山口敏太郎
-
ミステリー 2019年03月10日 23時00分
正体は工作員か、それとも宇宙人か?アメリカに出没した怪人「マッドガッサー」
20世紀初頭のアメリカで恐れられた「怪人」がいる。高身長に黒尽くめの服装で麻酔薬を噴霧(ふんむ)する怪人・マッドガッサーである。 最初に事件が報告されたのは1930年代。この時は噴霧した犯人が逃げ去った現場に女物の靴が残されており、犯人は女性ではないかと言われた。 次に出現したのは1944年9月。イリノイ州のマトゥーンという小さな町をパニックに陥れた。アーリーン・カーニーという主婦は甘いにおいをベッドで嗅いだ。自分の娘が病気にでもかかったのかと思い、立ち上がりベッドから下りようとしたが、なぜか体の自由がきかなくなった。 家にいたアーリーンの姉妹がこの状況を証言しており、事実であることは確認されている。自宅に帰ってきたタクシー運転手の夫は、ベッドルームの窓の外で不審者を発見し、逃走するところを追跡したが、不審者は逃げ切ったと言われている。 この事件後、ナチス工作員が”一般大衆への毒ガス攻撃”を計画しているという情報も入ってパニックが広がっていき、恐れた市民たちは自警団を結成し警戒体制に入った。 10人のイリノイ州警官が動員され、FBIも2人のエージェントを派遣。犯人の割り出しにあたった。ファーリー・ルウェリンという名の男性が容疑者として浮上、彼の自宅の周辺で事件が起こっており、科学の知識がある上、同性愛者の仲間グループから追放されるなど、社会を恨む状況は多々あることが分かった。 しかし、この容疑者を管理下に置いた後も事件は置き続け、真犯人は別にいることが分かった。その後事件は迷宮入りし、真犯人はわからずじまいである。一説には、米軍の特殊部隊の実験であったとか、カルト教団のイニシエーション(儀式)であったという説も唱えられているが、真相はいまだ霧の中、いやガスの中である。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2019年03月09日 23時00分
音楽家を呪いに導く「悪魔のヴァイオリン」伝説とその真相
前回、弾いた音楽家を不幸に陥れる楽器「悪魔のヴァイオリン」を紹介した。ヴァイオリン職人ガスパロ・デ・ベルトロッティが最高品質の胴やネックの製作を手がけ、装飾を作家のベンヴェヌート・チェリーニが担当した最高品質のヴァイオリンだったが、アルドブランディーニ枢機卿が恋心を抱き、少女に与えたところ狂ったように演奏して死亡。別の音楽家も死亡したため長らく封印されていたのだが、1646年ある音楽家が持ち出して演奏すると、精神病院に入院した後に自殺することとなった。 その後も「悪魔のヴァイオリン」の呪いはさまざまな音楽家に波及していく。 17世紀のヴァイオリン職人ヤーコブ・シュタイナーもこの「悪魔のヴァイオリン」に並々ならぬ興味を抱くが、原因不明の高熱に見舞われた。一命は取り留めるが、異教徒扱いされ投獄され、不幸な晩年を過ごすことになる。 その後、「悪魔のヴァイオリン」は博物館の所蔵品となるが、1809年にフランス兵によって略奪され、ウィーンのゲオルク・レスリー伯爵の愛器となる。だが、レスリー伯爵もまた精神が崩壊し、亡くなってしまう。 また、19世紀の名ヴァイオリニストとして有名だったフランツ・クレメントも、また呪いの連鎖を受けている。「悪魔のヴァイオリン」を手に入れたとたん、アルコール中毒となり、演奏中に脳出血で倒れ、失意の中で世を去っているのだ。 その後「悪魔のヴァイオリン」は、クレメントの弟子で女流ヴァイオリニストのベリンダ・マルギッターを経て、ベリンダの父親の知人・宮廷顧問のウルリヒ・エンツマイヤーが入手する。呪いの伝説を知っていたエンツマイヤーは、「悪魔のヴァイオリン」を鎮魂するために、ノルウェーの音楽家オーレ・ブルに託すことにした。彼は牧師でもあり、日々「悪魔のヴァイオリン」に祈りを捧げ、最期の演奏をした。自身の死後、ノルウェーのベルゲン博物館に寄贈している。 これが、「悪魔のヴァイオリン」伝説の概要だが、この伝説には矛盾する点がいくつかある。最初に「悪魔のヴァイオリン」を製作した2人だが、共同作業ができないほど生きた時代がずれている。ガスパロの生没年は1540〜1609年、一方チェリーニは1500〜1571年だった。 なんと年の差は40である。60代の名工チェリーニに、20代のガスパロが仕事を依頼できたのか。そもそも、アルドブランディーニが枢機卿であった期間は1585〜92年。これはチェリーニの死後であり、都市伝説の前提条件が崩れてしまう。二代目チェリーニだという説もあるが、どうにも苦しい。 どうやら「悪魔のヴァイオリン」は”あくま”で架空の都市伝説のようだ。(山口敏太郎)
-
芸能ネタ 2019年03月09日 21時30分
【放送事故伝説】珍事!スタッフ全員がスタジオに現れない!TBS大パニック
3月2日にTBSラジオで放送されたとんねるず・木梨憲武の生放送ラジオ『土曜朝6時 木梨の会。』にて、出演者の一人が「寝坊」により最後まで番組出演できないという放送事故が話題になっている。 報道によると、番組に寝坊したのはTBSの局アナウンサー・古谷有美アナウンサーで、理由は明らかになっていないが、起床時間に起きられずTBSまでたどり着く事ができず、朝7時の番組終了まで出演できなかったとされている。 昨今のテレビ番組において、レギュラー出演者が遅刻するのは珍しく、しかもTBS社員である局アナウンサーが、朝寝坊で番組ひとつを丸々飛ばし(無断欠席)てしまうのはあまり聞いたことがない。 しかしながら、TBSには過去、アナウンサーだけではなく、スタッフ全員のミスにより生放送が飛んでしまった、という信じられない放送事故があった。 1973年7月29日放送の討論番組『時事放談』(TBS系列、第一期は1957年〜1987年)では、出演者が集まっているのにも関わらず、スタッフ全員がスタジオに現れず約18分放送できなかったのだ。 この日の『時事放談』は、番組レギュラー兼司会の政治評論家の細川隆元が、ある政治学者と生討論をするため、午前8時過ぎにTBSのスタジオに到着した。ところが、放送開始の8時30分が近づいてもディレクターやスタッフは現れず、スタジオは暗いままだったという。 細川が、近くにいたTBSの局員を捕まえ現状を伝えると、TBS局内は大パニック。局内にいたカメラマンや照明マンを捕まえ、なんとか番組はスタートしたしたものの10分弱しか放送できなかった。 この珍事件を報じた毎日新聞の記事によると、この日は当初、信越放送からの中継を予定していたが、放送3か月前にTBSスタジオからの中継に変更。ところが、スタッフのミスでこの日の日程表を「信越放送制作」としたままだったために、撮影スタッフ全員がTBSのスタジオに集まらなかったというのだ。 『時事放談』は1973年の時点で放送16年の長寿番組であり、スタッフ間での「慣れ」が事故を招いた模様だ。 なお、放送できなかった時間は、TBSは短編映画を流して間をつなぎ、残り放送時間5分で当初の政治討論を行うことになったが、当然討論になるわけがなく、細川は「これじゃ君、言論弾圧だよ!」とスタッフを叱責する声がお茶の間に流れたという。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
-
-
ミステリー 2019年03月03日 23時00分
悪魔が教えてくれた楽曲『悪魔のトリル』と音楽家を呪いに導く「悪魔のヴァイオリン」
みなさんは、『悪魔のトリル』という曲を知っているだろうか。イタリアの作曲家、ジュゼッペ・ タルティーニが作曲したト短調のヴァイオリンソナタ。彼の代表作でもある。 この曲が『悪魔のトリル』と呼ばれるようになったのは、イタリアのアッシジに居住していたころ、作曲に行き詰まっていたタルティーニが、夢の中に出てきた音楽の悪魔が足下で弾いた曲から着想を得たという伝説が残されているからである。一説には、魂を売って伝授されたとも言われる。この曲は演奏するには高度な技術が必要で、”悪魔の仕業”と演奏者がぼやく姿が脳裏に浮かぶ。 他にも、弾いた音楽家を不幸に陥れる「悪魔のヴァイオリン」という楽器も存在する。ヴァイオリン好きの少女に恋をしたアルドブランディーニ枢機卿(後のローマ教皇クレメンス8世)は、彼女のために豪華な装飾入りの最高級のヴァイオリンを作ってほしいと考えた。結局、イタリア・ガルダ湖畔にあるサロという町に住むヴァイオリン職人ガスパロ・ディ・ベルトロッティに依頼した。 この仕事を引き受けたガスパロは、最高品質で胴やネックを製作。その装飾を作家ベンヴェヌート・チェリーニに依頼した。そして完成したのが「悪魔のヴァイオリン」こと「ベンヴェヌートのヴァイオリン」である。 このヴァイオリンの完成を待ちかねていた枢機卿は、さっそく恋心を抱いていた少女に与えた。2人の天才の思いが込められていたからだろうか。その音は狂ったように響き、旋律には異常なテンションが乗っていた。演奏をしていた少女はまるで何かに取りつかれたように「悪魔のヴァイオリン」を弾き、最期には絶命してしまった。 ショックを受けた枢機卿はヴァイオリンを封印するが、彼女の死後20年目に供養の意味を込め、ある音楽家に演奏を依頼した。だが、この音楽家も演奏中に何かに憑依され、高熱を出して倒れてしまった。 枢機卿の死後長く封印され、「悪魔のヴァイオリン」という怪奇伝説が生まれるのだが、1646年にある音楽家によって演奏されてしまう。もちろん、この音楽家にも呪いが襲いかかり、演奏後精神が崩壊。入院するが首つり自殺を遂げてしまうのだ。 その後も「悪魔のヴァイオリン」の呪いはさまざまな音楽家へ波及していくのだが、その詳細は次回に譲ろう。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2019年03月02日 23時00分
臨死体験で未来を垣間見た!?衝撃の体験を語る人々
彗星探索家(コメット・ハンター)の木内鶴彦氏は、映画「ディープインパクト」(1998年)のモチーフとなった巨大なスウィフト・タットル彗星を92年に再発見したことで知られているが、彼は2度の臨死体験において、地球の未来を幻視している。 彼は22歳のときに、上腸間膜動脈性十二指腸閉塞という病気で「死亡」し、30分後に蘇生。医師がカルテに死亡と書いた後、生き返る稀有な経験をした。この際、過去から未来への時間の流れや、地球から宇宙に向かう空間を漂い、地球の絶望的な将来を見てきたというのだ。 1度だけならまだしも、2009年にも同様の体験をしたという。皆既日食の観測のため中国に渡航したとき、胃から大量出血をしてしまい再び臨死状態になってしまった。このときも地球の未来像を幻視したのだが、以前目に見た絶望的な未来とは違って、30%程度は希望が持てる未来に変わっていたそうだ。 これらの情報から判断すると、未来は日々変動している可能性が高いし、臨死体験の途中は時間や空間さえも飛び越えることができるようだ。 この木内氏の証言と似た臨死体験をした人物は他にもいる。NPO法人ネットワーク『地球村』代表の高木善之氏は、1981年にバイクの事故に遭い、臨死体験をしている。興味深いことにこのとき、地球の未来を幻視してしまったという。ソ連が10年後に崩壊し、アメリカが20年後に崩壊、地球そのものが40年後に崩壊するという「ショッキング映像」を見たというが、幸いにも的中したのはソ連崩壊のみ。アメリカや地球の崩壊はどうにか回避できたようだ。このように、臨死体験中に未来を見ており、その未来が修正されているという体験は存在するのだ。 彼らの見たものは何だったのか。近年「未来人」を自称する人々の証言がネット上で注目されているが、彼らの語る「未来」も現実と比べると、少しずつ違っていることも多い。もしかすると、彼らが臨死体験の時に見た「未来」は数ある未来のうちの可能性の一つ、平行世界での光景だったのではないだろうか。(山口敏太郎)
-
-
芸能ネタ 2019年03月02日 21時30分
【放送事故伝説】まさかの決断で放送中止!伝説的なテレビドラマとは……?
2019年2月1日、俳優の新井浩文被告が女性へ暴行を働いたとして強制性交の疑いで逮捕され、これまで新井被告の出演していた作品の今後に関してが大きくクローズアップされた。新井被告が主演していた映画作品『善悪の屑』は公開ができない封印作品状態に。また、2019年6月に公開される予定だった映画『台風家族』については公開延期。2018年に放送された『今日から俺は!!』の第9話では、新井被告が出演していたシーンを、やべきょうすけを代役として撮り直し、DVDとして発売するという。 このように出演者の不祥事によって、作品がお蔵入りになったり、未公開になることは決して珍しいことではないのだが、放送事故史を紐解いていくと、不祥事ではなく、逆に「喜ばしい出来事」によってテレビ放送が中止になるケースも存在する。 「あっしには、かかわりのねえこって……」という決めセリフが有名なテレビ時代劇『木枯らし紋次郎』(フジテレビ系)。映画監督・市川崑が監修を行い、後に参議院議員となった俳優・中村敦夫が主演を務めたこの作品は、これまでの時代劇にはなかったニヒルな世界観を作り出し、時代劇に新しい風を与えた。 さて、この『木枯らし紋次郎』だが、放送から20年が経過した1993年、2時間のスペシャルドラマ『帰って来た木枯し紋次郎』がフジテレビ系で制作された。メガホンはシリーズ監修を行っていた市川崑が取り、木枯らし紋次郎役の中村敦夫もそのまま続投となった。 そして、何のトラブルも事件もなく無事に撮影は終了。第一号試写となり、フジテレビ局内で関係者を集めた小さな上映会が開かれた。 しかし、この上映会の直後、『帰って来た木枯し紋次郎』は予定していたテレビ放送が突然中止になってしまう。その理由は……なんと「出来が良すぎた」から。 『帰って来た木枯し紋次郎』の試写を広報室長はこの作品を見て、「出来上がりが良すぎて、地上波だけではもったいない。このまま映画として上映しよう」と決断し、完成から2か月後、東京都日比谷にある映画館で2週間の限定上映が決定してしまったのだ。 その結果、『帰って来た木枯し紋次郎』はテレビに先立ち映画が公開というかなり珍しい興行形態を取り、『帰って来た木枯し紋次郎』は大成功作品となった。 本来、テレビドラマとして制作したものが、「クオリティが高すぎた」ことによりテレビ放送が中止になるとは……改めて昔のテレビドラマにはパワーがあったのだなと感じざるを得ないエピソードである。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
-
ミステリー 2019年02月24日 23時00分
新型ウイルスだったのか?謎の流行病・赤目病
現代、医療技術は急速に発達しているが、医療が飛躍的に進歩したのは遅く見積もっても19世紀から20世紀初頭のこと。昔は病気にかかることはすなわち「死」を意味していた。 もちろん古代の人間も病をただ恐れていたのではなく、さまざまな経験や調査の積み重ねで薬や治療法を開発していったのだが、やはり現代の知識から見ると誤った方法や、民間療法にとどまることが大半であった。とはいえ、それでも回復することができれば文句はなかったわけだが。 当時流行していた病気や疾患は、当時の文献や遺体などを調べればある程度予想することができる。だが、中には現在でも正体不明の病気が流行していたことを物語る資料も存在している。 応永14(1407)年、足利義満が小松天皇におうかがいを立て、医王院という医療施設を造った。この医王院は、当時下総国で流行していた奇病「赤目病」を治療し、鎮めるべく建てられたものだったという。この赤目病の症状は、目が赤くなり、目ヤニが多く出て、目の下のクマがひどくなりやがて最後は死に至るという奇病であった。この病気の歴史は長く、昭和20年代に患者が亡くなったのを最後に病気は根絶に至ったという。つまり、つい最近まで「死病」に近かった病気だったのだ。なお、同院では昭和20年代まで名水と目薬を参拝者に分けていたという。しかし、薬機法の関係もあって今は販売していない。 この病気に関して、現在では目の充血を伴う細菌、もしくはウィルス性の疾患であった可能性が高いと見られている。 赤目病に関して、筆者は中国で流行している、エイズに似た症状を見せる病気「マイコプラズマ・ファーメンタンス」に近いものだったのではないかとみている。マイコプラズマ・ファーメンタンスという細菌は唾液で感染すると言われており、罹患した当初は尿道炎に似た症状が出るが、そのうち体全体が気だるくなり、関節炎を起こす。 目が充血する以外は外見上明確な病状が出ることはなく、場合によっては病院でも診断できない場合があるという。幸いこの病気は、ガースニコルソン博士により治療方法が確立されているため、もう不治の病ではない。(山口敏太郎)
-
ミステリー 2019年02月23日 23時00分
怨霊の仕業か、妻による暗殺か 謎の急死を遂げた源頼朝
平家を討ち滅ぼし武家政権を打ち立て、鎌倉幕府を開いた源頼朝だったが、その死後源氏の政権は滅ぼされ、その実権は北条氏に奪われてしまう。 その頼朝の血脈が「廃嫡」されるまでの過程がかなり悲惨だった。父・頼朝の跡を継いで二代将軍になった頼家だったが、北条氏と比企氏の争いの巻き添えを食らって修善寺に幽閉され、北条氏によって暗殺されてしまう。その後を継いだ実朝も甥に討たれてしまい、頼朝の直系は途絶えてしまう。これ以降は宮家から迎えた傀儡(かいらい)の将軍が鎌倉幕府を運営していく。現在で言うと創業家を追い出した企業の役員たちが、他の企業や官庁からお飾りの社長を迎えながら、会社を経営していくようなものだ。 これら嫡流廃絶の流れの原因は頼朝の突然の死による。1198(建久9)年12月、頼朝は相模川の橋供養に列席した帰路に落馬し、翌年の1月に亡くなったとされている。だが頼朝の死に関して、不可解な点は非常に多いのだ。 鎌倉幕府の正史に『吾妻鏡』という文書がある。同書は頼朝から第6代将軍・宗尊親王までの時代に起こった出来事を記録した、公文書に近いものである。にもかかわらず頼朝の死は、それから13年も経ってから記録されている。その上、頼朝の死後3年間の記録が記述されていない。確かに武士でありながら落馬し、それが原因で死んだというのはあまり褒められたものではない。だが、初代将軍である頼朝の死に13年間も触れないのは不自然ではないか。 実は死因は他にあるのではないかという説がある。脳卒中や糖尿病という説も唱えられているが、単なる病気であったならば隠すことはない。他にも頼朝の浮気に激怒した北条政子が殺害したとか、浮気相手の屋敷で討ち取られたという説もあるが、北条政子が頼朝を愛していたのは事実のようであるし、浮気相手の屋敷に忍んでいくときも側近たちはいたはずである。そうやすやすと討ち取られはしないだろう。 橋供養の際、義経や安徳天皇ら頼朝が殺害してきた人々の亡霊が現れ、驚いた馬が暴走し落馬して死んだという説もある。当時の人々は怨霊を真剣に恐れていたことから考えれば、13年間もその死に触れなかった理由も理解できる。筆者としてはこの説を採用したいところだが、いまいちしっくりこない。 では、なぜ頼朝は死んだのであろうか。筆者が気になるのは、朝廷内で起きていた派閥争いである。親幕派と反幕派が内部抗争を繰り返し、土御門通親が率いる反幕派が勝利しているという事実だ。この連中が怪しくはないか。 土御門家と言えばあの陰陽師・安倍晴明の末裔である。頼朝の不審な事故死と怨霊の噂、そして朝廷で鎌倉幕府に憎悪を燃やす晴明の子孫。「あの安部晴明の子孫だからは何をするか分からない」「平家や義経の怨霊が鎌倉にたたっているのだ」と迷信深い当時の武士たちが震え上がった可能性はある。 ひょっとすると頼朝の死は本当に事故や病気だったのかもしれないし、実際の朝廷勢力や平家の残党による暗殺だった可能性もある。だが、怨霊の噂や土御門の権威を恐れた幕府の幹部たちが、宮将軍を迎えることで朝廷の公家勢力と妥協しようとしたのではないだろうか。(山口敏太郎)
-
芸能ネタ 2019年02月23日 21時30分
【放送事故伝説】同じアニメを間違えて2回放送!『サムライトルーパー』事件
2019年2月20日、フジテレビが朝の報道番組『めざましテレビ』内のミニアニメ『紙兎ロペ』を前日(2月19日)とまったく同じ内容で放送してしまい、アナウンサーが番組の最後に謝罪するというハプニングが発生した。 『紙兎ロペ』は、2012年から『めざましテレビ』内で連日放送されているアニメで、放送エピソードが被ってしまった理由は不明となっている。 今回の『紙兎ロペ』の放送事故に伴い、ネットではとある放送事故について思い出す人も少なくなかったという。それが1988年〜1989年に放送されたテレビアニメ『鎧伝サムライトルーパー』での放送事故だ。 1988年9月3日『サムライトルーパー』の制作局である名古屋テレビ(テレビ朝日系)はこの日、第18話にあたる「恐怖の妖邪帝王」を放送予定だったが、放送テープのセッティングミスにより8月27日に放送済みだった第17話「明かされた鎧伝説」を二度に渡って放送してしまったのだ。 担当者達は、すぐに放送された回が先週と全く同じだったことに気がついたが、放送を途中で中止するわけにも、途中でテープを差し替えるわけにもいかず、とりあえず誤ってセッティングした第17話を最後まで放映し、エンディングおよび次回予告時にテロップを挿入することにした。そして、翌週に改めて放送できなかった18話を放送した上で、「先週の『鎧伝サムライトルーパー』で放送済みの作品をまちがって放送してしまいました。本当にごめんなさい。これからも、どうか、応援してください」という番組のメイン視聴者である小学生にもわかりやすい文章で放送。さらに、事故は当時の朝日新聞ほか大手新聞紙上でも報じられたため、アニメ世代ではない多くの世代にも知られる有名な放送事故事件となり、現在でもインターネット上で度々話題に上がっているようだ。文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
-
-
ミステリー 2019年02月17日 23時00分
平安時代のクローン技術?西行法師の秘術
遺伝子工学は発達している。クローン人間を”臓器の予備パーツ”として作れば、臓器移植問題は解決するのでは…そんな議論がたびたび交わされている。確かに本人のクローンであれば内臓もうまく適応するだろうし、臓器提供者を待つ時間的なロスも解消する。だが、もし将来クローン人間が誕生した場合、 その人権はどうなるのだろうか。たとえクローンであったとしても、もはや本体の人物とは別途の存在だ。 『撰集抄』には、かの名僧・西行が山中で修行をやっている時に人造人間ができたという逸話が残されている。ちなみにこの西行、なかなかオカルトチックな人物であり、上田秋成の名著『雨月物語』には、四国にある白峰宮を訪問した西行が、崇徳上皇の怨霊を慰霊したというエピソードが紹介されている。 では西行は、どういう経過、手法で人造人間を完成させたのであろうか。高野山の山中で西行が友人の西住上人とともに修行していたときのこと。所用で西住は山を下りてしまった。孤独に悩まされた西行は、鬼が人骨を集めて人間を作る作法を聞いていた。これをまねて人造人間を作ってみることにしたという。 西行は誰もいない場所で、死人の骨を集め、頭蓋骨から足先までを順番に並べ、砒霜(ひそう)という秘薬を骨にまんべんなく塗り、骨と骨とを藤でつなぎ合わせて水洗いした。それから14日間放置し、沈と香を焚いた。 だが、出来上がった人間は見てくれも悪く、人間のような声も出ない。下手な笛の音のような奇妙な音しか発声できなかった。一応人間の形をしており壊すわけにもいかず、結局高野山の奥地に連れていき、そのまま捨ててしまった。 なぜうまくいかなったのか納得がいかない西行は、人造人間をうまく作ることができる人物として噂のあった伏見前中納言師仲卿を訪問し、そのコツを尋ねた。その回答は、反魂術を行うには修行不足であることと、沈と香を焚くのではなく、沈と乳を焚いた方がいいというものであった。伏見前中納言師仲卿は、これまでに何人もの人造人間を作っており、中には朝廷で出世している者もいるが、その氏名を明かすと「作った人間も、作られた人間も消滅してしまうので教えられない」と言われたそうだ。 もちろんこれは史実ではなく、根拠となる『撰集抄』も作者不詳の説話集にすぎない。しかし、このようなSF的な説話が古くから語り継がれてきたという事実は、大変興味深い。(山口敏太郎)
-
ミステリー
浅草の夜空に2つの生首が浮遊!? 正体は「鬼の夫婦」か?
2014年06月28日 17時59分
-
ミステリー
超能力か? 異次元の怪人「シャドーマン」に恐るべき能力が発覚!?
2014年06月24日 15時30分
-
ミステリー
アメリカの怪人事件簿 火を噴き空を跳ぶ「ジャンピング・ヒール・ジャック」とは何か?
2014年06月21日 17時59分
-
ミステリー
「ノアの方舟伝説」は本当にあったのか? 新事実が続々解明か?
2014年06月17日 15時30分
-
ミステリー
浮遊霊か!? 富士山の名所に現れた白い物体!
2014年06月14日 17時59分
-
ミステリー
人を殺す「スカイフィッシュ」? 白いニョロニョロは死を招く
2014年06月10日 15時30分
-
ミステリー
UMAが引き起こした大量殺人事件!? 「モスマン事件」とは何か
2014年06月08日 15時00分
-
ミステリー
大阪湾上空に怪しい光! 「UFO軍団」からのメッセージ?
2014年06月03日 15時30分
-
ミステリー
意外と可愛い? 「アヒル口」の巨大怪物「シーサーペント」
2014年05月31日 17時59分
-
ミステリー
「恐鳥・モア」は生きている!? 原住民と記念写真か
2014年05月27日 15時30分
-
ミステリー
流し目で背中に毒針…人魚のミイラは危険な女性!?
2014年05月24日 17時59分
-
ミステリー
100年前に「スマホ」は存在していた!? 集合写真のミステリー!
2014年05月20日 15時30分
-
ミステリー
怪談師・牛抱せん夏が撮影した「沖縄のドクロ」…周りには数々の浮遊霊が!?
2014年05月17日 17時59分
-
ミステリー
代々木公園に「妖怪の骨」を売る男、現る! 河童の正体がついに判明か!?
2014年05月13日 15時30分
-
ミステリー
リアル「死神くん」現れる!? 死神の写りこんだ写真には注意!
2014年05月10日 17時59分
-
ミステリー
ドラゴンは本当にいた? 埼玉で発見! 「龍のあご骨」
2014年05月06日 17時59分
-
ミステリー
リンカーン大統領の幽霊が現れた!? 不思議な写真
2014年05月03日 17時59分
-
ミステリー
半人半牛の「件(くだん)」は長崎県で生まれていた!?
2014年04月29日 16時30分
-
ミステリー
背後に見覚えのない男性が乗り込んだ? 正体は異次元人か!?
2014年04月26日 17時59分