今回のミステリー記事では「もっとも多くの人間を殺害した」とされるUMA事件をご紹介したい。
あなたは『モスマン』というUMAをご存じだろうか。
大きさは約2メートル、黒い剛毛が全身に生えており、らんらんと光る赤い目を持つ。ハイウェイなどに現れ、背に担った大きな翼をもつが羽ばたかせることなく、猛スピードで飛行して車を追いかけてくるという(40代以上にはゴジラ怪獣ヘドラの飛行形態と言えば想像がつきやすいだろうか)。
モスマンはアメリカはウエストバージニア州のポイントプレザントで目撃されるようになったUMAである。しかし最初に目撃されてから13か月後、ポイントプレザントとオハイオ州カノーを結ぶ橋「シルバー・ブリッジ」で目撃されたのを最後に、ぷっつりと現れなくなった。
だが、モスマンが姿を消してすぐ恐ろしい事件が発生した。最後の目撃証言があった全く同じ日に、シルバー・ブリッジが崩落するという事件があったのだ。犠牲者はなんと40名強。UMAが巻き起こした事故だとしたら史上最大クラスの被害である。
その結果モスマンはアメリカで「不幸を呼ぶ魔物」とも呼ばれるようになった。この顛末は、ホラー映画『プロフェシー』の題材にもなっている。
このモスマン、さぞアメリカでは忌み嫌われているのかと思いきや、ちゃっかりご当地キャラクターとしての地位を確立させていたりする。初めて目撃されたポイントプレザントにはやたらメカニカルで格好いいモスマンの像が建っているし、今回、ご紹介している写真のように可愛らしくデフォルメされたぬいぐるみまで販売されているのだ。
確かにモスマンは「不幸を呼ぶ魔物」だったかもしれない。しかし、現代は「町おこし」のシンボルとして広く愛され続けているのだ。
(山口敏太郎事務所)