルの王女さま』では10%割れとなり、オダギリジョー『家族のうた』にいたっては3%台が続くという悲惨さだ。ゆえに『家族のうた』では、スポンサーの花王も降板を検討、もしくは途中打ち切りを伝えてきている。
「日曜夜9時は、花王が『花王名人劇場』と自社の冠までのせて提供している歴史ある枠。かつて『あるある大辞典』のヤラセ騒動のときは、花王は我慢して放送を続けた。しかし、今回は異常な低視聴率。高い金を払っても、宣伝効果はまるでないと不快感を露わにしています」(テレビ業界関係者)
こうしたフジ劣化の原因は、自ら墓穴を掘ったためといえる。
異常なほどの「韓流推し」は、すでに知られるところ。さらに番組内で、それとなく宣伝を挿入するステルスマーケッティングの多様も原因である。
また、マンネリ番組『笑っていいとも』に対する処遇の遅さも視聴率ダウンの要因だ。早めに打ち切るべきだが、後番組やタモリ所属事務所の経営問題もあり、ずるずると引きずっているのも視聴者離れが起きている理由といえよう。
一方、上昇機運なのがテレ朝である。4月(2〜29日)の月間視聴率では、開局以来初の「四冠王」を獲得し、いまや手ごわい存在である。
かたや日テレは、ドラマで相葉雅紀『三毛猫ホームズの推理』がまずまずのヒット。それに「全日」(朝6時〜深夜0時)の情報・バラエティーが上向いているのも強み。早朝の『ZIP!』も10%を超える日が多くなり、正午からの『ヒルナンデス!』も2月以降は『笑っていいとも』を何度も抜いている。
4月以降は日テレとテレ朝の戦いで、フジは完全にカヤの外になってきた。