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日本人3分の2の死亡原因!? 生活習慣病は引き算で劇的に改善する(1)

 人類は歴史上、いやそれ以前からずっと飢餓状態にあった。しかし、現在の日本人は飽食の時代を謳歌している。そのせいだろうか、急激な食生活の変化に対しては体がなかなか対応しきれていない。病人は多いが平均寿命は上昇する、という奇妙な構図もその現れだろう。統計によると、今や日本人の3分の2は、生活習慣が原因で亡くなっているという。病気に負けない体づくりは、どうしたら可能なのか。そこで注目される健康ワードが「引き算」である。

 では、「引き算」で健康になる、とは具体的にどういうことか?
 それは、体内に溜め込んだ“いらないもの”を外に出すこと。たとえば、メタボの人はスリムな体型へ。中性脂肪、血糖値が高いドロドロ血液をサラサラにしたり、便秘を快便に変えるのもこの範疇に入る。いわば生活習慣病と無縁の体を作ることだ。

 かつての日本人は「引き算」とは逆の「足し算」的健康法が良しとされてきた。いまだに実践している人も多い。様々なビタミンやミネラル、栄養をたくさん摂りなさい、そう誰もが一度は言われたことがあるだろう。
 だが、このような健康法とは別の見解を唱える人もいる。酵素栄養学の権威で、鶴見クリニック院長の鶴見隆史先生もその一人だ。
 「飢えにさらされた戦後の混乱期と違い、今は医療技術も発達して食生活も豊かになりました。サプリメントや健康食品は何万種類もあり手軽に買うことが出来る。ですがどうでしょう、病人の数は減らずに病院は連日、満員御礼。医療費が高騰し続けるのも自然な流れです。そして、日本人の3大死亡原因であるがん、脳卒中、心疾患はすべて過剰な足し算から引き起こされたものなのです」

 日本の社会において、栄養失調に悩む人はほとんど見られない。それだけでなく、ビタミンやミネラルなどの各種サプリメントを飲み、いざ病気になったら薬の出番となる。サプリメントや薬には化学合成された添加物が含まれており(成分量が守られているとはいえ)、かえって心配である。
 さらに、偏食、食べ過ぎ、酒の飲み過ぎとなれば、鶴見院長の言う「過剰な足し算」である。
 そこで、不純物で詰まり気味の体から、効率よく「引き算」するのが重視されるだろう。

 簡単な引き算方法として挙げられるのは、食べる量を減らすテクニックである。
 まず、ご飯のような血糖値を上げる糖質を多く含むものを減らすこと。そして、脂っこい肉類を避け、おかずの量を半分にする。腹八分ではなく「腹六分」を心がける。
 また、摂取することで引き算効果をもたらす食品を食べる方法もある。
 ごぼうやコンニャクなどの食物繊維を豊富に含むものは、腸内を掃除してきれいにするのに申し分ない。もちろん、便秘にも有効な「引き算」食品だ。最近はその有効性が大いに喧伝されているが、ひと昔前までは「栄養のない不要なもの」として扱われていた。注目されたのは、けっこう最近の話なのだ。

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