スポーツ
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スポーツ 2018年12月13日 17時40分
幕内は栃ノ心の年間最多勝 では十両は?
大関栃ノ心が「59勝」で自身初の受賞を果たした、今年の幕内年間最多勝。各メディアの報道などにより、既にご存知の方も多いことだろう。 ただ、幕内ではなく十両の年間最多勝となると、知らないという方がほとんどかもしれない。十両で白星を積み重ねるには良くも悪くも“安定感”が必要となるが、その能力を今年1番発揮していたのは一体どの力士なのか。上位6名の力士たちを、下位から順に以下に見ていこう。 「44勝」で6位に入ったのは矢後。3月場所で新十両となった24歳は、その後じりじりと番付を上昇させ11月場所では東十両筆頭に位置。その場所で「10勝5敗」の好成績を収めたことで、来年初場所での新入幕が確実視されている。 「46勝」で同率4位となったのは、徳勝龍と水戸龍の2名。ただ、水戸龍は初場所新十両からのこの結果だが、徳勝龍は昨年9月場所を最後に幕内から遠ざかっている。このことを考えると、数字は同じでも意味合いが異なると言わざるを得ない。 「47勝」で3位になったのは、7月場所で新入幕も果たした琴恵光。 幕内では「3勝12敗」と壁に跳ね返されたが、十両5場所全て勝ち越し。西十両筆頭で臨んだ11月場所でも「8勝7敗」と勝ち越しているため、来場所の返り入幕が濃厚となっている。 「48勝」をマークし、2位につけたのは貴源治。今年は前師匠の元貴乃花親方、自身の双子の兄である貴公俊、そして兄弟子の貴ノ岩にそれぞれ騒動が勃発した1年だったが、そんな苦難にもめげず着実に力をつけていた。 そして、「50勝」で栄えある1位に輝いたのは大翔鵬。モンゴル出身の24歳は、トップ6の中で唯一十両6場所全て勝ち越し。来場所での新入幕は少々厳しい見通しだが、この調子を維持できるなら昇進も時間の問題だろう。 以上が、今年の十両年間最多勝上位6名である。1年間十両で溜め込んだ力を武器に、果たして来年は幕内でも白星を積み重ねることはできるだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2018年12月13日 17時30分
「何しに自主トレ来たの?」巨人キャプテン坂本選手、丸選手以外の“自覚のない”後輩に苦言
「自覚のある年下の選手は、智之しかいないんです実際。そういう後輩がもっともっと出てきてくれないと、ジャイアンツは強くならない」。「昨日この辺と初めてご飯行ったけど、全然しゃべらない」。「何しに自主トレ来たの?メシの時とかに聞けないと何も聞けないじゃん」。 今年1月の『Going!Sports&News』(日本テレビ系)で放送された食事会の最中に、このような言葉を口にしたのは巨人・坂本勇人。同席した6選手の内、菅野智之を除く若手5選手に対し厳しい言葉を投げかけた。 11年ぶりのBクラスに沈んだ2017年は、同番組の坂本によると、「野手だけで見れば、(僕より若い選手が)誰も出てきてない」シーズンだったという。こうした状況を危惧した29歳のキャプテンは、早くから来シーズンへ向け若手の奮起を促していた。 しかし、迎えた2018年シーズン、チームは3位で2年連続のBクラスこそ回避したものの、1位広島とは「13.5」ゲーム差。また、ゲキを飛ばした坂本も、契約更改後の記者会見で「(丸は)個人的にも刺激される、“数少ない”年下の選手」、「(チームの若手が)出てきたなんて思ってない。ウカウカしていたら抜かれるなと思うくらいやってほしい」といった旨をコメントしている。冒頭の言葉を借りると、今シーズンは“そういう後輩”があまり出てこなかったということだろう。 岡本和真、吉川尚輝、田中俊太といった選手が爪あとを残した一方、坂本を含め阿部慎之助、亀井善行、長野久義といった中堅・ベテランもしばしばスタメンに名を連ねていた今シーズン。来シーズンの覇権奪回、そして、その後の中長期的な強さを構築するためには、こうした実力者たちを“過去の人”とする活きのいい若手の存在は必要不可欠だ。 かつて“球界の盟主”と呼ばれた巨人は、リーグ優勝からは5年、日本一からは6年遠ざかっている。この状況を打開するためには、チームを憂うキャプテンの苦言に、どれだけの若手が呼応することができるかが大きなカギとなるだろう。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2018年12月12日 21時30分
不満解消?原巨人が契約更改で大盤振る舞い
巨人・坂本勇人内野手(29)が契約更改を終え(12月11日)、5億円の年俸を勝ち取った。「自分が思ったよりも良い評価をしていただいた」と語っていたように、勝ち取ったという言い方は不適切かもしれない。球団側か提示した金額を見て、そのままサインしたようである。「いろいろと巨人も気を遣うところがあったんでしょう」(スポーツ紙記者) 今季は坂本にとっては不本意なシーズンだったはず。7月には左脇腹を痛め、約1か月も戦線を離脱した。また、昨季まで2年連続で選ばれていたセ・リーグ遊撃手部門のゴールデン・グラブ賞を広島・田中に奪われた。打率こそ、自己最高打率の3割4分5厘だが、チームも優勝を逃しており、ダウン提示を受けたとしても反論できなかったはずだ。 それでも、1億5000万円もの大幅増となったのは、一連の大幅補強が関係しているようだ。「丸佳浩に『5年25億円超』を提示し、炭谷にも1億円以上の年俸を約束しました。優勝できなかったシーズンはたとえ昇給対象の選手であっても、大幅増は見込めません。ですが、外部補強の外様に大盤振る舞いをし、生え抜きの年俸を下げたとなれば、チーム全体の士気にも影響してきますので」(球界関係者) 5億円は巨人野手史上3番目に高い年俸となる。松井秀喜氏の6億1000万円、阿部慎之助の6億円(=14年年俸)に次ぐもので、坂本は「球団史に残る顔」ということになる。今回の契約更改がどれだけ価値のあるものか、坂本自身も分かっているはずだ。 セ・リーグ出身のプロ野球解説者がこう続ける。「オールスターゲームのセ・リーグベンチを仕切っているのは坂本です。性格的にも人を引っ張る力があるので、その坂本がヘソを曲げたとなれば、巨人の悪評は他11球団にも広がったでしょう」 また、内海哲也投手(36)にも現状維持の1億円が掲示されたという。やはり、生え抜きのメンツ、ベテランたる選手の影響力に配慮したのだろう。「坂本は来季が正念場となります。巨人はドラフトで根尾(昂=中日入り/大阪桐蔭)を入札しました。根尾獲得に失敗した後、2位で高校生内野手の増田陸(明秀日立)を指名したように、遊撃手・坂本の後継者を急いでいるからです。7月の故障離脱にしても、『経年劣化』という見方がされています」(前出・プロ野球解説者) 巨人内にはこんな声も出ている。ポスト坂本だが、「吉川尚輝をコンバートすれば、済むこと」。吉川尚も16年ドラフト当時、大学球界屈指の好遊撃手と評されていた。チームの都合でセカンドを守っているが、入団当初は「遊撃・吉川尚、三塁・坂本案」も囁かれていた。今季は故障で後半戦を棒に振ったが、成長著しい有望株である。坂本はショートのポジションに愛着が強い。今、踏ん張らなければ不本意なコンバートを強要されるだけだ。「原辰徳監督(60)は12人もの選手の背番号を変更させました。降格の選手もいましたが、奮起を促すためです」(前出・スポーツ紙記者) 昇給の対象になり得なかった中堅が、主に背番号変更となった。また、背番号が降格した選手に対し、自ら檄を飛ばしていたそうだ。ここまで苦慮しなければならないようなら、最初から大型補強なんかやらなければよかったのに…。そんなふうに捉えたファンも少なくないのでは?(金額は全て推定、スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2018年12月12日 17時40分
「さっさと俺の前に出てきて」新日本、内藤哲也がクリス・ジェリコへ挑発動画を投稿!
新日本プロレス年間最大のビッグマッチ、『レッスルキングダム13』(来年1月4日)で、クリス・ジェリコへのタイトル挑戦が決定しているロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの内藤哲也が11日、自身のツイッターを更新。自撮り好きのIWGPインターコンチネンタル王者・ジェリコのお株を奪い合うかのように、『“自称”世界のスーパースター、クリス・ジェリコさんへ。』のタイトルで、自撮りのメッセージ動画を投稿した。 ジェリコと同じピエロのようなメイクで、ロスインゴグッズを見にまとった内藤は「ホラッ!ジェリコさ〜ん!ご機嫌いかがですか〜?世界のスーパースターは、やはり、ムイ、オクパード(かなり忙しい)なんでしょう。今どちらにいらっしゃるんですか?ま〜さか!自宅にいるなんてことはないですよね?きっと今ごろ、世界中を飛び回っていることでしょう。何せ、世界のスーパースターですから」と皮肉交じりだ。 続けて「ところで!このペイント見てくださいよ〜。どうですか?…世界のスーパースターは、こんなマヌケなメイクをするはずがない。もしするなら、もっとクールで、もっとカッコいいメイクをするはずですよ。そして!他人のTシャツのデザインをコピーして金儲けしようなんて、そんなセコイ真似するはずないでしょう!何せ世界のスーパースターですから!」とジェリコを「世界のスーパースター」とほめ殺し。 さらに「あなたと絡むと世界的な知名度が一気に上がる。きっとあなたと対戦したいというレスラーが世界中にたくさんいることでしょう。この新日本プロレスのリングにもあなたと対戦したい選手が、たくさんいる…はず…なん…です…が…。誰もあなたの名前を出しませんよ?もしかして、誰もあなたに興味がないんじゃないですか?ねぇ。“自称”世界のスーパースター、クリス・ジェリコさん。俺が言ってることは、間違ってますか?」と挑発を続けた。 「何でもいいけどさ、さっさと、俺の前に出て来てくださいよ。どーせ!暇人なんでしょ?ねぇ?“自称”世界のスーパースター、クリス・ジェリコさん。でも間違っても…こんなマヌケなメイクをして出てくるのだけは、勘弁してくださいよ。あなたとお会いできる日を楽しみに待ってますよ!カブロン!(バカ野郎)」と挑発し、2分を超える自撮り動画メッセージは終わった。 2人が最後に絡んだのは、11月3日のエディオンアリーナ大阪大会。ジェリコがEVILを相手に防衛を決めた後も攻撃を続けていたところを、内藤が救出に入ったのが最後だ。カード決定会見にもジェリコは姿を見せなかった。内藤はジェリコと、ジェリコのスケジュールを空けておかなかった新日本に対して苦言を呈している。今年1月5日の後楽園ホール大会、5月4日福岡国際センター大会で、ジェリコが内藤を急襲したことから、2人の因縁が勃発。6月9日の大阪城ホール大会では、内藤のIWGPインターコンチ王座にジェリコが挑戦し、ジェリコが王座を奪取している。インターコンチというタイトルに興味がない内藤も、さすがにこの敗戦は悔しかったようで、「自分の貸しは自分で返す」と意気込み、来年1.4東京ドーム大会での王座挑戦実現に至っている。 今回、内藤が発信したメッセージをジェリコがチェックするのは間違いない。14、15の両日の前哨戦『Road to TOKYO DOME』(後楽園ホール)にジェリコが現れるのか注目されるところ。ジェリコは新日本では突然現れるイメージが強く、意外なところから内藤を襲ってくる可能性は高い。内藤はそこを逆手にとろうと今回メッセージを投稿したと思われるが、さらに裏をかくのが世界のスーパースター。今年も後楽園2連戦は一瞬たりとも見逃せない大会になりそうだ。文・写真 / どら増田
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スポーツ 2018年12月12日 17時30分
国民も複雑 北京オリンピック男子400メートルリレー「銅」の日本が「銀」へ
10年の時を経て、メダルの色が変わることとなった。 塚原直貴、末続真吾、高平慎士、朝原宣治の4名で臨んだ2008年の北京オリンピック陸上男子400メートルリレーで、男子トラック種目では史上初となる銅メダルを獲得した日本。11日、その結果が繰り上げで銀メダルとなったことが、各メディアによって報じられている。 報道によると、日本オリンピック協会(JOC)が発表した今回の一件は、国際オリンピック委員会(IOC)が今月7日付で通達したもの。また、詳細な日程は不明だが、後日にメダルセレモニーが開催されることも合わせて伝えられている。 1位ジャマイカ、2位トリニダード・トバゴ、3位日本となった男子400メートルリレーを巡っては、2016年にジャマイカの第1走者ネスタ・カーターのドーピング違反が報じられ、翌2017年にはIOCがカーター及びジャマイカの失格を発表。その後、カーターはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行ったが、CASは今年6月にそれを棄却していた。 金メダルの座が空いたことで、日本を含む2位以下のチームが“あおり”を受けることとなった今回の一件。ただ、10年という長い時間が経過していることもあり、ネット上には、喜びの声よりも「時が経ち過ぎで今更感あるなあ」、「失格になるよりは全然いいことなんだが…」、「当事者の心境を考えると手放しじゃ喜べない」といった複雑な声の方が多く寄せられている。 また、こうした声の中には「繰り上げ銅メダルの4位が一番かわいそう」といった旨のものも少なからず含まれている。大会で4位に入っているのはブラジルだが、当時はメダル圏外ということで当然メダルセレモニー等は無し。本来なら味わうことができた喜びや感動が奪われていたということを考えると、こうした声が挙がるのも頷ける。 思わぬ形で、再び脚光を浴びることとなった日本男子初の偉業。しかし、メダルの色がどうであれ、あの夏の感動が変わることが無いことだけは確かだろう。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2018年12月12日 11時30分
丸選手、巨人移籍の決め手を「小さいときからの憧れ」と発言しカープファン激怒
11日、広島東洋カープをFA宣言していた丸佳浩外野手が東京都内で入団会見。その中での発言が、広島ファンの怒りを買った。 原辰徳監督とともに会見場に現れた丸選手は、「チームの勝利にたくさん貢献できるプレーをしていきたい」と抱負を語る。そして、古巣の広島、ロッテ、巨人からオファーがあった中で、「巨人を選んだ理由」について、 「子供の頃からプロ野球を見に行くといえば東京ドームだったので、そういった小さいときからの憧れというか、夢というか、そういうものも最後の決め手になったところかなと思っています」 とコメント。原監督から自身が長年背負った背番号「8」の入ったユニフォームが丸選手に渡り、笑顔で袖を通した。そして、2人は「グータッチ」し、大量のフラッシュを浴びた。ちなみに、原監督は丸選手について「松井秀喜や高橋由伸に匹敵する左の強打者」と賛辞。ただし第二次政権時を支えたFA移籍組の小笠原道大・現中日二軍監督の名前は口にしなかった。 丸選手の「昔から巨人に憧れていた。それが移籍の決め手」と発言したことに、一部カープファンが反応。「最初からそのつもりなら残るような思わせぶりな態度を取るな」「なぜ迷ったような素振りを見せたのか」「カープファンに失礼だと思わなかったのか」など、怒りの声を上げる。 また、マリーンズファンからは「来る気がないなら交渉に応じてほしくなかった」「ロッテから熱意を感じなかったのか」「井口監督に失礼なのでは?」などの声や、「千葉出身なのにロッテを見てもらえなかったのは情けない」「本当に巨人に憧れていたなら残念すぎる」などの声が飛び出す。 その一方で、巨人ファンなどからは「正直で良いのでは」「行きたいところに行けないのはおかしい」「いちいち文句を言わないでほしい」「本人の自由」「本当のことを言えなかったのならかわいそう」などの声が出た。 広島ファンとロッテファンの思いを反故にして夢の巨人入りを選んだ丸佳浩外野手。激しい逆風が吹き荒れる中、来季巨人でどのようなプレーを見せるのか注目される。
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スポーツ 2018年12月12日 06時00分
金子「弌大」も仲間入り?プロ野球“珍”登録名列伝
10日に日本ハムへの入団会見を行った、「金子千尋」改め「金子弌大」。所属チームと同じく登録名も“心機一転”となったことが、ネット上を中心に「思い切った改名だ」と話題を集めている。 ただ、球史の中ではこれ以外にも、様々な形の登録名が登場している。本稿では、そんな球界の“珍”登録名のパターン5つを、順を追って以下に紹介していきたい。 まず最初に紹介するのは、登録名が下の名前のみのパターン。大和(前田大和)、由規(佐藤由規)、銀次(赤見内銀次)など、該当する現役選手も少なくない。ちなみに、今をときめく“甲斐キャノン”こと甲斐拓也も、2016年までは登録名が「拓也」だった。 次に、下の名前がカタカナ、もしくはアルファベットとなっているパターン。前者はイチロー(鈴木一朗)やサブロー(大村三郎)、後者はSHINJO(新庄剛志)やTSUYOSHI(西岡剛)がこれに該当する。 冒頭の金子も含まれるのが、本名の漢字を変更したパターン。現役では中島宏之(中島裕之)、亀井善行(亀井義行)、今江年晶(今江敏晃)、監督・コーチ陣では井口資仁(井口忠仁)、矢野燿大(矢野輝弘)、松井稼頭央(松井和夫)が具体例といったところだ。 ここまでのパターンは全て本名が派生した形となっているが、ニックネームが派生したパターンもある。古くはカズ山本(山本和範)やG.G.佐藤(佐藤隆彦)、現在ではT‐岡田(岡田貴弘)やK‐鈴木(鈴木康平)といった選手がその好例だろう。 最後に紹介するのが、本名とは全く違う名前を用いたパターン。達川晃豊(達川光男)、石井琢朗(石井忠徳)、雄太(川井進)といったOBが該当するこのパターンは、球史を見ても非常に稀なパターンとなっている。 以上が、球界の“珍”登録名における5つのパターンである。昨今は一目で読めない“キラキラネーム”を持つ子供が増えていることを考えると、ゆくゆくは「本名が読みにくいため変更した」パターンなども登場するのかもしれない。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2018年12月11日 22時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「藤田和之」プロレス冬の時代に気を吐いた“野獣”
“猪木イズム最後の闘魂継承者”のキャッチフレーズで総合格闘技に進出。プロレスでもIWGP王座を3度獲得した藤田和之。 アマレス仕込みの技術や持ち前の体力は周囲の誰もが認めるところで、トップクラスの名選手には違いないのだが…。※ ※ ※ 時代が21世紀へと移る2000年を前後して、日本のプロレス界は二つの激震に見舞われた。 一つは総合格闘技の本格的な市場参入で、髙田延彦(’97、’98年)や船木誠勝(’00年)がヒクソン・グレイシーに敗れたことにより、それまでの“UWF=強さの象徴”“プロレスは最強の格闘技”という信仰が崩れていった。 そして、もう一つの衝撃がミスター高橋の『流血の魔術 最強の演技』(’01年刊)である。新日本プロレスでメインレフェリーまで務めた内部の人間が、プロレスにおける演出手法を赤裸々に暴露し、「ショーである」と明言したことで、業界全体が大きな痛手を被ることになった。「この二つが同時期に重なったことにより、プロレスはインチキで総合格闘技こそ本物というパラダイムシフトが起きて、PRIDEやK−1などへファンは移っていきました」(プロレスライター) いわゆる“プロレス冬の時代”の到来である。 そんな中で、旧来のプロレスファンの心のよりどころとなったのが、’00年5月に東京ドームでホイス・グレイシーを破った桜庭和志であった。「PRIDEの会場にプロレスファンが目立ち始めてはいましたが、この勝利によって一気にブームが過熱しました」(同) そして、桜庭が歴史的大勝利を上げた同じリングで、これに引けを取らない快挙を成し遂げたのが藤田和之である。 総合格闘技進出から2戦目となる藤田の対戦相手は、当時“霊長類最強”といわれたマーク・ケアー(総合格闘技12戦無敗、無効試合1)。1年前には髙田延彦を一蹴していた。そんなケアーを相手に、藤田は終始攻勢をもって3R判定勝ちを収めたのだ。 桜庭の勝利があまりにも劇的であり、また、ケアーがこの試合の前後からステロイド剤の使用過多によりコンディションを崩していたこと、藤田自身もケアー戦での負傷により次戦で敗退したことで、ファンからの印象はやや薄れた感もあったが、関係者に与えたインパクトは絶大だった。 藤田がいたからこそ、K−1は総合格闘技路線を始めたとの声も聞かれる。「当時、桜庭の所属していた髙田道場はPRIDEとべったり。その点、猪木事務所所属だった藤田なら、猪木さえ口説けばなんとでもなる。総合格闘技の日本人スターとして、藤田に白羽の矢を立てたというわけです」(スポーツ紙記者) つまり、もし藤田の存在がなければ、’01年の猪木祭りから’03年以降の『K−1 Dynamite!!』へと続く大みそかの格闘技戦はなかったかもしれなかったのだ。★頭ひとつ抜けた驚異の格闘能力 しかしながら、そうした中で主役となるべき藤田は連続して不運に見舞われる。 最初は’01年8月に行われたミルコ・クロコップ戦。「当時の総合においてはレスリングや柔術のグラウンド技術こそが重要と見なされていて、総合初挑戦のキックボクサーであるミルコは単なる当て馬と見なされていた。K−1においても同年のGPでは1回戦敗退の中堅にすぎず、まさかミルコが勝つなどとはK−1側からして思ってもいませんでした」(同) だが、藤田を“看板”にしてK−1の総合路線をスタートさせようとの思惑は、あっさりと崩れ去る。「どこか相手を舐めていたところはあったのでしょう。藤田が単調なタックルを繰り返すうちに、タイミングが合ってしまった」(同) 終始優勢でいながらミルコの膝一撃で額を割かれた藤田は、TKO負けを宣せられる。 さらに、同年の大みそか猪木祭りの直前には、練習でアキレス腱を断絶。大みそかと翌年1・4東京ドームのメインの座を棒に振ってしまう。 ’03年には当時、絶頂期にあったエメリヤーエンコ・ヒョードルに敗戦。ただし、この試合ではパンチでぐらつかせる見せ場をつくっている。そんな日本人選手は藤田以外にはおらず、格闘能力の高さで頭ひとつ抜けていたことは間違いない。 48歳となった今もなお総合格闘技のリングに上り、’18年度は2戦2勝の成績を残している。「しかし、総合では絶対的な主役にはなれず、プロレスにおいてもそれは同様。IWGP王座3度戴冠は周囲の期待もあってのことでしょうが、プロレス的な振る舞いは若手時代から上達することなく、トップに定着できなかった」(同) 単に強いだけではスターになれないのは、プロレスも総合格闘技も同じで、これこそが興行スポーツの奥深さとも言えるだろう。藤田和之***************************************PROFILE●1970年10月16日生まれ。千葉県船橋市出身。身長182㎝、体重120㎏。得意技/肩固め、サッカーボールキック。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年12月11日 18時35分
フィギュアの新星16歳の紀平梨花が背負う「浅田真央の20億円負債」
16歳の新星・紀平梨花がフィギュアスケートのシーズン総決算ともいえるグランプリファイナルで優勝を遂げた。初出場初優勝は、浅田真央以来の快挙だ。 紀平への期待は高まる一方だが、スケート連盟、ならびにフィギュアスケートの関係者たちは“別の期待”も寄せている。「浅田ロスの負債解消」である。 「これまで、連盟は若手がシニアデビューするたびにエールを送っていました。『ポスト浅田』といわれた若手もたくさんいましたが、ようやくホンモノが現れました」(スポーツ協会詰め記者) 今さらだが、浅田が休養していた2014〜15年、そして17年の引退時、フィギュアスケートの興行収益は激減した。浅田が活躍していた13年は決算で47億円強の事業収益があったが、それに対し、最新の決算報告となる17年度は約28億円。「平昌五輪の開催されたシーズンなのに…」というのが、関係者たちの声だ。 「羽生結弦が故障のため、国内で行われた昨年の主要大会を欠場した影響と伝えられました。でも、五輪開催イヤーであり、ファンは『誰が代表になるのか』と興味を持って羽生欠場の大会を見守っていたはず。羽生がいないのは確かに痛かったのですが…」(同・記者) 「羽生がいないから」「浅田ロスのダメージが続いているから」などと言い続けていたら、改善は見込めない。連盟は紀平の大躍進で“甘え”からの脱却を目指し始めた。 「今後、大会関係者は紀平中心のピーアールに専念します。彼女への期待はもちろんですが、テレビ局や協賛企業への売り込みも凄まじいものがあります」(同) 紀平がフィギュアスケートを始め、浅田真央を見ていたのは小学生だったころ。テレビ中継があって、多額な放映権料が振り込まれる構図も、浅田時代からの話だ。 「浅田の時代が異常だったとも言えます。羽生は18年シーズンも故障でフル出場できませんので、期待が持て、お客が呼べるスケーターは紀平しかいません。かわいそうだけど、頑張ってもらうしかない」(関係者) 16歳で日本フィギュア界の屋台骨まで背負わされてしまった紀平。人気先行だった本田真凜の実力が伴っていれば、紀平の負担も少なかっただろうに…。
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スポーツ 2018年12月11日 17時50分
いよいよ佳境の台湾ウインターリーグ 今日にも1位が決定?
11月28日配信記事で取り上げた、「アジアウインターベースボールリーグ(AWB)」。そこからおよそ10日余りが過ぎ、気づけばレギュラーシーズンも残り3日となった。ここまで34戦が行われたリーグ戦が一体どのような状況となっているのか、1位争いとプレーオフ進出争いに注目して以下に見ていきたい。 まずは優勝争いについてだが、可能性があるのは「10勝4敗・勝率.714」の1位NPBイースタン選抜と、「9勝5敗・勝率.643」で追う2位CPBL選抜。成績を見ても分かる通り、両チームのゲーム差は「1」となっている。 僅差で競り合うこの2チームは、本日11日に最後の直接対決が予定されている。NPBイースタン選抜は、勝てばもちろん1位通過決定。一方のCPBL選抜も、望みを繋ぐためには敗戦の二文字は許されない。 なお、両チームはこれまで直接対決を3試合行っているが、その内訳は「1‐12」、「7‐6」、「7‐5」でNPBイースタン選抜の2勝1敗。NPBイースタン選抜はチーム防御率「3.05」(リーグ1位)を誇る投手陣が、CPBL選抜はチーム打率「.294」(リーグ1位)をマークする打線がどれだけ機能するかが勝負の鍵を握りそうだ。 一方、4位までが進出できるプレーオフ争いだが、前述の2チームは既に進出が決定。残る2枠を「5勝6敗2分・勝率.455」の3位JABA選抜、「4勝7敗3分・勝率.364」の4位KBO選抜、「2勝8敗3分・勝率.200」の5位NPBウエスタン選抜が争っている。 本日11日にはJABA選抜とNPBウエスタン選抜の試合も予定されているが、JABA選抜は引き分け以上でプレーオフ進出決定。試合が無いKBO選抜も、NPBウエスタンが負ければプレーオフ進出へ大きく近づくことになる。一方、逆転進出へ後が無いNPBウエスタン選抜は、なんとか白星をもぎとって他チームの取りこぼしを待ちたいところだ。 1位争いもプレーオフ進出争いも、いよいよ佳境を迎えているウインターリーグ。その結末が果たしてどのようなものとなるのか、泣いても笑っても残りはあと3日だ。文 / 柴田雅人
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